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2011年4月29日 (金)

変身(2/3)

多分、夜は明けているのだろう。侍女達が部屋を整えている。
俺は股間に残る違和感を無視するように起きあがった。
「ご気分は如何ですか?」尋ねてきた侍女は昨夜の事を知っているのだろうか?
「大丈夫です。」
俺はそう言ってベッドを降りようとすると、数人の侍女達が集まってきた。
「こちらがお召し替えです。」そう言って、俺はきらびやかなドレスに着替えさせられた。そのまま、椅子に座らされ、髪を整えられ、化粧を施された。

「兄王様、おはようございます。」
既に太陽は天頂にかかろうとしていた。
「早速、出立つしてもらう。二度と騒ぎを起こさぬように頼むぞ。」
兄王は宰相の言葉をそのまま伝えてきた。
そして、それが兄妹の別れとなった。(妹は偽物だが…)
俺は再び馬車に揺られる事となった。

 

(「姫」は保護した)
相方からの念話が届いた。
(これから「姫」を変装させて所定の場所に送り届ける。合流は可能か?)
俺が帝国に向かう馬車の中だと言うと、相方はしばらく思案した後
(ぎりぎりまで粘っていて欲しい)
何故?と聞くとやはり時間稼ぎが必要だとの事。姿変えの魔法が切れても大丈夫なように女装させるので、それ程速くは進めないらしい。
(私の妻という設定で乗り切ろうと思う)
相方がシレっと言ったので、年の差を考えろ!!と言ってやった。
(彼女は適当に老けさせるよ。それより、お前の方が夫との差はでかいんじゃないのか?)

イタイ所を突かれ、俺はしばらく何も言えなかった。
(そちらのあんばいは如何?)と聞いてきた。
俺は昨夜の痴態を思い出し、再び体が熱くなるのを感じた。股間の疼きが戻ってきたのか、太股の内側がじっとりと湿度を増す。
こちらは大丈夫だ。脱出の手筈を考えるから…と、強制的に俺の方から念話を切った。が、疼きの所為で考えがまとまる筈もない。
疼きを抑えようと内股を擦り合わせるが、かえって疼きを増長させるだけであった。

 
宿に着いたのは、まだ陽も沈みかけの頃だった。
宿とは言っても、お屋敷のようなもので、姫様ご一行の皆がそこに宿泊できるだけの用意ができていた。勿論、風呂や食堂も「姫」と従者のでは離れた場所にあり、「姫」用のものはこれ以上ない程に豪華な造りとなっていた。
風呂では旅の疲れを取る…というよりは、火照った体を静めるのに効果があった。
落ち着いた所で夕食が出された。豪華な料理がテーブル狭しと並べられる。昨夜から殆ど食事を口にしていない事を思いだし、片端から手を付けていった。
が、「姫」の胃袋は思った以上に限界が近かった。美味しそうなデザートを恨めしく眺めながら、俺は胃の上に手を当てて悔やむ事になった。

ベッドに案内される。
疲れてはいないのと、昨夜の乱入者のことがあったため、なかなか寝付けなかった。
(どうだい♪お姫様の生活は?)
相方からの念話が届く。別に良いものではないぞと返してやる。
美味しい物は出て来るのだが「姫」の胃袋には入り切らない。綺麗な服が着れるといっても女物のドレスにときめく筈もない。立派なベッドもいつ襲われるかと…
(襲われたのか?!)相方の念話はいつになく激しかった。
な、何か問題でもあるのか?
(い、今は何とも言えない…)
俺の問いに相方の答えは歯切れの良いものではなかった。

 

 
姿変えの魔法を始めて、三日目を迎えた。
脱出はぎりぎりまで待つ事になる。上手くいけば夕闇に紛れて姿をくらます事も可能だ。

俺は今日も馬車の中だった。
(「姫」の魔法は解けた。なんとか化粧でゴマかせられそうだ。)
念話の調子からすると相方の方は問題なさそうだった。後は俺がここから脱出すれば良い。
窓から景色を見る。山の形、位置関係を頭の中の地図と照らし合わせる。馬車の速度を勘案して脱出ポイントをいくつか選定しておく。

が…
「どちらに向かわれるのですか?」
馬車が街道を離れたのに気付き、俺は御者に声を掛けた。
その先の山間に、宰相の甥の館があるらしい。今夜はそこに宿泊すると言う。
俺の頭の中の地図は街道沿いしか描かれていない。脱出の計画が白紙に戻ってしまった。
魔法が解ける時間が刻刻と近付いてくる…

 
街道を離れた後、馬車の揺れが次第に激しくなっていった。道の整備がなされていないのであろう。館に近付く程にそこを通る者もいなくなる。路面の起伏は馬車の車軸に大きな負担となっていった。

