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2011年12月 9日 (金)

寝正月

「お前、何をお願いする?」
俺は親友の悟と近所の神社に初詣でに来ていた。
著名な神社仏閣とは異なり、境内には俺達しかいない。出店もなければ巫女さんのお札の売り場もない。
おみくじも置いてない寂れた神社だが、それなりに新年の装いがなされていた。
「俺は月並みに一年の健康と、少しは頭が良くなって欲しい。ってな感じかな?」
そう言うと悟の目が歪む。
「お前がそんな殊勝なお願いをする訳がないだろ?さしずめ、即にエッチさせてくれる恋人をくれ!!くらい言ってるんじゃないのか?」
「ギクッ!!」
俺は童謡…いや、動揺を隠せなかった。
「まあ、僕も女の子の友達ができたら良いなとはお願いするけどね♪」
「先ずはオトモダチからか。お前らしいな。」
そう言って俺達は賽銭箱にお金を放り込んだ。

「それがお主達の願いか?」
背後から声を掛けられ振り向くと、そこには白髪白髭の老人がいた。
「良かったらこっちへ来てみんしゃい♪」

そう言って、誰もいない事をよいことに、テクテクとお社の中に入っていってしまった。
俺達も一度顔を見合わせると老人の後についていった。

 

お社の中は薄暗かった。
「こっちじゃよ♪」
見ると老人の上半身だけが床の上にあった。
良く見ると床に穴が開いていて、梯子が掛かっているようだった。

地下に入ると本当に何も見えなくなっていた。老人の気配だけを頼りに梯子を降りてゆく。
「ど、どこまで降りるんすか?」
と俺が聞くと、
「地獄まで…とはならんよ。もうすぐ横穴に出る。」
その言葉を信じて、更に降りていった。

「ここじゃ。」
不意に脇から声がした。そこには横に続くトンネルがあった。
下に続く穴はまだ延々と続いているようだったが、俺達は老人に続いて横穴に入った。

しばらく行くと広めの空間があった。
「この先にいくつかの穴がある。どれを選んでもイイ想いをすることができるが、どんなイイことかはお主等の運次第じゃ。」
「ハズレはないという事?」
「正月早々からそんな野暮なことはせんよ。まあ、楽しんで来なさい♪」

その言葉とともに老人の気配が消えた。更に、来た道…出てきた穴が塞がってしまっていた。
「どうする?」
と悟
「行ってみるしかないだろう?」
そう言って反対側の壁に辿り着いた。
老人が言ったように、壁にはその先に進めるような穴がいくつも開いていた。
「行くしかないんだよな?」
と悟が一歩踏み出した。
「お、おい。待てよ。一緒に行こうぜ。」
と後を追おうとしたが、穴の手前で何かに阻まれた。そして、次の瞬間には穴が塞がれていた。
俺は独り取り残されてしまった。
(どうすべきか?)
答えは解っている。俺も別の穴を選び、そこに入るしかないのだ。
(どれでも同じか?)
と壁伝いに左に移動し、最初に出会った穴に足を踏み入れていた。

 

 

穴の先に明かりが見えた。
それは穴の出口の形をつくり、どんどん大きくなっていった。
まぶしさに目が眩む…

 
二度三度と瞬きをして明るさに目を慣らした。
明るいとは言っても、太陽を直視している訳ではない。どちらかと言えば多少暗い感じだ。
そこは部屋の中だった。

さっきまで靴を履いていたのが裸足になっていた。コートも脱いでいる。部屋の中は適度に温められていた。

その部屋は見覚えがあった。
「俺の部屋だ…」
勿論、俺の部屋には穴に続くようなものはないし、そもそも二階の部屋に地下から繋がっているなどあり得ない。
が、窓のカーテンを開けると向かいのマンションの壁があり、上を見れば1月の空がそこにあった。
「まあ座りなよ♪」
背後で男の声がした。
コーヒーの入ったカップが二つ机に置かれた。それを持ってきた男は…

「俺ッ?!」

そこにはもう一人の「俺」がいた。
「そっちのベッドにでも座ってくれ。」
もう一人の俺はそう言って机とセットの椅子に座った。
俺がベッドの端に腰を下ろすと湯気をたてるコーヒーのカップを差し出してきた。
「外は寒かっただろう?先ずはコーヒーを飲んで暖まってくれ。」
「俺」が淹れてくれたコーヒーは俺のと変わらない味がした。
しばらく沈黙が続いた。そして…
「一応、俺の方が状況を掴めているから説明してやる。」
と「俺」がカップを置いて立ち上がった。
「お前も俺である事は解っている。しかし、今のお前は俺ではない。別人になっている事にまだ気付いていないのだろう?」
「別人?」
俺がそう言って奴を見ると、予め用意していた手鏡を俺に渡した。
「そうさ。お前はもう俺ではない。そもそも男ですらないのだよ♪」
鏡に写っていたのは奴が言う通り、女の子の顔だった。
「な、何で…」
「初詣で願った事は覚えているよな?」
奴の言葉に俺は首を縦に振った。
「そう。即に犯らせてくれる娘が欲しかったんだろう?だが、お前は、即にエッチさせてくれる恋人をくれとしか願っていない。」
「それが?」
「犯す気満々のお前に良いヨと言う娘がいると思うか?幸いにもお前が望んだ時には相手の性別を特定しなかったし、犯すとも犯されるとも明言していなかった。だから、お前を女の子に

