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2013年3月 1日 (金)

召喚

湿気を帯びた黒い地面に正円を描いた。
同心で四つ。外側の円に接するように小さな円を東西南北になるように配置する。
描いた線を踏み消さないようにして中心に移動すると、円と円の間に精霊文字を描き込んでゆく…

 

偶然手に入れた「魔法」の本…何故かそこだけ読めた「召喚」の魔法。
何が出来るか定かではないが、僕が奴らに復讐できる唯一の可能性にすがりついていた。

魔方陣を描いた樫の棒を陣の外に放り投げる。召喚の儀式の間、この身には一切の余分な物を持っていてはいけないと書かれていたのだ。
当然のように「服」も着ていない。下着も着けず、産まれたままの姿をしている。
もう一度「魔法」の本を見て暗記した呪文に間違いがないか確認する。
そして本も放り投げ、最後にメガネを外してこれも放り投げた。

真北を向き、呪文を唱える…

魔方陣の中心から煙が立ち上る。当然だが、陣の真ん中にいる僕は煙に包まれる。
何も見えなくなるが、呪文を唱え続けるのに支障がでることはない。
パチパチと閃光が瞬く。不気味な音が部屋の中に立ち込める。煙は部屋に充満していった。
「我、召喚せり!!」
そう呪文が締め括られる。
と、同時に静寂が訪れる。
すーっと煙が引いてゆく。
そして、一筋の光がスポットライトのように僕を照らしだした。

「んんっ、あ~あ♪」
両手を天に突き上げてノビをした。
が、それは僕の意思で行ったことではない。身体が勝手に動いているのだ。
それにこの「声」!?いつもの僕の声よりもかなり甲高い…まるで「女の子」の声だ。

「よく召喚してくれた。礼を言うぞ♪」
僕の口が勝手に女の子の声を紡ぎだす。
「そうか、そいつらに制裁を加えてやれば良いのだったな♪」
そう言ってピンと指を鳴らした。
目の前にゴシック調の飾り枠に嵌められた姿見が現れた。
(これが僕?)
想像はしていたが、僕の身体は召喚した悪魔に乗っ取られ、その姿が一変していた。
姿見の中には妖艶な女悪魔の姿が映っている。本体は僕と同じ年齢に見えるが、妖しい美しさに被われていた。
それは、彼女に悪魔の徴である角や蝙蝠羽、長い尻尾によるアンバランスさを消し去って余りある魅力があった。
「ほれ、このまま全裸ではそいつらの所にも行けないのだろう?
 お前の学校の制服はどういうのだ?イメージしてみろ♪」
姿見の中の写し出された「この」身体が着るのだ。当然、詰襟ではなく、女子の着るセーラー服の方だろう。
僕がそう思ったと同時に姿見の中の悪魔がセーラー服を着ていた。それは、僕自身がセーラー服を着ているということで、僕が女装しているということで、
とても恥ずかしいことだった。

いつの間にか足元の魔方陣は消え、部屋の中は明かりに照らされていた。
「さあ、行こうか♪」
と悪魔が僕を促す。
「復讐したいのだろう?わたしがそいつらに制裁を与えるには、そいつらに相対さなければならない。そいつらはどこにいるんだね?」
僕が知る奴らの溜まり場を思い浮かべると悪魔は足早に歩き始めた。

街を往く人々が皆僕に注目している。
流石に、角・羽・尻尾は隠しているが、これだけの美少女がズンズンと進んでゆくのは何事か?と気を曳かれるようだ。
悪魔は一切気にせずに、僕からの情報に従い奴らの溜まり場に突入してゆく。

「おぉ?何か用か?ココはお前さんのようなお嬢様が来るような所じゃないぜ♪」
僕はあっという間に奴らに取り囲まれてしまった。
「こいつらで良いのだな?」
悪魔は一人一人の顔を確認していった。それぞれに嫌な思い出が蘇る。
「間違いないようだな。では、これから制裁を加えてやる。」

