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2011年6月10日 (金)

アンドロイド

僕はアンドロイドとなって甦った。

「僕」自身は既に死亡した事になっている。
人間であった「僕」が記憶していたのは、天井が崩れ落ち、父さん母さんとともに瓦礫に押し潰されようとしていた所までだった。

次に気がついたのは、病院の中だった。
痛みはどこにも感じなかった。圧し潰された筈の左足も感覚が戻っていた。多少の違和感はあったが、僕は「生きている」ことを実感していた。

カチャリとドアが開いた。
「じ、じいちゃん?」
僕の目の前に顔を見せたのは、父方の祖父だった。親類・縁者からは「変人」のレッテルを貼られ、殆ど付き合いがなかったが、確かにそのマッドサイエンティスト然とした容貌に間違いはなかった。
「意識は戻っているようじゃな?」
「ぼ、僕は大丈夫だよ。それより、父さん達は?」
そう言った所で猛烈な違和感に気づいた…
「あ、ああ~…」
それは女の子のような甲高い声だった。
(ど、どうなっているんだ?)
「ど、どうなっているのですか?」
(って、喋ろうとしている通りになってないぞ!!)
「話そうとしている通りにはなりませんのね!!」
「気にするな。と言っても無理なんじゃろうな。言語変換回路の設定は、今はその姿に合わせている。設定を変えれば英語だろうと仏語だろうと意識せずに話せる優れ物じゃ♪」
(じいちゃんの凄い事は判ったから、普通に話せるようにできない?)
「おじいさまの素晴らしさには感激致しましたわ。ですが、いつも通りの喋り方に戻しては戴けないでしょうか?」
「その姿でいつものように喋られても…じゃが、可愛いお前の頼みを聞かない訳にもいかないなぁ。」
と、ベッド脇の操作板に手を伸ばした。
「どうじゃ?」
「あ、ああ~…って、まだ女の子の声じゃん!!」
「喋り方は問題なかろう?その姿で男の声を出されると違和感があり過ぎるのでな♪」
「わ、わかったよ。それで、父さん達は?」

 

「…お前を含め、一家全員即死じゃった。奇跡的にもお前の脳だけが無傷だったので
、開発を終えたばかりのアンドロイドに人格を落とし込んだんじゃ。」
「この身体がアンドロイド?」
「自分の肉体のように動かせるじゃろ?本来の肉体が再生できるまで、その身体で我慢して欲しい。」
「再生…って、元に戻れるの?何時?今、僕の肉体はどうなってるの?」
「…ああ、見せた方が早いか…。起きれるじゃろ?ついて来なさい。」
と、地下室に案内された。
暗闇の中に淡い光に浮かび上がる「脳」があった。透明なカプセルに満たされた液体の中に浮かんでいる。
「ここまで再生するのに三ヶ月掛かっている。全身が再生するには三年は必要じゃろう。」
「三年待てば、僕は元の肉体に戻れるんですね?」
「理論的にはな…」

 

 

そして、三年の月日が過ぎた。
あたしはおじいちゃんの研究室に呼ばれてきた。
地下室の透明カプセルの中には全裸の男性が浮かんでいた。
「これが「僕」?」
三年も女の子をしていたので、男の子だったときの自分が思い出せなかった。
「っあ、いやっ!!」
正面を向いたその肉体にはオチ○チンが剥き出しになっていた。未だ処女の女の子には刺激が強すぎますゥ。
あたしは両手で顔を被い、その場にしゃがみ込んでしまった。
「では、この肉体に戻る事はないんじゃな?」
あたしは即座にウンと首を縦に振っていた。

