« 2011年3月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年4月29日 (金)

変身(1/3)

構えもせずに真横に一旋、剣で薙払う。
彼等は名もないクリーチャーの雑魚共ではない。真っ当に生を受けた人間である。傷を受ければ痛みを感じるし、致命傷となれば命も落とす。彼等が死ねば、彼等の家族は悲しむ。
しかし、俺としてもここで倒される訳にはいかないのだ。俺の振るう剣に触れないよう、身を引いて欲しいとは思うが、彼等も雇い主の命令に従わない訳にはいかないのだ。
俺の剣を掻い潜り、俺にひと太刀でも届けばと、無理を圧して近づいてくるのだ。であれば、俺の剣に傷つこうが、命を落とそうが、自業自得というものであろう。

俺はもう一度、剣を薙いだ。
押し寄せる人垣に隙間が生まれる。俺は、その隙間を広げるべく、更に剣を振るうと、背後にかくまった「姫」の手を引き、その間隙に突き進んでいった。

 

 
「はあはあ…」
彼女の息が上がっている。深窓の令嬢たる「姫」の体力では、ここまでが限界であろう。俺は適当な洞穴に身を寄せると、結界を張った。
結界は姿を隠してくれるが、それも一時的なものにしか過ぎない。あたり一面をくまなく捜索されれば、結界そのものに気づかれてしまうだろう。
俺には空間転移や遠距離を飛翔するような大技の魔法が使える訳ではないので、彼等に発見されるのも時間の問題と思われた。
しかし、このまま何もできずに「姫」を奪われる訳にもいかない。俺は決断した。
「姿変えの魔法を使います。三日間ですが、姫には別の姿になっていただきます。俺が彼等を撹乱している隙に逃げ伸びて下さい。」
俺は姫を近隣の村のどこにでもいるような男の子に変身させた。
「誰かに見咎められたら、誤ってこの辺に迷い込んだように言って下さい。それと、口調には注意して下さいね。」
「あ、ああ。判ったよ。…こんな感じで良いのでしょうか?」
「良いです…頑張ってみて下さい。できれば喋らないで済ませられたら良いかと。」
「は…はい…」

俺は「姫」を残し、洞穴を抜け出した。
結界もそう長くは保たない。その間にできるだけ「姫」から離れ、かつ追っ手を引き寄せなければならない。
その際、俺と「姫」が別行動を取っていると気付かれてはならないのだ。
俺は手に持った「姫」のドレスをちらつかせ、今だ二人で行動しているように見せかけた。更に一定の距離以内に近づいた追っ手は、このカラクリに気付いた可能性がある為、可哀想だが一人残さず命を奪っていった。

結界が失われる時間が近づく。
俺は自らの肉体に姿変えの魔法を施し岩壁の窪みに身を寄せた。

 

「結局は見捨てられましたかな?」
背後からの男の声に、俺は「ヒィ」と小さく叫んだ。
腕を引かれ、窪みから引き出される。
「手、手を離しなさい!!」
俺は高貴な女性らしく抵抗を試みる。今の俺は「姫」の姿を写しているのだ。

巧妙に隠した剣の場所を確認し、彼等に見つからない事を祈りつつ、俺は彼等に引き連れられていった。
変身している間は、俺は「姫」なのだ。どんなに抵抗しても、彼等に抗いきれる事はないのだ。手筈通り、俺の相方が男の子の姿の「姫」を確保できる迄は彼等に俺が「姫」ではない事に疑いをもたれてはいけないのだ。

