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2012年6月18日 (月)

COPY(後編)

気が付くと、俺は制服を着てテーブルの椅子に座っていた。
目の前には暖かな紅茶と食べ欠けのクッキーがあった。
「写真を撮るなら、どんなポーズが良いかしらね?」
彼女は仕切りのカーテンの前に立っていた。
「ポーズなんか要りません。そのまま立っていてくだされば…」
いつの間にか、俺の手にはカメラが収まっていた。そのままファインダーを覗き、レンズを彼女に向ける。ズームを調整し、ピントを合わせる。
カチャリ
とシャッターが音をたてた…

「ありがとうございました。」
俺は頭を下げて彼女の部屋のドアを開ける。
「今度は素顔の貴女とお会いしたいわね♪」
と彼女
(素顔って言っても、今の俺は化粧なんてしていないよ?)
ふと疑問に思ったが、3歩程歩いて俺が「水沢瞳」でない事がバレていた事を思い出した。
振り返ったが、彼女の部屋のドアは閉ざされていた。
俺は霞の掛かった記憶を呼び戻そうとしたが、全てを思い出す事はできない。部分部分をつなぎ合わせて再構成を図る…

ジュン!!
と股間に溢れるモノがある。何か性的な経験をしたと言うのか?頭より体の方が憶えているようだ。
が、これ以上思い出そうとすると、この先の行動に支障を来たしかねない。先ずは依頼分の現像からだ。
俺はカメラを鞄に戻し、アジトに向かった。

 

「皮」が出来上がった。
あの「女」の皮の筈だ…が、その皮には女性には存在しない筈のモノが付いていた。
ペニス…
俺の頭の中に掛かっていた霧が晴れてゆく。あの時の光景が鮮明に蘇る…
俺はベッドの上で「これ」に貫かれ、快感に悦び悶え、痴態を晒していた。
女のように嬌声をあげ、膣に放たれた精液にイかされたのだ。

気が付くと、俺はスカートの中に手を差し入れていた。
ショーツの中はしっとりと濡れている。俺のソコはすっと差し入れた指を咥え込んでいた。
「ぁあん♪」
快感に媚声が漏れる。
あの時の快感が蘇る。
俺はブラウスのボタンを外し、空いた手でバストを揉みあげた。

快感が再びやってきた。
が、あの時の快感には程遠い。
(何が違うか?)
答えは明確だった。
俺の肉体は「男」に貫かれたいと欲しているのだ。
(俺は何を考えている?)
俺は「男」だ。女を犯す側であり、決して犯される側ではない!!
しかし、肉体はソレを望んでいた。膣壁をヒクつかせ、早く挿れて♪と喚いている。
俺は何を望んでいるのだ?
そもそも、アジトに戻った後「水沢瞳」の皮を脱ごうとしなかったのは何でか?
俺がもう一度…いや、これから先の何度でも、アノ快感を得たいと欲していたというのか?!

…否定はできない…
薬を盛られての体験であったが、ハジメテが気持ち良過ぎた…
目の前にあるのは「皮」に過ぎない。が、俺は近づくと、萎えたペニスを口に咥えていた。
いくら刺激を与えても「皮」のままでは勃起する訳はない。が、俺は必死になってペニスを咥え続けていた…

 

俺は何度も太くて硬いペニスに貫かれているのを想像し、実際は自分の指で犯しながらイき続けた。
朦朧とした意識が(こんな事は止めろ!!)と叫んでいるが、指の動きは止まる事はなかった。
そんな中で、突然鳴り出した電話が、俺の意識を現実に戻してくれた。
「皮は出来たかしら?」
相手は水沢瞳本人だった。
「ああ、出来てるぞ。」
女の声で男言葉を喋ると違和感がある。
「じゃあ、即にもって来てちょうだい。貴方、まだあたしの皮を被っているようね?都合が良いわ♪そのまま、あたしの姿でお願いね。」
と一方的に通話が切られた。
俺は「皮」を綺麗にして小さく折り畳んだ。何とか鞄に入ったが、カメラは置いていくしかないようだ。
肩から外れたブラの紐を戻し、ブラウスのボタンを止めてゆく。濡れた股間をティッシュで拭ったが、パンティは濡れたままで穿かざるをえない。
スカートにヨゴレが付いていないか確認し、穿き直した。

 