 
その数日後…おじいちゃんが突然、死んでしまった。
研究所でのお通夜が済んだ後、喪服の青年があたしを呼びにきた。研究所の一室に案内される。廊下を歩いている時に感じた既視感…部屋に着いてマジマジと青年の顔を見た。
「なかなかのモンじゃろう?」
「おじいちゃんなの??それってあたしの身体じゃないの?!」
「確かにワシじゃ。が、この肉体は「元」はお前のものじゃが、要らんと言ったろ?」
「で、でも勝手に使うなんて…」
「若い肉体は良いのォ♪軽いし、良く動く。精力もビンビンじゃて♪」
「せ、精力って…」
あたしが視線を動かすと、彼=おじいちゃんの股間が弾けそうなくらい、大きく、硬くなっていた。
「お前も興味はあるのじゃろう?ハジメテが自分自身と言うのも面白くはないか♪」
「ハ、ハジメ…な、何でそんな事知ってるの?」
「その肉体はワシが造ったモノじゃ。不具合がないか、常にモニターしておる。」
「イ、イヤッ!!」
「拒否しても、こんなコトもできるんじゃ♪」
と、おじいちゃんが操作板に手を伸ばすと…

「んあん♪アハン!?」
突然、皮膚が敏感になり、その刺激が性的な快感としてあたしを包み込んだ。
「服を脱げば少しは楽になるぞ♪」
それがどのような状態にあたしを落とし込むのかなど、考える余裕もなく、あたしは服を脱いでいった。袖を抜く際など、快感が一気に高まるものの、皮膚に触れるものがなくなれば、落ち着く事ができる。
気が付くとブラも外してパンツ一枚になっていた。
「今度はどうかな?」
不意に股間の不快感が高まる。さんざん性的な刺激に曝され、既に愛液が大量に分泌されていた。それを吸い取り、濡れたパンツがいつも以上に不快に感じていた。
「脱いじゃえば良いじゃろ?」
言われるまでもなく、あたしはパンツを脱いでしまっていた。

「次はな…」
と、あたしの前にグロテスクなモノが突きつけられた。オチ○チンだ。先日、カプセルに浮かんでいた時に見たものとはまるで違うモノに見えた。
「お前のペニスだ。愛しいだろう?感謝して咥えるんだ。」
あたしは彼の言葉に抵抗する事もできなかった。
口で刺激を与えていると、その先端に透明な雫が染み出ていた。あたしは彼から指示されるまでもなく、それを舐め取っていた。
更に刺激を与えてゆくと、彼のうめく声とともにペニスが脈動した。ゴクリ…あたしは口の中に溜まった精液を飲み込むと、肉棒のまわりを綺麗に舐め取っていた。
「次は仰向けに転がれ♪」
若い肉体は萎えることはなかった。あたしの脚を抱えあげ、股間を広げさせると、一気にあたしの中に突っ込んできた。
「ああっ、ああん♪」
初めてなのに痛みはなかった。彼が挿抜する度に快感に包み込まれる。
「あん、あん、あん♪」
自然と媚声が漏れてゆく。女の子の肉体に馴染んだとはいえ、本来男の子だったあたしが感じることのない刺激…あたしは本物の女の子のように、喘ぎ、悶えていた。

「だ、射すぞ…」

その言葉に目の焦点が合った。彼の顔が見える。どこか呆けたような表情…

「あ、ああ。うううっ…」

あたしの膣に精液を放出し、彼はばたりとあたしの上に倒れ込んでしまった。
意識がないようで、異様に重たく感じる。なんとか体を入れ替えて、あたしが彼の上に跨る格好になった。
「大丈夫?」
あたしが、彼の顔を覗き込むようにして声を掛けると、うめき声と伴にうっすらと目を開けた。
「ぼ、僕は大丈夫だよ。それより、父さん達は?」

どこかで聞いたような台詞…
「お、おじいちゃん?」あたしの問いに
「君のような孫がいるとしたら、今の僕は何歳なのだろう?それとも、君は未来から来た僕の子孫なのかい?」
その答えから導き出されるのは、上書きしたおじいちゃんの人格が失われ、本来の「僕」の人格が表面化したと考えられた。
あたしはもう一人の自分に説明した。