しばらく歩かされ、用意されていた馬で近くの村に向かう。俺の思惑通りに「姫」を捜索していた者達も俺達の集団に合流するか、直接村に向かっていったようだ。
村には馬車が用意されていて、俺は休む間もなくその中に押し込められた。当然のように馬車は王宮に向かう。本来の「姫」の在るべき場所ではあるが、現時点でそこに連れてこられた「姫」に待っているのは、過酷な仕打ち以外の何物でもないのだ。
既に「姫」の両親…王と王妃はこの世から消されてしまっていた。従って、現「王」は「姫」の兄が継承している事になっている。
が、兄王は傀儡にしか過ぎなかった。宰相となった兄の叔父…「姫」と兄王は母親が違うため、彼女と宰相には血の繋がりはない…が全てを牛耳っていた。
「手引きをした奴等にはそれなりの処罰を与えようと考えている。が、姫の祝言ともなれば恩赦の可能性もある。ここは大人しく我々の指示に従ってもらいたいですな。」
ヒヒヒッと卑しい笑みを浮かべ宰相が俺…ではなく「姫」に命じた。宰相は「姫」の父である先王とは異なり、敵対する帝国と繋がっていたのだ。
この国での全ての利権を宰相に与える代わりに帝国の皇帝が「姫」を欲したのだ。皇帝の妻として輿入れする…とは言っても、皇帝には既に正后を始め十人を超える妻を抱えているのだ。
その年齢の差と「姫」の愛らしさから考え、妻とは名ばかりの愛妾に他ならない事は誰の目にも明らかだった。そして、この婚姻により帝国との結びつきが生まれる事で利を得るのは宰相だだ一人であり、領民・家臣には重い負担が課せられるのだ。
だから「姫」を国外に亡命させようとする一派に俺が雇われたのだ。

宰相は既にその一派を捕らえているのだろう。「恩赦」をちらつかせ「姫」の気持ちを萎えさせるつもりだろう。
「恩赦」が出たとしても一派が生き延びる事ができない事は判っていた。「恩赦」はせいぜい彼等の墓を建てるのが許される程度のものであると想像できる。
が「姫」である俺は「恩赦」に希望を繋ぎ、宰相の命に従うふりをするしかなかった。

 

館には俺の見知った顔は一つとして見当たらなかった。宰相の粛正は徹底して行われたようだ。
侍女に連れられ、風呂に向かった。逃亡の際に汚れたドレスが剥ぎ取られ、全身の汗と汚れを拭い取られた。
姿変えの魔法は、直接俺の体に触れた侍女にも、偽物である事を気付かれる事はなかった。
全身をくまなく拭き取られ、なみなみと湯の張られた湯舟に浸かった。「姫」の姿のままではあったが、全身の疲れが癒される事に文句をつける事はない。
俺は積極的に疲れを湯の中に溶け込ませていった。

 

「姫様?」
侍女に声を掛けられ、ようやく自分が今どのような状態にあるのかを思い出した。
侍女に手を引かれ湯舟から上がった。タオルを手にした侍女達が一斉に集まり、俺の体から水分を拭き取ってゆく。その上にひんやりとしたローションが塗られる。「姫」ならではのサービスなのだろう。成分が肌に吸収され全身が潤ってゆくようだ。
その後で「姫」の服が着せられる。この後はベッドに行くと聞いていたので、その服の豪華さには驚かされた。生地は確かに滑らかで体に優しいようだが、いたるところにヒラヒラのレースやリボンの装飾が施されているのだ。
寝室で再度寝間着に着替えるかと思ったが、そのままベッドに上がらされた。
「ごゆっくり♪」と侍女が下がり、俺は眠りにつこうとした…

「!!」
気配を感じ、眠気が一気に吹き飛んだ。
俺の戦士としての魂が全身の神経を研ぎ澄ましていた。
ギッ!!
扉が開く。
本来の「俺」であれば既に物陰に潜み、剣を構えているところであるが、「姫」がそのような行動を取る筈もない。俺は寝たふりをしながら侵入者を確認した。
「ふん。てこずらせやがって…」
宰相であった。
「これまでは我慢していたが、これは逃げ出した事へのペナルティだ。多少のキズは皇帝も気になさるまい…」
ベッドの脇から「姫」を見下ろしていた宰相は、むんずと「姫」の胸を鷲掴んだ。
想定外の行動に、俺は一瞬の反応が遅れた。

