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2011年7月 7日 (木)

逆転(1/3)

ある日、僕の彼女が「男になりたいなぁ…」と漏らした。

「君が男になったら、僕の立場はどうなるんだい?」と聞くと
「替わりにあんたが女の子になれば良いんじゃない?」

その答えに、僕は男になった彼女と女の子になった僕が一緒に歩く姿を想像してみた。

 
…違和感がない?
元々、部活で知り合った彼女は、僕より背が高く活動的で、彼女から声を掛けられて付き合うようになったのだ。
そんな彼女が男になったら、それこそハンサムを絵に書いたようなものだ。
逆に僕はと言えば、普段から、そのままスカートを穿かせただけで女の子に間違えられるんじゃないかと言われる程、男性的な魅力に乏しかった。

そんな貧相この上ない僕に彼女が何で声を掛けたのか、これまでずっと謎だった。が、この一言で合点がいったような気がする。
「男になりたい」と思う彼女が他の女の子達と友達になっても、「女の子」の会話に彼女自身が追いていけなかった事が容易に想像できた。
また、男子達と男友達になろうとしても、その体格差から対等な気分にはなれなかっただろうし、男子達もついつい彼女を「女」として扱ってしまったのだろう。
だから、「男」を意識させない僕とであれば対等な付き合いができると考えたに違いない。
確かに、僕と彼女の関係は「男女交際」と言うより「友達同士」に近い。ともに自分達が男であるか女であるかなどを意識せずに付き合える関係だった。

 

「今度、夏合宿があるだろう?」
僕等の所属する部は、部員間の親睦を深めるためにと夏合宿を行うのだ。目的が「親睦を深める」であるからして、そこで「部」本来の活動などする筈もない。毎日遊び呆けるだけの「合宿」なのだ。
「少しは服を買っておこうと思うんだ。付き合ってくれない?」
僕はなんの躊躇もなくOKしたが、確かに彼女の私服はTシャツとジーパン以外に見た事がない。やはり女の子なのかな?少しはお洒落をしようと考えたのだろうか?
などと、先の発言も忘れて、僕はそんな事を考えていた。

 
「ついでにこっちのサイズも測っておいてくれない?」と彼女が店員に話掛けると「失礼します♪」と僕の体にメジャーが当てられた。
「ぼ、僕は買うつもりはないよ?」と言ったが、「ついでよ、ついで♪」とかなり細かい所まで測られたような気がする。

「ふーん?」とメモを手に紳士物のコーナーを巡り何点か集めてきたものを僕に渡した。
「買うつもりはないよ。」もう一度そう言うと、「試着はタダよ。あたしが選んでいる間の暇潰しと思いなさいな♪」と試着室に送り込まされた。
確かに、彼女のコーディネートのセンスは抜群のものがあった。(これなら一着くらい…)と思わなくもない程、鏡に写る自分を見ていて飽きる事がなかった。

「ねえ、これなんかどう?」
僕が試着している間に彼女が選んできた服を今度は彼女が試着する番だった。が、僕の服を選んだセンスに比べると、自分自身に合わせるには少々無理があるようにしか見えなかった。
「すごく可愛いよ。」とは言ったが、その服が可愛過ぎて彼女の背丈にはかなり難があるように見えた。
そんな僕の負の気持ちが顔に現れたか「そうよね。あたしには可愛過ぎるわよね。」
と次の服に移っていった。

最後に彼女が試着したのは、最初に僕が試着したのと同じコーディネートだった。勿論、サイズは彼女の体に合わせてある。
「これでペアルックなんて良いんじゃない?」
実際、同じ服を着てしまうと(勿論、紳士物だ)本当に男か女か解らなくなってしまうのではないだろうか?
「君がそうしたいのなら…」と優柔不断な僕は、結局OKしてしまうのだった。

 

合宿の当日「絶対に着てきてね♪」と念を押されて先日買ったペアルックで集合場所にやって来ると、意外にも彼女はスカート姿で来ていた。
「あんたって服に無頓着じゃない。こんな時くらい良い格好しなきゃ♪」とは彼女の弁。ペアルックとでも言わないと僕が服を買う事などないと確信しているようだ。
が、僕の姿よりもスカート姿の彼女の方が部員達の話題の中心になってしまった。
「まだ出発まで時間あるわよね?あたしのスカート姿でこれ以上騒がれるのもウザいから着替えてくるわ。」と僕を従えてロッカー室に入った。
彼女が着替えたのは、あのペアルックだった。が、同じ服を着た二人の姿を鏡に写してみた彼女は…
「これはこれで騒ぎのネタになるわね。あんたも着替えない?」と提案してきた。
「あんたの着替えも用意してきてるから、荷物を取りに戻る必要はないわ。」と服の入った袋が渡された。
奪うように僕の服を脱がすと「時間がないから早くね♪」とロッカー室の入り口に移動してしまった。
袋の中に入っていたのは、さっきまで彼女が着ていた服…と同じだが、サイズが違っているようだ。彼女は僕に黙ってもうひと揃いのペアルックを用意していたのだ。

が、これはスカート…女物の服である。
僕は良く女の子に間違われる事があるが、これまで女装したことなどないし、女装したいとも思った事もない…

「急いで!!時間になったら裸のまま連れ出すわよ♪」
彼女がそう言ったら、確実に実行してしまう。仕方なく、僕はスカートに足を通した…

 

逆転(2/3)

「何だ、服を交換しちゃったんだ。」
「やっぱりそっちの方が違和感がないよ。」
と着替えた彼女の評判は悪くなかった。が、僕の女装については皆スルー?
誰もこの異常な状況にコメントの一つもしてくれない…

「電車に乗るよ。遅れるな!!」
部長の声に皆が移動を開始する。僕も慌てて荷物を持ち、皆の後を追った。
席は4人掛けのBOX席で、僕は彼女の隣の窓側になった。向かい側は女の子だった。それが何を意味するか…
僕は彼女の隣に座れた嬉しさで僕が女の子の一人として扱われている事に気づくことはなかったのだった。

 

合宿所はホテルのようで、部屋はツインルーム…つまり二人でひと部屋を使う事になる。
当然部活の合宿であるので「間違い」が起きないよう、男女でフロアが分かれた部屋割りになっている筈なのだが、何故か僕は彼女と同室になっていた。
これが、他の女子との同室であればおかしいと気づいたであろうが、電車の時と同様に彼女と一緒だと浮かれて気づかずにいた。

「ご飯まで時間があるから、お風呂に行こう♪」と彼女に誘われた。
ここは温泉地であり、この合宿所にも露天風呂付きの大浴場があった。
「大丈夫よ♪」
と彼女に引き連れられて「女湯」の暖簾を潜ってしまった。着ていた服を剥ぎ取られ、浴室に放り込まれた。

