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2012年6月18日 (月)

レイヤー(前)

「ハルナちゃーん。こっちお願い♪」
僕は声を掛けられた方に向かいポーズを取った。
シャッター音が集中する。

しかし、僕以上にひっきりなしに声が掛かるのが相方のアキトだった。
勿論、声を掛けてくるのは可愛い女の子ばかりだ。

 
ここはコスプレ会場だ。
僕は天地晴也、相方は親友の野上秋人。もう何回目の参加になるのだろうか?
「今、モテるのはレイヤーだ!!」
と、秋人が唐突に思いついた。当然の事ながら僕も巻き込まれる。
二人してRPGの勇者っぽい格好で参加してみた。

会場の比率はやはり、女の子の方が多く、それなりにモテていたようだ。
それに気を良くしてか、秋人はどんどんコスプレにのめり込んでいった。

秋人は勇者のコスプレをとことん追求していった。
独自のキャラ設定を行い、僕らは「秋人&晴也」から「アキト&ハルヤ」となった。
僕の方はその時々で、相棒であったり、従者であったり…
(一度、アキトの師匠という設定でやったが、僕にフケ役は重すぎたようだ。)
そして、勇者とのペアで見栄えが良いのは…という事で、女装したところ無茶苦茶ウケが良かった。以降、僕の方は女役が定着してしまった。
いつしかハルヤではなくハルナと呼ばれるようになり、そこそこの人気も出るようになってきた。

 
新しく参加した女性のレイヤーさんなどは、僕のことを同性だと思い込んでいるフシがある。
古くからの人に腐女子と呼ばれる方が多数いるようで、僕らに対して良からぬキャラ設定をして楽しんでいるらしい。彼女らが僕を純女と誤認するよう誘導しているフシがある。
今日もイベントの後で女子会をやるから♪と誘われていた。
「俺以上にモテてるじゃないか♪」
と秋人も僕をおもちゃにしている。
「いつものように、帰りは俺の所に寄るんだろう?荷物は持っていってやるよ。」
もともとコスチュームや小道具は秋人の所に常備しているので「荷物」を運んでもらうのには何の問題もない。が「荷物」の中には「僕の着替え」も含まれているのだ。
女子会に参加するには、着てきた服ではだめなのだ。僕はレイヤーとして女装するが、普段は普通の男の子だ。普段に女物の服を着ることはない。
だから、僕を誘った女の子達は僕の女子会参加用の服を用意してきているのだ。女子会が終わったら、再び着替えるために秋人の所に寄らなければならないのだ。orz…

 

今回彼女らが用意してきたのは花柄のワンピースで、ふわりと広がる長めのスカートの裾にフリルが多用されていた。
前掛様の飾りの縁にもフリルが付き、腰に廻されたリボンを背中側で蝶結びにするように言われていた。

リボンは自分では旨く結べず、秋人に手伝ってもらった。
彼女らにその事を話すと、それだけでしばらく盛り上がるのだ。
「で、ハルナちゃんはアキトとどこまでイッてるの?」
「ねぇ、着替えも手伝ってくれる仲だもんね♪」
と、話はそっちの方に向かう。
僕の正体を知らない娘は単なる男女の関係として、そうでないお姉様方はそういうカンケイを想像してワクワクしている。
僕としては、全てを否定したいのだが…

「ふ~ん。ヤル事はヤッてるんだ♪」
僕が何も言わないのに、そう決め付けられてしまう。
即に否定せず、顔を真っ赤に染めていれば、誰もがそう結論付けるだろう…

僕としても否定しきれない所はある。
女子会の後、着替えるために秋人の所に行くと、まずはその格好のまま抱き絞められるのだ。
「春菜♪」
そう言ってキスを求められる。
僕は口紅を塗っているので、秋人は本物の女の子とキスをしていると錯覚してしまうのだろう。
舌を入れられ、吸い尽くされ、僕の頭がボーッとしてくる。
そのままベッドに倒れ込む。二人の体が密着すると、秋人の硬くなった股間をモロに感じてしまう。

秋人が僕の手を掴んだ。
その手を彼の股間に導く…「僕」の手でジッパーを降ろさせる。そして、トランクスの中のモノを掴ませた…
秋人は僕のことを女の子だと錯覚している。僕も男だから、こんな状態になったら女の子の手でシてもらいたいと思うことも理解できる。