ガガッ!!と異音が轟き、馬車の後方で騒ぎが湧き起こった。輿入れの品々を引いていた荷馬車が転倒したらしい。
「姫」の身の回りの品々を担いで「姫」に従う者と、この場で夜を明かし代わりの荷馬車が届くのを待つ者とに分かれた。
歩きで従う者が増えた事で、一行の進み具合が更に遅くなった。
「私も歩きます。少しでも多くの荷物を馬車に積み込んでください。」
と俺が言うと、一斉に反対の声があがった。が、侍女達の歩みの遅さには堪えられなかったようだ。俺も馬車を降りて歩き始めた。

本来の俺であれば、この程度の道は山道とは呼べない。が、「姫」の肉体に加え、このような道を歩く事など想定外のかかとの高い靴にはかなり堪えるものがあった。

「あぁ…」

俺はふらつくと谷間に転げ落ちていった。
勿論、ワザとである。馬車の中ならともかく、従者の面前で魔法が解けるのは、どうしても避けたかったのだ。
俺は頃合いの良い下草と薮の茂み具合、そして姿を隠せる蔽体を確認して身を投じたのだ。

「「姫様~!!」」
従者達の声が谷にこだまする。
彼等には悪いが、何時魔法が解けてもおかしくない時間に突入していたのだ。

暗がりに潜む。ドレスの裾を手繰り寄せる。ドレスについた破れや泥汚れが心配になるが、今は宵闇が訪れるのを息を殺して待つだけだ。
魔法が解け、俺自身の肉体が回復すれば、何とでもなるのだ。


闇は訪れた。
従者達は枯らした喉を酷使して、いまだ「姫」を探している。

そして…
俺もまた、いまだ「姫」の姿のままであった。

 

ガサリ!!
薮を分け入る音がした。
「脚でも怪我されましたか?」
頭上から男の声が届いた。
「姫は見つけたぞー!!」
男は谷中に響く声を張り上げた。
「またも皆に迷惑を掛けたいのですかな?」
男はそのまま、俺を抱え上げると馬車の所まで軽がると上がっていった。
「このまま姫を乗せて館に戻る。皆は無理せずに来れば良いぞ。」
と俺を抱えたまま、器用に馬に跨った。
「振り落とされたら、今度は脚の怪我では済まないからな。しっかりとしがみ付いていろよ。」
男の言葉に異を唱える事もできず、俺は男の背中に廻した腕で二人の胸を密着させていた。

 

男はこの館の主=宰相の甥であった。
館に着くなり、ドレスを剥ぎ取られた。
図らずも、俺はキャーと叫んでしまったが、彼は俺の体を調べると
「あそこから転げ落ちたと言うのに、奇跡的にも傷はないようだな。悪いのは脚だけのようだ。」
と、傷の具合を見ただけで、そのまま俺を風呂に送り込んだ。
叫んでしまった事を謝る機会もなく、風呂から出ると、そのまま寝室に案内されていた。

(変わり身の魔法で男が女になった場合、まれに元に戻るのに時間が掛かる場合があるらしい)
相方は念話でそう言ってきた。
そんな話聞いていないぞ!!と言うと(私も忘れていた)と返してきた。
俺の魔法は全て相方から学んだものである。だから、彼の知らない事を俺が知る筈もない。(調べておくから、詳しい事はまた明日)と、念話は切られた。
俺はいつまで「姫」の姿でいる事になるのだろうか?その間は「姫」として行動しなければならないのだ。
このままいけば「姫」は皇帝との婚儀に及ぶ事になる。つまり、俺自身が皇帝の妻となるのだ。皇帝の妻達の中で最も若く愛らしいとあれば、その肉体を求められる頻度は高くなる。
はっきり言って、皇帝は既に老人である。いかに精力があるとは言っても、抱かれるのであればこの屋敷の主のような若い男性の方が良いに決まっている。
馬の上で彼にしがみ付いていた時に感じた彼のぬくもり、心臓の鼓動が思い出される。

「ぁあん…」俺の口から喘ぎ声が漏れた。彼の掌が俺の乳房をまさぐっているのを想像していた。
「そこ…、もっと強く…」彼の指が俺の乳首を弄ぶ。体が熱くなる。俺の股間が潤っていた。
「キテ♪」俺は脚を広げた。俺はそこに彼を迎える…
「あん、ああん♪」彼の代わりに俺の指を差し込んでいた。彼の動きを想像し、指を抜き差しする。
「あ、あ、あ…」彼の逞しいモノに貫かれ、俺は快感の高みへと押し上げられてゆく。
そして…
「あ、ああ~~~!!」快感の果てに、俺は意識を手放してしまっていた。

 

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