「何をブツブツ言ってるのかな?でも、ソンなの関係ない♪こんだけマブい娘だ、十分に楽しませてもらおうぜ!!」
奴らの包囲が一気に縮まる。
一瞬のうちに僕は押し倒されていた。
「早速味見させてもらうぜ♪」
幾人もの手で僕は身動きが取れない。脚を持ち上げられ、大きく広げられた。
リーダー格の男が真ん中に陣取り、ズボンを下ろしてゆく。
どこからか現れたナイフでショーツが切り裂かれた。
「おお、綺麗なマンコちゃんだ。もしかしてハジメテか?」
リーダー格の男が舌舐めずりする。
「それじゃあ一気にイかせてもらうぜ♪ハジメテは痛いらしいが、コンなトコにノコノコやってきた自分の所為だかんな♪」
と、僕の股間に硬く勃起した逸物を突っ込んだ…
「いてーーーっ!!」
叫んだのは奴の方だった。
僕の腰を跨ぐように広げられた奴の太股に紅い筋が生まれていた。
「な、何だよ!?早く離れろ!!」
奴はそう言うが、誰も奴を強いてはいない。奴自らが僕の上に股間を押し付けているのだ。
奴が女なら、正しく騎乗位と呼ばれる体勢である。そして、今の僕にはペニスが生えており、奴を貫いていた。
これが悪魔の言う「制裁」なのだろうか?
「まだまだ。これからじゃ♪」

悪魔がそう言ったそばから、僕に跨がっていた男(?)に変化が現れた。
股間の痛みに首を振って耐えているが、その短かった髪が一気に伸び、髪を振り乱すようになる。
胸が膨らみ、シャツのボタンを弾き飛ばした。その胸を自らの手で鷲掴み、揉み上げ始めた。
体全体が少し縮んだようだ。丸みを帯び女の子の体型に近づいてゆく。
肌も白くしなやかなものに変化していた。厳つかった顔が愛らしい女の子の顔になる。
痛みに呻いていた声が、悦感に喘ぐオンナの声になっていた。

「あん、ああん♪モット頂戴ッ!!」
奴だった女の子がそう叫ぶと、一気に呪縛が解けた。
女の子は床に転がると、脚をM字に開いていた。僕を押さえていた男逹が彼女に向かう。ズボンを脱ぎちらかし、彼女に挑んでゆく。
「ああん、あ~~ん♪」
彼女が悦感の媚声を漏らす。男逹が代わる代わる彼女を犯す。
「あふん。はあ~ん♪」
良く聞いてみると、彼女とは違う媚声が混じっている。
男逹に組み敷かれている女体の数が増えていた?!

次第に女の数が増えてゆく。女の数が男の数を上回ると、今度は女同士で慰め会っている。
…そして「男」がいなくなる。
「「頂戴っ!!」」
「奴ら」であった女逹は、唯一の「男」である僕のペニスに殺到した。

「どうだい?奴らがお前の前に平伏しているぞ。ほら♪お前の好きにシてみな。」
「好きに…」と言われても、あまりの想像外の出来事が続いて、まともな思考ができない…
「咥えさせるもよし、おあずけするもよし。互いに殺し合わせ、最後に残った女に褒美として貫いてやるか?」
殺し…
僕は絶句するしかなかった。
「お前ならそうだろうな♪こいつらはこのまま放っておけば良い。」
僕は思考停止状態のまま、悪魔の言葉に従っていた。

 

その先には僕の学校の校門があった。
まだ、何かするのだろうか?
「いや、少々疲れた。わたしは少し休むが、お前は学生だ。ちゃんと授業を受けた方が良いぞ♪」
そう言って悪魔は気配を消していた。
僕は惰性のまま校門を通り越していた。いつの間にか手足の自由を取り戻していた。
「喋れるかな?」
思った事はちゃんと僕の口から音になっていた。

昇降口に着いた。
上履きに履き替えようとして、服が女子の制服を着たままである事に気付いた。
このまま教室に行けば「女装者」「おかま」のレッテルが貼られてしまう。
僕は人目を避けるように保健室に向かった。
これまでも何度も一人になりたい時にやってきていた。保健医も何も言わずにベッドを貸してくれる。
ドアを開けて中に入った。

誰もいない。

僕はいつものベッドに潜り込んだ。
暖かな毛布にくるまれると、一気に眠気が襲ってきた…

 

 

「彼女逹は単に記憶の混乱を起こしているだけです。何者かにレイプされた事は確かですが、自分逹でレイプし合うなんてあり得ません。彼女逹に付いていた精液はどこから出てきたのでしょう?彼女逹は生まれた時から女性ですし、現時点でもその肉体は年齢相応の健康な女性体です。」
カーテンの向こうから保健医の話声が聞こえた。
話の中に出てきた「彼女逹」とは悪魔=僕に女にされた「奴ら」の事だろう。その奴らが生まれた時から「女」だった?!
僕を虐めていた奴らは「男」の意識のまま、これから先、一生を生来の「女」として過ごさなければならないのだ。
まあ、これであれば僕の「復讐」として申し分ないだろう♪

後は、この先「悪魔」が僕をどうするのか…それは悪魔が再び目覚めてから聞けば良い。
(ふう)と小さく溜め息をつき、僕は再び眠りの中に落ちていった。

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