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2011年4月29日 (金)

変身(3/3)

(戻れるタイミングはだいたい一ヶ月後だ)
翌朝、相方からの念話に起こされた。いまだ起ききれていない頭で反芻する。「だいたい」ってどう言う事だ?
(これは女性の生理周期なのだよ。これには個人差があるから正確な期日が出せないのだ。)
生理周期?
(ああ、調べたところでは、ほとんどの場合、生理が終わると元に戻るらしい)
つまり、あとひと月はこのままという事か?しかし、ほとんどという事は例外もあるのか?
(まれに次の生理が終わるまでの場合があるらしい。だがそれよりも、妊娠してしまうと元には戻れないそうだ。)
妊娠?
(ああ、その肉体は100%女性そのものだ。生理があると言ったろう?女性としての器官は全て備わっており、正常に機能するという事だ。当然、男と交われば妊娠する事もある。元に戻れないのは、自然の摂理が生まれてくる子供を思って元にもどさせないのではないのだろうか?)
他人事だと思って…
(男に抱かれなければ良いだけではないか。お前は男の癖にホイホイと男に抱かれて悦んだりするのか?)
既に宰相に抱かれ、図らずも女の快感に目覚めてしまった事は伏せておく。
だが、このまま帝国に着けば俺は皇帝の妻になるのだ。当然、抱かれない訳にもいかないだろう?
(なら、妊娠しないように気をつけるのだな)
か、簡単に言うな!!
(わかっている。何か手はないか、こちらでも検討する)

 

 

俺は谷に落ちた時に痛めた脚を理由に、宰相の甥の館に一週間滞在した。
館の主には、ワザと谷に落ちたことも、脚の怪我も嘘であることも見透かされている。俺が本物の「姫」ではないこと、俺が本当は男であることまではバレてはいないが、俺が帝国に向かう事を拒絶している事は解っていた。
だが、宰相は彼の叔父であり「姫」が皇帝に嫁ぐことに関して様々な手を回してきたのは、その宰相であった。彼とて永久に「姫」を足止めしておける筈もないのだ。

「あん、ああん…」
マッサージと称して毎夜、彼が寝室にやってくる。痛んでいる(ことになっている)脚を摩ってくれる。その掌はいつしか俺の胸を揉みあげていた。
彼の掌は快感とともに安らぎを与えてくれる。
否、俺から誘った訳ではない!!「姫」の愛らしい容姿を彼が求めたのだ。
愛らしい口から漏れる甘い吐息に、彼の男性自身が反応する。そこから撒き散らされるフェロモンに、今度は俺の肉体が反応する。
「この疼き、鎮めてもらえますか?」
彼は即にも、俺の願いを聞き入れてくれる。俺の股間に割り込むように体を密着させる。俺の濡れ濡れの股間に彼の男性自身の先端が触れる。
彼が俺のナカに入ってくる。
「あん、ああ~~ん♪」
俺の媚声に反応して、彼が責めあげてくる。俺は幾度となく、快感の高みに放り投げられた…

 

一行が街道を進む。
俺の乗った馬車の脇には馬に跨った彼がエスコートしてくれている。
「ちゃんと帝都まで送り届けてやるよ。」
そして毎夜のマッサージも続けられた。
ときどき発生するアクシデント(それが彼が仕掛けたものである事を証明する事はできない)で一行の進行は度々停まることになる。
帝国領に辿り着くのに、ゆうにひと月を要してしまった。更に、そこから帝都に向かう。帝国領に入ってからは「姫」を歓迎する人々が加わり、一行の規模も膨れあがっていた。
そのままの歓迎ムードで俺達は帝都に迎え入れられた。

時間を置くことなく、皇帝に謁見した。お決まりの口上を述べ「よく来た」と返される。
皇帝は思っていた以上に老体であった。死臭のしてきそうな肉体に抱かれるのかと思うと、さっさと帝都から逃げ出したくなった。
(まだ、解けませんか?)
相方からの念話が届く。未だ生理がないのだ、それがなければ元に戻れないのだろう?
と、生理がない事に俺はあまり深く考えてはいなかった。
(まさか、妊娠してるのでは?)
と相方は言うが、腹が膨れたとか、悪阻があるとかの症状は出ていない。
(もしかして、避妊も考えずに男に抱かれたりはしていないだろうな?)
俺は精液を飲むような事はしていない!!と言うと
(あ~、お前の知識はその程度か…)と呆れたまま念話が切れた。

 

「もしかして私、妊娠していますか?」
その夜も疼きを鎮めてもらいながら、俺は聞いてみた。
「エッ!?」
その途端、彼の顔は蒼白となり、肉棒は一気に萎えた。
彼が寝室を駆け出てゆきしばらくすると、侍女頭が飛んで来た。生理が来ていない事を伝えると、彼女もまた駆け出していった。
皇帝お付きの医者が呼ばれ、俺を診察した。薬が渡され、婚儀が延期されると伝えられた。
俺は何が起こったのか理解できないまま、与えられた薬を飲み床に就いた。

翌日には離宮に移された。
そこは皇帝以外は男子禁制とされていた。当然ではあるが、彼と離れる事になる。
夜になると疼きが激しくなる。が、そこは「女」しかいない場所ならではの解消方法が用意されていた。独りで慰めるもの、互いに慰め合うもの…様々な欲求に応じた器具が揃えられていた。しかし、本物(特に彼のもの)に及ぶものは一つとしてなかった。