した。」
「そ、そんな事で?!」
「だから、お前の望み通り即にエッチしてあげよう♪」
そう言って奴は俺をベッドに押し倒した。

「ああん!!」
俺の口から愛らしい悲鳴がこぼれる。確かにそれは女の子の声だった。
奴の手が俺のスカートの中に伸び、ショーツを引き下ろした。
その時になって、俺はスカートを穿いている事に気付いた。下着もまた女の子のものになっている。
勿論、ブラジャーも着けていた。その胸は俺好みの巨乳だった。
ブラウスのボタンが外され、奴の手がブラの上から俺の乳房を揉みあげる。奴の指が俺の乳首を摘んで捻りあげる。
「あん、ああん♪」
俺は快感に身を捩る。ジュンと俺の股間に愛液が染み出す。

俺の脚が開かされ、その中心に奴のペニスが挿入された。
「ああん。あああん♪」
俺は快感に支配されていた。
「どうだい?お前が望んだ通り、即にエッチしてあげたぞ♪」
「ああん♪イイ!!…イクゥ~、イッちゃうーーっ!!」
俺は奴の攻めに呆気ないくらい簡単に昇り詰めてしまった。

 

「どうだ?もう一回シてやろうか?」
奴は俺が「うん」と言えば即に犯ってくれる。それは「文字通り」俺が望んだままである。が…
「一つだけ違うところがあるんじゃないか?」
俺が望んだのは「恋人」である。「俺」自身に犯られても、見方によっては単なるマスターベーションでしかない。
「気が付いたか。しかし、最初からお前に異性を与えてもエッチしてくれとはなかなか言い出せないだろう?」
「そ、それはそうだが…」
「大丈夫。お前さん達の望みはワシがちゃんと叶えてやるサ♪」

と奴の姿は「俺」から神社でであった老人に変わっていた。
「そろそろお前さんの恋人が来る頃じゃ。邪魔者は消えるとするかね♪」
と、老人の姿が消えてゆく。

そして…

「やあ、明けましておめでとう!!早速だけど初詣でに行こう♪」
やってきたのは悟だった。
確かこいつの願いは…女の子の友達ができたら良い…だった筈。つまり、俺は「恋人」のつもりでも、悟には「友達」でしかない?
いや、そんな事はない。老人が俺の願いを言葉通りに叶えてくれたのなら…

「時間は十分にあるでしょう?行く前にエッチしない♪」
悟は一瞬躊躇したものの俺を抱き締めると、濃厚なキスをしてくれた。
「嬉しいよ。唯一の女友達の君から誘ってくれるなんて♪」
俺はそのままベッドに倒され、あっと言う間に悟のペニスに貫かれていた。

 

「初詣でどうしようか?」
既に陽は西の空から消えようとしていた。
「何か記憶があやふやで、既に朝イチで初詣でしてきた気もするんだ。」
「そうね。あたし達の願いって、もう叶えてもらったみたいだものね♪」
「どうする?」
「じゃあ、もっとエッチしよう♪」
あたしがそう言うと、悟のペニスが一気に復活する。
「もっと、もっとシて頂戴♪」
あたしは更なる快感に包まれていった。

無題

「止めてっ!!」
目の前の女は恐怖に顔を引き攣らせていた。

 

 
俺は手にした「銃」の口を彼女に向け…

トリガーを引いた。

何も音はしない。
だだ、その直後に女は目を閉じ、ぐったりと俺の腕の中に倒れ込んできた。
「銃」で吹き飛ばしたのは、彼女の「命」ではなく「魂」の方だ。つまり、彼女はまだ「死んで」はいない。この肉体に新しい魂を入れれば、即にでも動きだす…

勿論、そこいらへんに屯している浮遊霊なんぞにこの肉体をタダで提供してやるいわれはない。
俺は彼女を床に寝かせ、その上に重なるように体を横たえる。そして「銃」の口を眉間にあててトリガーを引いた…

一瞬後、俺は伸し掛かる物体の重さにうんざりした。
しかし、文句は言うまい。それは先ほどまでの「俺」のだった肉体だからだ。
ごろりと脇に転がした。ポケットから取り出した護符を額に貼り付ける。こうしておけば剥がれるまでこの肉体が動き出すことはない。
前回、新しい肉体に入った途端、乗っ取られた奴の魂が俺の肉体に入り込み、しばらく追い駆けっこするハメになったのだ。
疲れた上に、肉体を取り戻されては元も故もない。その対策として、少し値が張ったが護符を買っておいたのだ。

俺は立ち上がると、新しい自分の肉体を確認した。
それは先程、俺が襲った女の肉体だった。俺が見たブルーのワンピースを、今は俺が着ているのだ。胸にはブラジャーがあてられ、カップの中にはオッパイが詰まっている。
スカートの下の脚はズボンではなく、ピッタリとしたストッキングに包まれている。そして股間を覆うのはパンティだ。
その下には邪魔なモノはなく、神秘の渓谷が刻まれているのだ。
(早くナマで確認したい!!)
と逸る気持ちを抑えつつ、足元に転がる「俺」の手から「銃」を奪い取った。
女のカバンには「銃」は入らないので、俺が持ってきた紙袋に入れて腕に掛ける。

「女」らしいポーズを取って、独り悦に入っていた。しかし、いくらここが死角になっているとは言え、誰に発見されるとも限らない。見つかり、この状況の説明を求められた場合、無難

