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2012年9月30日 (日)

「指輪」(前篇)

飲み会が終わり、深夜の繁華街脇のアーケードをぶらついていた。
車の侵入が禁止されている区間なので、シャッターを下ろした店の前で、若者達がシートを広げ手作りのアクセサリー等を並べていた。
若い女の子達がヒヤカシている。

そんな中にサラリーマンの酔っ払いおじさんが入り込んでゆくと、女の子達の厳しい視線が突き刺さってくる。
それを無視してシートに並べられた品々を見てまわっていた…

 
(ん?!)

俺の目が止まったソレは、何の変哲もない「指輪」だった。
「変哲もない」とは言っても綺麗な石を填めた指輪は、ごく普通のサラリーマンが指に着けるには向いていない。
が、何故か俺はそれを自分の指に填めたくて仕方なかった。

「お買い上げになりますか?」
売り子は長い髪の女だった。アクセサリーの店ではなく、占いの店を開いてもおかしくない雰囲気があった。
「いくら?」
「千円です」
俺は自分の財布の中身を思いだしていた。コレに千円が高いか低いかと言ったら、填められた石だけでも桁が違う気がする。
都合良く、財布の中身にも余裕があった…

 

 
気がつくと、いつの間にか俺は、アパートの自分の部屋の中に立っていた。
ポケットの中を探ると、アノ指輪があった。
(財布の中からは確かに千円が消えていた)

買ってしまったのか…

別に後悔しているようではなかった。
俺は手にした指輪をシゲシゲと眺め…そして…それを、自分の指に填めてみた。

一瞬、フラッシュが焚かれたように辺りが真っ白に輝いたように見えた。
フラリとバランスを崩す。
踏ん張ろうとしたが、足に何かが纏いついていて、更に体勢を崩した。
手を伸ばし、机に支えを求める。
ガッ!!
と机が音を立てたが、何とか俺の体を支えてくれた。
フニッ!!
二の腕に何かが押し付けられていた。
(何?)
と意識が腕に集中する。が、見えたのは俺の胸が自分の腕に押し付けられている様子しかなかった。
確かに胸からも、腕に触れている感覚が伝えられている。
(…って、何だこの膨らみは?!?!)
俺の二の腕に押され、形を歪めているのは、どう見ても女性の…おっぱい…にしか見えない。
それに、服…俺は極普通のサラリーマンのスタイルをしていた。丸首Tシャツの上にワイシャツを着、ネクタイを締めていた。
が、今着ているのは、ワイシャツよりも柔らかな生地の「ブラウス」というものではないか?胸元を飾っているのはネクタイではなく、リボンのようだ。
ブラウスの下には、たわわな乳房を包み込むように、ブラジャーが着けてあるようだ。

上半身だけではない。
ズボンではなく、スカートを穿いていた。OLらしいタイトスカートが俺の足の行動の自由を奪っていた。
スカートの下にはパンストが穿かされている。勿論、靴下等は穿いていない。

耳元でチャラチャラ音がするのは、イヤリングが着けられているからなのだろう。
当然、化粧もさせられているに違いない。実際、唇には口紅が塗られていることは唇を舐めて確認できた。

体勢を立て直す。
振り返ると玄関があり、革靴やスニーカーが並べられている所に、パンプスと女物のサンダルが並んでいた。
(もしや…)
と寝室に向かう。
布団やカーテンが女性の部屋らしく、ピンク色を主体としたものになっている。
クローゼットの扉を開ける…
数着のスーツが掛かっていただけのクローゼットがカラフルな衣装で詰まっていた。
ワンピースにスーツ、ブラウスにスカート。スカートも様々な丈と色・柄が揃っていた。

(何でこんな事に…)

原因はあの指輪しかない。俺は自分の?(女のように白く、細く…爪にマニュケアの施された…)指に填められた指輪を掴み、引き抜いた…

 

再び、軽い眩暈な後…見ると、そこは「俺」の部屋に戻っていた。
服も元通り、化粧もしていない、普段通りの「俺」がそこにいた。

「原因」と「結果」は判った。「プロセス」は今は重要ではない。
「何のために?」
…などを、今ここで突き詰めてどうにかなるものでもない。
明日も仕事はあるのだ。今は即に風呂入って寝た方が良いに決まっている。

 

着ていた服を脱ぎ、風呂場に入った。
(!)
そこで悪戯心が目覚めた。
俺は一旦部屋に戻ると、机の上から外した指輪をもってきた。
全裸で洗面台の前に立ち、鏡を見ながら指輪を填める…

一瞬後

鏡の中に全裸の女性が写し出されていた。
「…これが…俺?」
そう発した俺の声もまた女の声になっていた。
ダークブラウンのショートヘア。既に化粧は落としているのに、ぱっちりと大きな瞳が印象的だった。
ぷりぷりと官能的な唇が軽く開かれ、中から愛らしい舌先が覗いていた。

が、鏡の中の女に見とれているだけでは話にならない。
俺は擦りガラスの扉を開け、洗い場に踏み入れた。
腰掛けをタイルの上に置き、その上に座る。手桶で湯船からお湯を汲み取り、体に流す。胸元を流れ落ちる水流がいつもと違う…
次に、スポンジに石鹸を付け泡立てる。いつものように、先ずは腕に、それから背中から胸へと石鹸を付けてゆく。
胸の膨らみに沿ってスポンジを撫で付け、谷間から頂きに向かい滑らせる感触は「男」では味わう事はできない。
「男」との違いはもう一箇所…
スポンジで腹の上にのの字を描き、その下へと延ばしてゆく。
障害物もなく尻の側に達する。今は、敏感な部分に刺激を与えないようにして、体全体を泡で包んだ。

シャワーで石鹸を流すと湯船の中に身を沈めた。体をリラックスさせ、掌を太股の内側に滑り込ませてゆく。
中指が袷せ目を捉えた。そのまま筋に沿って指を這わす…
ゴクリと唾を呑む
全神経がソコに集中していた。

指先に力を入れ、ゆっくりと曲げてゆく。中指の先が沈み込んでゆく…
俺は異物が胎内に侵入してくるのを感じた。

更に奥へと送り込む。指は根元まで入り込んでいた…
(本物のペニスはもっと太い…それがコのナカに入るんだ♪)

「ぁあん♪」
思わず艶声がでてしまう。
指先が膣の中の敏感なトコロを刺激したようだ。

俺は指を動かし、快感に身を任せた。
「んあん♪ああぁん♪」
甘い吐息が続いてゆく。
お湯ではない、別の液体…愛液…が指に絡まる。

 
が、快感はそれ以上に高まろうとしなかった。
「イク」には程遠いと感じる。その前にのぼせてしまいそうだ…
一旦風呂から上がり、体を拭いてからベッドに向かった。
(確かココに…)
オナホが置かれていた場所にはバイブがあった。スイッチを入れるとウネウネと卑猥な動きを始める。
既に、充分濡れているからローションは不要だ。ベッドに上がると脚を開き、秘洞に挿入してみた…


指で慰めるよりは高い快感が得られた。が、それまでの事。
やはり「イク」事は出来なかった。
ヤり疲れ、俺はそのまま眠ってしまっていた。

 

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