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2012年3月 2日 (金)

幽霊の存在(2/3)

「他人のコトは言えんな?あんたもその男を核に実体化しているじゃないか♪」
「あ、あたしは…これは不慮の事故よっ!!」
俺が女の声で女言葉を喋っていた。
「まあ、あんたが実体化したところで、私の行動を阻止することはできないがね♪」
俺は尻もちをついたまま、男を見上げていた。
「そうはさせないわよ!!」
彼女が立ち上がろうとする。が、身動きがとれないようだ。俺は彼女の意を汲んで立ち上がった。
いつの間にか服が変わっていた。彼女が着ていたワンピース・ドレスもそのまま実体化しており、それを俺が着ているのだ。
…と言うか、俺が彼女の服を着ていると言うのではなく、俺自身の身体が「彼女」になってしまったと言う方が正しい。
それは克己も同じだろう。奴は彼女以上に実体化する事を欲していた。だから、奴の内側で克己が意識を保っていられるかは判らない。
「それでも、貴方を阻止します。」
と彼女が声を張る。

克己と俺は身長にほとんど差はなかった。が、彼等に取り込まれ、克己は身長が伸び、俺は彼女に合わせて縮んでしまったようだ。奴の顔を見据えるには、首を反らせて見上げるしかない。
だが、彼女とともにある所為か、奴の視線にも十分に耐えられていた。
「既に結界を張ってあります。実体化しても貴方はここから出る事はできません。観念しなさい。」
「となると、長期戦という事だな。私はあんたが結界を解いてくれるのを待つだけだ。が、核となってる人間はどうかな?」
「えっ?」
「私はここから動けない。つまり、自ら食料を確保する事ができないのだな。私はそれでも良いが、人間の方はそうもいくまい?それとも、このまま餓死するのを傍観しているかい?」
「そ、それは…」
彼女の勢いが鈍る。

「食料を調達してくれば良いのだろう?」
「俺」の声が沈黙を破った。
俺の声とは言っても、彼女の声帯を使うので出てきたのは女の声だった。
「ほう?本当に長期戦を構える気なんだな?」
「いえ、今のはあたしじゃない。」
「だが、それ以外の選択肢はあるのかね?」
「…」
「なら、それで行こう。そうだ、喉が乾いたなぁ。早速だが、何か飲み物を調達してきてくれないか?」
「わ…判ったわよ。」

 

俺は克己がイベントのために用意していた資金から少々失敬する。見た目は違うが、克己自身のための食料を調達するのだ。文句はないだろう。
(こんな事に巻き込んでしまってごめんなさいね)
(さっきから何度も言ってるけど、気にするなよ♪)
彼女とは言葉に出さずとも会話ができる事がわかった。
相変わらず、喋る以外は俺がこの身体を動かすしかない。この身体が「女」である事をついつい忘れ、ガニ股で歩いているのを彼女に注意されたりする。
コンビニでお茶のペットを二本とおにぎりを適当に選んだ。いつものコンビニであったが、姿が違うと愛想良さも違った。

(結界は移動できないのか?)
(なぜ?)
(あの場所は克己がイベントのために借りた場所だ。時間が来たら返さなければならないんだ。)
(不可能ではないけど…)
躊躇う彼女からやり方を聞きだした。簡単な呪文を唱え…

…奴と手をつないで行けば良い…

のだ。
その事を考えただけで彼女につられてポッと頬を赤らめてしまった。
「男」の俺としては手をつなぐ行為に慣れていないので「恥ずかしい」気持ちはあるが、顔を赤らめる程の事ではない。
「女」として男性と「手をつなぐ」行為は、単なる「行為」だけではなく、男性への「好意」の現れと位置づけられる。
その「コウイ」の先には…

(か、考えないようにしよう。今はあの場所から移動する事だけを考えるんだ。)
と、自分に言い聞かせた。

 

