« 迷宮(1/2) | トップページ | 逆転(3/3) »

2011年7月 7日 (木)

手に入れたもの

私の左腕は生来のものではない。
悪魔が私に与えた忌まわしき左腕なのだ。

 
「先輩♪」
声を掛けてきたのは一年下の佐藤充だった。彼とはひょんな事で知り合い、何かと言うと私に声を掛けてくる。
私はこの左腕の所為で友達も作らずに独りでいることが殆どだったが、何故か充だけは側にいる事を許してしまうのだった。

「今日はどちらに行かれるのですか?」
「別に予定はない。」
「じゃあ、駅前に新しい喫茶店ができたんです。行ってみませんか?美味しいケーキがあるそうですよ♪」
(喫茶店かぁ…)
私は今朝、左手にコーヒーカップを持ってしまった事を思い出した。

この忌々しい左腕は、その手に触れたものを「私のもの」にしてしまう能力があった。しかし、その能力の発動は気まぐれであり、ひねくれていた。
初めの内は、教科書に触れただけでそこに書かれた知識が自分のものになり、勉強せずともテストで高得点を取れたりして有頂天になっていた。
その結果、勉強する事自体がむなしくなり、何もしないで臨んだ次のテストでは能力は一向に発動されず、散々な結果に終わった。その後も似たような能力の発動はあったが、余計な雑学ばかりが頭に入ったり、英語の本を読んだ直後に発動した時は、知識が全て英語で記憶されてしまい、使い物にならなかった事もある。
知識以外にも、たとえばお金に触れたとしても、それがそのまま私の物になる訳ではない。千円札に触れて大量の千社札が届いた事もあった。競馬の大穴が当たっても馬券を買う事はできなかった。

今日は喫茶店でコーヒーを奢ってもらえるのかな?と期待したりしている。
「コーヒーを2つ。ひとつはケーキセットで。」充が明るい声でオーダーする。
小洒落た店の店員はスイスの民族衣装のような制服を着ていた。あまりお洒落に関心のない私でも、一度は着てみたいな(似合うかどうかは別として)と思わせるものがあった。

運ばれてきたコーヒーの味はそれなりだったが、セットのケーキを一口食べた途端
「美味しい♪」と思わず声をあげてしまった。向かい側の席では、充がニヤニヤと笑っている。
「何か?」と聞くと、
「先輩がケーキに喜んでくれたのが嬉しかったんです。普段の先輩はあまり笑顔を見せる事はありませんからね♪」
確かに私は自分の殻に閉じ篭もり、外界との接触を極力絶ってきた。勿論、笑顔を始め喜怒哀楽は表に出さないようにしていた。
が、その私の決意も充と出会ったところから、脆くも崩れだしていったのだ。

そもそも、充との出会いは彼が道端にしゃがみ込んでいるのを見た所から始まる。
ひ弱そうな充は、それだけでイジメの対象となり、私も何度か具体的なイジメの光景を見た事があった。その日は彼一人だったので、イジメが終わり一人残され苦痛に耐えているのかと思った。
が、近づくと彼の服には何の汚れも付いていなかった。彼は一心に壁の下を見つめていた。
(そこに何があるのか?)好奇心が私を充の背後に近づかせた。

「えっ?」と充が振り向いた。
私の気配に気づいたのだろう。それ程までに私は近づいて…近づき過ぎていた。私が左腕を彼に触れさせないように動くより先に、彼の背中に私の左掌が接触してしまっていた。

「な、何を見ていたんだ?」
何とかその場を取り繕おうとしたが、既に彼は「私のもの」となってしまっていた。
「何って…、何だったのだろう?僕は先輩以外には何も見ない筈なのに。」
その瞬間から、充は常に私を慕うようになってしまったのだった。

「お前は頼まなくて良かったのか?」私が充に聞くと、
「僕は先輩の笑顔が見れただけでお腹が一杯です。」
「そんな事言わずに一口食べてみろ。」私はケーキの一片をフォークに乗せ、彼の口元に運んでやった。
彼がそれを拒絶する事はなかった。そのまま、美味しそうに口に入れた。
(私は何をしているのだろう?)何か急に恥ずかしくなってきた。