に済ませられる自信はなかった。
であれば、一刻も早くここから立ち去るべきである。俺は「俺」を一瞥すると、カツカツとハイヒールのかかとを鳴らして闇の中に消えていった。

 

 
「…んあん。あああん♪」
俺は女体の神秘の探求に没頭していた。指だけで何度もイッてしまう。オンナならではの快感に酔い痴しれていた…何者かがこの部屋に侵入したのも気づかぬ程に…

「ああん?!」
不意に冷たい掌が俺の胸を…オッパイを掴んだ。
(誰?)と推呵するより先に新たな快感に意識を奪われていた。
これまでは快感を与える動きと与えられる快感のリズムが連動していた。しかし、第三者に弄ばれる事で、予想できないタイミングで快感がもたらされるのだ。
その快感は自ら与えるものに比べ何倍にも感じられる。更に、侵入者は的確にこの肉体の感じる所を責めたててくる。
「あん、あああん♪あっ、ああ~~ん!!」
俺は盛大にヨガリ声を部屋中に響かせ、快感に悶えまくっていた。

「どうだい?その身体は♪」
男の声に一瞬で動きが止まる。
ようやく、侵入者に気付いた。背筋を冷たいモノが駆け下りてゆく。
(侵入者…強盗?…抵抗したら殺される!!)
様々なイメージが頭をよぎってゆく。
「先ずはイッパツ犯らせな♪」
と、男は俺の脚を取って強引に股を開かせた。
「もうヌレヌレなんだろう?一気に行くぜ!!」
と硬くなったペニスを俺の膣に突っ込んできた。
「あ、ああ~~~!!」
痛みはなかった。
男の行為は、俺を快感に染めあげてゆく。
独りでイク時の何倍もの快感が押し寄せてきた…

 

 
男が「俺」である事に気が付いたのは、失神から目覚めた時だった。しかし、今や「俺」の中身が何者であろうと問題ではなかった。
「その肉体をよこせとは言わない。俺はこの肉体でも十分に満足しているからな♪」
と男は言う。
「じゃあ、もう一度シてくれる?」
俺はシナを造って聞いた。
「何度でもしてやるぜ。そうさ、今からお前は俺の奴隷女だ。良いな?」
俺は快感を求めるあまり、何も考えずに頷いていた。が、その言葉に違わず、男は俺を女の快感に満たしてくれた。
その代償として、料理などの家事をこなす事なといかほどのものでもなかった。夜になれば抱かれまくるのだ。

俺は何も考えずに快感に満たされた毎日を過ごしていられた。

 

 

「散歩に出ないか?」
と彼が言った。
(こんな夜中に?)とは思ったが身支度を整えて彼の後に付いていった。
(夜の公園でスルのかな?)
彼はどんどん人気のない所に向かう。

「この辺で良いだろう♪」
彼が立ち止まった。
そして、手にした紙袋から何かを取り出した。
(「銃」だ!!)
「止めてっ!!」
俺はこの肉体が奪われる恐怖に叫び、顔を引き攣らせた。

 

トリガが引かれたのだろう。俺の魂は肉体を離れていた。
眼下では男が女の身体に自分を重ね「銃」の口を眉間に当てていた。
魂のなくなった男の肉体が地面に転がった…

俺は一瞬の隙をついて男の肉体に飛び込んだ。
奴が女の肉体を調べている間に、俺は「銃」を奪うと音もなくその場を立ち去る。

 

俺は新たな肉体を求めて「銃」を手に、今日も町を彷い歩くのだった。

境界を越えて…(1/5)

風が吹いて来た。
俺の足元をすり抜けざま、ふわりとスカートの裾を舞い上がらせていった。

慌てて腰の前後を押さえたので、下着が見られることはなかった。
女の子なら、こんな時「キャッ♪」と愛らしい叫び声をあげるのだろうが、俺がそれにならう必要などありはしない。
が、
誰が見ても、今の俺は「愛らしい女の子」なのであろう…

話は3ヶ月前に遡る。

 

 

「ちょっと付き合ってくれないか?」
「親友」と呼ぶ程親しい付き合いはしていないが、とりあえずは友人と言える程度の友人である大木寿人だった。
彼は自他共に認めるマッドサイエンティストであった。元々が資産家なのであろうか、自宅の地下にある研究室では、日夜様々なガジェットが生み出されていた。

俺が招かれたのは、地上にある豪邸の応接室だった。
「実験に付き合ってもらえないだろうか?」
予感はしていたが、奴は単刀直入に切り出してきた。
「肉体的なダメージがなければ考えてやっても良いぜ。」
俺がそう答える事は奴にも判っていたのだろう。噂で聞く高額報酬が噂ではない事が即に明かされた。当然、俺が失業中である事も確認済みなのだろう。
「で、何をすれば良いんだ?」

 
奴の説明によると「義体」の遠隔稼働の限界を確認したいらしい。
「義体」とは義手や義足の延長で、体全体をそっくり補完する「装置」だそうだ。ロボットとどこが違うかと聞くと、「操縦」するのではないという。その人物の存在が義体に置き替わる

ものだと言われても、俺にはさっぱり判らなかった。

「とにかく、やってみてくれ。」
と地下3階に連れて来られた。
そこにあるカプセルに全裸で入るように言われた。耳や鼻の穴に栓がされ、呼吸用の管を咥えると、カプセルの中に液体が満たされていった。
その液体は冷たくなく、暖かくなく…俺を優しく包み込んでゆく。
次第に眠気が…
と思う間もなく、俺は意識を手放していた。

 