奴にも機材の片付けを手伝わせ、俺達は克己の家に移動した。
結界の範囲を調整し、家全体を包み込むようにした。

その日は、俺が二人分の晩飯を作り、二人で食べた。食器の片付けが終わると、俺は自分のアパートに戻っていった。

 
翌朝。
自分の身体がいまだ元に戻っていない事を確認する。
(実体化してしまった奴を阻止する為には、あたしも実体化していなければ…あたしの実体化は偶然みたいなものだから、一旦離れてしまうと、もう一度実体化するのは困難だわ。)
仕方がないと諦め、ブカブカのパジャマを脱いで服を着た。
当然、俺の服は大き過ぎて着れない。昨日着ていた服を着ることになる。下着もそうだ。
(今日は服を買いに行こう。)
と彼女の同意を得る。克己の服も奴には小さいのだろうな。
そんな事を考えながら身支度を進めた。

一旦克己の家に向かい、奴の食事を作ってやる。
まさかとは思ったが、奴は自ら食事を作る事など露ほども考えていなかった。持ってきたエプロンをして昼飯まで作ってやった。
その後で、奴の服のサイズを確認し、俺は買い物に出かけた。

 

(先ずは下着じゃない?)
解ってはいた…この身体に合う服を買うには婦人服売り場に行かなければならないのだ。
「男」の俺がランジェリーコーナーでブラジャー等を手にすることになる。
(今のあなたは「女」なんだから、恥ずかしい事はないでしょ?)
確かに肉体は「女」だ。が、精神は…
(ぐちゃぐちゃ言わない!!オトコでしょ?)

下着を含め「服」は買わなければならないのだ。
覚悟を決め、ランジェリーコーナーに向かった。が…
(女の服ってSMLじゃ済まないんだな orz)
店員にサイズを測ってもらい、なんとか服を揃える事ができた。
奴の服もついでに買い、夕食の食材も買い込み、両手いっぱいの荷物とともに克己の家に戻っていった。

その間、奴が何をしていたかと言うと、パソコンに熱中していたようだ。
まるで引き篭もりのヲタクである。これならわざわざ結界を張らずとも良いような気がした。
(駄目よ!!奴を自由にさせたら、この世界はトンデモナイ事になってしまうわ。)
パソコンに向かっている奴をそのままに、俺は夕食の支度を始めた。
奴に取り込まれた克己を生かす為に食事を作っているが、出されたものを美味しそうに食べている「奴」を見ていると、次も美味しいものを作ってやろうという気になるのが不思議だ。

 
「いちいち帰るのは面倒じゃないのか?」
夕食の片付けを済ませ帰ろうとした俺に、奴がそんな事を言った。
「明日の朝も作りに来るのだろう?どうせ帰っても寝るだけなら、泊まっていったらどうだ?」
帰らないと着替えが…と言おうとしたが、今戻っても着替えは存在しない。今日買ってきたものが全てであり、それは今ココにある。
帰る理由がない。
奴の言う通り、明日もまた食事を作りに来なければならないのだ。
「わ、わかったよ。」と荷物を置くと、
「だったら風呂の準備をしておいてくれ♪」
「調子に乗らないでよ!!」
「あんたも入るんだろ?なら、良いじゃないか♪」
どうも奴のペースに乗せられてしまっている気がする…
「じゃあ、先に入らせてもらいますからね。」
と一番風呂で手を打った事になる。
途中から言葉の主導権を彼女に取られていた。(身体を動かすのは俺なんだけどなぁ)と言うと
(奴の入った風呂には入りたくないの!!)
と返ってきた。結局、俺は風呂の支度に掛かっていった。

 

「ふんふ~ん♪」
と鼻歌が出ている。勿論、俺ではない。
まあ、湯船の中でリラックスできているのは俺も同じだ。
湯の中で重力から解き放たれた胸の塊が揺らめいている。女性は肩が凝り易いと言うが、俺も正に実感していた。