「キャ~~!!」
と女の子達の声があがる。が、それは悲鳴ではなく、歓声でしかなかった。
そして、彼女等の視線は僕を無視し、その背後に立つ人物に注がれていた。
「お背中流しましょうか?」
「こちらの石鹸が香り良くてよ♪」
わらわらと女の子達が集まってくる。それも、一糸纏わぬ姿…同性しかいないという安心感からか、何も隠そうとしない。
僕は努めて見ないようにしようとするが…
「今日はこの子と一緒に居たいから、邪魔しないでもらえないかな?」と僕の腕を引き、皆の前に晒すようにした。

腰に手を当て仁王立ちして僕の頭の上から足の先まで一瞥した女の子達は「仕方ないわね♪」と浴槽に戻っていった。
その僕の体からは、巻いていたタオルが剥がれていた。すなわち、僕の男性シンボルを含む全裸の姿が彼女達の前に晒されていたのだ。(その男性シンボルは、この状況下で嬉々としているかと思いきや、彼女達のパワーに圧倒され、小さく縮こまってしまっていた)

僕という「男」が一緒に女湯に入っているというのに、女湯の中は普段通りの華やぎに満たされていた。つまり、僕が男として認識されていないと言う事なのだろう。
「ああ、この石鹸。本当に良い香り♪」と彼女が僕の背中を流してくれる。
「気にする事はないわよ。あんたはあたしの恋人なんだから、堂々としていれば良いのよ♪」と彼女は言うが、一緒に女湯に入る恋人同士ってレズビアンしかないんじゃないだろうか?
二人一緒に湯船に入ると、彼女は「ハ~。極楽、ゴクラク♪」とオヤジ臭いことを言って、畳んだタオルを頭の上に乗せていた。

 
長湯で少しのぼせたか、その後の記憶が曖昧になっている。
風呂から出ると、浴衣を着せられた。宴会場には皆が集まっていた。男子も浴衣を着ていたが、地味な青いストライプのもので統一されていた。
女子はそれこそカラフルで、一人一人柄も違っている。僕のは赤と黄色のモミジが散りばめられていた。
僕が女子側に一つだけ空いていた彼女の隣の席に座ると、合宿初日の夕食が始まった。
お酒こそ出て来なかったが宴会のように盛り上がり、適当なところでお開きになった。何を食べたのか、殆ど記憶に残っていない。
部屋に戻ると少しは落ち着きを取り戻した。

彼女が淹れてくれたお茶を飲む。
「ごめんね♪変な事に巻き込んじゃって。」
「大丈夫だよ。僕は君と一緒なら、それだけで幸せだから♪」
「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいわ♪」
そのまま僕はベッドの上に倒された。
「今夜は一晩中可愛がってあげるわ♪」
浴衣の胸がはだけ、平らな胸に彼女が唇を這わせた。
「…ぁあん♪」
図らずも、女の子のような喘ぎ声が漏れてしまった。胸の突起が彼女の唇に包まれ、そこに…軽くだと思う…彼女の歯に挟まれたのだ。
「可愛い♪」と言われ恥ずかしくなる。
「良いのよ。全てあたしに任せて♪」
彼女の手で浴衣が脱がされてゆく…あっと言う間に全裸にされていた。
本来であれば、男の僕が彼女を組み敷いて…と考えるのだが、今の状態はまったく逆である。(何か間違っている)と思おうとするが、その度に彼女から与えられる快感に押し流されてしまう。
「んあんっ!!」
彼女の手が、僕の股間に伸びてきた。そして、彼女の指は股間を通り越してお尻の穴に突き立てられていた。
「感じるでしょ♪ココなら男の子も女の子も関係ないわよね?」
快感がお尻の穴から全身に広がってゆく。彼女の指はその中で巧みに蠢いていた。
彼女はこの快感が男女を問わないとは言ったが、挿れられ、責められる感覚は限りなく女の子の快感に近いものだと感じていた。

「…あんたが女の子になれば良いんじゃない?」
以前の彼女のセリフが思いだされた。
女の服を着せられて、一緒に女湯に入り、ベッドの上でも責められてばかり…。これじゃあ、本当に女の子になったみたいじゃないか?

「ほら、もうすぐよ。遠慮なくイッちゃいなさい♪」
僕…が、イク?
そう、快感が昇り詰めていったみたいだ…
「あ、ああん♪イク…イッちゃうの?」
「そうよ♪コレでイッちゃいなさい!!」
「あっああ~ん!!」
四肢が痙攣したようにつっばり、頭の中が真っ白に塗り込められてゆく…

「イけたようね♪良かったでしょう?」
僕は快感の余韻に浸りながら、首を縦に振っていた。
「ドライオーガスムって言うのかしら?あなたは完全に女の子と同じにイッたみたいね♪」
確かに、オナニーした時のうに射精した感覚はなかった。それでも性的な快感を得たという事は、僕が女の子として感じてしまったと言うことなのだろうか?
「貴女が女の子になったんなら、今度はあたしを男にしてもらえないかな?」
僕の目の前にペニスが差し出された。勿論、本物ではない。彼女の股間に装着された張形だった。
「お前はお汁が少ないから、自分の唾液で良く濡らしておくといい。」と、ソレを僕の口に押し込んできた。
僕が彼女のペニスを咥えている…否、僕はもう女の子なのだ。大好きな彼氏にフェラチオをしてあげるだけの事。彼がそれで喜ぶのなら、僕はなんだってしてあげられる♪
「そろそろ良いかな?挿れてやるから、四つ這いになって尻を上げるんだ。」僕は言われるがまま、ベッドの上で尻を上げた。
「ほう、お前のマ○コが待ち遠しそうにヒクついているぞ♪」もう、何を言われても何も反応できなかった。
「いくぞ♪」の声とともに、彼のペニスが僕のナカに入ってきた。
「アァ、イイ…」僕は快感にだけ支配されていた。無意識のうちに腰を振り、胸をベッドに擦りつけて更なる快感を求めていた…

 

気が付くと外は白み始めていた。
隣で寝ている彼女を起こさないように、そっとベッドを抜けだした。体にまとい付いた汚れが気になり、内風呂でシャワーを浴びる事にした。

お尻にはジンジンと今だモノが挟まっている感じがした。
彼女に激しく責められた胸はほのかに膨らんでいた。昨夜の快感を思い出しただけで、肉体が火照りだす。そして、乳首がぷっくりと膨らんできた。