 
「おい、起きれるか?」
大木の声がした。耳栓をしていた筈なのに良く聞こえる。
そもそも、そこはカプセルの中ではなかった。背中にマットの感じがする。ベッドの上なのだろう。
どうやら、全裸ではなく服を着させられているようだ。
「悪い。実験中に寝てしまって。今度はちゃんとするよ。」
と俺が掛けられた毛布を剥いで起き上がると、
「いや、まだ実験は始まったばかりだよ。謝る必要はない。」
と俺が剥いだ毛布を引き取り、丁寧に畳んでいた。
「それよりも、まだ気付かないか?」
「何を?」
俺は床に置かれていたスリッパに素足を突っ込んだ。
「今のお前は既に義体になっているってことだよ♪」
「義体?」
俺は立ち上がると奴を見上げた。


見上げる?
奴と俺の背丈はそう違わない筈だ。

「鏡なら、ほら、そこにあるよ♪」
と奴が俺の肩を掴み、向きを変えさせた。確かに、何の変哲もない姿見がそこにあった。
が、そこに写っているのは奴と女の子が一人…
「これが俺か?」
鏡な中の女の子は、正確に俺の動きをトレースする。
女の子が動くと穿いているスカートが揺れる。その裾が彼女の脚に触れると同じタイミングで、俺の脚に何かが触れてくるのを感じていた。
俺はズボンを穿かされていないようだ。太股から下は素足が剥き出しになっている。
男としてはこの上もなく恥ずかしい状態であるが、カプセルに入る際、奴には俺の全裸を見られていたし、カプセルからは全裸のまま出されたとの思いから、あまり深く考えていなかった

のだ。
その俺が鏡の中の女の子と同じにスカートを穿かされている?いや、今の俺は鏡の中の女の子と同じに女の子の服を着せられている!!
多分、下着からそうなのだろう。確かに胸のまわりを締め付けているのはブラジャーに違いない。ブラのカップが俺の胸の膨らみを包み形を整えている。
…って、俺の胸にバストがある??
「ど、どう言う事なんだ?」
俺は再び奴を見上げた。
「どう?って、それが義体だよ。本人そっくりに作る事もできるが、今は試験段階だ。容姿は私の趣味とでも思ってくれ。」
「因りにもよって、何で女の子なんだ?」
「だから、私の趣味…」
「判ってる。今のは俺の愚痴だ。気にしないでくれ。」
そう言って俺は再び鏡に向かった。

これが「奴の好み」だと言うのだろうか?
造りモノであるから不細工な筈はない。誰が見ても可愛いと言われる部類であろう。声も、この容姿にふさわしい鈴を鳴らすような可愛い声が俺の口から生まれ出てゆく。
お約束だと思うが、スカートを捲り、股間にあるべきものがナイ事も確認した。

落ち着いた所で、奴は「俺」が入っているカプセルを見せてくれた。
今の俺は義体そのものになっているように感じているが、あくまでも俺の意識はカプセルの中の「俺」の内にあり、義体との間で情報交換を行う事で、あたかも義体が俺自身のように感じ

られているだけだそうだ。
「肉体が死んでも義体の中で生き続けるというような事はない。お前の肉体はちゃんと管理されているし、実験が終われば元に戻れるよ。」
俺は「実験を始めよう」と言う奴の言葉に、カプセルの中の俺を一瞥してから奴の後について地上階に戻っていった。

 

 

 
「実験自体は簡単なものだよ。」
奴がちらりと俺を見た。
「難しいのは、第三者にその体が義体である事を知られないようにする事だ。」
「何か見つかっちゃまずいものでもあるのか?顔に継ぎ目がある訳でなし、頭からアンテナが生えてる訳でなし。」
「お前が注目を浴びなければ問題はない。多少造形が良すぎた面は我慢してもらうとしても、普通に女の子していれば大丈夫だ。」
「女の子する?そりゃあ無理だな。俺は根っからの男だぜ。恥ずかしくてそんな事できる筈ないな。」
「まあそう言うな。少しでも努力してみてくれ。いざとなったら対応する手段もない訳ではないからな。」
「だったら、それを先にやった方が良いんじゃないか?」
「多分、お前の精神的負担は半端じゃないと思うぞ。」
「良いからやってみてくれ。」
俺はそう言った事を即に後悔することになった。

 

境界を越えて…(2/5)

 
「あん♪ああ~ん♪」
艶めかしい声で喘いでいるのは、俺自身だった。
AVでしか見た事がないような展開が、この寝室の中で繰り広げられている。そして、その主演のAV女優が俺自身だったのだ。
俺は俺の意図を離れて奴に抱かれていた。「男」としての意識が奴に抱かれる事を必死に拒絶しているのだが、奴に操られた体が易々と奴に抱かれる事を許していた。
「こうやって、女の子らしさを体で覚えてもらう事になるんだ♪」
奴のペニスが俺の体を貫いている。
嫌な筈なのに…
「あぁ、良い♪…ィ、イ、イクッ!イッちゃう~~!!」
俺は快感に激しく悶えていた。
頭の中が真っ白に塗り込められてゆく。本当に女の子としてイかされてしまう…
「あん、ああん。あ~~~~♪」
それは、俺自身があげた嬌声なのかも知れない。強烈な快感とともに意識を手放していた。

 

 