「この服に着替えてくれないかしら?」
「皮」を渡すと彼女は微笑みながら紙袋を渡してきた。
「報酬以上の役得を得たのでしょう?もう少し付き合ってもらうわよ♪」
示された衝立の裏側で紙袋の中のものに着替えた。下着も新しいものに替えられたので気分は悪くないのだが…
これは、所謂ゴスロリと言われるコスチュームであった。
「水沢瞳」がこういう服を着るとは思えなかったが、今は彼女の言うことをきくしかない。

「着たぞ。」
と衝立の影から出てゆく。
そこには「彼女」がいた。瞳が「皮」を被ったのだろうが、男装姿の「彼女」は様になっていた。
「貴方も犯られたクチね?あたしは薬を盛られたのが判って即に逃げ出していたわ。」
俺の視線は自然と彼女の股間をさまよう。そこには俺を貫いたのと同じペニスがあった。
「終わったらいくらでも犯ってあげるわ。だから、しばらくはちゃんとあたしの代わりをして頂戴ね?」

 

俺が瞳に連れられてきたのは、かなり立派な建物だった。
「先ずは金庫から必要なモノを出してこなければね。」
と勝手知ったるでどんどん奥に入ってゆく。IDカードだけではなく、指紋などの生体認証も難なくクリアしてゆく。
そして、最後の部屋のロッカーの中から一束の書類を取り出した。
「これで彼の事を気にする必要はなくなったわ。」
「彼って…」
「今のあたしね。そして、あたしの実の兄…何を狂ったか、女子校の奥で犯りまくりの毎日。両親の遺産の事など何も考えていないのよ。」
彼女が水沢瞳の「兄」とは…
「この書類さえあれば、全てをあたしが自由にする事ができる。もう彼女に遠慮する事もないのよ♪」
「そんなに簡単にいくものなのか?」
「普通に考えれば無理でしょうね。でも、あたしにはこの皮があるのよ。しばらくはあたしが水沢大輔として活動できるわ。」
「まあ、後はあんたの腕次第という所ね。仕事が済んだあたしが心配することでもないわね。」
「そうなんだけど…もう少しおシゴトを続ける気はない?報酬もだけど、もっと良いコトをシてあげるわよ♪」

 
   ……………
 

数年の後、時代の寵児「水沢大輔」が突然に引退を発表した。後継者は彼の実妹の「瞳」であった。
かねてより大輔が傀儡であると噂されていたのを裏付けるかのように、妹は兄の手腕を引き継ぎ、更に拡大していった。

そんな報道の裏で、あたしは新しい皮を作っていた。それは、単なるコピーではない。特別な「加工」を施している。
被るのは「瞳」本人だった。
あたしの「瞳」は高校生からまったく成長していないが、今度の「瞳」は美しく成長した「大人」の瞳だ。
「皮」を被った彼女はこの美しい姿を何年もとどめておく事ができる。
それは女性としての欲望でもあったが、彼女はこれを武器として考えていた。
彼女は、その肉体は「女性」であったが、内面は「男性」なのでは?と思うことがある。
この数年「大輔」として活動することに何の違和感もなかったからだ。
そして今、本来の姿に戻っても同じように行動している…

 

あたしは「家」で瞳の帰りを待っている。
それは、彼女が「大輔」だった時と変わりはない。疲れた彼女を癒してあげるのがあたしの「仕事」だ。
帰ってきた彼女と寝室に向かい、彼女の戦闘服であるスーツを脱がす。ブラウスも脱いで下着姿となった彼女の前に跪く。
ガードルの裏側で「彼女」が待ち切れなくなっているのがわかった。
下着を外してあげると、そこには硬く勃起したペニスがあった。
彼女が「大輔」であった時と同じに、あたしはソレを口に含み「奉仕」を始める。やがて興りを迎えたペニスから精液が放出される。
あたしがそれを全て飲み込むと、今度はあたしの服が脱がされる…全裸になったあたしはベッドに移され、その上に彼女が伸し掛かってくる。
勿論、彼女の股間は完全に復活している。既にあたしの股間も十分に濡れている。
彼女は一気にあたしを貫いてゆく…

「あ、ああああ~~♪」
寝室に嬌声が響き渡る。
ベッドの上では同じ姿の女が絡み合っていた。姉妹ではない。
昔の写真を見るかのように、すこしばかり年齢が違うがどちらも同じ人物である。
過去と未来が入り交じり、そこでは淫靡な饗宴がいつまでも繰り替えされていた。

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