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2011年10月23日 (日)

サポート・スキン 3

「健全な精神は健全な肉体に宿る!!」

それがサポート・スキン開発者の信念だった。

 

男性には、より逞しい肉体を与え、男らしく清廉潔白な精神を育てる。
女性には、より艶やかな肉体を与え、女らしく慈愛に満ちた精神を育てる。

彼はそれを求め、先ずは理想の肉体を造り出した。それがサポート・スキンであった。
が、精神を肉体に追いつかせる事には困難を極めた。何が精神を律するのか?
男らしさとは何か、女らしさとは何か…彼は肉体の改造に試行錯誤した。
男に女性用スキンを、女に男性用スキンを着せてみた。が、スキンは原則「絞め上げる」ものである為、無いモノを再現する事はできなかった。
彼は男性に乳房を、女性にペニスを与える事でどのような精神的変化が現れるかを模索した。

女性はペニスがあると、より攻撃的になった。特に、男性の肉体まで与えると、その攻撃性には歯止めが効かなくなる。
女性の肉体のままでペニスを持つ事で、適度な積極性が生まれる事が判った。そして、その積極性と攻撃性のバランスが乳房の大きさで制御可能である事が判った。
それは、男性に乳房を与える実験でも同様の事が言えた。女性程顕著ではないものの、乳房が大きい程優しくなっていった。

女性にベニスを含む本物の男性の肉体を与えた場合な攻撃性が強すぎると考えた彼は、女性性の追求に専念した。
サポート・スキンを与えなくとも、乳房の大きさで女性性が変化するのが判ると、先ずはそれだけを商品化した。
「豊胸パッド」は、単なるバストパットではない、本物の乳房を提供したのだ。境目は見えなくし、長時間…一生着け続けていられるものだった。
彼の目論見は当たり、それにより次なる研究の開発費が手に入った。

彼の次の目標は男性に対する女性性の追求であった。
乳房による女性性の付与には限界があるようであった。そこには男性本来が保有しているペニスの存在が大きかった。
サポート・スキンにより隠す事で、多少の効果は見られたが、彼の満足するレベルではなかった。
彼は更にサポート・スキンを進化させ、男性の股間に膣を形成する事を可能とさせた。
本物の女性と同様に、性的刺激に濡れ、他の男のペニスを咥え込むことを可能とした。

 
が、あくまでもそれは「スキン」であった。脱いでしまえば、彼の股間にはベニスが復活するのだ。

 

 
限界を垣間見た彼が、挫けそうになった時、思いもよらなかった知らせが届いたのだった。

乳房の連続装着をしていた男性の一人の肉体が、急速に女性化しているという。
調べると彼の肉体は完全に「女」になっていた。膣を始め内性器が全て整っていた。
卵巣も正常に機能し、時が来れば生理も始まり、妊娠も可能と判断できた。

(何故だ?)
彼の問いに対する答えは「彼=彼女の精神の女性化が抜きん出ていた」という以外に思いつかなかった。
男性性が色濃く残る他の被検者には肉体の変化は見られなかった。女性用のサポート・スキンを併用しても、彼等の根幹に或る「男」が揺らぐことはなかったのだ。
しかし、そんな彼等も暗示が掛けられ、自らを「女性」と同一視させると、一気に女性化が進んでゆく。
そこから導きだされる結論は「健全な精神は健全な肉体に宿る!!」則ち「肉体が精神を鍛える」のではなく「精神が肉体を造る」ということなのか?

彼は自ら乳房を装着し、精神の女性化を積極的に進めていった。

 

 
(…あたしは何をしているのでしょう?)
彼=彼女の脳裏に疑問が湧き起こる。それは、女性化が進むにつれて更に強い想いとなる。
(他人の精神や肉体を弄ぶような事は、戦いを好む男性的な思考ではないかしら?女性なら…あたしなら…)
その想いに至った時、彼女の肉体の女性化が一気に完結していった。

そして、サポート・スキンの開発者は失踪した。
残された最初にして最後のサポート・スキンの1ロット。そして、在庫にあった大量の「豊胸パッド」がどこかに流れていったのだった。

それがネットに流れ、何も知らない若者がこれらを手に入れることになるまで、そう時間は掛からなかった…

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