いまだに股の間に奴のペニスが挟まっているような気がする。
が、それが俺の思い過ごしである事は確かだ。奴は今、俺の隣の席で車のハンドルを握っている。
「どこまで行くんだ?」
「女の子らしさが足りなければ、モーテルに立ち寄りかな?」
「ど、どこまで行くのよ。」俺は慌てて言い直した。
女として抱かれ、イかされてしまう屈辱に較べれば、語尾をらしく変えるだけの対応くらいはしてやっても良い。
俺はそう割り切る事にした。
しかし「屈辱」が原動力かと言えば違うのだろう。それは、俺が「男」である事を正当化する方便にしか過ぎないと感じてもいた。
奴に抱かれ、イかされるのは嫌ではない。俺の体はそれを求めている。そして「俺」の精神までもがそれを求めてしまうようになる事を俺は恐れていた。
(素直におねだりしてしまった方が良いわよ♪)
俺の内から聞こえてくる「女の俺」の声に、俺は必死に抵抗していた。

「どこへって聞かれても、特に目的地を決めている訳じゃない。」
奴が俺の問いに答えてくれているようだ。
「お前に実験の内容について、言葉で説明するよりは実際に経験してもらった方が良いと思ってね。」
「経験…って、変な事にはならないんだろうな?…ならないわよね?」
「多分、言っても理解は難しいと思う。限界領域では、記憶の途絶が発生すると考えられている。領域外に出てしまっても、しばらくは行動が可能な設定になっているが、…」

突然、奴の言葉が途切れた。

「何っ?」
「たった今、領域内に戻った所だ。」
俺は気を失っていたのだろうか、窓の外の景色に違和感を感じた。
「進行方向が逆なんだ…」
「そう。今は帰路についている。君には、あの場所からUターンして戻って来るまでの記憶が失われている筈だ。」
「失われ…って、単に気を失っていただけじゃないのか?」
「君はかなりの間、意識を保っていたね。結局説明が二度手間になるが、領域内に戻った事で本体からの情報伝達が回復する。その際、義体の方は本体側で保有する最新情報で上書きされ

る事になる。」
「何でそんな事するの?」
「義体はあくまでも本体の複製だという事だ。緊急回避的に領域外でも行動できるようにしてあるが、それは本人の意思によるものではない。本人にとって関係のない記憶などあるだけ邪

魔だとは思わないかね?」
「だからって、記憶が消されるのは…」
「それは、現在の君の記憶ではないのだ。領域外に出たことで、君という存在が二つに分かれるのだ。君本来の存在は本体に依存するものであるから、もう一つの存在など無かったことに

しても何の問題もないだろう?」
奴の説明に釈然としないものを感じながらも、俺達はそのまま帰途についていた。

 
「これからが本題だ。」
俺達は領域境界にある広大な駐車場にいた。俺は車の中で最後の説明を受けていた。
「ここからは徒歩で境界を確認してもらう。状況は逐次携帯から連絡してくれ。」
「わかったわ。」
俺はそう言って車を降り、携帯からコールした。
「話ながらでも構わないわよね?」
「無論、違和感がない限りな♪それは最近の女の子の行動と照らし合わせても問題はない筈だ。」
「じゃあ行くわね。」
と俺は境界に向けて真っ直ぐに歩き始めた。

「って何?」
車からは大分離れたとは認識していた。
「何で前に車が見えるの?」
「ようやく領域内に戻ったな。」
「つまり、もう一人の俺…あたしが領域の外に出て、戻ってきたって事ね。」
「そう言う事だ。今度は少しジグザグに歩いてみてくれないか?」
「そんな事したら目立つんじゃない?」
「そこはお前の方で適当にフォローしてくれ。」
「何だよ。人使いが荒いわね!!」
そう応えつつも、俺は駐車中の車の間を縫うようにして、再び境界に向かっていった。

領域内に戻った瞬間なのだろう、急に見えている景色が変わる。動作は記憶が切り替わる前からの繋がっているので、その途端に転んだりはしなかったが、一瞬だけ判断に遅れがでる。
「これは結構辛いわよ。どこで領域を出たかが判らないから、戻るタイミングが掴めないのよね。」
「それにしては不自然な動きは見られないようだが?」
「これまでの経験から、おおよその境界の位置を想定してるのよ。多少ズレはあるけど、何とか対応できているわね。」
「その調子で頼む♪」
「って、何時間やらせるのよ?」
「義体は疲れを知らない筈だが?」
「精神的にね♪記憶の欠落が繰り返されるのが、こんなにも辛いとはね。」
「判った。今日はこのくらいで帰ろう。もう戻ってきても良いよ。」
「嫌。もう動きたくない。あたしの場所は判ってるんでしょ?迎えに来てよ♪」
「しょうがないなぁ。ウチのお姫様はワガママだから♪」
「お姫様って何よ!!」
俺は朦朧とした頭で、自分が無意識のうちに女の子のような喋り方をしていた事に気が付いた。
が、それ以上の事を考えるには精神的に疲れ過ぎていた。奴の車が近づき俺の前に止まると、俺は後席に転がり込み、そのまま意識を失っていた。

 

境界を越えて…(3/5)

 
そこは屋敷の中に与えられた「あたし」の部屋だった。
俺は寝間着に着替えさせられ、ベッドに寝かされていたようだ。
ベッドの上から部屋の中を見回す。パステルカラーのカーテンやカーペット、床に置かれたクッションやぬいぐるみ、書架のファッション雑誌、そして化粧品が並べられたドレッサーが据