シャワーのお湯が汚れを落としてゆく。
汚れと言っても大したものではない。お互いの汗と彼女の愛液。僕の股間からは透明なモノは出ていたようだが、昨夜は一度も射精することはなかったようだ。
それに、この股間…
彼女は器用に僕のペニスを畳み込むと、テープで固定してしまったのだ。僕の股間には縦の筋が入り、見た目は完全に女の子だった。

「お早う♪」
内風呂から出てくると、彼女が声を掛けてきた。
「今日はこれなんかどう?」と可愛いプリントの付いたショーツとスポーツブラが手渡された。
僕は彼女に言われるがまま、下着を付け、愛らしいフリフリのワンピースを着ていった。

「お早う。今日も可愛いわね♪」
広間で朝ご飯になった。部員が全員集まる中に彼女と一緒に現れると、即座に女の子の輪の中に引きずり込まれ「可愛い」を連発されたのだった。

部長から本日のスケジュール確認があった。午後は「プール」だった。勿論、それは最初から予定されていたもので、僕も水着は用意してきた。
…が、当然の事ながらそれは男ものであり、上半身が晒される事になる。昨日までの僕なら何と言う事はないのだが、今現在、胸を晒す事がとてつもなく恥ずかしい事だと感じてしまっていた。
それは、今朝見た膨らみかけの胸と突き出した乳房が自分を「女の子」だと意識させているような気がした。こんな貧弱な胸でなければ堂々と見せびらかす事もできたかも知れない。
が、そもそも持ってきた水着は可愛くないのだ。
「今回はパスできないかな?」と彼女に相談すると、
「生理なら仕方ないけどね♪」などと言う。
「大丈夫よ。貴女の水着もちゃんと用意してあるわよ♪」

 

各自の部屋で水着に着替えた。バスタオルで体をくるみ、プールサイドに並ばされた。
男子達は反対側のプールサイドにいる。
「1番、順子ちゃん♪」と端から順々に名前を呼ばれる。呼ばれた女の子はバスタオルを外してキメポーズをとる。プールの反対側から男子のどよめく声が届いてくる。
部の恒例行事であり、今日の夕食の時に男子の投票結果が発表され、一位の女の子には景品が渡されるのだ。

そして僕の名前が呼ばれた。他の女の子達と同じにバスタオルを外す。向かい側からどよめきが起きる。
ふと、何で僕はこんな事をしているのだろうか?との疑問が頭をよぎったが、僕はその場でくるりと回って男子達に水着姿を晒していた。
僕の着ている水着は、胸元に脱着可能な花のオブジェが付いていて、貧弱な胸の膨らみをカバーしていた。腰まわりは強力な伸縮素材で締め付けられ、見事なくびれが生まれていた。
申し訳程度のパレオがフェミニンさを醸し出しすが、その下は縦筋が見えるくらいピッチリと布地が張り付き、エロチックでもあった。

一度見られてしまえば、もう恥ずかしさも吹き飛んでしまっていた。
僕は陽が傾くまで、プールではしゃぎまわり、そのまま女の子達と風呂に入ってまたはしゃいでいた。

 

逆転(3/3)

夕食の席で僕の名前が呼ばれた。水着コンテストで優勝してしまったのだ。
「ぼ、僕がもらってしまって良いのですか?」と聞くと
「厳正な審査の結果だよ。特に君は群を抜いていた。」
「そう、ヌけた、ヌけた♪」と下品にはやした輩は早々に黙らされたたが、その事が却って僕を意識させてしまった。
そうだ。僕は彼等の前に水着姿を晒したのだ。女の子達に混ざって、女の水着を着て…
そんな僕が彼等の目には魅力的「女の子」として映っていたのだ。…その…オカズにできる程に…

僕は訳も解らずその場に蹲ってしまっていた。
「あ~あ、泣かせちゃったよ。」と誰かが言った。僕は自分の目から涙が落ちているのにも気が付いていなかった。

抱かれるようにして部屋に戻っていた。
「大丈夫よ。貴女の事はみんなあたしが守ってあげるから。」彼女の腕に抱かれ、優しく頭を撫でられていると、僕は徐々に落ち着いていった。
「僕…、どうなっちゃたんだろう?」ようやく言葉が発せられた。
「何も心配する事はないわ。貴女の反応は女の子そのものだもの。ちょっと過剰に反応しただけよ。即に慣れてしまうわ。」
「そ、そうなの?」
「男って単純な生き物なんだから。ツボさえ押さえておけば怖いことなんてないのよ♪」
「でもイヤッ!!今は何もかも忘れてしまいたい。」
「なら、忘れさせてあげる♪」
彼女の暖かな唇に、僕の口が塞がれた。そのままベッドに横になる…
その晩は女の子同士として愛し合った♪

 

今日は合宿最終日。
ノースリーブのワンピースを着ると、水着の跡が見え隠れしてセクシー?
僕は朝から化粧品と格闘していた。「彼女」として恥ずかしくないようにノーメイクのままは良くないと、お化粧にチャレンジしていたのだ。
一人でやると、どうしても下品な厚化粧になってしまう。「グロスだけで十分なのに…」と言われ、そこまでとなった。
朝食のために広間に入ると「わあ、お化粧したんだ♪」と女の子達に囲まれた。お化粧のノウハウを聞いたりしていると、僕も彼女達の仲間になれたように感じられた。
「今度は女子だけの合宿しない?」そんな話題に盛り上がる。が…
彼女だけがその中から外れていた。

そう…彼女は「男」になりたかったのだ。女の子達の輪の中に入っているのは辛い事だった筈だ。それなのに…
僕を女の子達の輪の中に溶け込み易くする為に自ら橋渡しをしてくれていたに違いない。
僕の為に…
僕は彼女な女の子の楽しさ、悦びをいっぱい教えてもらい、今もまだそれを与え続けてもらっている。
しかし、僕は彼女に何をしてあげてきただろう。
何もしていない…

僕は合宿の終わりから、その事だけをずっと考えていた。

 

 

「面白いモノが手にはいったんだ♪」僕は早速、彼女に言った。
「何んなんだい?」
「それは秘密♪お呪いは知られちゃうと効果がなくなっちゃうからね。」
「お呪いか…貴女も随分、女の子になったわね。」
「だから、髪の毛を一本もらうね?」
「本格的だね。藁人形でも作るのかい?」
「だ・か・ら、それは秘密なんだって♪明日には効果が現れる筈だからね。」