「あふぁ…」

思わずあげてしまった声は、どうみても女の喘ぎ声だった。
「全身に塗り込ませた媚薬が効いているようだな?」
俺は奴に抵抗を試みるより先に、全身に響き渡る快感に抗うのに必死だった。奴の言う媚薬の所為なのだろう、与えられる刺激が全て快感となって俺を苦しめていた。
その快感は「女」の快感であった。姿変えの魔法で俺の肉体が備えることになった「女」の器官を活性化させていた。
ジクッ!!
俺の股間に甘蜜が溢れる。その奥、胎内の器官が疼きだしていた。
女の肉体が「男」を欲しているのだ…

「ヨイ娘じゃ、ヨイ娘じゃ。生娘だろうに、ちゃんと男を欲しがっておる…」
いつの間にか宰相は全裸となっていた。そしてその股間では魔が魔がしくも、逸物が勃起していた。
奴はベッドに上がると、俺の着けていた下着を剥ぎ取った。
「ヨイ匂いではないか。ますます興奮するではないか♪」
と鼻下で嗅ぎ捨てると、今度は俺の脚を掴んでいた。

「い、イヤッ!!」

俺は叫んだが、それ以上の抵抗はできなかった。
「案ずるな。素直に喘いでおれば、即に極楽を会得できるようになる♪」

グイと奴のモノが俺の膣に押し込まれた。
「ああっ、あ~~~!!」と俺は叫ぶしかなかった。
俺の全身に染み渡った媚薬がそれ以外の反応をさせてくれないのだ。
「女」の快感が俺を襲う。
幾度となく、俺はイッてしまった。
意識は朦朧とし、快感を求め自ら腰を振りだしたことも上の空に感じていた。
全てが快感の中に塗り込められていった…

 

変身(2/3)

多分、夜は明けているのだろう。侍女達が部屋を整えている。
俺は股間に残る違和感を無視するように起きあがった。
「ご気分は如何ですか?」尋ねてきた侍女は昨夜の事を知っているのだろうか?
「大丈夫です。」
俺はそう言ってベッドを降りようとすると、数人の侍女達が集まってきた。
「こちらがお召し替えです。」そう言って、俺はきらびやかなドレスに着替えさせられた。そのまま、椅子に座らされ、髪を整えられ、化粧を施された。

「兄王様、おはようございます。」
既に太陽は天頂にかかろうとしていた。
「早速、出立つしてもらう。二度と騒ぎを起こさぬように頼むぞ。」
兄王は宰相の言葉をそのまま伝えてきた。
そして、それが兄妹の別れとなった。(妹は偽物だが…)
俺は再び馬車に揺られる事となった。

 

(「姫」は保護した)
相方からの念話が届いた。
(これから「姫」を変装させて所定の場所に送り届ける。合流は可能か?)
俺が帝国に向かう馬車の中だと言うと、相方はしばらく思案した後
(ぎりぎりまで粘っていて欲しい)
何故?と聞くとやはり時間稼ぎが必要だとの事。姿変えの魔法が切れても大丈夫なように女装させるので、それ程速くは進めないらしい。
(私の妻という設定で乗り切ろうと思う)
相方がシレっと言ったので、年の差を考えろ!!と言ってやった。
(彼女は適当に老けさせるよ。それより、お前の方が夫との差はでかいんじゃないのか?)