カチャリと音がした。
何者かが浴室に入ってきた?それが奴以外の者である筈がない。
「どうだ、湯加減は?」
との声と同時に奴が入ってきた。
風呂場であるのだから、全裸なのは当然だが…
などと考えるより先に
「キャーーーッ!!!!」
っと、女の叫び声が耳を圧し潰した。
それが、俺の口から発せられたのを理解するまで、少し時間がかかった。

「キャー、キャー、キャー!!ダメ、来ないで、近寄んないで!!出てって、あっち行って!!」
俺の口はそう騒ぎたてているが、女の子がそんな声をあげている時にお決まりの、手桶や洗面器など彼女の手近なモノが投げつけられることはなかった。
彼女の動作を支配しているのは俺であり、俺としては「男同士」の意識でいる。
風呂に入るのに裸は当然である。(狭くなるだろ!!)とは思うが叫ぶ程ではない。

「なかなか良い身体をしているな。今夜はおもいきり楽しめそうだ。」
奴がそう言ったところで、自分が「女」である事を思い出した。
「た、楽しむ…って?」
「裸の男と女がいるんだ。ヤることはヒトツだろ♪」
俺の背筋を冷たいモノが走る。
奴の股間で魔が魔がしいモノが鎌首を持ち上げてゆく。
「そ、そんな…。ま、待て。俺は男で…」
奴は委細構わず、俺のいる湯船に踏み込んできた。
何もできないでいる「俺」を抱き、その下に割り込んでくる。背面から抱えられる。
奴の胸が俺の背中に接し、尻が奴の股間に填まる。
尻から奴の硬くなったペニスの存在が伝わってきた。

「はーぁ、良い湯だ♪」
奴はのんびりと言うが、その腕はがっしりと俺を抱え放さない。
「本当に良い身体をしているなァ♪」
俺を片腕だけで拘束し、開いた手で俺の腰から胸を擦りあげてゆく。
奴は掌で俺の乳房を持ち上げ、その感触を楽しむと、指を伸ばして乳首を積まんだ。
「んあん…」
変な声が俺の口からこぼれた。それは彼女が発した言葉ではない。
肉体の刺激に俺の身体が自然と発していたのだ。
それは、どうみても「女」の喘ぎ声だった。

「良い声だ。もっと聞かせてくれ。」
と、奴は更に刺激を加える。
「だめっ!!やめてっ!!」と彼女は抵抗しようとするが、
「あん、あふぁん♪ああぁん♪」男には経験のない甘美な刺激に喘ぎ声が続く。
ジュンッ!!
と股間の内壁から染み出てくるものがある。
(何をカンジてるのよ!!このままじゃ奴に犯られちゃうでしょう?)
と彼女が警告を発するが、俺の肉体は言う事を聞かなくなっていった。
「あん♪ああ~ん!!」
奴から与えられる刺激に、俺は喘ぎ悶えてしまう。
「ヒッ!!」
何の偶然か、悶え、揺れ動いていた俺の股間にスルリと奴のペニスが填まり込んでしまった。
(これが膣の中に挿れられた感覚なのか?)
(何ノンキしてるのよ!!早く抜きなさいっ!!)
彼女の怒りの声に反応したいのだが、腰から下に力が入らない。
「じゃあ♪早速イッパツいっておこうか?」
と奴が俺を抱えたまま湯船から立ち上がった。股間でつながっているため、当然の事ながら俺の足は床に付いていない。
お湯の浮力が失われたため、俺の体重は奴の腕とペニスで支えられている。そのペニスは重力の助けを借りて、更に膣の奥にまで入り込んでいた。
「あぁ、あぁ、あぁ…」
俺の口は言葉を形作ることができなくなっていた。
奴が何か動く度に、俺の胎の中で奴のペニスが揺れ動く。その刺激が全て快感となって俺を貫いてゆく。
(お、男に犯られて、何をカンジてるんだ、俺はっ!!)
意識の上では拒絶しようとしていても、肉体が反応してしまう。
激しさを増すペニスの動きに合わせて快感も増してゆく。
「ぁあん、イクゥ♪イッちゃう~!!」
俺は嬌声をあげ、快感の頂を飛び越えていった…

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