僕は彼女の髪の毛を泥人形に塗り込めた。そして、もう一体の泥人形には僕の髪の毛を入れる。
そして、夜中の12時を待った。

教えられた呪文を唱える。
部屋の中はお香の煙が充満して息苦しい。
僕は薬草を塗り込めたナイフを僕の髪の毛を入れた泥人形の股間に差し込んだ。
そこに作った小さな男のシンボルとともにえぐり取る。そして、もう一体の人形の股間を切り裂いて、それを填め込んだ。
もう一度呪文を唱えると、泥人形達が一瞬、輝いたように見えた。そして、急速に水分が抜けたように干からび、サラサラと崩れてゆく…
泥人形達はあっという間に砂山に変わっていた。

僕は早速、スカートの中に手を入れた。
そこはじっとりと潤んでいる。その先に指を伸ばせば…
(駄目!!ハジメテは彼にあげるって決めたのでしょ?)
僕…あたしはそう自分に言い聞かせると、机の上を片付け、パジャマに着替えてベッドに入った。

 

 
あたしは初めてスキンを買った。
(あたしはまだ、安全日を把握していないからね♪)
彼の家に急ぐ。
「今日は会いたくない…」彼はドアも開けずにあたしを拒んだ。
「お呪いは効いたでしょ?」
「あんたの所為なの?」
彼が固まった隙に、あたしは部屋に入った。
「いつも、あたしばかり悦ばしてもらってるからね♪今日はあたしがご奉仕してあげるから。」とドアにもたれたままの彼の前に跪き、ズボンのベルトを外した。
多分、彼もこれからあたしが何をしようとしているか解っている筈だ。その証拠にズボンの前面が膨らんでいた。
チャックを下ろすとショーツの中からポロリとペニスが転がり出てきた。あたしの体に付いていた時よりも大きく感じる。手に取るとピクリと震えた。
「だ、駄目よ…そんなコト…」彼はあたしを引き離そうとするが、その手には力が入っていない。
「ぁ、あんっ…」彼が可愛らしい声をあげる。あたしが舌先でペニスの先端に触れたのだ。
あたしはそのまま口の中にペニスを送り込んだ。舌や上顎を使って刺激を与えてゆくと、彼のペニスはどんどん硬くなっていった。
「これが男なのね。」あたしは一旦口を離して、逞しくなった彼のモノに頬擦りした。
「ねえ、あたしの口に射してみない?」上目遣いで彼を見上げる。
「あ、あたしは…」
「男になれたの!!素敵でしょ?」
あたしは再びペニスを咥え込むと、フィニッシュに向け頑張った。

どくり!!

ペニスの中をこみ上げて来るものがあった。
その直後、あたしの口の中は精液で満たされていた。その全てを喉を鳴らして飲み込んだ。
「あまり美味しいものではないけど、大好きな彼のだと思うと、幸せな気分になれるのね♪」
「し、知らないわよ…そんなコト。」
「じゃあ、次はベッドに行こう♪」と、あたしは彼の手を引いてベッドに向かった。
「ねえ、見て♪」あたしは裸になって、あたしの肉体を彼に見せた。
「胸はまだ膨らんでないけど、ココはしっかりと女の子になったのよ♪」と彼の指を股間に這わせた。その指先は確実に濡れた膣口を捉えた筈だ。
「さあ、貴方の男であたしを女にしてね♪」あたしは買ってきたスキンの事などすっかり忘れて、彼の上に跨っていった。
「?!」
十分に濡れていたので、即に入るものと思っていたが、その先端が覗き込んだだけで先に進めなくなっていた。

「あんたも処女なんだ。」彼がぽつりと言う。
「女の子のハジメテを彼にあげたいのよね♪あんたは本当に身も心も女の子になっちゃったんだね?」あたしは彼の腕にぎゅっと抱き締められた。
「ならば、あたしも…僕も、覚悟を決めないといけないんだよね。」とあたしをベッドに押し付け、その上に伸し掛かってきた。
「もっと脚を広げるんだ。痛いのは元々解っていた事だろう?」と背中を丸め、腰を浮かせられる。広がった股間の中心にペニスの先端があてがわれた。
「いくよ…」
あたしは黙ったまま、首を縦に振った。
「!!!!」
痛みがあたしを引き裂いてゆく。
この痛みとともに、あたしは「女」に、彼は「男」に生まれ変わるのだ。

彼のペニスが…
あたしのナカに入ってきた。

手に入れたもの

私の左腕は生来のものではない。
悪魔が私に与えた忌まわしき左腕なのだ。

 
「先輩♪」
声を掛けてきたのは一年下の佐藤充だった。彼とはひょんな事で知り合い、何かと言うと私に声を掛けてくる。
私はこの左腕の所為で友達も作らずに独りでいることが殆どだったが、何故か充だけは側にいる事を許してしまうのだった。

「今日はどちらに行かれるのですか?」
「別に予定はない。」
「じゃあ、駅前に新しい喫茶店ができたんです。行ってみませんか?美味しいケーキがあるそうですよ♪」
(喫茶店かぁ…)
私は今朝、左手にコーヒーカップを持ってしまった事を思い出した。

この忌々しい左腕は、その手に触れたものを「私のもの」にしてしまう能力があった。しかし、その能力の発動は気まぐれであり、ひねくれていた。
初めの内は、教科書に触れただけでそこに書かれた知識が自分のものになり、勉強せずともテストで高得点を取れたりして有頂天になっていた。
その結果、勉強する事自体がむなしくなり、何もしないで臨んだ次のテストでは能力は一向に発動されず、散々な結果に終わった。その後も似たような能力の発動はあったが、余計な雑学ばかりが頭に入ったり、英語の本を読んだ直後に発動した時は、知識が全て英語で記憶されてしまい、使い物にならなかった事もある。
知識以外にも、たとえばお金に触れたとしても、それがそのまま私の物になる訳ではない。千円札に触れて大量の千社札が届いた事もあった。競馬の大穴が当たっても馬券を買う事はできなかった。

今日は喫茶店でコーヒーを奢ってもらえるのかな?と期待したりしている。
「コーヒーを2つ。ひとつはケーキセットで。」充が明るい声でオーダーする。
小洒落た店の店員はスイスの民族衣装のような制服を着ていた。あまりお洒落に関心のない私でも、一度は着てみたいな(似合うかどうかは別として)と思わせるものがあった。

運ばれてきたコーヒーの味はそれなりだったが、セットのケーキを一口食べた途端
「美味しい♪」と思わず声をあげてしまった。向かい側の席では、充がニヤニヤと笑っている。
「何か?」と聞くと、
「先輩がケーキに喜んでくれたのが嬉しかったんです。普段の先輩はあまり笑顔を見せる事はありませんからね♪」
確かに私は自分の殻に閉じ篭もり、外界との接触を極力絶ってきた。勿論、笑顔を始め喜怒哀楽は表に出さないようにしていた。
が、その私の決意も充と出会ったところから、脆くも崩れだしていったのだ。

