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2012年11月25日 (日)

俺はもう「兄」じゃない!!

俺はもう「兄」じゃない!!

「兄ちゃ~ん…」
情けない声をあげて後を追って来るのは弟の弘志だった。
「な、何度言ったら解るんだ?俺はもうお前の兄ちゃんじゃないんだ!!」

 

そう、一ヶ月前までは俺達は兄弟だった。
しかし、俺が高熱でぶっ倒れ、気が付いた時にはもう、俺は弘志の兄ではなくなっていたのだ。
既に広く知られるようになったが、不治の病であり、致死率が0%、男だけが罹る奇病…女性化熱…に冒され、俺は「女」になってしまったのだ。
俺の手の届かない所で、様々な手続きが進んでいた。戸籍も変更され、工藤雅之から工藤雅美という「女」になっていた。

「だから、姉ちゃんとか言えないのか?」
弘志にはそう言うが、俺自身未だ「女」である事を忘れがちだ。

 
勿論、肉体は「女」そのものであり、女物の服を着るしかなくなっている。膨らんだ胸にはブラジャーが必須だし、下もそれなりのものを穿いている。
外見は完全に「若い女性」である。若い女の身だしなみとして、化粧もし、耳にはイヤリング、首にはネックレスを付けている。
他人の前では、一人称を「あたし」に変えられるようにもなっていた。

が、俺は「俺」であり、頭の中まで「女」になった訳ではない。だから、弟と居るとついつい気が緩んでしまう…
だからと言って、うたた寝してしている俺に跨り「スキンシップ」と言う名目ではだけた胸の谷間にペニスを挟み込むような行為が許される筈もない!!

腹が立った俺は家を飛び出していた。
俺が何をしでかすか不安に駆られた弘志が後を追ってきた…のが現状だ。

 

だが、俺は何も考えずに家を飛び出した訳ではない(筈だ…)。少しでも精神的な安定を欲していたのだ(そう考えるしかない)。
俺にとっての精神安定剤は親友の柾木豊だ。彼の顔を見るだけで、気が楽になる。
彼と話を交わせば、問題は既に解決された気になる。
その腕に包まれたら、俺はもう何も考えられない。全てを彼に委ね、快感に身を任せ…

って、俺は何を考えているんだ!!
豊は俺の親友であり、今もって男同士の付き合いを続けていられる貴重な人材だ。
豊以外の奴等は、俺を「俺」として見てはくれない。奴等の視線は俺の胸の谷間か、スカートの奥を覗き込むようなものばかりなのだ。
少しでも近づけば、奴等の手は俺の胸や尻にチョットでも触れようと必死になっている。
男に触られて減るようなものではないが、相手が必死だと、こちらもそれなりに抵抗したくなるのが人情だろう?

だから、そんな必死さのカケラもない豊には、俺の方から腕に絡み付いて乳房を押しつけてみたりしたくなるのだ。

 

 
「あっ!!豊ぁ~♪」
と目の前に現れた親友に飛び付く。
「どうしたんだ雅之?弘志君に虐められたのか?」
「な、何で俺がガキの弘志に虐められるんだよ!!」
俺は豊の後ろから弘志にアッカンベーしてやった。
「弘志君、雅之が落ち着いたら送り届けるから。良いよね?」
「ゆ、豊兄ちゃんが言うならね…」
意外と弘志は豊の言う事を良く聞く。

 
「で、何があったんだい?」
弘志が帰った後、豊は俺を彼の部屋に招き入れた。
豊が机の椅子を引き出して、俺の真正面に座っていた。俺は豊のベッドに腰掛けている。
「弘志が…」と状況を説明しようとして、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。
何故か頬が熱い。真っ赤になってるに違いない。弘志のやった事をそのまま言えば良いだけなのに。
弘志が俺の胸に…挟んでいたんだ。って「…」は何だ?俺にも付いていたモノだろう?
オチ…ン……
だ、駄目だ。頭の中で言葉にする事もできなくなっている。

「どうした?」
豊の顔が目の前にあった。
「ヒッ、キャア!!」
思わず叫び声をあげてしまう。
距離を取ろうとすると、ベッドの上に倒れるしかない。
俺の上に豊が伸し掛かってくる…

 
豊と俺は男同士…ではない。男と女なのだ。男が女をベッドの上に組敷いている…そんなシチュエーションが展開されている。
つまり、俺が「女」で、組敷かれていて…この先の展開は?