えられている。そこはまさに「女の子の部屋」だった。

時計を確認すると、もうすぐ朝食の時間だった。
起き上がり、クローゼットから今日着る服を選びだす。勿論、そこには男物の服はない。この義体に合わせた可愛らしいワンピースやスカートが詰まっている。
ピンクのパジャマを脱ぎ、用意されていたショーツと揃いのブラを胸に着ける。ブラをするのも、服のボタンが左右逆なのも体が覚えていたのか、無理なく行う事ができていた。
キャミソールを穿くようにして着て、その上からワンピースをまとう。背中のファスナーも難なく上げる事ができた。
ドレッサーの前に座る。本格的な化粧は出かける前で良いとしてめ、化粧水と乳液だけは叩き込んでおく。
髪の毛をブラッシングし、もう一度鏡を確認してから部屋を出た。

…って、俺は何をやっているんだ?これは「女の子」の朝の日課そのものじゃいか!!
俺は奴の前では語尾だけでも女の子らしく振る舞うことで、強制的に女の子らしさ身に付けさせられる=奴に抱かれる=のだけは回避しようとしていた。が、ここまで「女の子」をしよう

とは決して思った事ではない!!
それが、こんなに「女の子」らしくしてしまうとはどういう事なのか…これは奴に問いただす必要があるな。と考えながら、俺は朝食の席に着いた。

「で!!何なんだ?この差は?」
テーブルの上にはフレンチトーストとベーコンエッグ。サラダとデザートの果物が…一方の席の側に…並んでいた。そして、俺の前にはドロリとした灰色の液体が入ったグラスが1個だけ

ポツンと置かれていた。
そこに淹れたてのコーヒーを手に奴が現れた。
「義体も食事はできるが、それでエネルギーを補給している訳ではない。それでも、体内のクリーニングと潤滑剤の補給はやっておいた方が良いからな。」
「で、これが潤滑剤なのか?」
「嫌なら飲まなくても良いよ。補給方法は他にもあるからね♪」
奴の提案には簡単に乗らない方が良いという事は判った。
「良いよ。これは飲んでおく。が、俺にもちゃんとした朝飯をもらえないのか?」
「なら、お前が食事を作れば良い。家事は女がやるものだなんて事は言わないが、時間的余裕はお前の方があるだろう?私の分も作ってくれたら、コーヒーくらいは淹れてやろう♪」

 
俺はエプロンを着け台所で朝食で使った食器を洗っていた。
奴が忙しいのは判っていたし、奴の実験に付き合う以外の時間は原則として暇な事には変わりはない。俺が家事をすれば奴にも余裕が出来るし、その分、俺と一緒の時間が増えるというも

のだ♪

って、何を俺は喜んでいるんだ?
俺が家事をするのは、俺もまともな食事がしたいだけであって、奴の分を作るのは、そのついでなのだ。

洗いものが終わると前後して洗濯機がコースの終了を告げていた。
洗濯カゴに洗い終わった衣服を入れ屋上の物干し台に登った。
正に洗濯日和である。柔らかな風が心地良い。
俺は俺と奴の下着やシャツをハンガーに吊るしていった。男物の衣服の間にブラやショーツが挟まって干されている光景などを、こんなに間近に見た事などなかった事を思い出していた。

 

「お昼ご飯できたわよ♪」
俺が奴に声を掛けると、奴はのそりと食堂にやってきた。
「ほう、パスタか?」
とりあえず、茹でてソースを絡めるだけで済むので、まあ簡単に出来たのだ。
テーブルを挟んで2枚の皿が置かれている。奴の方が多少大盛りになっているのは愛敬だ。
奴は「美味しい」と言ってペロリと平らげてしまった。
「これなら家事を任せても心配ないな。」
「あたしが食べたいからやっているだけよ。」
そう言う事になっているのだ。決して奴が美味しそうに食べている顔をもう一度見たいとか言うのではない!!
洗濯も掃除も自分の分だけはちゃんとやっておきたいからだ。奴の分はついで、「ついで」でやっているんだ。

「じゃあ、晩飯が出来たら呼んでくれ。食材が足りなかったらこれで買ってきてくれ♪」
とポンと奴の財布を放り投げてきた。
「判ったよ。」と返事をした時には、奴の姿はなくなっていた。

 

ゴトゴトと目の前で鍋が火に掛けられていた。
俺は晩飯の材料を買いにスーパーをうろついていた筈だった。
(記憶が飛んでいる?)
鍋の匂いと中身を確かめ、カレーを煮込んでいるのが判った。そう言えば今夜はカレーにしようと考えていたのだ。

 
「ごちそうさまでした。」
俺の目の前には食べ終わったカレーの皿があった。
(また記憶が飛んでいる?)
俺は向かい側に座っている奴を見た。
「どうかしたのか?」
奴が涼しい顔で言う。
と、その手にリモコンのようなものがあるのが見えた。
「何なのよ、それ!!」
「ああ、気が付かれたか。これで領域の大きさをコントロールしているんだ。」
「それで家の中でも記憶が途切れる事があったのね?」
「ああ、そう言う事になるな♪」
「勝手に変な事しないで頂戴っ!!」
「これも実験の一環なんだ。結構面白いデータが集まってきているよ♪」
「あんたには面白くても、あたしには切実な問題なのよ。今やっている事が、どういう経緯で行われているかが解らないって、もの凄く負担が掛かるのよ!!」
「お前の言いたい事は判った。だが、もう少し静かにしてくれないか?」
「な、何?その言いぐさ…」

 