女だけの環境で数日を過ごした。馬車で揺られることなく数日を過ごしたのは、彼の屋敷に滞在していた以来であった。
肉体が落ち着きを取り戻したか、俺は初めて「生理」というものを体験した。
とは言っても、最初はそれが生理であるとは判らなかった。股間に滴る血に慌てふためく。「血」から「死」をイメージしてしまう。俺はここで何かを盛られていたのだろうか?疑心暗鬼に捕らわれ、侍女にも声を掛けられない。
相方に念話すると「お前は生理の何を知っていたんだ?」とバカにされ、ようやく自分に生理が訪れた事を理解した。

生理が来たと言うことは、間もなく姿変えの魔法が切れるという事である。俺はここから脱出する手だてを考えなくてはならなくなった。
「ここ」とは言っても、離宮だけを考えれば良い訳ではない、帝都を脱出し、帝国領から逃げ延びなければならないのだ。幸いにも、相方は「姫」の引き渡しを終え、帝国に向かっているとの事だった。

 

 
生理も終わり、魔法が解けるのも時間の問題となったある晩。何の気の迷いか、皇帝が離宮を訪れてきた。
目的は「姫」…すなわち、俺であった。
「お前の心はいまだ奴のものか?」歳老いた皇帝が俺の耳元で囁いた。
「だが、お前の心などに何の価値もない。その愛くるしい肉体だけが必要なのだ。」何も答えずにいる俺の寝間着を皇帝が剥ぎ取ってゆく。
「お前の肉体は朕のものとなる。生娘であれば更に楽しみが増えたのだが、それにこだわることはない。気を付けなければならないのは、子種が確認困難となる事態なのだ。お前は尻が軽そうだ。この離宮からは一歩も外には出させないからな。」
皇帝のモノが一気に俺の股間に侵入してきた。
「あん♪ああっ!!」
久しぶりの本物の「男」に、俺は皇帝の老醜さも忘れて喘ぎ声をあげていた。
肉体の老枯様にもかかわらず、皇帝の逸物は太く、逞しかった。ソレに突きぬかれる度に快感に襲われ、俺は嬌声をあげつづけていた。
皇帝の熱い塊が俺の膣に放出される。
俺は意識を飛ばしてしまっていた…

 

 

いよいよ、姿変えの魔法が解かれる…
(迷っているのか?)
相方の念話は痛い所を突いてくる。表面上はそんな事はない!!と反論するが、男に貫かれる快感も手放したくはなかった。
(「姫」がいつまでもココに存在している訳にもいかないのだ。ましてや皇帝の精で妊娠する事などあってはならない!!)
判っている!!と、俺は計画に従い、新月の夜に離宮を脱した。
変装したまま帝都を脱出する。街道を外れ、山に向かう。姿変えの魔法が解けるまで隠れていられる場所を探した。
手頃な洞穴を見つけ、入り口に結界を張った。枯れ葉を集めて簡単なベッドを作り、そこに身を横たえた。
以前の俺なら、岩床に直接寝転がっていたのだが「姫」としての生活が柔らかなベッドを欲しがる。そして…
「…んあん、ああん♪」
この二ヶ月近く、毎日のように繰り返される疼きに、艶声をあげて身悶える。洞穴には疼きを鎮めてくれる「男」はおろか、離宮にあったような「道具」もない。
自らの指で慰めるが、なかなか鎮まるものではなかった。やがて、疲れ果て眠りに就くが、満たされない感覚に苛まれる事になる。

即にでも姿変えの魔法が解ける筈だった。長くても三日も隠れていれば良いかと思っていたが、既に一週間を経過している。食料は木の実等でつないでいるが、もう一つの飢えが癒されることはなかった。
村に「男」を襲いに行きたくなるのを必死で堪えた。が、夜の疼きは激しくなる一方であった。

「生理の後に皇帝に抱かれたのが影響していると思う。」
ようやく念話ではなく、直接会話できるようになった相方はそう言ってくれた。俺は相方の上に跨り、久しぶりに疼きを鎮めてもらっていた。
「どうやら、一旦男の精が中に入ると、次の生理までは解けないらしい。今はこうしてやれるが、生理が始まったら姿変えの魔法が解けるまで、絶対に我慢するんだぞ!!」
「んあん♪解ってるわよ!!…ぁあん、そ、そこ…イイ…」
俺は相方の調査結果を聞きながら、腰を振り快感を追い求めていた。その夜は、幾度となく気を吐き、安らかな眠りに落ちてゆく事ができた。

 

 

「へへっ♪ご盛んでしたね?」宿の主人が下卑た笑みを浮かべて俺達を送り出した。
今だ帝国領内であるが、俺達を咎める者は誰もいない。姿変えの魔法は解かれ、俺はもう「姫」ではなかった。
帝都では「姫」の急死が告げられたらしい。しかし、俺達が「姫」と係わりがある事を知る者は帝国内には誰もいない筈である。

俺達は本来の「姫」の無事を確認するために「姫」の下に向かっていたが、その行程は必ずしも急いでいるものではなかった。
「あっちに名所があるらしいから行ってみよう♪」
ほとんど物見遊山の俺に相方も付き合って寄り道ばかりしている。そして、宿にはまだ陽のあるうちに入る。のんびりと「夜」を過ごすのだ。

「新婚旅行ですか?」この宿の番頭もそう訊ねる。
「まあ、そんなもんだ。」と相方が宿帳に俺達の名前を書く。俺の続柄は「妻」だ。
俺は「姫」の姿は解いたが、女の快感が忘れられず、別の若い女の姿に変えていた。避妊の仕方もちゃんと教わっている。そして、生理後には相方にねだって男の精を入れてもらいこの姿を維持しているのだ。

「あん、ああ~~ん♪」
今宵も早くから、俺は快感をむさぼるのだった。

 

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