イタイ所を突かれ、俺はしばらく何も言えなかった。
(そちらのあんばいは如何?)と聞いてきた。
俺は昨夜の痴態を思い出し、再び体が熱くなるのを感じた。股間の疼きが戻ってきたのか、太股の内側がじっとりと湿度を増す。
こちらは大丈夫だ。脱出の手筈を考えるから…と、強制的に俺の方から念話を切った。が、疼きの所為で考えがまとまる筈もない。
疼きを抑えようと内股を擦り合わせるが、かえって疼きを増長させるだけであった。

 
宿に着いたのは、まだ陽も沈みかけの頃だった。
宿とは言っても、お屋敷のようなもので、姫様ご一行の皆がそこに宿泊できるだけの用意ができていた。勿論、風呂や食堂も「姫」と従者のでは離れた場所にあり、「姫」用のものはこれ以上ない程に豪華な造りとなっていた。
風呂では旅の疲れを取る…というよりは、火照った体を静めるのに効果があった。
落ち着いた所で夕食が出された。豪華な料理がテーブル狭しと並べられる。昨夜から殆ど食事を口にしていない事を思いだし、片端から手を付けていった。
が、「姫」の胃袋は思った以上に限界が近かった。美味しそうなデザートを恨めしく眺めながら、俺は胃の上に手を当てて悔やむ事になった。

ベッドに案内される。
疲れてはいないのと、昨夜の乱入者のことがあったため、なかなか寝付けなかった。
(どうだい♪お姫様の生活は?)
相方からの念話が届く。別に良いものではないぞと返してやる。
美味しい物は出て来るのだが「姫」の胃袋には入り切らない。綺麗な服が着れるといっても女物のドレスにときめく筈もない。立派なベッドもいつ襲われるかと…
(襲われたのか?!)相方の念話はいつになく激しかった。
な、何か問題でもあるのか?
(い、今は何とも言えない…)
俺の問いに相方の答えは歯切れの良いものではなかった。

 

 
姿変えの魔法を始めて、三日目を迎えた。
脱出はぎりぎりまで待つ事になる。上手くいけば夕闇に紛れて姿をくらます事も可能だ。

俺は今日も馬車の中だった。
(「姫」の魔法は解けた。なんとか化粧でゴマかせられそうだ。)
念話の調子からすると相方の方は問題なさそうだった。後は俺がここから脱出すれば良い。
窓から景色を見る。山の形、位置関係を頭の中の地図と照らし合わせる。馬車の速度を勘案して脱出ポイントをいくつか選定しておく。

が…
「どちらに向かわれるのですか?」
馬車が街道を離れたのに気付き、俺は御者に声を掛けた。
その先の山間に、宰相の甥の館があるらしい。今夜はそこに宿泊すると言う。
俺の頭の中の地図は街道沿いしか描かれていない。脱出の計画が白紙に戻ってしまった。
魔法が解ける時間が刻刻と近付いてくる…

 
街道を離れた後、馬車の揺れが次第に激しくなっていった。道の整備がなされていないのであろう。館に近付く程にそこを通る者もいなくなる。路面の起伏は馬車の車軸に大きな負担となっていった。

ガガッ!!と異音が轟き、馬車の後方で騒ぎが湧き起こった。輿入れの品々を引いていた荷馬車が転倒したらしい。
「姫」の身の回りの品々を担いで「姫」に従う者と、この場で夜を明かし代わりの荷馬車が届くのを待つ者とに分かれた。
歩きで従う者が増えた事で、一行の進み具合が更に遅くなった。
「私も歩きます。少しでも多くの荷物を馬車に積み込んでください。」
と俺が言うと、一斉に反対の声があがった。が、侍女達の歩みの遅さには堪えられなかったようだ。俺も馬車を降りて歩き始めた。

本来の俺であれば、この程度の道は山道とは呼べない。が、「姫」の肉体に加え、このような道を歩く事など想定外のかかとの高い靴にはかなり堪えるものがあった。

「あぁ…」

俺はふらつくと谷間に転げ落ちていった。
勿論、ワザとである。馬車の中ならともかく、従者の面前で魔法が解けるのは、どうしても避けたかったのだ。
俺は頃合いの良い下草と薮の茂み具合、そして姿を隠せる蔽体を確認して身を投じたのだ。

