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2012年2月11日 (土)

荒野を独り往く…

荒涼とした大地をバギーが突き進んでゆく。

運転しているのは、うら若い女性のようだ。髪はヘルメットに覆われ、色も長さも定かではない。服も肌の露出のない長袖のジャンパーにズボンと言ういでたち。
唯一、大きく膨らんだ胸が、彼女が女性である事を物語っていた。

 
「って、何を勝手な事をほざいているんだ?俺は男だ。オ・ト・コ!!」
と愛らしい声で言われても、誰も彼女が男性であるとは認めないだろう。
しかし、彼女が「男性」であった事は事実である。

「何で、過去形なんだ?!」

いちいちナレーションに突っ込まないでもらいたい。
実際の所、彼女の肉体は爪の先の細胞の一片までも女性の遺伝子に塗り換わってしまっていた。当然の事ながら外性器や内性器もである。
唯一、彼女の心だけが「男」を主張しているが、これも脳内を満たす女性ホルモンにいつまでも耐えられるとは思えない。
「う、うるさい!!」
実際、彼女は人前に出る際には化粧をするようにもなっていた。ヘルメットに隠れているが、頭には髪飾りも付けている。
当然、下着も女性用のものを着けるしかないが、最近では色や柄にも意識しているようだ。誰かに見せる為の「勝負下着」もあるらしい。
(…)
おや、彼女は顔を真っ赤に染めてしまっていますね。どうやら、触れられたくないプライベートな部分にまで踏み込んでしまったのでしょう。

それはさておき、彼女は次の宿場町に向かいバギーを走らせていた。
勿論、野宿という手もあるのだが、大規模な商隊や軍隊でもない限り、何が襲いかかってくるかわからない荒野で「安眠」などできるものではない。
これまでのいきさつで懐に充分な蓄えのある彼女が、わざわざ野宿する必要はない。
第一、寝不足は美容に良くないのだ。
「それ、ヒトコト余計!!」

 

 
バギーが宿場町の門を潜った時には、大分陽も傾いていた。
車庫付きの宿屋は即に見つかった。「町」とは言えど、荒野の只中である。治安の良さは聞く方がどうかしている。
彼女には車庫付きの宿屋を使うだけの資金があった。彼女にとっては大事な愛車を守るために選んだ宿屋ではある。が、えてしてそのような宿屋は、女性にとっても安心なものになっている。
安宿では部屋の鍵さえまともに掛からなかったりする。侵入者への備えを怠れば、その夜のうちにレイプされている。
女の反応が良ければ野郎達の間に情報が伝わり、その晩のうちに5人、10人と相手をさせられるはめになる。
そうでなくとも、美人と判れば万難を廃してお近づきになろうとする輩も存在するのだ。

彼女が選んだ宿では、そのような事態になる事はまず考えられない。彼女が男を部屋に連れ込まない限りは彼女の安全は保証されているようなものだった。

「って、俺がオトコを連れ込むようなコトがあってたまるか!!」

と言い残し、彼女はバスルームに入っていった。
シャワーの下に晒された裸体は紛れもなく「女」の肉体である。腰まで届きそうなストレートの黒髪を丁寧に洗う。
その間に湯船に湯が満たされる。洗い終わった髪を慣れた手つきで頭の上に纏めると、彼女は湯船に身を沈める。