 
また記憶が飛んでいる…
「ああん、あ~ん♪」
俺は艶声をあげていた。寝かされ、抱かれているようだ。俺は脚を広げ、股間に奴のペニスを突っ込まれていた。
一気に性的な快感に満たされていた。
「ああん。もっと激しくしテ♪」
無意識のうちに俺はそんな事を口走っていた。
「そうか。そんなに欲しいか?」
それは聞いた事のない男の声だった。
奴ではない男に抱かれている。
その事実に、俺の意思は男から強引にでも離れるべきだと言っていたが、オンナの快感にスイッチが入ってしまった体は男から離れる事を拒絶した。
「ダ、駄目…」
と口走るが、俺の膣は男のペニスを締め付け、射精を促している。
「おお、良いぞっ!!」
男の動きが激しさを増し、得られる快感も増大した。
「ああん♪イイ~っ!!」
俺は押し寄せる快感に何も考えられなくなり、男のペニスに感じまくる只の淫乱オンナに成り果てていった。

境界を越えて…(4/5)

 
「おい!!大丈夫か?」
俺の目の前に奴の顔があった。
「済まない。私のミスだ。領域外での監視の隙を突かれたようだ。レイプ犯は既に逃亡してしまっていた。」
「レイプ?」
俺は「男」である。「レイプされる」など考えたこともなかった。しかし、体は女の子なのだ。その危険性は無視できないことに今更ながら気付かされた。
「多分、どういう状況だったかなど、記憶からは欠落しているのだろう?」
「ああ、俺がイク直前に領域内に戻ったのだろう。お前以外の男に犯られた ということは記憶にあるが、それ以外はな。」
俺は奴の車に乗り、屋敷に戻っていった。

「領域外での君は、本来の君から切り離されている所為か、結構素敵な女の子になっているんだよ。」
奴がそう言った。
「俺の記憶のない所で…か」
「オイオイ、さっきから女の子らしさがなくなっているぞ。アレをやるか?」
「さっき犯られたばかりなのよ。ソレって本当に効果あるの?」
俺は言葉に注意を戻した。
「確かに、効果があるのは最初の一回目くらいかな?日常生活の中で均していった方が効果があるような気もしている。」
「均すって?」
「領域外での女の子らしい君の状態が領域内でも維持できるようにするんだ。既に頻繁に境界を行き来していると一時的にだが、女の子らしさが維持されているのはわかっている。境界に

緩衝域を持たせれば…」
「あたしは女の子になりたい訳じゃないのよ。実験の都合で女の子らしくしてないと駄目だって言うからやってるんだからね!!」
「わ、わかってるって。だからと言ってはなんだが、明日は実験を休みにしよう。」
俺の強い口調に奴は慌てたようだった。
「明日は領域を最大範囲に設定しておくから、駅前のモールでショッピングでも楽しんでくると良い。」
「元の体には戻れないのか?」
「測定データの連続性が失われるからね。その分、試験期間を延長して良いのなら考えてやらないこともないが?」
「良いわよ。義体のままででかけるわ。」
「そうか♪」

 
ショックからか、俺は晩飯も作らずにベッドに潜り込んでいた。
しかし、朝になるともう習慣になってしまったのか、二人分の朝食を作っていた。駅前のモールに行けると言う事で気分も高揚していた。
ショッピング=買い物は食材の買い出しで近くのスーパーに行くくらいしかなかったのだ。たまに遠出して郊外のショッピングモールに行く事もあったが、実験で広い駐車場を歩き回るだ

けで建物の中に踏み込む事はなかったのだ。
それが、俺の意識を持ったまま駅前まで出れると聞いて、意味もなくウキウキしていた。
そこに何があるからと言う訳ではない。が、食材しか買っていなかった反動か、近くまでいってオアズケが続いた鬱積か、奴がくれた小遣いはかなりの金額があった。
「楽しんできなさい♪」
と奴に送り出されていた。

 

 
基本的にこういう所は女性客をターゲットに作られている。体は女の子でも、精神は男である俺がどう楽しめるのだろうか?
そんな危惧も建物に一歩踏み込んだ途端に霧散してしまっていた。
俺はふらふらと一軒のブティックに入って行っていた。

「色違いですけど、こちらなんかどうでしょうか?」
店員に声を掛けられ、今の状況を把握した。
俺はハンガーに並んでいた服の一つを手に、じっと眺めていたのだ。勿論、男の俺が女の服を買うつもりはない。
が、この服のデザインは俺の目を引いていた。
散々、奴に色んな服を着せられていた所為かどんな服が自分に似合うか判ってしまう。だからだろうか、俺はその服を手に取っていた。
別に買いたいと思っていた訳ではない。だから、手にした服のサイズなど気にしていなかった。
店員が別の服を持って来た。無下に断る事もできず、そのまま試着室に入ってしまった。
入ったからには試着しない訳にもいかない。着てきた服を脱ぎ、その服を着てみた。
思った通り、このデザインは俺をより可愛く見せてくれる。色違いと言われたが、こっちの方がピッタリくる。
(どうしようかな~?)
いつの間にか、俺の頭の中はこれを買うかどうかで悩み始めていた。
(奴も好きに使って良いとお金を渡してくれたし…)

 

お昼もショッピングモールの中で済ませ、俺は半日をモールの中で過ごしていた。
帰る時には、最初に買った服以外にも、ブーツといくつかのアクセサリー、そして下着の類も買い込んでいた。
(勿論、それだけじゃなくて晩ご飯のおかずも買ってきてるのよ!!)
と頭の片隅で言い訳している声がした。