「「姫様~!!」」
従者達の声が谷にこだまする。
彼等には悪いが、何時魔法が解けてもおかしくない時間に突入していたのだ。

暗がりに潜む。ドレスの裾を手繰り寄せる。ドレスについた破れや泥汚れが心配になるが、今は宵闇が訪れるのを息を殺して待つだけだ。
魔法が解け、俺自身の肉体が回復すれば、何とでもなるのだ。


闇は訪れた。
従者達は枯らした喉を酷使して、いまだ「姫」を探している。

そして…
俺もまた、いまだ「姫」の姿のままであった。

 

ガサリ!!
薮を分け入る音がした。
「脚でも怪我されましたか?」
頭上から男の声が届いた。
「姫は見つけたぞー!!」
男は谷中に響く声を張り上げた。
「またも皆に迷惑を掛けたいのですかな?」
男はそのまま、俺を抱え上げると馬車の所まで軽がると上がっていった。
「このまま姫を乗せて館に戻る。皆は無理せずに来れば良いぞ。」
と俺を抱えたまま、器用に馬に跨った。
「振り落とされたら、今度は脚の怪我では済まないからな。しっかりとしがみ付いていろよ。」
男の言葉に異を唱える事もできず、俺は男の背中に廻した腕で二人の胸を密着させていた。

 

男はこの館の主=宰相の甥であった。
館に着くなり、ドレスを剥ぎ取られた。
図らずも、俺はキャーと叫んでしまったが、彼は俺の体を調べると
「あそこから転げ落ちたと言うのに、奇跡的にも傷はないようだな。悪いのは脚だけのようだ。」
と、傷の具合を見ただけで、そのまま俺を風呂に送り込んだ。
叫んでしまった事を謝る機会もなく、風呂から出ると、そのまま寝室に案内されていた。

(変わり身の魔法で男が女になった場合、まれに元に戻るのに時間が掛かる場合があるらしい)
相方は念話でそう言ってきた。
そんな話聞いていないぞ!!と言うと(私も忘れていた)と返してきた。
俺の魔法は全て相方から学んだものである。だから、彼の知らない事を俺が知る筈もない。(調べておくから、詳しい事はまた明日)と、念話は切られた。
俺はいつまで「姫」の姿でいる事になるのだろうか?その間は「姫」として行動しなければならないのだ。
このままいけば「姫」は皇帝との婚儀に及ぶ事になる。つまり、俺自身が皇帝の妻となるのだ。皇帝の妻達の中で最も若く愛らしいとあれば、その肉体を求められる頻度は高くなる。
はっきり言って、皇帝は既に老人である。いかに精力があるとは言っても、抱かれるのであればこの屋敷の主のような若い男性の方が良いに決まっている。
馬の上で彼にしがみ付いていた時に感じた彼のぬくもり、心臓の鼓動が思い出される。

「ぁあん…」俺の口から喘ぎ声が漏れた。彼の掌が俺の乳房をまさぐっているのを想像していた。
「そこ…、もっと強く…」彼の指が俺の乳首を弄ぶ。体が熱くなる。俺の股間が潤っていた。
「キテ♪」俺は脚を広げた。俺はそこに彼を迎える…
「あん、ああん♪」彼の代わりに俺の指を差し込んでいた。彼の動きを想像し、指を抜き差しする。
「あ、あ、あ…」彼の逞しいモノに貫かれ、俺は快感の高みへと押し上げられてゆく。
そして…
「あ、ああ~~~!!」快感の果てに、俺は意識を手放してしまっていた。

 

変身(3/3)

