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2012年6月18日 (月)

侵入(1)

俺は他のPCで稼働するバーチャル空間に侵入するプログラムを完成させてしまった。

「バーチャル空間」とは、自分に好きな「夢」を見させるソフト=バーチャル・ドリームがPC上に展開する「夢」のストーリーが展開される舞台=ステージである。
そこに侵入するという事は、その所有者がどのような「夢」を見たがっているかを垣間見ることができるという事だ。

俺がこのプログラムを作ろうとしたのは、俺が想いを寄せている女の子が、俺の事をどう思っているのかを知りたい…という所から始まっている。
はたして、彼女の夢の中で「俺」はどのように描写されているだろうか?

 
   ……………
 

とは言っても、最初から彼女の夢に侵入するのは躊躇われた。
最初の実験台として、俺は親友のマサシの夢を覗いて見ることにした。
当然の事だが、バーチャル・ドリームは若者の間で流行っていて、マサシも彼女も常用している事は確認している。
勿論、彼等のPCへのアクセスコードも解析済みだ。
俺はマサシのPCを指定して、彼のバーチャル空間に潜り込んでいった。

そこはマサシの部屋だった。奴は呑気にも夢の中でもゲームに興じていた。
現実世界と全く変わらない世界がそこにあった。
(何が楽しくてこんな夢を見たいのだろうか)
俺が奴が興じているゲーム画面を見ようと近づいた途端
グルリ
と奴が振り向いた。
「おお、リョーイチか♪待っていたぜ。」
とコントローラーを置いて立ち上がった。
(?)
やはり、現実世界と同じようだが夢の中では違いがある。
マサシは俺より若干背が低い。そこにコンプレックスを持っていたのだろう。ここのマサシは俺より頭ひとつ以上高くなっていた。
「早速ヤろうぜ♪」
と俺を抱え上げる。体力的にもコンプレックスがあった…と判断するのは早計だった。
その抱き方は所謂「お姫様だっこ」だった。その先にあるのはマサシのベッドだ。
その上に落とされる。
現実とは違い、クッションが効いていて痛くはなかったが…
「キャン♪」
と、俺は女の子のように叫んでいた。
(女の子?)
マサシの背が高くなり、俺を抱えられる程逞しくなったと考えるより、俺の方が女の子並みに小さく・軽くなったと見た方がよい。
改めて自分の体を見てみる。
普段は着る事のない、パステル調の明るい色の服を着ている。胸元にヒラヒラした飾りがあった。
ズボンは穿いていないが、腰から下を覆うように布地が纏わり付いている…
ふと脇を見ると、現実世界のマサシの部屋には存在しない、大きな鏡が据えられていた。
そこに写っているのが「俺自身」である事を直感した。
スカートを穿き、パステル色の上着を着ている。胸元に飾りのある女物のデザイン。
その飾りは、胸の大きさを強調している… 俺は「女」だった。

「好きだーっ!!」
マサシが飛び掛かってくる。
(お、おい?!マジか??)
俺自身は拒絶しようとするが、体が動かない。マサシの手がスカートの中に入り、パンツに手を掛ける。
グイと引き下ろし、片脚から引き抜く。もう片方の足首にパンツが絡まる。マサシはその脚を抱えあげた。
いつの間にかマサシの下半身が剥き出しになっていた。その股間には勃起したペニス…
俺は今「女」で、ベッドに組み敷かれている。何をされるかを想像するに難くない。
「や、やめて…」
思わず涙目になる。
「リョーちゃん♪可愛い過ぎるよ!!」
とマサシ。そして、一気に俺を貫いてきた。

「あん、ああ~ん!!」
襲ってきたのは痛みではなかった。
強烈な快感に全身が揺さぶられ、思わず嬌声をあげてしまった。
マサシが腰を揺すると、刺激を受けた俺の女性器がえもいえぬ快感を発して止まない。
「ああん、あん♪ああ~ん!!」
マサシの動くリズムに合わせて、俺は艶声をあげつづけた。
快感は蓄積され、どんどんと俺を高みに昇らせてゆく。
その頂に達した時、俺はイッてしまうのだろうか?
だが、一向に頂は見えない。快感だけが拡大してゆく。それは「男」が体験するには過剰過ぎた。
俺の感覚はオーバーフローし、そして意識を失っていた…

 

 
気がつくと、そこは自分の部屋だった。安全装置が働いたか、俺はバーチャル空間から抜け出していた。
流石に精神的ダメージは大きい。今夜、もう一度バーチャル空間に侵入する気力は皆無であった。
俺は、そのままベッドに転がり込んだ。
現実世界のマサシのベッドと同じくらいの固さがある。もし、現実世界でマサシに迫られたら、俺はどうしていただろう?
「男同士」でそういうコトをする事がある事は聞いた事がある。が、自分がそう言う立場に立つことは想像したことがなかった。
いくら俺が女の服を着た所で「男」の肉体のままである事を変えることはできない。
全裸になってしまえば、何の言い訳もできない。
それでも、俺はマサシを受け入れる事ができるのだろうか?

…ソの場所に指を這わせていた。
男の股間は難く閉ざされている。強引に開くには手術しかない。
しかし、その先に代わりとなり得るモノがあった。
男性にもある胎の奥につながる穴…
しかし、その先には子宮は存在しない。それは腸につながっている。
「男同士」の場合にはソコを使う。男女でも女性のソコを使う趣味の人もいるらしい。
はたして俺もソコから快感を得る事ができるのだろうか?
俺の指が穴の中に入ってゆく…マサシのバーチャル空間での恥態を思い出す。
「あ、ああん♪」
実際に媚声を出したのではないが、俺の耳には「女」の俺があげた媚声が聞こえていた。
(気持ち良いか?)
俺は女の「俺」に問い掛ける。
「あうん♪ソ、ソコよ。ぁあん、イイ…」
女が快感に身悶える…
否、悶えているのは俺自身だ。「男」の俺の手で弄られて快感に媚声をあげている。
…俺は「女」だった。

 
「どうだ♪俺のテクニックは?」
「男」の俺の指が突きあげる。
(マサシに犯られた時の方が気持ち良かったかも…)
とは思いつつも
「ああん♪イイわ…」
と返してあげる。
それでも「快感」は蓄積されてゆく。時間を掛けて頂を目指す。
快感の頂に近づいているのは確実だった。疼きが「俺」の指を求めて止まない。部屋が嬌声に包まれてゆく。
「あんっ!!ソコッ!!」
指がボイントを捕らえていた。
「イ、イクゥ~、イッちゃう~~!!」
俺はそのまま、意識を失っていた…

 

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