「どうだった?」
夕食の席につくと、早速奴が聞いてきた。
「ありがとう。とても楽しめたわ♪」
「それは良かった。毎日実験ばかりだと息も詰まるだろう?これからも時々休みの日をつくろう。」
「本当?うれしいわ♪」
俺の頭の中には、今日立ち寄れなかったショップやもう一度試着してみたい服のリストが積み重なっていった。

ウキウキした気分のまま、食後の片付けを済ませ、風呂に浸かっていた。
義体は疲れを知らない筈なのに湯舟の中で漂っていると、どこか癒される。腕や脚をマッサージすると気持ちが良い。
これまで感じた事はなかったが、お風呂が好きになっていた。これも、体が女になった所為なのだろうか?

ベッドに戻り、寝ようとしたがなかなか寝つけなかった。
眠りに就くまでの間…と、俺は奴の寝室のドアをノックした。
「どうした?」
奴はまだ机で調べ物をしていた。
「…あ、ああ。今日のお礼がしたくてね。」
俺は自分でも何を言い出したか解っていなかった。
「休みをもらった上に、金を使わせてしまって…」
「それで君が可愛くなるのなら、無駄な事じゃないよ。」
「か…可愛いって…」
「その寝間着も今日買ってきたやつだろう?似合っているよ♪」
そう言われて、俺は「ネグリジェ」を着ているのに気が付いた。思い出せば、それは今日俺自身が下着類と一緒に買ってきたものだった。
(何でこんなモノまで買って…そして、それを着ている?)
そんな疑問も、何故か「似合っているよ」の一言で薄らいでしまう…
「で、でも…何かお礼がしたくて…」
椅子を回し、俺に向き合っている奴の前に進み出ていた。
多分、奴を見下ろしているのが不自然と思ったのだろう。俺はそのまま床に座っていた。
「お礼って、何かしてくれるのかい?」
今度は奴を見上げる形になる。がその前に、奴の股間が俺の目の前にあった。奴のズボンの前面が大きく膨らんでいる。
(何をする?ナニを…)
女の子が「男性にお礼をする」のうちに、ある行為が存在する事に思い至った。

ポッ!!と顔が火照るのを感じた。
「嫌な事を無理に頼むことはしないよ♪」
奴の言葉が引き金になった。
俺はズイッと上体を乗り出していた。奴のズボンのベルトを外し、チャックを下ろし、圧し包んでいた布地の下からソレを解放してやった。
俺の目の前にあるのは奴のペニスだった。
(今の俺は女の子なのだから、こういうお礼もアリなのだ!!)
俺は自分に言い聞かせ、奴のペニスを口に咥えた。

 
俺の口の中には奴のペニスがあった。
喉の奥でその先端を刺激してやるて、ビクビクと反応する。
(可愛くて、何だか好きになりそう)
俺は頭を前後させてソレに刺激を与え続けた。
「凄いよ。気持ち良い。即にでも射してしまいそうだ。」
(射しても良いのよ。全部飲み込んであげるから♪)
口が塞がれているので言葉にできない代わりに、更に刺激を与えてあげた。

ドクリ!!

ペニスの中を塊が昇ってくる。精液に違いない。喉の奥に隙間を開け、それを受け止めた。そして、それをゴクリと喉を鳴らして飲み込む。
更に残っていたものを舐め取り、吸い上げ、再び舌と口で活力を取り戻させた。

「場所を変えよう。」
そして、抱き上げられる。そのまま、お姫様だっこでベッドに運ばれた。
「ああん♪あ~~ん!!」
即に嬌声が上がる。
一瞬で着ていたモノが剥がされ、憤り勃ったペニスに貫かれていた。
快感に揺さぶられ、淫声は抑えようと思う間もなく溢れだす。
「ああん♪イイ…もっと激しくシて頂戴!!」
快感の坂道を一気に駆け昇ってゆく。
「ああ…イ、イくゥ。イっちゃう~~♪」
精液が膣壁に激しくぶち当たる。
その刺激が最後のひと押しとなった。
「あぁ………」
全てが白い靄に包まれていき、あたしは意識を失っていた。

境界を越えて…(5/5)

 
今日も実験が続いてゆく。
俺はもう「女の子」でいる事に違和感を感じなくなっていた。普通にお化粧をして、普通に着飾り、女の子の声で女の子らしく喋り、自然と女の子らしい仕草をしている。
トレーラーに装置を積んでの移動実験などは「彼との小旅行」的な感じで気分も高揚する。

俺が、川沿いの土手の上を歩いてゆくと、風が吹いて来た。
風は俺の足元をすり抜けざま、ふわりとスカートの裾を舞い上がらせた。
「キャッ♪」とは叫ばないまでも、慌てて腰の前後を押さえて下着が見られないようにする事も、ほとんど無意識にできるのだ。
そう。「女の子らしさ」も大分自分のものになってきていたと思う。

再び土手の上を歩いてゆく。もう領域は超えたかな?と思った所に再び風が舞った。
「キャッ♪」
今度のあたしは、女の子らしく叫んでいた。
(このへんがまだ領域内の「俺」が均されていないという所なのね♪)
そんなあたしの感想も領域内に戻れば忘れてしまうのよね。
それでも良いわ。あたしは「今」を楽しむだけ♪
今のあたしは100%女の子。あたしの脚は自然とスキップを踏んでいた…

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