「春菜…愛してる♪」
耳元で囁かれる。
耳の穴に暖かな息が吹き掛けられる。
「ぁあ~ん♪」
僕の口から甘い吐息が漏れる。
(僕は…今のボクは「女の子」なんだ。)
そう言い聞かせる。
だから…

ボクは秋人のペニスをしごいてあげていた。
「ああ…良いよ♪気持ち良い…」
秋人が喘いでいた。
(可愛い♪)
ボクは秋人の新たな一面を見れたことで幸せな気分になった。
「春菜?」
行為が途絶えて秋人が不安になり声を掛けてきた。
ボクはその間に体をずらしていた。
そして、目の前にやってきた秋人のペニスを咥える。ボクの口の中で秋人は更に逞しさを増していった。
「ああ…春菜♪イイ…良いぞっ!!」
そして、ドクリとペニスが脈動する。ボクの口の中に精液が放たれる。口の中を満たす秋人の精液を、ボクはゴクリと飲み込むのだ。
到底、美味しいとは思えないが「秋人に愛されている」と実感し、もの凄く幸せな気分になっていた。

「ああ…春菜♪」
ハジメテこんなコトになった時、秋人はボクを抱き締め、今度は秋人の手でボクの服を脱がしていった…
下着姿になる。何もナイ胸が恥ずかしい。
秋人の指がショーツの上からボクの股間を撫で上げ…
不意にその手が飛び離れた。
「ご、御免っ!!」
彼の指が布越しに触れたのは、ボクのペニスだった。
「そんなつもりじゃなかったんだ…」
秋人の体がボクから離れる。
急に「現実」が舞い戻ってくる。
「晴也…スマン…」
秋人は床に額を打ちつけるように土下座した。
「秋人?」
ボク…僕は秋人を見た。
「別に厭じゃなかったよ。秋人のためなら、僕はいつでも女の子になってあげるよ♪」
ついと、そんな言葉を発していた。

その後も僕らは幾度となく体を合わせた。ただ、秋人は決してボクの股間に触れるコトはなかった。
当然の事ながら、女子会のメンバーが望むような「本番」に至ることもなかった。

 
「ねえ、春菜はこういうの知ってる?」
腐女子のお姉様の一人が「男の娘のスベテ♪」というタイトルの本を差し出してきた。
カラーページをパラパラとめくると、可愛い女の子の写真が連なっていた。
「この娘たちがミンナ性別はオトコなのよね。それも、切ったり、ホルモンしたりなんかしていないんだって♪」
僕はもう一度、写真の娘たちを見てみた。確かに、女性か?と疑ってみれば不自然なところがある。
「巻末に素の写真があるわよ♪」
写真には番号が付ってあり、同じ番号が同一人物という事なのだろう。
「うそ~!!信じらんない。本当に同じヒトなの?」
「こんなに可愛い娘なら、デートしてみたいな♪」
脇から見ていた新参のコたちがはしゃいでいるのを、お姉様たちがニヤニヤと見ていた。

本の大半は「女装」のしかたに割かれていた。
その中の記事の一つに僕の目が止まった。
「ああ、それ?やっぱり気になるわよね♪」
それは「平な股間を造る」とタイトルが付けられていた。
「やってみる?」
と囁かれた。
僕は頷いてしまっていたのだろうか?
「じゃあ、春菜ちゃんをお持ち帰りするんで、あとはヨロシク♪」
と腕を絡められ、席を立たされた。

 

マン喫のフラットシートに二人で入った。
彼女はカチャカチャて道具を準備してゆく。
「こんな所だから、ヘンな声出さないようにね♪」
そう僕に耳打ちすると、スカートを捲り上げた。
ショーツを脱がすと、本を見ながら僕の股間に細工を始めてゆく。
テープで固定しながら、僕のおちんちんを体の中に埋め込んでいった。
「戻す時はちゃんと剥離剤を使ってね。強引に引き剥がすと、使い物にならなくなるらしいわよ♪」
と彼女が作業を終えたことを告げた。仕上がりを見たら、女の子と同じ愛らしい割れ目ができあがっていた。
「あ、ありがとう。」
ショーツを穿くと、気になっていた膨らみがまったくなくなっていた。スカートを下ろし、もう一度二人で本を読んで手順を確認した。
「コレでアキト君を悦ばしてあげてね♪」
「うん♪」
僕は素直に即答していた。
「蜜事は後で詳細に報告してよね♪」
それが彼女の好意への対価になるのだろう。

 

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