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2011年12月 9日 (金)

境界を越えて…(3/5)

 
そこは屋敷の中に与えられた「あたし」の部屋だった。
俺は寝間着に着替えさせられ、ベッドに寝かされていたようだ。
ベッドの上から部屋の中を見回す。パステルカラーのカーテンやカーペット、床に置かれたクッションやぬいぐるみ、書架のファッション雑誌、そして化粧品が並べられたドレッサーが据

えられている。そこはまさに「女の子の部屋」だった。

時計を確認すると、もうすぐ朝食の時間だった。
起き上がり、クローゼットから今日着る服を選びだす。勿論、そこには男物の服はない。この義体に合わせた可愛らしいワンピースやスカートが詰まっている。
ピンクのパジャマを脱ぎ、用意されていたショーツと揃いのブラを胸に着ける。ブラをするのも、服のボタンが左右逆なのも体が覚えていたのか、無理なく行う事ができていた。
キャミソールを穿くようにして着て、その上からワンピースをまとう。背中のファスナーも難なく上げる事ができた。
ドレッサーの前に座る。本格的な化粧は出かける前で良いとしてめ、化粧水と乳液だけは叩き込んでおく。
髪の毛をブラッシングし、もう一度鏡を確認してから部屋を出た。

…って、俺は何をやっているんだ?これは「女の子」の朝の日課そのものじゃいか!!
俺は奴の前では語尾だけでも女の子らしく振る舞うことで、強制的に女の子らしさ身に付けさせられる=奴に抱かれる=のだけは回避しようとしていた。が、ここまで「女の子」をしよう

とは決して思った事ではない!!
それが、こんなに「女の子」らしくしてしまうとはどういう事なのか…これは奴に問いただす必要があるな。と考えながら、俺は朝食の席に着いた。

「で!!何なんだ?この差は?」
テーブルの上にはフレンチトーストとベーコンエッグ。サラダとデザートの果物が…一方の席の側に…並んでいた。そして、俺の前にはドロリとした灰色の液体が入ったグラスが1個だけ

ポツンと置かれていた。
そこに淹れたてのコーヒーを手に奴が現れた。
「義体も食事はできるが、それでエネルギーを補給している訳ではない。それでも、体内のクリーニングと潤滑剤の補給はやっておいた方が良いからな。」
「で、これが潤滑剤なのか?」
「嫌なら飲まなくても良いよ。補給方法は他にもあるからね♪」
奴の提案には簡単に乗らない方が良いという事は判った。
「良いよ。これは飲んでおく。が、俺にもちゃんとした朝飯をもらえないのか?」
「なら、お前が食事を作れば良い。家事は女がやるものだなんて事は言わないが、時間的余裕はお前の方があるだろう?私の分も作ってくれたら、コーヒーくらいは淹れてやろう♪」

 
俺はエプロンを着け台所で朝食で使った食器を洗っていた。
奴が忙しいのは判っていたし、奴の実験に付き合う以外の時間は原則として暇な事には変わりはない。俺が家事をすれば奴にも余裕が出来るし、その分、俺と一緒の時間が増えるというも

のだ♪

って、何を俺は喜んでいるんだ?
俺が家事をするのは、俺もまともな食事がしたいだけであって、奴の分を作るのは、そのついでなのだ。

洗いものが終わると前後して洗濯機がコースの終了を告げていた。
洗濯カゴに洗い終わった衣服を入れ屋上の物干し台に登った。
正に洗濯日和である。柔らかな風が心地良い。
俺は俺と奴の下着やシャツをハンガーに吊るしていった。男物の衣服の間にブラやショーツが挟まって干されている光景などを、こんなに間近に見た事などなかった事を思い出していた。

 

「お昼ご飯できたわよ♪」
俺が奴に声を掛けると、奴はのそりと食堂にやってきた。
「ほう、パスタか?」
とりあえず、茹でてソースを絡めるだけで済むので、まあ簡単に出来たのだ。
テーブルを挟んで2枚の皿が置かれている。奴の方が多少大盛りになっているのは愛敬だ。
奴は「美味しい」と言ってペロリと平らげてしまった。
「これなら家事を任せても心配ないな。」
「あたしが食べたいからやっているだけよ。」
そう言う事になっているのだ。決して奴が美味しそうに食べている顔をもう一度見たいとか言うのではない!!
洗濯も掃除も自分の分だけはちゃんとやっておきたいからだ。奴の分はついで、「ついで」でやっているんだ。

「じゃあ、晩飯が出来たら呼んでくれ。食材が足りなかったらこれで買ってきてくれ♪」
とポンと奴の財布を放り投げてきた。
「判ったよ。」と返事をした時には、奴の姿はなくなっていた。

 

ゴトゴトと目の前で鍋が火に掛けられていた。
俺は晩飯の材料を買いにスーパーをうろついていた筈だった。
(記憶が飛んでいる?)
鍋の匂いと中身を確かめ、カレーを煮込んでいるのが判った。そう言えば今夜はカレーにしようと考えていたのだ。

 
「ごちそうさまでした。」
俺の目の前には食べ終わったカレーの皿があった。
(また記憶が飛んでいる?)
俺は向かい側に座っている奴を見た。
「どうかしたのか?」
奴が涼しい顔で言う。
と、その手にリモコンのようなものがあるのが見えた。
「何なのよ、それ!!」
「ああ、気が付かれたか。これで領域の大きさをコントロールしているんだ。」
「それで家の中でも記憶が途切れる事があったのね?」
「ああ、そう言う事になるな♪」
「勝手に変な事しないで頂戴っ!!」
「これも実験の一環なんだ。結構面白いデータが集まってきているよ♪」
「あんたには面白くても、あたしには切実な問題なのよ。今やっている事が、どういう経緯で行われているかが解らないって、もの凄く負担が掛かるのよ!!」
「お前の言いたい事は判った。だが、もう少し静かにしてくれないか?」
「な、何?その言いぐさ…」

 

 
また記憶が飛んでいる…
「ああん、あ~ん♪」
俺は艶声をあげていた。寝かされ、抱かれているようだ。俺は脚を広げ、股間に奴のペニスを突っ込まれていた。
一気に性的な快感に満たされていた。
「ああん。もっと激しくしテ♪」
無意識のうちに俺はそんな事を口走っていた。
「そうか。そんなに欲しいか?」
それは聞いた事のない男の声だった。
奴ではない男に抱かれている。
その事実に、俺の意思は男から強引にでも離れるべきだと言っていたが、オンナの快感にスイッチが入ってしまった体は男から離れる事を拒絶した。
「ダ、駄目…」
と口走るが、俺の膣は男のペニスを締め付け、射精を促している。
「おお、良いぞっ!!」
男の動きが激しさを増し、得られる快感も増大した。
「ああん♪イイ~っ!!」
俺は押し寄せる快感に何も考えられなくなり、男のペニスに感じまくる只の淫乱オンナに成り果てていった。

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