« トライアングル | トップページ | 憧れたものは…(3/3) »

2012年3月31日 (土)

繰り返す日々

それは「ゲームの世界」がそのまま現実化したみたいだった。
マシンガンが唸りをあげ、鎌や手裏剣が飛び交い、所構わず太刀を振り回す奴等がいる。

何がどうなっているのかサッパリ判らない。
判っているのは、打たれても、切られても痛みは感じられない。視野にウィンドウが開かれ、残りのHPを伝えてくれる。
たとえHPがゼロになっても死ぬ事はない。セーブポイントからやり直すだけだ。
何もしなければ、HPが減り続け、もう一度同じ日を繰り返すことになる。

いや「同じ」訳ではない。
プレーヤーである「俺」が昨日と同じ行動を取ったとしても、他のプレーヤーが違う事をすれば、それはもう「同じ」日ではない。

だからと言って
…コレ…はアリなのか?

 

 
その日、俺はいつものように目覚めた。寝る前にセーブした所からのリスタートだった。
「な、何だコレは?」
先ずは胸の上に生じた肉塊に気付いた。それが女の乳房である事は即に判った。
(何で男の俺に女の…)
俺の考えはそこで止まった。
「な、無いッッッ?!」
何の気なしに股間に伸ばした手は、そこにある筈の存在に辿り着かなかった。替わりに、そこには深い溝ができていた。
(つまり、男の胸に乳房が付いたのではなく、俺が女になったから乳房が存在するという事か?)
確かにさっき発した声も、いつもの俺の声とは違って聞こえた。
(何がどうなっているんだ?)

俺は落ち着きを取り戻そうとTVを点けた。
ニュースを読みあげていたのは、いつもの中年男性ではなく、若い女の子だった。他のチャンネルに切り替える。
ほとんど「男」が写っていない。コマーシャルや撮り貯めしていた映像以外は女の子で溢れていた。

情報を集めてみると、昨夜にどこかのチートが「ムサい男などいらない。みんな女の子になっちゃえ」と望んだらしい。
セーブポイントのタイミングによっては難を免れた男もいるようだが、大多数の男達は今のHPが尽きるまで女のままでいるしかないそうだ。

そうと判れば「女体」を堪能しないテはない。早速、俺は裸になると洗面台の鏡に自分を写してみた…

風呂場で、ベッドの中でと散々女体を堪能した。イき疲れて床の上で気を失っていた。
(何かおかしい?)
まあ、ほとんどのプレーヤーが女になったのだ。いつもと違って当然である。
時計を見ると正午をだいぶまわっていた。
いつもなら、近くに爆弾を撒き散らしながら通りすぎてゆく戦闘機が来ていない。3日に一度は俺も直撃を受けている。
空に飛んでいるのは数機の機体だけ…空を埋め尽くすように飛んでいた爆撃機や戦闘機は影を潜めていた。
街中のドンパチもかなり大人しくなっている。戦車や重火器は影を潜め、とき折ピストルの音がする以外は、剣の打ち合う音を圧するような女声の気合い声が響くだけだった。

これでは巻き添えを食う事がないので、俺のHPが減る事はない。
(外に出るしかないか…)
気だるい体を起こし、シャワーで半日の汚れを落とした。

 
ご丁寧にも、一着だけ着れる服が用意されていた。
が、屈めばショーツが見える程スカートの丈が短い。胸元は大きく開き、俺の乳房の大きさを強調する。上着の丈も短く、常にヘソが覗いていた。
ゲームの女性キャラは、皆この様なセクシーな服ばかりだった事を思い出し、これを着る以外にないと諦めるしかなかった。

かかとの高い靴はなかなか歩き辛い。それでも何とか公園に辿りついた。ここは派手なストリートファイトが繰り返されるので有名な所だった。

「ねえ♪相手してくれない?」
と声を掛けてきた女がいた。
「相手って?」と俺が聞き返そうとした一瞬の間に
シュッ!!
と彼女のかかとが俺の目の前を飛び抜けていった。
無意識の内に俺はバク宙で彼女の攻撃をやり過ごしていた。そのまま低い姿勢で回し蹴りを放つ。
彼女は足を払われバランスを崩していた。
「はイィィーーッ!!」
と掛け声とともに、俺は両掌を前に突き出していた…

ドカーーン!!