そもそも、充との出会いは彼が道端にしゃがみ込んでいるのを見た所から始まる。
ひ弱そうな充は、それだけでイジメの対象となり、私も何度か具体的なイジメの光景を見た事があった。その日は彼一人だったので、イジメが終わり一人残され苦痛に耐えているのかと思った。
が、近づくと彼の服には何の汚れも付いていなかった。彼は一心に壁の下を見つめていた。
(そこに何があるのか?)好奇心が私を充の背後に近づかせた。

「えっ?」と充が振り向いた。
私の気配に気づいたのだろう。それ程までに私は近づいて…近づき過ぎていた。私が左腕を彼に触れさせないように動くより先に、彼の背中に私の左掌が接触してしまっていた。

「な、何を見ていたんだ?」
何とかその場を取り繕おうとしたが、既に彼は「私のもの」となってしまっていた。
「何って…、何だったのだろう?僕は先輩以外には何も見ない筈なのに。」
その瞬間から、充は常に私を慕うようになってしまったのだった。

「お前は頼まなくて良かったのか?」私が充に聞くと、
「僕は先輩の笑顔が見れただけでお腹が一杯です。」
「そんな事言わずに一口食べてみろ。」私はケーキの一片をフォークに乗せ、彼の口元に運んでやった。
彼がそれを拒絶する事はなかった。そのまま、美味しそうに口に入れた。
(私は何をしているのだろう?)何か急に恥ずかしくなってきた。

「違うっ!!」私はいたたまれずに席を立った。
その途端
「キャッ!!」と女の声。
ガチャン!!
トレイとその上に載っていたモノが床にばらまかれた。
その過程で一杯のコーヒーカップの中身が私の半身に降り注いでいた。

 
「も、申し訳ありません。m(_ _)m」と女の子。バックヤードから店主らしき年配の女性が駆けつけてきた。
「お怪我は?火傷していません?」と店の裏に連れられてきた。事務室の奥に応接室のようなものがあった。
「とりあえずはコレに着替えませんか?」と差し出されたのは、店の女の子達が着ていた民族衣装風の制服だった。私の着ていた服は速攻でクリーニングに出されていた。
クリーニングが終わったら家に届けてもらう事になり、私は充と店を出て街を歩いていた。
「何を見ているんだ?」窺うような充の視線を何度も感じていた。
「もしかして、お前もコレを着たかったのか?」とスカートを摘んでみせた。
充は慌てて否定するが、華奢な彼に着せた所を想像しただけで、何かムラムラとくるものがあった。
「こんな格好で街をうろつくのも変だよね。」彼はそうは思っていなくとも、同意するしかなかった。私自身でさえ、それが口実でしかない事を認識していた。
「一旦、家に帰る。一緒に来て。」と、私は彼を私の部屋に連れていった。

「着てみて♪」
普段のラフな格好に戻った私は、今まで着ていた服を充に突き付けた。
「この中だけよ。別に、その格好で外に連れ出したりなんかしないから。」とは言っても建前にしか聞こえないだろう。充も困った顔をしている。
が、彼は私の言う事には逆らえないのだ。たとえそれが「死んで」という行為であっても…
充は私の前で服を脱いでいった。流石に下着まで女物にするのは可哀そうだったので、男物の下着の上に着るように言った。
「可愛い♪♪」
思った以上に彼は似合っていた。
鏡を見させると、それは彼にも判ったようだ。聞かなくても、その可愛さに彼の下半身が興奮しだすのが見えたのだ。もし、私が男なら、即にでも押し倒してしまっていただろう。
…「男」なら…

私の左腕は、触れたものを「私のもの」にしてしまう…
(彼の「男」を「私のもの」とすることなど、可能である筈がない)
が、私は鏡に見入る彼の背後に立ち、左手を彼の股間…スカートの「膨らみ」に向けて伸ばしていった。

「「あっ!!」」

二人の叫びが重なった。
急に股間が突っ張る。ジーパンに抑えられ、猛烈な痛みに襲われる。
慌ててボトムを脱ぎ捨てた。
「えっ!!」と充の驚く声。私の股間には立派な男性器がそそり勃っていた。

私は彼の「男」を手に入れたのだ。逆に、「男」を奪われた充は女になっているに違いない。
その証拠に、スカートの前の膨らみは消え、胸元の余り気味のギャザーも、内側から綺麗に押し広げられていた。
「か、可愛くなったわね♪」私のからからの喉から、ようやく声が出た。
「せ、先輩?」
充の怯えた顔が、更に私を興奮させた。
「良いのよ。私に任せておけば…。お前も私に抱かれたかったのだろう?」
別に充の意思は関係ない。充は既に「私のもの」なのだから、いくらでも私の好きにできるのだ。
「大丈夫。私が悦ばせてあげる♪」
充が崩れ落ちるように私の腕の中に倒れてきた。私は「男」の逞しい腕でしっかりと支えてあげる。そして「男」らしく、充をお姫様抱っこしてベッドに運んだ。

充の胸は柔らかく、弾力に富んでいた。軽く揉みあげただけで「ぁふん…」と愛らしい吐息を漏らすのだった。
その甘い声を何度となく堪能したかったが、私の「男」が我慢の限界にきていた。もう、服を脱がしている猶予もない。
スカートの中に手を入れ、パンツを引き剃り下ろした。そのまま、脚を開かせる。充の股間では淫らな膣口が、愛液に濡れ輝いていた。
私は一気に股間のモノを彼女の股間に突き立てていた。
「あん、ああ~~ん♪」
充が嬌声をあげる。私の「男」がその声に刺激される。勢いがつき、私は上り詰めていった。
(何かが出ていこうとしている?)
「うむむっ」
私はうめいた。
そして「男」の中を熱い塊が通過していった。
「あっ、ああん!!」
充が四肢を痙攣させる。どうやら彼女もイッたようだ。

私は精液を放出した時の快感を思い返した。これが「男」の快感なのだ。「女」の快感とは違うが、またこれも良いなと思う。
それは、充が満足そうにイッた顔を見て確信に変わった。
(私にも、充にとってもこの関係が最もふさわしいものに違いない。)
私はそう確信していた。

 