(戻れるタイミングはだいたい一ヶ月後だ)
翌朝、相方からの念話に起こされた。いまだ起ききれていない頭で反芻する。「だいたい」ってどう言う事だ?
(これは女性の生理周期なのだよ。これには個人差があるから正確な期日が出せないのだ。)
生理周期?
(ああ、調べたところでは、ほとんどの場合、生理が終わると元に戻るらしい)
つまり、あとひと月はこのままという事か?しかし、ほとんどという事は例外もあるのか?
(まれに次の生理が終わるまでの場合があるらしい。だがそれよりも、妊娠してしまうと元には戻れないそうだ。)
妊娠?
(ああ、その肉体は100%女性そのものだ。生理があると言ったろう?女性としての器官は全て備わっており、正常に機能するという事だ。当然、男と交われば妊娠する事もある。元に戻れないのは、自然の摂理が生まれてくる子供を思って元にもどさせないのではないのだろうか?)
他人事だと思って…
(男に抱かれなければ良いだけではないか。お前は男の癖にホイホイと男に抱かれて悦んだりするのか?)
既に宰相に抱かれ、図らずも女の快感に目覚めてしまった事は伏せておく。
だが、このまま帝国に着けば俺は皇帝の妻になるのだ。当然、抱かれない訳にもいかないだろう?
(なら、妊娠しないように気をつけるのだな)
か、簡単に言うな!!
(わかっている。何か手はないか、こちらでも検討する)

 

 

俺は谷に落ちた時に痛めた脚を理由に、宰相の甥の館に一週間滞在した。
館の主には、ワザと谷に落ちたことも、脚の怪我も嘘であることも見透かされている。俺が本物の「姫」ではないこと、俺が本当は男であることまではバレてはいないが、俺が帝国に向かう事を拒絶している事は解っていた。
だが、宰相は彼の叔父であり「姫」が皇帝に嫁ぐことに関して様々な手を回してきたのは、その宰相であった。彼とて永久に「姫」を足止めしておける筈もないのだ。

「あん、ああん…」
マッサージと称して毎夜、彼が寝室にやってくる。痛んでいる(ことになっている)脚を摩ってくれる。その掌はいつしか俺の胸を揉みあげていた。
彼の掌は快感とともに安らぎを与えてくれる。
否、俺から誘った訳ではない!!「姫」の愛らしい容姿を彼が求めたのだ。
愛らしい口から漏れる甘い吐息に、彼の男性自身が反応する。そこから撒き散らされるフェロモンに、今度は俺の肉体が反応する。
「この疼き、鎮めてもらえますか?」
彼は即にも、俺の願いを聞き入れてくれる。俺の股間に割り込むように体を密着させる。俺の濡れ濡れの股間に彼の男性自身の先端が触れる。
彼が俺のナカに入ってくる。
「あん、ああ~~ん♪」
俺の媚声に反応して、彼が責めあげてくる。俺は幾度となく、快感の高みに放り投げられた…

 

一行が街道を進む。
俺の乗った馬車の脇には馬に跨った彼がエスコートしてくれている。
「ちゃんと帝都まで送り届けてやるよ。」
そして毎夜のマッサージも続けられた。
ときどき発生するアクシデント(それが彼が仕掛けたものである事を証明する事はできない)で一行の進行は度々停まることになる。
帝国領に辿り着くのに、ゆうにひと月を要してしまった。更に、そこから帝都に向かう。帝国領に入ってからは「姫」を歓迎する人々が加わり、一行の規模も膨れあがっていた。
そのままの歓迎ムードで俺達は帝都に迎え入れられた。

時間を置くことなく、皇帝に謁見した。お決まりの口上を述べ「よく来た」と返される。
皇帝は思っていた以上に老体であった。死臭のしてきそうな肉体に抱かれるのかと思うと、さっさと帝都から逃げ出したくなった。
(まだ、解けませんか?)
相方からの念話が届く。未だ生理がないのだ、それがなければ元に戻れないのだろう?
と、生理がない事に俺はあまり深く考えてはいなかった。
(まさか、妊娠してるのでは?)
と相方は言うが、腹が膨れたとか、悪阻があるとかの症状は出ていない。
(もしかして、避妊も考えずに男に抱かれたりはしていないだろうな?)
俺は精液を飲むような事はしていない!!と言うと
(あ~、お前の知識はその程度か…)と呆れたまま念話が切れた。