…相手が豊なら…

俺の全身から力が抜けていった。
目の前に豊の顔がある。
あたしはゆっくりと瞼を閉じた…

 

「弘志君の事は解る気がする。何より、君達は兄弟だったんだ。姉弟の関係を築き直すのにもイロイロとあるんだと思う。」
いつの間にか豊は椅子に戻っていた。
弘志のコトなんて良いのよ!!さっきのあたしの「覚悟」はどうしてくれるの?
あたしは立ち上がった。
「そう?弘志の気持ちが解るの…男同士だものね?」
あたしは上着を脱ぎ捨て、ブラを外した。
「じゃあ、同じコトがシたいのよね?」
あたしは豊の前に膝を着いた。
ズボンのチャックを開け、パンツの中から豊のオチ××ンを引き出した。弘志がやったように、あたしの乳房で挟む…
豊が座っている姿勢では、やはり無理があった。ならば…
と、あたしはソレを口に咥えた。あたしの口の中で豊のオチ××ンが膨れて、硬くなってゆく。
「ひ、弘志君はそんなコトまでさせたのか?!」
違うヨ…と言いたかったが、口が塞がれている。そこで首を左右に振った。
「っあ!!止せ!!」
新たな刺激に豊のオチ××ン…ベニスが反応する。
面白くなり、舌や口蓋でもっと弄ってあげる。
「あ、ぁぁぁっ!!」
豊が声をあげると同時にペニスの根元が膨らみ、それが先端に移動してくる…
あたしの口の中に豊のセーエキが吐き出されていた。

ゴクリ

と飲み込んだ。
「今度はこっちよ♪」
あたしはスカートの下からショーツを脱ぎ取った。
スカートを捲ったまま、豊の膝の上に乗る。
まだ硬さを保っているペニスをあたしの膣口に導いていった。
「んあ…ぁあん!!」
多少の痛みはあったが、あたしは豊と結合することができた。あたしの濡れきった膣の中に豊のペニスがあった。
あたしが腰を振るとあたしの内で豊のペニスが蠢く。豊も気持ち良いみたいだ。

 
勿論、あたしも昇り詰めてゆく。
「ああん、ああん♪」
と艶声をあげて髪を振り乱す。豊の突き上げににどうしようもなくなる。
頭の中が快感に塗り込まれてゆくのも意識できていない。
ただ、快感を追い求め、快感に身を委ねていた…

 

 

気が付くと俺はベッドに寝かされていた。
そんな俺を豊が心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫か?」
そう聞かれ、何を心配されているのかわからなかった。

「ハジメテだったんだろう?」
そう…初めてのSEXだった。男なら「童貞卒業」と気楽に考えてしまう。
が、今の自分は「女の子」だった。「処女」ではなくなる…それは破瓜の痛みを伴っている。豊にその「証」を見られた?

「どうした?熱でも出たのか?」
俺は恥ずかしさに再び顔を赤くしていたのだろう…
「大丈夫。何ともないよ♪」
と上体を起こした。
スカートの裾が捲れ、太股が覗いていた。
豊の視線がソコに注がれている。
「エッチ♪」
「ど、どこがだよ?!あんなコトした自分は違うのかよ?」
「そ、それは…」
俺が口篭もると

「僕で良かったのか?」と豊
「豊だからだよ…」と俺

豊の腕が背中に廻り、俺を抱き締める。
豊の顔が迫り…
俺にキスをした。

豊の求めに応じて、俺も軽く唇を開いた。
差し込まれる舌に俺の舌を絡める。
唾液が混ざり合ってゆく…

 

 

「兄ちゃん。今日も豊兄ちゃんとデートなの?」
鏡越しに見ると、背後の弘志は笑っていた。
「どこかおかしい?」
化粧が変だったりしたのだろうか?俺はもう一度鏡の中の顔を確認した。
「そんなんじゃないよ。なんだかんだ言っても、もう兄ちゃんて呼べないよな…って思ってさ♪」
「な、何訳解らないコト言ってるのよ。時間がないんだからね。」
俺は化粧道具を仕舞うと、バッグを手に立ち上がった。
「行ってらっしゃい…姉ちゃん…」
弘志にそう送られ、俺は豊との待ち合わせ場所に向かう。

豊がバラの花束を手に待っていた。
そして…

 
「うん♪」
俺は…あたしは、豊のプロポーズに首を縦に振っていた。

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