「違うっ!!」私はいたたまれずに席を立った。
その途端
「キャッ!!」と女の声。
ガチャン!!
トレイとその上に載っていたモノが床にばらまかれた。
その過程で一杯のコーヒーカップの中身が私の半身に降り注いでいた。

 
「も、申し訳ありません。m(_ _)m」と女の子。バックヤードから店主らしき年配の女性が駆けつけてきた。
「お怪我は?火傷していません?」と店の裏に連れられてきた。事務室の奥に応接室のようなものがあった。
「とりあえずはコレに着替えませんか?」と差し出されたのは、店の女の子達が着ていた民族衣装風の制服だった。私の着ていた服は速攻でクリーニングに出されていた。
クリーニングが終わったら家に届けてもらう事になり、私は充と店を出て街を歩いていた。
「何を見ているんだ?」窺うような充の視線を何度も感じていた。
「もしかして、お前もコレを着たかったのか?」とスカートを摘んでみせた。
充は慌てて否定するが、華奢な彼に着せた所を想像しただけで、何かムラムラとくるものがあった。
「こんな格好で街をうろつくのも変だよね。」彼はそうは思っていなくとも、同意するしかなかった。私自身でさえ、それが口実でしかない事を認識していた。
「一旦、家に帰る。一緒に来て。」と、私は彼を私の部屋に連れていった。

「着てみて♪」
普段のラフな格好に戻った私は、今まで着ていた服を充に突き付けた。
「この中だけよ。別に、その格好で外に連れ出したりなんかしないから。」とは言っても建前にしか聞こえないだろう。充も困った顔をしている。
が、彼は私の言う事には逆らえないのだ。たとえそれが「死んで」という行為であっても…
充は私の前で服を脱いでいった。流石に下着まで女物にするのは可哀そうだったので、男物の下着の上に着るように言った。
「可愛い♪♪」
思った以上に彼は似合っていた。
鏡を見させると、それは彼にも判ったようだ。聞かなくても、その可愛さに彼の下半身が興奮しだすのが見えたのだ。もし、私が男なら、即にでも押し倒してしまっていただろう。
…「男」なら…

私の左腕は、触れたものを「私のもの」にしてしまう…
(彼の「男」を「私のもの」とすることなど、可能である筈がない)
が、私は鏡に見入る彼の背後に立ち、左手を彼の股間…スカートの「膨らみ」に向けて伸ばしていった。

「「あっ!!」」

二人の叫びが重なった。
急に股間が突っ張る。ジーパンに抑えられ、猛烈な痛みに襲われる。
慌ててボトムを脱ぎ捨てた。
「えっ!!」と充の驚く声。私の股間には立派な男性器がそそり勃っていた。

私は彼の「男」を手に入れたのだ。逆に、「男」を奪われた充は女になっているに違いない。
その証拠に、スカートの前の膨らみは消え、胸元の余り気味のギャザーも、内側から綺麗に押し広げられていた。
「か、可愛くなったわね♪」私のからからの喉から、ようやく声が出た。
「せ、先輩?」
充の怯えた顔が、更に私を興奮させた。
「良いのよ。私に任せておけば…。お前も私に抱かれたかったのだろう?」
別に充の意思は関係ない。充は既に「私のもの」なのだから、いくらでも私の好きにできるのだ。
「大丈夫。私が悦ばせてあげる♪」
充が崩れ落ちるように私の腕の中に倒れてきた。私は「男」の逞しい腕でしっかりと支えてあげる。そして「男」らしく、充をお姫様抱っこしてベッドに運んだ。