と派手な音とともに、俺の頭上に「勝利」の文字が浮かんでいた。
「か、勝ったのか?」
これまで、俺は対戦で勝ったタメシがなく、戦う事自体を諦めていたのだ。

俺が勝ったのを見てか、即にも次の挑戦者が現れてきた。
面白いように体が動く。無意識のうちに技が飛び出し、次々と相手を倒していった。
俺は経験した事のない勝利の快感に酔っていた。
…重大な過ちに気付かずに…

 

 
新たな朝を迎えた。
これまでのようにセーブポイントからのリスタートではない。
だから、女の肉体のままであるのも当然の事ではある。シャワーを浴び、昨日と同じ服を着る。
(着れる服がこれ一枚というのもなぁ…)
昨日は何度か勝利したのでクレジットも貯まっていた。
(男に戻った時には邪魔になるが、そもそもクレジット自体ボーナス的なものだからな♪)
と、その日は公園には立ち寄らず、駅前のショッピングモールに向かった。

今日は昨日と違い、男性をあちこちで見かけられるようになっていた。それでも、普段よりは大分少ない。
(もう少しすれば元に戻るかな?)
そんな事を考えながら街をあるいていた。

「なぁ、チョット付き合ってくれないか?」
と見知らぬ男が声を掛けてきた。
「別にファイトしようとかする訳じゃない。あんたの強さは、先日…あんたにとって
は昨日か…身をもって経験しているからね♪」
「貴方に合うのは初めてだと思うけど?」
「ああ、あの時の俺は女だったからな?」
「男に戻れたと言うのか?どうやって?」
「やはり、あんたも元男か…教えてやっても良いが、それは俺と付き合ってくれてからだな♪」

 

 
「ああん♪あ~~んっ!!」
俺はベッドの上で嬌声をあげていた。
男に誘われるまま、あちこちの店を巡り、夕食の後少しアルコールを補給し、そのままホテルの部屋に入っていた。
女の子のようにエスコートされ、俺の気分も女の子っぽくなっていたのだろう。流れに任せて彼に抱かれていた。服が脱がされベッドに寝かされる。
自然と股間を開き、彼を迎え入れる。伸し掛かってくる彼。愛撫が続けられ、俺は女のように喘ぎ悶えていた。
実際、俺は「女」なのだ。彼の肉体が接近し、彼の男性自身が俺の股間を突きあげてくる。
そこには男には存在しない受け皿があり、ヌッとソレが俺の内に入ってきた。

俺は女の快感に支配されていた。貫かれる快感に艶声をあげる。染みでてくる愛液を股間に溢れさせている。彼の動きに合わせ、自らも腰を振る…
俺は何度もイかされ、膣の中は彼の精液に満たされていた。

彼が満足して、その行為を止めた時には、俺は息絶え絶えとなっていた。
消え入りそうな意識の状態ではあったが、彼の言葉を理解する事はできた。

「約束だったな♪男に戻る方法を教えてやるよ。」
彼が俺から離れた。
「簡単な事だよ。あんたは強かったけど、本気の俺に敵う腕じゃない。そう。あの時の俺は手を抜いていた。何故かって?」
彼はウィンドウを開いて俺に見せた。
「あの時はとにかく早くHPをゼロにしたかったんだ。まだ俺が男だったセーブポイントに戻るためにね♪」

俺はその言葉にショックを受けた。

そうなのだ。男だった時に戻れば解決したのだ…
が、俺は夕べ、いつもの癖で眠る前にセーブポイントを更新してしまっていた。つまり、今HPがゼロになっても、夕べの「俺」にしか戻れない。
それは「女」の俺でしかない。

「どうする?ファイトするか?」
と男が誘うが…
「止めておくよ。セーブポイントは更新してしまってた。他に戻れる方法を知っているか?」
「知らないな♪」
「なら、俺は女のままと言うことか…」
「女も悪くはないぞ♪現に、さっきはあんなに気持ち良さげに喘いでいたじゃないか?」
「そ…それは…」
俺は返す言葉を失っていた。
「じゃあ、もうワンラウンドいくかい?勿論、ファイトじゃなくてね♪」

俺は…

微笑みを浮かべ、頷いていた。

 

 

 

(その前に、ここでセーブしておいた方が良いかな?)

« トライアングル | トップページ | 憧れたものは…(3/3) »

コメント

セーブした場合:
ステータス「処女」を失ってしまう。
メリット:男性とパーティを組める。
デメリット:パーティ男性と夜に裸の近接戦闘訓練を強いられる。
パーティが負けると「戦利品」とし持ち帰られる。
ステータス「妊娠」になる>戦闘力激減
なんて考えてちょっと濡れた。
奈落さんならどう考えますか?

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 繰り返す日々:

« トライアングル | トップページ | 憧れたものは…(3/3) »

無料ブログはココログ