これだけの湯が使えるというのは、この町の礎となっている泉の水量が豊富であることはもとより、この宿が「女性」を意識したサービスをしているからでもあった。

彼女は湯に浸かり、旅の疲れをほぐしていた。彼女の思いは「肉体」の疲れを取るだけであったが、浴室内に立ち込める香料の効果もあってか、「精神的」にもリラックスしていった。
心の緊張がほぐれると、自分の「男」を維持する力も弱くなってしまうようで、湯の中で身体のマッサージを行っていると、単なる快感ではない「性的」な心地よさに支配されてゆく。
腕の筋肉を揉みほぐしていた手が胸の膨らみをほぐしだす。
「アふぁん♪」
と甘い吐息を漏らしている事も意識できていないようだ。
もう一方の手が、脚を揉みほぐす代わりに股間を揉みほぐし始めるのにも、そう時間はかからなかった。かつてはそこに勃っていたモノをしごいては快感を得ていたのだが、今では勃つモノがない。
しかし、それ以上の快感を、そこに穿たれた肉溝からもたらされるのである。股間に這わせた指が、ゆっくりと割れ目の間に沈み込んでゆく。
「んあん♪ぁあっ…」
快感を与えてくれるスポットが刺激される度に、彼女は艶声をあげていた。
彼女の頬が紅く染まりだしたのは、湯にのぼせたからではない。
肉洞に差し込む指を二本に増やし、激しく動かして快感を貪ってゆく。それが「オンナ」の快感であると判っていても、もう止めることはできなくなっていた。

快感の頂が見え始める。
「あっ、あっ、ああん♪」
腰を降り、快感を追い求める。
そして…絶頂に達する。
「あ、あ、ああ~~~ん!!」
彼女は大きく嬌声をあげると、湯船の中にぐったりと身を沈めた。

良い加減に「男」を求めても良いとは思うのだが、彼女は処女のように頑なに拒み続ける。
「だ、誰が処女だ?俺は…」
彼女が処女である事には誤りはない。女になってからは一度も男に抱かれた事はないのだ。
「紛らわしい言い方をするな!!それでは俺が男だった時には抱かれた事があるように聞こえるだろ?」
では「処女」である事を認めるのですね?
「そ、それは…」
認めたくなければ処女でなくなれば良いとは思いませんか?
「俺に男に抱かれろと?」
とは言っても、貴女に「男」を引っ掛ける事はできないでしょう?その美貌です。貴女が声を掛ければ靡かない男はいないでしょう。
しかし、男の意識のままの貴女にそれができますか?それだけの覚悟もなしに街に立てば、即にレイプの餌食になるでしょう。
「じゃあ、どうしろと?」
おや?覚悟ができたのでしょうか?それでは、身体を拭いてベッドに行ってください。
彼女は風呂から上がり、バスローブに身を包むとベッドに腰を下ろした。
「目を閉じて♪」
私が言うと、彼女は素直に従った。
私は境界を乗り越え、彼女の部屋に踏み込むと抱き寄せて彼女の唇を奪った。
始めて経験する受け身のキスに彼女の頭はボーッとなっていた。
既に風呂の中で一度、イッているので彼女の肉体の準備は整っている。私はゆっくりと彼女を押し倒していった。

 

 

荒涼とした大地をバギーが突き進んでゆく。
彼女は次の街に向かってハンドルを握っていた。

「うるさいんだよ!!」

と今日も私に突っかかってくる。そこがまた可愛いのだ♪
「俺は男だっ!!」
それが口先だけの、単なる口癖でしかない事は明らかであった。
彼女は昨夜「処女」から「女」になったのだ。シーツにはその証がくっきりと残っていた。
本物の男性自身に貫かれ、歓喜の嬌声をあげ続けた事を彼女が憶えていない筈がない。
「お、俺は…」
バギーに積まれたエンジンの振動がシートを通じて彼女の股間を刺激している。その「快感」もまた「女」でなければ味わう事のできないものだと理解していた。
「み、認めれば良いのだろう?そうだよ、俺はオ・ン・ナだ!!」

おや?以外とあっさり認めましたね?
でも、それではコレを読んでいる読者の方々にはモノ足りないのです。少々訂正してもらえないでしょうか?
「な、何だよ?」
今の貴女は、誰が見ても「女性」ですが、少し前までは「男性」であった事を忘れないでくださいね?

「知るかっ!!」

そう言って彼女はスロットを全開にした。

 

 
荒涼とした大地をバギーが突き進んでゆく…

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