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2012年9月30日 (日)

自動航行の間に…(2/4)

 
ピピピピ…

警告音が鳴っていた。
甘美なまどろみの中から引き戻される。
俺は未だ、オーナーのペニスに貫かれ、女のようにヨガリ声を上げていた。
「非常事態です!!放してくださいっ!!」
俺は強引にオーナーとの結合を解き、立ち上がるとそのまま操縦室に向かった。

メイド服のスカートが邪魔だったが、何とかシートに座り込んだ。
尻の穴から、オーナーの精液が滴り落ちてくるのが物凄く「不快」であったが、この警告音の中では何も言えない。
コンソールを見ると前方に無数の物体が浮遊していた。
通信が届いていた。
連邦軍の識別がある。
急いで通信を開いた。
>ここは連邦軍の訓練宙域に設定されている。ただちに進路を変更しろ。このまま直進するとスパイ行為と見做し、命の保証はしない!!
>繰り返す…

「すみません!!即、反転させます!!」
俺は通信機に向かい叫んでいた。
>おや、お楽しみの最中でしたか♪すみませんね、お嬢さん。我々もこれが仕事なんで。

彼の誤認識を訂正するのももどかしく、俺は自動運転モードを解除すると回避行動を取った。
>ご協力ありがとうございます。どうぞごゆるりと続きを楽しんでください♪
と通信が切れる。

多分、彼は俺の事を「女」だと思っているだろう。「お楽しみの最中」は否定できないが、俺はその続きをしたいとは思っていない。

「何があったんだ?」
再びオーナーが操縦室に上ってきた。
「もう少しで連邦軍の戦艦の砲口に突っ込む所でした。ですから、自動航行装置には頼…」
「ハッハッハ。この艇の装甲の強さを試してみたかったな♪」
「な、なにを言ってるんですか?仮にも正規軍の戦艦ですよ。その火力は…」
「まあ、あとはよろしく頼む。早く降りてきて続きを楽しませてくれ♪」
言うだけ言ってオーナーは降りていった。

(軍の訓練宙域の情報が取り込まれていなかったのか?)
俺は艇のデータバンクから航宙図のメンテナンス記録を呼び出してみた。
(???)
俺が乗船する一年半前までは、ちゃんと更新されていた。が、更新者がコロコロと変わっている。つまり、このオーナーの元では長続きしないと言うこと。
そして、中にはちゃんと更新している奴もいるが、多くは航宙図も更新しないいいかげんな奴だったようだ。
(いずれは航宙図の全面洗い替えをしなければならないな)
とは言っても、航行中にそれをやるのは自殺行為でしかない。どこかの停泊地に投錨してからにしたい。
(信頼の置けない)航宙図で最寄りの停泊地を探した…

「オーナー。先程のゴタゴタで航路のロスが大きく、燃料が心もとないので近くで補給します。」
と声を掛けた。
現状ではできる限り操縦席を離れたくない。
オーナーへの報告ついでにシャワーを浴び、着替えをしたい欲求に駆られるが、洗顔シートが入っている小袋と下着の替えを持って操縦席に戻っていった。

>こちらアルカノSA管制です。船籍の提示をお願いします。
「ああ、宜しく。こちらのデータを送ります」
管制官の指示に従い、この艇の船籍を報告すると、入港指示が返ってきた。
>で、その制服は雇い主の趣味?女性パイロットって個性的な方が多いでしょう♪でも、どちらかと言うと露出度が高くなるみたいよね?
「それに答えないといけないのか?」
>あ、いえ。そんな事はないわよ。管制なんかしてると、野郎の相手ばかりで…貴女みたいな普通の女性と出会えたので、お話ししたくなっちゃったの。
(童顔にこの服じゃ、だれもが俺の事を女と勘違いするようだな…)
>ねえ、その船が入港した後、あたし非番なんだ。よかったら港の中を案内してあげたいんだけど♪
「取り敢えず、質問への答え。この服は雇い主の趣味に間違いない。そして、一つだけ訂正してくれ。こんな服を着てはいるが、俺は男だ。女ではない。」
>…男?…嘘、ありえない。それなら、尚更会ってみたいわ。15時には入港できてるでしょう?15時半にハッチ前で待ってるわ。
「な…こっちにも用意がある。そんなに早くては何もできない。」
>じゃあ16時で良いわよ…っあ、次の船が来たみたいだわ。仕方ない、相手してあげますか。じゃあね♪
と、管制官との通信が切れた。
何が起きたのか訳が解らないまま、俺は操船に意識を戻していった。

 

指定されたスポットに接舷する。
燃料の手配を済ませ、オーナーに接舷の報告をしに行くと
「ちょいと出かけてくる。出港は2日後とする。それまでは自由にして構わない。」
と、オーナーはソクサクと艇を降りていった。

俺は部屋に戻りメイド服を脱いだ。そして、ようやくにシャワーを浴びることができた。
隅々まで洗い流し、スッキリとする。洗いたての船内着を着た。
汚れたメイド服は、そのまま廃棄した。(どうせオーナーが別のコスチュームを用意している筈だ)
コーヒーを淹れ、一息ついてから操縦室に戻る。
航宙図の洗い替えに取り掛かる。2日の猶予があれば、小細工せずに完全洗い替えができる。指示を与えれば、後はやる事もない…
艇のハッチの外に誰かいるようだ。
時計を確認する。16時だった。あの管制官の女性に違いない。
俺は艇のセキャリティの設定を確認すると、操縦室を後にした…

 

 

「本当に男の人なんだ♪」
「ああ、アレはオーナーの趣味だ。俺自身はスキ好んでやってる訳じゃない。」
「ふ~ん、そうなんだ。」
「疑ってるようだが、俺は金の為に仕方なく…」
「で、先ずは疲れを揉みほぐさない?」
結局、俺な彼女のペースに合わせるしかなかった。

全裸になってのマッサージはかなり気分が良かった。体に塗られたローションから立ち上る香りが、精神もリラックスさせる。
いつしか眠ってしまっていたようで、気がつくとリクライニングのイスに座らされていた。
何かが顔に塗られていた。
艇で女装する時に化粧をさせられていたので、顔に何かを塗られる事に抵抗感がなくなっていたようだ。
筆が唇を描くのを感じ、ようやく俺が化粧させられているのに気づいた。
「イスを戻しますね。」
スタッフの声とともに上体が起こされる。正面には鏡があり、この店に入って即に着せられたガウンを纏った「俺」が写しだされる…
が、その顔は完全に「女」の顔になっていた。

「思った通りね♪ちゃんとすれば、物凄い美女よね。」
俺をここに連れ込んだ張本人が、そのような感想を述べる。
確かに「美女」の部類に入るが…
「マッサージだけじゃなかったのか?」
「ちゃんとエステしたらどうなるか見てみたかったの。じゃあ、コレに着替えてショッピングにでも行きましょうか?」
と、俺の目の前に女物の服をヒラヒラさせる。
「俺の服はどうした?」
「船に送っておいてあげたわ。コレが気に入らないなら、併設のブティックで選んでね。ココはあたしのオゴリにしてあげるから♪」
彼女の目が笑っている。厭な予感…
「勿論、女物しかないわよ。それも、エステの効果を強調するようなフェミニンなものばかりね♪」
厭な予感は外れる事はない。
「わかったよ。ソレを着るから。」
結局、彼女のペースでコトが進んでゆく。

 

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