充の胸は柔らかく、弾力に富んでいた。軽く揉みあげただけで「ぁふん…」と愛らしい吐息を漏らすのだった。
その甘い声を何度となく堪能したかったが、私の「男」が我慢の限界にきていた。もう、服を脱がしている猶予もない。
スカートの中に手を入れ、パンツを引き剃り下ろした。そのまま、脚を開かせる。充の股間では淫らな膣口が、愛液に濡れ輝いていた。
私は一気に股間のモノを彼女の股間に突き立てていた。
「あん、ああ~~ん♪」
充が嬌声をあげる。私の「男」がその声に刺激される。勢いがつき、私は上り詰めていった。
(何かが出ていこうとしている?)
「うむむっ」
私はうめいた。
そして「男」の中を熱い塊が通過していった。
「あっ、ああん!!」
充が四肢を痙攣させる。どうやら彼女もイッたようだ。

私は精液を放出した時の快感を思い返した。これが「男」の快感なのだ。「女」の快感とは違うが、またこれも良いなと思う。
それは、充が満足そうにイッた顔を見て確信に変わった。
(私にも、充にとってもこの関係が最もふさわしいものに違いない。)
私はそう確信していた。

 

 
「ああ…済みません。僕、眠っちゃいました?」
充が目を覚ました。既に汚れは拭い去り、服も着替えさせている。彼女は、私に犯られた事が夢であったと思うかも知れない。
「せ、先輩。僕…先輩と…シちゃったの?」
(流石に「夢」にするには無理があったね♪)
「ごめん。お前があまりにも可愛かったんで…」
「僕こそ…先輩に何てことを…男として責任は取らせてもらいます!!」
(「責任」って…あんたはもう「男」じゃないって気づいてないの?)
「責任って?」私が意地悪に聞く。
「勿論、先輩と結婚して幸せな家庭を築くつもりです。」
「嬉しいなぁ♪そう言ってくれるなんて。」私がそう言うと、充の顔が綻ぶ。
「でもね、ウェディング・ドレスは充が着ることになるけどね♪」
「えっ??」充の顔が驚きに固まった。
「覚えていないのか?犯ったのは私。犯られたなはお前だ。お前はもう男ではないんだ。」

充はその手を胸に当て、そして股間に伸ばした。
「ナイ?」
戸惑った表情を浮かべる充。
「今は私が男なんだ。」充の手を取り、私の股間に触れさせた。

「ぼ、僕が女の子…なの?」
「大丈夫♪何の違和感もないよ。…いや、お前程可愛い娘はいないよ♪」
「僕が…可愛い?」
「そうだよ。自信を持って構わないさ。充は私の可愛いガールフレンドだよ♪」
充の中で、何かが崩壊し、新しい何かが形作られていったのだろう。
「ぼ、僕はもう…女の子なんだ…」
私は充の肩をギュッと抱き締めてあげた。

 

 

「先~輩~♪」
充が走ってくる。
女の子である事を受け入れ、私の為により可愛くなろうとしている。フリフリのワンピースの裾を靡かせて走る姿は、もう「女の子」そのものだった。
「ケーキにします?それともア・タ・シ?」そんな媚びた笑顔を向けられると、私はもう自分の中の「男」を抑えることはできない。
スカートの前が突出しているのも気にせずに、私は充を抱き締めた。
「今日は安全日だから生でできるわよ♪」
充の元男とは思えない言いぐさに、私の「男」が暴走してゆく…

「我慢できないのなら、そこでシちゃいましょうか?」
充の促す先には公園の公衆トイレがあった。
私は躊躇わずに、充を連れて女子トイレに篭もった。
「さぁ、良いわよ♪」
充がスカートを捲り、剥き出しの尻を私に向ける。
私はスカートをたくし上げるのももどかしく、私の「男」を充の膣に突き立てていた。

「あん♪あああ~~ん!!」充の艶声が、女子トイレに響き渡っていく。
私も幾度となく充のナカに放出し、二人は快感に満たされていくのだった。

« 迷宮(1/2) | トップページ | 逆転(3/3) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 手に入れたもの:

« 迷宮(1/2) | トップページ | 逆転(3/3) »

無料ブログはココログ