 
「ああ…済みません。僕、眠っちゃいました?」
充が目を覚ました。既に汚れは拭い去り、服も着替えさせている。彼女は、私に犯られた事が夢であったと思うかも知れない。
「せ、先輩。僕…先輩と…シちゃったの?」
(流石に「夢」にするには無理があったね♪)
「ごめん。お前があまりにも可愛かったんで…」
「僕こそ…先輩に何てことを…男として責任は取らせてもらいます!!」
(「責任」って…あんたはもう「男」じゃないって気づいてないの?)
「責任って?」私が意地悪に聞く。
「勿論、先輩と結婚して幸せな家庭を築くつもりです。」
「嬉しいなぁ♪そう言ってくれるなんて。」私がそう言うと、充の顔が綻ぶ。
「でもね、ウェディング・ドレスは充が着ることになるけどね♪」
「えっ??」充の顔が驚きに固まった。
「覚えていないのか?犯ったのは私。犯られたなはお前だ。お前はもう男ではないんだ。」

充はその手を胸に当て、そして股間に伸ばした。
「ナイ?」
戸惑った表情を浮かべる充。
「今は私が男なんだ。」充の手を取り、私の股間に触れさせた。

「ぼ、僕が女の子…なの?」
「大丈夫♪何の違和感もないよ。…いや、お前程可愛い娘はいないよ♪」
「僕が…可愛い?」
「そうだよ。自信を持って構わないさ。充は私の可愛いガールフレンドだよ♪」
充の中で、何かが崩壊し、新しい何かが形作られていったのだろう。
「ぼ、僕はもう…女の子なんだ…」
私は充の肩をギュッと抱き締めてあげた。

 

 

「先~輩~♪」
充が走ってくる。
女の子である事を受け入れ、私の為により可愛くなろうとしている。フリフリのワンピースの裾を靡かせて走る姿は、もう「女の子」そのものだった。
「ケーキにします?それともア・タ・シ?」そんな媚びた笑顔を向けられると、私はもう自分の中の「男」を抑えることはできない。
スカートの前が突出しているのも気にせずに、私は充を抱き締めた。
「今日は安全日だから生でできるわよ♪」
充の元男とは思えない言いぐさに、私の「男」が暴走してゆく…

「我慢できないのなら、そこでシちゃいましょうか?」
充の促す先には公園の公衆トイレがあった。
私は躊躇わずに、充を連れて女子トイレに篭もった。
「さぁ、良いわよ♪」
充がスカートを捲り、剥き出しの尻を私に向ける。
私はスカートをたくし上げるのももどかしく、私の「男」を充の膣に突き立てていた。

「あん♪あああ~~ん!!」充の艶声が、女子トイレに響き渡っていく。
私も幾度となく充のナカに放出し、二人は快感に満たされていくのだった。

迷宮(1/2)

「還る…」
俺は迷宮の出口を探して彷徨っていた。

俺の脱出を阻害するもの…突然に現れる創造物達…は、出会う度に俺を襲ってくる。
俺には防御の手だてもなく、かといって奴等を攻撃する術もなかった。
俺は一方的に奴等に犯られ、開発され、イかされてしまうのだ。
そう、今の「俺」は男ではない。女の肉体を与えられ、迷宮を彷徨っているのだ。

確かに、これはゲームの世界である。が、五感がそのままフィードバックされている限り、これは俺にとっての現実なのだ。
「死」によるゲーム終了が封じられてしまった俺は、迷宮を抜け出すかミッションをコンプリートするまで、このゲームから抜け出すことができないのだ。

ゲームの中で、俺は「女」として創造物達に犯られ続ける。
イかされる度に経験値は上がり、精液を注がれる度に生命力が増してゆく。ゲームにあるアイテムもどんどん集まってゆく。服や装飾品そして化粧道具等だ。
服といっても戦闘服や防具が揃う訳ではない。何れもヒラヒラした女物のドレスか、官能的な下着の類しかない。
目覚めると…俺は奴等に犯られると、毎回快感に気を失ってしまう…身体に纏い付く衣服の残骸を脱ぎ捨て、ストックされているドレスを取り出すのだ。
こうやって、毎回着替えても、ストックは一向に減っていかない。売り飛ばして短剣を買いたいと頃だが、買おうとすると、ドレスを売って得た金貨はたちどころに消え、売った以上にドレスがストックされるのだ。
それは、装飾品や化粧道具も同じだった。
俺は鏡と化粧道具を取り出した。今では慣れたもので、ほとんど時間を掛けずに乱れた化粧を直すこともできるし、ドレスや装飾品に合わせて化粧をアレンジすることもできるようになっていた。

 

実時間ではどれだけの月日が経過しているのだろうか?ゲームの中では食事をせずとも腹が減ることはないが、本来の肉体はそんな訳にはいかない。
「俺」本体が餓死したら、ゲームの中の俺はどうなるのだろうか?
現実世界に戻れない限り手の打ちようはないのだが、ついつい、そんな事を思ってしまう。

化粧を終え、鏡と化粧道具を戻して再び迷宮の出口探しを始める。
先ずは現在位置の確認。大抵はイかされたその場所で目覚めるのだが、違う場所に運ばれていると、頭の中の地図を作り直さなければならないのだ。
幸いにして、今回も同じ場所のようだ。来た道を確認し、これから進むべき道を選択する。兎に角、闇雲に動きまわっても出口に出くわす事はないのだ。
とは言っても、この場所に分岐はなさそうだ。来た道の続きを歩いてゆけば良い。
俺は次への一歩を踏み出すのだった。

 

 
薮の中から現れたのはスライムだった。普通のゲームでも最弱の創造物だ。が、今の俺にはコイツを撃退する術がない。逃げようにも、何故か足がすくんでしまう。
スライムが俺の脚に纏わり付く。そのまま、脚を這い上ってくるのだ。いくら手で押さえても、指の隙間から透り抜けてくるのだ。
スライムの仮肢が内股に届く。俺は太股を閉じて侵入を拒むが、スライムには効果が及ばない。仮肢を平べったく伸すと、その先端が俺の股間に達する。
「厭っ!!」思わず声をあげてしまうが、状況に何の変化が起きるでもない。スライムはショーツの隙間から侵入し、股間の割れ目を押し広げる…

「あ、ああん♪」
スライムの先端が、スルリと俺の膣の中に入ってきた…
脚から力が抜け、その場に座り込んでしまう。抵抗の終えた俺の股間にスライムの本体が殺到する。俺の股間がスライムに覆われる。ショーツは跡形もなく細かな布片に千切れていた。
こうなると、もう俺はイくしかなくなる。
膣の内外から、スライムが微妙な振動を与えてくる。内側に入り込んだ仮肢が硬くなり、バイブのように蠢きだす。
「あん♪ああん、あ~ん!!」俺は嬌声をあげ、快感を求めて肉体を悶えさせていた。
そんな痴態を見ている旅人がいる事に気付いたが、俺には何の反応もする事ができなかった。
(否、見られている事で更に快感を増していたのだ)

