« 俺はもう「兄」じゃない!! | トップページ | タダに釣られて »

2012年11月25日 (日)

雨宿り

空に雲が掛かってきた。真っ黒な雨雲だ。
降るのか?と思ったそばから、大粒の雨が地面を叩き始めていた。

俺は雨宿りできそうな場所を見つけ飛び込んでいった。
「いらっしゃいませ♪」と店員が迎えてくれた。

一息ついて周りを見ると、俺は選択の誤りに赤面するしかなかった。
そこはランジェリーショップ…女性用の下着を専門に扱っている店…だった。
「す、すいません。間違えました!!」
と回れ右する。
「構いませんよ♪雨が上がるまでゆっくりしていきませんか?」
ドアの外は「豪雨」になっていた。
「この雨ですし、この近くには雨宿りする場所もありませんよ。」
そうは言われても、コレでは目のヤリ場に困る。
「他にお客様はおりませんし、この雨ですから。しばらくは貴方独りですよ。気にすることないですよ♪」
「い、いや…別にそんな訳では…」
「良い機会ですから、女性の下着について知識を広めては如何ですか?」
彼女の話を聞いていれば幾分かは気が紛れた。…話の中身は女性用下着の話だったが…
ブラ・ショーツに始まり、3in1・ボディースーツ・レギンス・キャミソールなど多岐に渡っていった。

「で、ブラジャーの正しい着け方って知ってる?」
と聞かれた。昔、お袋がやっていたのは、胸の前でホックを止め、半周させてストラップを肩に掛けていたと記憶している。
「当然それはNGね。着け方を教えてあげるわ。」
と上半身を裸にされていた。
「先ずはストラップを肩に掛けて…」
何故か俺は彼女の指示に従っていた。
「前屈みになって、カップの中にバストを納める…」
俺の胸がカップの中を満たしている。
「フックを止め、ストラップの長さを調整する…」
フックを止めるのは彼女にやってもらった。
「脇から余った肉をカップの中に寄せれば、バストアップになるわ♪」
視線を下ろすと、目の前にブラに包まれたバストがあった。立派な谷間ができている。
「お揃いのショーツがあるから、下も替えてしまいましょうか?」
手際良くズボンが脱がされていた。トランクスが剥ぎ取られ、ショーツが穿かされる。
「お尻のお肉も整えてあげるとセクシー度がアップするわね♪」
とショーツの中に手を入れ、尻たぶの肉をシューツの中に引き込んでいった。
「次はキャミね。これならアウターにしても良いわね。…被るんじゃないの。穿いてみて♪」
脚を通し、引き上げてストラップを肩に掛ける。
次にはレギンスを渡された。
仕上げに前掛けのように巻きスカートが着けられた。
「これなら外に出れるわね♪雨も上がったことだし、このまま帰りますか?」
えっ!!
男がこんな格好で??

今まで気が付かなかったが、俺の横に姿見があった。
そこに写っているのは、多分「俺」なのだろう…だが、その姿はどう見ても若い女性にしか見えなかった。
「何も問題ないでしょ?…っあ、靴を用意してなかったわね。これをどうぞ♪」
とハイヒールが差し出された。

履いてみる…背筋がピンとして気持ちが良い。
このまま街を闊歩したくなる。
「じゃあこれを♪」
お店のロゴの入った、大きなトートバックが渡された。
俺はそれを肩に掛けると、店のドアを開けた。

「っあ♪虹だっ…」
青く澄みきった空には綺麗な虹が掛かっていた。

« 俺はもう「兄」じゃない!! | トップページ | タダに釣られて »

コメント

こんなお店があると、奈落さんのとこに来る読者の方たちが押し寄せてしまいそうですね(^^)

楽しく読ませてもらいました。
これからも楽しみにしています!!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 雨宿り:

« 俺はもう「兄」じゃない!! | トップページ | タダに釣られて »

無料ブログはココログ