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2011年10月 1日 (土)

「魔女(子守:章前…)」

2008年8月の作品子守
「義姉さんとお兄さんの出会いが気になりますね。」
と、コメントをいただいたので…

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「魔女(子守:章前…)」

ゴーン、ゴーン…
お寺の鐘ではない。教会の鐘の音だ。
今日は兄貴の結婚式だ。相手はかなりの美人。この女性=ミハルさん=が僕の「義姉さん」になるのかと思うと何かドキドキする。

兄貴とは大学で知り合い、兄貴の就職が決まった事で即「結婚」の段取りとなった。
早いと言えば年齢的・経済的にも不安な所があるが、大学1年の春からの4年間の付き合いだ。周囲も認めない訳には行かなかったのだろう。
義姉さんは兄貴とは同じ年の筈だが、かなりしっかりした人でおっとりとした兄貴を支えるには充分過ぎる程の女性だ。(何で兄貴なんかと…)と思わないでもないが、最初に声を掛けてきたのは義姉さんの方だったらしい。
大学のサークル…占術研究会…に先に在籍していたのが義姉さんだった。そこに兄貴が現れ、義姉さんが一目惚れしてしまったという事らしい。

 
 * * *
 

「どうしたの?」
ミハルが声を掛けてくれた。
僕はボーっとしていた事にも気付かないでいたようだ。いつものようにミハルとデートをして、そのままの流れでホテルに入っていた。ミハルと付き合い始めて一年近くなる。既に、将来は結婚しようとも思っていた。
(何なんだろう?)
僕の頭の中に引っかかるものがあった。
僕はミハルを愛している。その事には間違いがない。大学に入り、サークルでミハルと出会い、彼女も僕の事が好きだと分かった。
そこから付き合いが始まった。そこには何の問題はない。
だが、それ以前…ミハルと出会う前の僕自身の事が気になっていた。
もし、ミハルに出会わなかったら、僕はどんな娘と付き合っていたのだろうか?
ミハルは僕の好みにピタリと填っている。しかし、ミハル以外で同じようなタイプの娘がいたとして、はたして僕はその娘と付き合うまでいっていただろうか?

答えは「否」だ。ミハル以外に好きになれるような娘はいない。
では、ミハルに出会わなかったら…それ以前に、ミハルと出会う前の僕の好みはどんな娘だったのだろう?
記憶を紐解いてゆく。高校時代、中学時代、小学校…
初めて恋心を抱いたのは、小学校3年生だった。担任の先生で、理科が得意で、算数や理科が嫌いだったあたしが先生の授業を聞いているだけで理科に興味を持つようになって…ハンサムな…男の先生、だった?

僕の初恋が「男」の先生?
記憶を辿る。僕は女の子に興味を持つ事はなかった?ミハル以外で好きになったのは皆、男性ばかり?
好きだったアイドルは?良く見たテレビは?
友達とどんな事を話していた?

友達…僕の友達は女の子ばかりだった。そう、高校の部活で合宿した時も、同室の女の子達と遅くまで話していた…
(「同室」?)
そういえば、修学旅行も同じ部屋にいたのは女の子だけだった。
中学や高校で着ていた制服は…そう、僕はスカートを穿いていたんだ。

「ミハル?」
僕はミハルの顔をまじまじと見据えた。
「ぼ、僕は…男…だよね?」
「何をバカな事言ってるの?たった今SEXしたばかりじゃない。女のあたしを満足させてくれたノは何だったの?」と股間の竿を握り絞める。
そう。これはペニスだ。僕は「男」に間違いはない。
なのに、記憶にある「僕」はなぜ女の子なんだ?
「でも…、昔、僕はスカートを穿いていた。そんな記憶が残っている…」
「…」
「そう、僕は女の子だった。正月には振袖を着て初詣に行った。夏はビキニの水着でプールに行った。浴衣を着て盆踊りもした。みんなでバレンタインの手作りチョコを作った…何より、小学校6年生の時に初潮を迎え、以来ちゃんと生理があった筈!!」