 

「もしかして私、妊娠していますか?」
その夜も疼きを鎮めてもらいながら、俺は聞いてみた。
「エッ!?」
その途端、彼の顔は蒼白となり、肉棒は一気に萎えた。
彼が寝室を駆け出てゆきしばらくすると、侍女頭が飛んで来た。生理が来ていない事を伝えると、彼女もまた駆け出していった。
皇帝お付きの医者が呼ばれ、俺を診察した。薬が渡され、婚儀が延期されると伝えられた。
俺は何が起こったのか理解できないまま、与えられた薬を飲み床に就いた。

翌日には離宮に移された。
そこは皇帝以外は男子禁制とされていた。当然ではあるが、彼と離れる事になる。
夜になると疼きが激しくなる。が、そこは「女」しかいない場所ならではの解消方法が用意されていた。独りで慰めるもの、互いに慰め合うもの…様々な欲求に応じた器具が揃えられていた。しかし、本物(特に彼のもの)に及ぶものは一つとしてなかった。

女だけの環境で数日を過ごした。馬車で揺られることなく数日を過ごしたのは、彼の屋敷に滞在していた以来であった。
肉体が落ち着きを取り戻したか、俺は初めて「生理」というものを体験した。
とは言っても、最初はそれが生理であるとは判らなかった。股間に滴る血に慌てふためく。「血」から「死」をイメージしてしまう。俺はここで何かを盛られていたのだろうか?疑心暗鬼に捕らわれ、侍女にも声を掛けられない。
相方に念話すると「お前は生理の何を知っていたんだ?」とバカにされ、ようやく自分に生理が訪れた事を理解した。

生理が来たと言うことは、間もなく姿変えの魔法が切れるという事である。俺はここから脱出する手だてを考えなくてはならなくなった。
「ここ」とは言っても、離宮だけを考えれば良い訳ではない、帝都を脱出し、帝国領から逃げ延びなければならないのだ。幸いにも、相方は「姫」の引き渡しを終え、帝国に向かっているとの事だった。

 

 
生理も終わり、魔法が解けるのも時間の問題となったある晩。何の気の迷いか、皇帝が離宮を訪れてきた。
目的は「姫」…すなわち、俺であった。
「お前の心はいまだ奴のものか?」歳老いた皇帝が俺の耳元で囁いた。
「だが、お前の心などに何の価値もない。その愛くるしい肉体だけが必要なのだ。」何も答えずにいる俺の寝間着を皇帝が剥ぎ取ってゆく。
「お前の肉体は朕のものとなる。生娘であれば更に楽しみが増えたのだが、それにこだわることはない。気を付けなければならないのは、子種が確認困難となる事態なのだ。お前は尻が軽そうだ。この離宮からは一歩も外には出させないからな。」
皇帝のモノが一気に俺の股間に侵入してきた。
「あん♪ああっ!!」
久しぶりの本物の「男」に、俺は皇帝の老醜さも忘れて喘ぎ声をあげていた。
肉体の老枯様にもかかわらず、皇帝の逸物は太く、逞しかった。ソレに突きぬかれる度に快感に襲われ、俺は嬌声をあげつづけていた。
皇帝の熱い塊が俺の膣に放出される。
俺は意識を飛ばしてしまっていた…

 

 

