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2011年8月11日 (木)

惑星ガルボ(3/4)

ぼーっとした頭のまま、浴室を出てきた。
ベッドの上に着替えが用意されていた。パジャマと下着…女性の穿くショーツだ。確かに今の俺は女の肉体になっているから、これが正しいのかも…
「女になったら、女に成り切るのがイチバンよ。服も女の肉体ができるだけ動き易いように考えられているの。着て、動いてみれば解るわ。女らしい仕草も、それなりに合理的なんだから。男の時とは骨格からして違うんだからね♪」
別れ際に彼女が言った言葉を思い出した。
クローゼットの扉を開けると彼女が着ていたような作業着を初め、女物の衣服が並んでいた。
「これを俺が着る事になるのか?」
取り出してみた服はワンピースだった。体にあて、鏡に写す。それが「俺」自身でなければ「似合ってるヨ♪」とその娘に言ってあげたくなった。

あれこれ悩むより、俺の肉体が睡眠を欲していた。
服をクローゼットに戻す。出されていたパジャマを着てベッドに潜り込むと、一瞬後には俺は眠りに就いていた。

 

 
結局、彼女と同じ女物の作業着を着て六足歩行車に乗っていた。下着も女物を着けている。特に、ブラジャーの有無が動き易さに大いに影響する事も解った。
「今日はどこから始める?」今日め彼女が脇にいた。
「先ずはお化粧かしらね?」ガクリと俺が操縦桿を握り損ねた途端、六足歩行車が躓いてしまった。
「何コケてるのよ。女性の肌は敏感なの。しっかりとUV対策をしておかないと、ひどい目に会うわよ。お化粧って言っても、口紅を塗るだけじゃないんだからね。」
「は、はあ…」と一旦、六足歩行車を止めると彼女がポーチから取り出した化粧道具で顔中が塗りたてられた。
「これが俺?」口紅だけではなく、しっかりとアイメイクまでさせられた「俺」の顔は更に愛らしくなっていた。
「言葉も姿に合わせた方がストレスが少なくなるわよ。」と余計なアドバイスが飛んでくる。
「べ、別に自分の顔に見とれていた訳じゃないわ…ないんだからな!!」と俺は操縦桿を握り直した。

「少しでも重機を投入させたいの。」と、彼女に案内されて重機の格納庫エリアに着いた。ここもまた、辺り一面瓦礫に覆われていた。
「とりあえず、最短コースで通路を確保してもらえないかしら?」彼女は方向を示すと操縦席から降りていった。俺としては、黙々と路を切り開くしかなかった。

目標とした格納庫に近付くと、格納庫側でも動きがある事が解った。シャッターの内側で重機が起動していた。懸命にシャッターを上げようとしているが、瓦礫の山がそれを阻止している。俺は路を拓くのを中断し、シャッターを塞いでいる瓦礫を切り崩しにかかった。
程なく、シャッターが上がり始める。重機が外側の瓦礫を粉砕し始めると、一気にシャッターが全開した。
その後ろには準備の整った重機が並んでいた。格納庫内の隔壁を破って、棟内の重機を集結させたようだ。その全ての操縦席には女性ばかりが座っている。皆、反陽子炉の力場の影響で性転換した男達なのだろう。
「ごくろう様♪」と彼女が操縦席に上ってきた。
「ここはもう大丈夫だから、次の棟に向かいましょう。」

俺は陽が暮れるまでに五つの棟のシャッターを解放した。振り返ると動き出した重機が搬入路を切り開いていた。
「宇宙港の復旧にもとり掛かっているわ。」俺の視線の先を追ってか、彼女が情報を提供してくれた。
「明日も頼む事になるけど、その先についてはお休みしてもらう事になったわ。」六足歩行車もまだ手伝えると言ったが、燃料にも限りがあった。
六足歩行車は不整地でも行動できるが、トラックに比べると亀のように鈍く、燃費にも雲泥の差があった。明日の仕事が終わったら、残った燃料を抜いて他の重機に分配するとまで言われた。

実際、六足歩行車が動きを止めた後の重機達の活躍には目覚ましいものがあった。俺はまる一日「休息日」という名目で、ぼーっと彼女等の働きを眺めていた。
(それにしても…)俺は思った事を聞いてみた。
「俺以外に休んでいる人を見かけない。皆が働いているのに一人だけ休んでいるのも悪い気がする。」
「大丈夫よ。皆にはそれぞれ得意分野があって、予め決められた仕事をこなしているだけだから。」
それでもと言うと
「貴女のスキルは六足歩行車でしょう?他になにかできるの?男なら力仕事もあるけど女になってしまってはそれも無理ね。」と突き放された。
「まあ、貴女のような娘でも出来る仕事がない訳じゃないんだけど…」
「ぜ、是非やらせてください!!」俺の必死の頼みに彼女は
「判ったわ。夕食後に迎えに行くから、ちゃんとお化粧をして待っていなさいね。」

 

彼等は恐怖していた。
明日の朝には反陽子炉に向かう事になっていた。「男」でいられる間に力仕事を担当するのだ。そして、一定期間が過ぎると力場の影響で「女」になると知らされていた。
まだ若い彼等にとっては初めての経験となる。彼等は「男」でなくなる事に恐怖していた。だから殊更に今現在の自分が「男」である事を主張したがった。
その最たる行動が「女を抱く事」であった。

その彼等の前に据えられた「女」こそ…俺自身だった。
何もできない俺が唯一役に立てること。「女」として彼等に抱かれ、彼等の恐怖を少しでも和らげてやることだった。
「あん、ああん♪」
女のように喘ぎ声をあげてやるのも彼等の為なのだ。
脚を開き、俺の股間に彼等を導いてやる。猛りきった若い力が俺を貫いては、熱い奔りを俺のナカに放ってゆく。
演技ではなく、俺は嬌声をあげていた。彼等とともに快感に巻き込まれてゆく。
義務感や仕事としてではなく、俺自らが「男」を欲していた。誘うように身をくねらせ、艶声をあげて「男」をたかぶらせる。
「もっと♪突いて!かき回して!!」
幾人もの男達に抱かれていた。隣のベッドではまた別の「女」が男達に抱かれていた。
狂宴は朝まで続いた…

 

そして、男達は去っていった。
仕事に…反陽子炉の力場の中にむかっていったのだ。
「大丈夫よ。反応炉も安定を取り戻してきたから、彼等は一週間もすれば元に戻れるわ。」
声をした方を見る。
もう一つのベッドの上にいたのは彼女だった。
「さあ、シャワーを浴びちゃいましょう♪」と俺を立たせた。
膣から狂宴のなごりが滴ってきた。
「ちゃんと洗浄しておかないとね♪沢山射されたでしょう?私達は元は男でも、今はちゃんとした女なの。だから、気を付けないと妊娠してしまうわよ。」
「妊娠?」
「そう。子供を産むことになるの。実際、そうなった人も何人かいるわ。けど、妊娠すると男に戻る事ができなくなるわよ♪」
「女のまま?」
「その方が産まれてくる子供の為でもあるからね♪」
俺は慌ててシャワーの下に立っていた。

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