俺は快感を上り詰める。
「んああ!!イ、イクゥ~、イッちゃう~~~♪」
俺は盛大に叫び声をあげ、イクと同時に再び意識を失っていた…

 

 
気がつくと、俺はベッドの上にいた。俺の上には「空」ではなく「天井」が見えていた。
「おぉ、気が付いたか?」男の声がした。
そいつは俺の痴態を見続けていた奴だった。
「あまりにも予想外の展開で、助けるのが間に合わなかった。済まない。」と男は頭を垂れた。
俺はどう反応して良いかわからず、取り敢えず「ここは?」とだけ聞いた。
「スライムは俺が近づくと逃げていったが、意識のない女性をそのまま放置しておく訳にもいかないので、近くの町まで連れて来たんだ。ここは普通の宿屋だ。」
まあ「男」としては、こいつのように女を保護するか、モノはついでと犯ってしまうかの二者択一にしかならないだろう。
「ご親切に有り難うございます。」と礼だけは言っておく。
「いえ…」と奴が言葉を詰まらせた。何か言いたいようだ。俺は視線で先を促した。
「いえ、もし良ければ、この先…俺と一緒に旅をしてくれないだろうか?」
ゲームのセオリーで、パーティーを組むのは常である。俺もクエストに望むとなれば、それなりのメンバは揃えたいと思う。
「たかがスライムの一匹にさえ倒されてしまう私をか?」
「正確に言えば倒された訳ではないですよね?スライムは貴女に何のダメージも与えていなかった。」
「確かに私は何物にも傷つけられる事はない。しかし、それだけだ。剣にしろ魔法にしろ、私には仲間と戦うことも仲間を護ることもできない…」
「良いのです!!」奴は俺の肩を掴んだ。
「俺はあんたと一緒にいたいんだ。リアルでは恋人はおろか、普通の女の子とも喋れない俺が、あんたとなら付き合う事ができる。せめてゲームの中でだけで良いから、俺と一緒になってくれないだろうか?」
(オイオイ♪これだから童貞は扱い辛いんだ。今のセリフは俺に対してプロポーズ…結婚を迫っているとしか聞こえないぞ!!)
「私は今、死ねないのです。つまり、死によるゲームオーバーがないのです。出口が見つからないと、延々とゲームの中に居なければなりません。私は一刻も早く出口に辿り付きたいのです。」
「ならば…」彼が私の目を覗き込んでくる。「ならば、一緒に出口を探しましょう。
俺はクエストなんかより、あんたと一緒に旅する方が良い♪」

 
結局、奴に押し切られ、供に旅する事になった。
スライム等の低級の創造物は彼が簡単に追い払ってくれるので、いちいち奴等に煩わされず、出口探しの効率は格段にアップした。
(その引き換えに、私は彼と夫婦という建前になった。宿でも夫婦という事で一つの部屋になる。夜は妻として夫を慰めるサービスも恒例となっていた)

「あん♪ああん…」
彼に抱かれ艶声を漏らす。元が童貞野郎では性技もつたないが、創造物のような攻撃的な責めではなく、優しく包み込むような愛撫は奴等の何倍もの快感を与えてくれる。
彼のモノを私の股間に導き、合体する。数回締め付けるだけで、彼は我慢できずに爆発してしまう。が、それにさえ私の肉体は反応し、快感にうち震える。
流石に、彼には失神するまでの快感は期待できないが、私に欲求不満が溜まることはなかった。
強い創造物と出くわしてしまうと、彼には防ぎようがない。その時は彼には下がってもらう。
私が前に出ると、どんな創造物も武器で戦う事を止めてしまう。そして自らの股間を勃起させ、私に挑んで来るのだ。
私に伸し掛かり、ドレスを引き裂いてゆく創造物。私の四肢や胸の膨らみが艶めかしく露出する。そんな私を彼が物陰から覗いている。
彼は、愛しい妻が魔物に寝取られる様を見て興奮しているのだろう。その掌はズボンの中で、硬くなった自らの逸物を握り絞めているのだろう。
が、彼が何をしていようと私には関係がない。高級な創造物は低級なものより、繊細で力強い。性技に長け、より大きな快感を私に与えてくれるのだ…

 

いつの間にか、私達は出口に近づくどころか、迷宮の奥に向かって進んでいた。出会う創造物のレベルが上昇しているという事は、そういう事なのだろう。
それは、彼の巧みな誘導であった。出口を探す振りをして、出口に向かう手掛かりを私から隠し続けたのだ。
リアルでは女性と縁遠かった彼が、毎夜のように私=女を抱けるのだ。「一日でも長く私と居たい」との思いが、私達を迷宮の奥へと誘っていったのだ。

その事に気づいた私であるが、今更来た道を戻ろうとは思っていなかった。奥に向か
うに連れ、現れる創造物のレベルが上がる。
それ則ち、悦感のレベルも上昇してゆくのだ。私は上級創造物が与えてくれる快感の虜となってしまっていた。
そう♪今は私自ら、更なる快感を求めて迷宮の奥へと進んでいたのだった。

迷宮(2/2)

「き、貴様が魔王か?」
彼が私の前に立ち、迷宮のラスボスに対峙した。
「確かに。だが、おぬし程度の腕ではどうにもならんぞ♪いつものようにそこらの柱の影に隠れているが良い。」
魔王はそう言ったが、彼には状況が何も見えていなかった。
「うおぉぉぉーーっ!!」壮絶な叫び声とともに剣を振りかざして魔王に突進していった。
「バカめ…」
魔王の一言とともに、彼の動きが止まる。
「来い。」と魔王が私を手招きする。
私は命令される事に慣れてしまっていた。(咥えろ)(股を開け)言う通りにすれば、極上の悦感を与えてもらえるのだ。
「そこで止まれ。」丁度彼と並んだ場所だった。
「少しばかり楽しませてもらうぞ♪」と、魔王の掌から放たれた光が私達を捕らえた。
まぶしさに目を閉じるが、それも間に合わない。光が瞼を突き抜けてくるようだ。

「な、何をしたっ?!」私の隣で声がした。が、それは彼のものではない。女の叫ぶ声であった。
「先ず手始めに、その娘に快感を与えてやりなさい♪」
私は魔王の指示に従い、隣で喚く娘に向き合った。
「な、何でそこに俺がいるんだ?!」娘は訳の判らない事を喚き続ける。
「貴女も素直になって、快感に身を任せてしまうと楽ですよ♪」私が語り掛けると、娘は恐怖に顔を強わらばす。
「何をするつもりだ?」娘の口は拒絶しているが、私が口づけをするのに抵抗する素振りは見せなかった。