「…貴方を含め、一家全員即死だったそうです。奇跡的に無事だった脳を保存して、肉体を再生させたそうです。既に事故からは四年近く経っています。」
「…四年かぁ。で、君が僕の事をおじいちゃんと呼んだ説明にはなっていないよね。僕としては近親相姦しているとは考えたくないんだけど♪」
あたしは彼につながったままである事を思いだし、慌てて身体を離した。
「近親相姦ではないよ。どちらかと言うとマスターベションかな?」
あたしは彼にどこまで話したら良いか迷っていた。
「おじいちゃん…ってあたしは呼んでいましたが、貴方のおじい様は貴方の肉体を再生した上で、自らの人格を移し込んだ…貴方の肉体を乗っ取ろうとしたのです。」
「確かにマッドサイエンティストのじいちゃんなら、何をやっても不思議ではないよね。」
「実際、人格転移は成功しました。貴方が覚醒するまでは、確かにおじいちゃん…おじい様がその肉体を支配しておりました。しかし、若い肉体の性的欲求を抑える事ができなくなり、とうとうあたしを…」
「それは解る気もするな…って、じいちゃんを弁護する気はないよ。被害を被ったのは君だし、肉体を乗っ取られたのは僕自身だしね。」
「でも多分、その事が貴方の意識の覚醒のトリガになったと思います。それに、あたしの事は気にしないでください。あたしはおじい様に作られたアンドロイドなのです。どのように扱われたとしてもモノが被害者になることはありませんから。」
「だから、マスターベーションなのか。なら、もう少し続きをしても良いかな?目の前に美味しいオカズがあるんで、僕も若い肉体の性的欲求を抑える事ができなくなってきたよ♪」
あたしは自分が裸のままでいたのに、今更気がついた。そして、彼の股間のモノも抑えが効かないように見える。
さっきまで、自分からソレの上に跨っていたのだ。ここで拒否をする理由もない?
あたしは再び彼の上に跨ると、自らの膣の中に彼のペニスを納めていった。

 

 
未だ彼には、あたしが彼自身であった事を告げてはいない。
ひとりの女の子として、彼に抱かれ、愛される悦びを知ってしまったから…

DNA鑑定他様々な検査と大量の書類の作成、延々と続く審査を経て彼は戸籍を回復するとともに、おじいちゃんの遺産を相続する事になった。
もちろん、相続品の中には「あたし」も含まれている。あたしは名実ともに彼の所有物になった。
「一生君を放さないよ♪」
のプロポーズの言葉にメロメロになったあたしは、危うくYESと答え損ねるところだった。

あたしは「妻」として家事をこなし、夜には優しい旦那様に愛されて過ごす…
この幸せを続けるためには黙っている事も許されると思う。

 

「僕達の子供を作らないか?」
ある日、彼がそう言った。
「そんな事できるの?」
「じいちゃんの開発した肉体再生装置を小型化し、人工子宮として製品化する見込みができたんだ。」
彼が相続したのは、おじいちゃんの研究成果だけではなかったようだ。もともと持っていたおじいちゃんのDNAなのか、転送されたおじいちゃんの人格の一部が残っていたのか…
おじいちゃんの研究成果から製品化可能なものを見いだし、改良を加えて更なる利益を上げているのだ。
そして、今回は人工子宮だ。あたしは彼の脳が浮かんでいた透明カプセルを思い出していた。
「それを、あたしに?」
「そうだ。君には遺伝子がないから、僕の遺伝子を組み込んだ卵子を使う事になるが、君のお腹の中で胎児が成長し、君自身の肉体から出産するんだ。」
あたしは、あたしの腕の中で微笑む赤ん坊の姿を想像していた。

 

あたしの中に人工子宮が装着された。その中には既に受精卵が着床している。
元々、彼とあたしは同一人物だった。だから、遺伝子も同じ…そして、二人の遺伝子を併せ持つこの子は正しく私達の子なのだ。
あたしはスカートの上から子宮のあたりに掌をあてる…
「無事に育ってちょうだいね。あたしがアナタのママだからね♪」

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