「な~んだ。思い出しちゃったんだ。」とミハル。
「何か知っているのか?」
「だって、あなたを男にしたのはあたしだもん♪」
フフフッと笑みを浮かべるミハル。
「な、何で?」
「あなたが好きになったから。でも、女同士だとイロイロと面倒になりそうだったんで、あなたに男になってもらったの♪」
「そ、そんな事が…あり得るのか?」
「あなたは思い出したんでしょう?女の子だった頃の記憶を。あたしは魔女だから、なんだってできるのよ。」
「魔・女?」
「そう。魔法を使うの。素敵でしょう?誰もがあなたが昔から男だったって思い込んでいるのよ♪昔の写真に女の子のあなたの姿が映っていても、皆あなたの姿が男の子に見えてしまうのよ。もちろん、戸籍に女と書かれていても、男って書いてあると思い込んでしまうわ。」
「そ、そんな事が…」
「大丈夫よ。今はどの書類もみんな男に書き換えてあるから。」
「そういう意味じゃない。…魔女って、その事は多分、本当の事なのだろう。で、僕を男にした。しかし、僕は女であった事を思い出してしまった。僕は再び女に戻るのか?」
「戻りたいの?」
「いや、何とも言えない。」
「今だけ、女に戻ってみる?」
「え?」

一瞬後、僕の肉体は「女」になっていた。
「これが、元々のあなたよ。如何?」
胸に存在する二つの膨らみ。そして、股間には何もない…
「これが…僕…なのか? ヒャン?!」
突然ミハルに乳首を吸われ、あられもない声を上げてしまった。
その声は確かに女の子の声だ。
「あなたにも、女の子を感じさせてあげるわね♪」
ベッドに押し倒される。
「あ、ああん♪」
ミハルの指が僕の股間に伸び、股間の割れ目に押し入ってきた。
「ちゃんと濡れているわね♪これなら大丈夫。」と、僕の股間を圧し開く。
その彼女の股間には、見慣れぬ隆起…突起が存在した。
それは勃起したペニスだ。
僕は今、ソレに貫かれようとしている。
「いや…そんなコト…ダメだよ…」
「何言ってるの。散々あたしをコレで貫いてくれたでしょ?決して悪い事にはならないわ。ちゃんと気持ち良くさせてあげるから♪」
ミハルのペニスが僕の股間に触れ…膣の中に侵入してきた。
「あん、ああん…ああ~~ん♪」
快感が僕を支配する。
「だ、ダメだよ。こんな…」
「でも、気持ち良いでしょ?」
彼女の動きに堪えきれなくなる。
「あ、あ、あ……」
僕は何も考えられなくなっていた。

 

 
僕は一生、ミハルとは離れられなくなった事を実感した。
「結婚しよう♪」
プロポーズは僕が女で、ミハルが男の逆転デートをしている時だった。
言いだしたのはミハルだった。
僕は即に「ハイ♪」と返事をしていた。
道往く人は若いカップルを微笑ましく眺めていた。誰が、男女が逆転…本当は女同士であると気付くだろうか?
普段の僕は「男」のままで生活している。が、デートやSEXの時は彼女の気まぐれで僕が「女」になる。女同士の時もあれば、男女を逆転するときもある。

僕はこの先も彼女と一緒でいる事に、何の不満もなかった。
ただ、気に掛かるのは「弟」の事だ。この先、彼女の気まぐれで弟が彼女の玩具にされる事がないとは言いきれない。

僕の不安が現実のものとならない事を「神」に祈るだけだった。

 
 * * *
 

結婚式は滞りなく終わろうとしていた。
兄貴達の大学時代の友達を筆頭に女の子達がワイワイと集まってきた。どうやらブーケトスを行うらしい。

「いくわよ♪」の義姉さんの声に、
「「せーのっ!!」」と女の子達の声が続く。

「「きゃーっ!!」」との騒ぎの中、
ポトリと僕の手の中に義姉さんの投げたブーケが収まっていた。
(今度はアナタの番ね♪)
僕の頭の中に義姉さんの「声」が谺していた。

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