「条件付けは肉体に染み込んでいるようだな♪」と魔王。
娘は私の口づけとともにスイッチが入ったように、その場に座り込み、頬を上気させていた。

私はその娘の顔をもう一度見た…それは鏡に写る私の顔と同じだった。先に彼女が言った言葉を思いだす。「何でそこに俺が」
私は自分自身を確認した。それは「彼」の肉体だった。私は…俺は、久しぶりに「男」に戻っていたのだ。
「さあ、存分に悦楽を味あわせてやるが良い♪」

俺は娘を押し倒していた。娘の肉体のどこが感じるかを、俺は全て把握していた。
俺が責める度に娘は快感に艶声をあげ、悶えまわり、幾度となく絶頂に達して失神するも、すぐに強烈な快感の襲撃に目覚めさせられた。
程なく、娘は意味のある言葉を喋れなくなり、快感を求めて喘ぐだけになった。自ら腰を振り、先ほどまで自分のモノであった俺のペニスを、膣の奥まで咥え込んでゆく…

「その位で良いだろう。」魔王の言葉で俺の責めが中断する。
娘は至福のアヘ顔のまま、意識を失っていた。
「今度はお前を可愛がってやる♪」俺は魔王の前に進み出ると、そこに跪いた。
条件反射のように、ズボンの中から魔王のペニスを取り出し奉仕を始めていた。胸に挟むことができないので、専ら手と口だけで奉仕する。
魔王のペニスが硬さを取り戻したところで、私は魔王の顔を見上げた。その訴え掛ける表情に魔王も気付く。
「そうだな♪お前にもふさわしい姿ん与えてやらないとな。」
魔王の腕が広げられ、発せられた光が私を包み込んだ。
私に「変化」が訪れた事が認識できた。私の肉体が、魔王の能力で形を変えてゆく…
魔族の一員らしく、黒くて細長い尻尾が伸びていった。背中からコウモリのような翼が生えてゆく。耳の先が尖り、目鼻も美しい配列に整えられていった。
四肢が細くしなやかになる。腰がくびれ、胸が膨らんでいった。自分では直接確認していないが、先ほどまで娘を悦ばしていたペニスも消えてしまっているようだ。
私の股間には、目の前にある雄々しいペニスを受け入れるべく、溝が穿たれ、その奥に膣と子宮が造られている筈である。既にソコかはは愛液が溢れ、私の股間を濡らしていた。

「お願いします。」
私は魔王の前に脚を開き、股間を突き出していた。
「よかろう♪」
魔王のその言葉とともに、魔王のペニスが私の股間に近づいてくる。
先端が入り口に触れ、そのまま中へと侵入してきた…

 

高らかに鳴り渡るファンファーレ。「ミッション・コンプリート」のサインが現れた。
思いもよらず、ここでゲームが終了してしまった。意識が強制的にリアル世界に引き戻される。
(まだイけてないのに…)
存在しない筈の肉体の疼きとともに私は目覚めの時を迎えた。

白い天井が見えた。
そこが自分の部屋ではない事にすぐに気がついた。
「サルベージ成功です。」遠くに若い男の声がした。
「気が付いたか?」もっと近くで女の声。
そちらを見ると凜とした女性が俺を見下ろしていた。白衣を着ているので医者だと思われた。
「君は長い間、ゲームの世界に取り込まれてしまっていた。会社はゲームのミスを認め、我々に取り込まれた人々の救出…サルベージを依頼してきた。君がサルベージに成功した3例目になる。」
兎に角、俺はリアル世界に戻れたようだ。が、起きようと体を動かしてみたが、身動きが取れなかった。
「君の肉体はかなり衰弱している。そして、ゲームの影響も出ている。しばらくは体力の回復に専念し、その後からリハビリだな。」
「ど、どのくらい掛かるんですか?」
「おぉ、喋れるのか?」
声が出たことは出たが、自分の声とは思えない掠れた声だ。
「期間は君の努力次第だが、この状態で声が出せるのならば、そう長くは掛からないと思うよ。」

病室の中には、医師である彼女以外にも何人かのスタッフがいたようで、俺が彼女と話している間にもカチャカチャと辺りに据えられた機材を片付けていた。そして、彼女の話しが終わるとともに、機材とともに皆いなくなっていた。
シンとした病室に、俺は独り残されていた。腕につながる点滴以外には何もなくなっていた。部屋には窓がなく、四方の壁も天井と同じく白色に塗り込められていた。

俺はかなりの期間、ゲームの世界に捕らえられていたのだろう。目の前にかざした腕は自分のモノとは思えないほど痩せ細っていた。
何もない部屋では何もする事がない。する事がないので目を閉じた。
瞼の裏にゲームの世界が甦ってくる。
俺が「女」で、悦楽に浸された毎日がそこにあった。

無意識のうちに俺は股間に手を伸ばしていた。
腹の奥に疼きを感じた。ジクリと股間が濡れだすのが思い出される。
(?)
股間に伸ばした俺の手…指先に絡みつくものがあった。それが愛液であって当然と考える俺…私がいた。
片方の手を胸に向かわせた。
掌が、そこにある膨らみに触れ、安堵する私がいた。ゆっくりと揉みあげる…
「あふ…ぁあん♪」甘い吐息が私の口から漏れていった。
「んあっ!!」指先が、その先端にあった乳首を摘んだ。痺れるような快感が全身を走り抜けていった…

 

ゲームの影響で私の肉体のホルモンバランスが大きく乱されてしまっていたのだ。
「女」としてイかされ続けた事で女性ホルモンの分泌が激しくなったのだ。過剰な女性ホルモンが私の肉体をより女らしくしてゆく。と同時に、私の男性器を委縮させてしまった。
男性ホルモンの分泌が止まると、女性ホルモンの威力が更に増した。腹の中に卵巣のようなものが生まれ、子宮や膣が造られてゆく…
私の肉体は、染色体を除けば「女性」そのものに変わっていたのだ。

 

リハビリが始まった。一般的な運動能力の回復とともに「女」として生活する為の教育も行われた。しかし、私は既にゲームの世界で長い間「女」をやってきたのだ。「教育」などはもどかしく感じてしまう。
皆が寝静まる「夜」を待って、私は股間にバイブを当てる。膣が、子宮が疼いて仕方ないのだ。
「早く、本物のペニスで私を貫いてちょうだい♪」
ただ、ただ、そればかりを願いながら、私は今夜も自らを慰めるのだった。

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