いよいよ、姿変えの魔法が解かれる…
(迷っているのか?)
相方の念話は痛い所を突いてくる。表面上はそんな事はない!!と反論するが、男に貫かれる快感も手放したくはなかった。
(「姫」がいつまでもココに存在している訳にもいかないのだ。ましてや皇帝の精で妊娠する事などあってはならない!!)
判っている!!と、俺は計画に従い、新月の夜に離宮を脱した。
変装したまま帝都を脱出する。街道を外れ、山に向かう。姿変えの魔法が解けるまで隠れていられる場所を探した。
手頃な洞穴を見つけ、入り口に結界を張った。枯れ葉を集めて簡単なベッドを作り、そこに身を横たえた。
以前の俺なら、岩床に直接寝転がっていたのだが「姫」としての生活が柔らかなベッドを欲しがる。そして…
「…んあん、ああん♪」
この二ヶ月近く、毎日のように繰り返される疼きに、艶声をあげて身悶える。洞穴には疼きを鎮めてくれる「男」はおろか、離宮にあったような「道具」もない。
自らの指で慰めるが、なかなか鎮まるものではなかった。やがて、疲れ果て眠りに就くが、満たされない感覚に苛まれる事になる。

即にでも姿変えの魔法が解ける筈だった。長くても三日も隠れていれば良いかと思っていたが、既に一週間を経過している。食料は木の実等でつないでいるが、もう一つの飢えが癒されることはなかった。
村に「男」を襲いに行きたくなるのを必死で堪えた。が、夜の疼きは激しくなる一方であった。

「生理の後に皇帝に抱かれたのが影響していると思う。」
ようやく念話ではなく、直接会話できるようになった相方はそう言ってくれた。俺は相方の上に跨り、久しぶりに疼きを鎮めてもらっていた。
「どうやら、一旦男の精が中に入ると、次の生理までは解けないらしい。今はこうしてやれるが、生理が始まったら姿変えの魔法が解けるまで、絶対に我慢するんだぞ!!」
「んあん♪解ってるわよ!!…ぁあん、そ、そこ…イイ…」
俺は相方の調査結果を聞きながら、腰を振り快感を追い求めていた。その夜は、幾度となく気を吐き、安らかな眠りに落ちてゆく事ができた。

 

 

「へへっ♪ご盛んでしたね?」宿の主人が下卑た笑みを浮かべて俺達を送り出した。
今だ帝国領内であるが、俺達を咎める者は誰もいない。姿変えの魔法は解かれ、俺はもう「姫」ではなかった。
帝都では「姫」の急死が告げられたらしい。しかし、俺達が「姫」と係わりがある事を知る者は帝国内には誰もいない筈である。

俺達は本来の「姫」の無事を確認するために「姫」の下に向かっていたが、その行程は必ずしも急いでいるものではなかった。
「あっちに名所があるらしいから行ってみよう♪」
ほとんど物見遊山の俺に相方も付き合って寄り道ばかりしている。そして、宿にはまだ陽のあるうちに入る。のんびりと「夜」を過ごすのだ。

「新婚旅行ですか?」この宿の番頭もそう訊ねる。
「まあ、そんなもんだ。」と相方が宿帳に俺達の名前を書く。俺の続柄は「妻」だ。
俺は「姫」の姿は解いたが、女の快感が忘れられず、別の若い女の姿に変えていた。避妊の仕方もちゃんと教わっている。そして、生理後には相方にねだって男の精を入れてもらいこの姿を維持しているのだ。

「あん、ああ~~ん♪」
今宵も早くから、俺は快感をむさぼるのだった。

 

無題

それが始まるまでに、何も気付かなかった俺も俺だが…

それが「生理」だと誰が思い至るだろうか?とにかく、俺は産まれた時から正常な男子であり、股間を勃起させるだけではなく、マスを掻けばちゃんと白い奔りも出してきた。
だから、俺の股間に本来男には存在する筈のない「穴」があり、その奥に成熟した女の器官が存在しているなど…

 
最初は「痔」かと思った。切れ痔などで肛門から血が出てくる事があると聞いていた。
しかし、その紅いものは肛門から出てきたものではなかった。トイレで股間を綺麗にしてベッドに戻り、鏡に股間を写してみると、玉袋のあわせ目が解けて裂け目ができていた。更にその奥に紅いものを吐き出している穴が存在していた。
それはまるで女性の「膣」のように俺の胎の中に続いていた。何故か俺はその奥にある「子宮」の存在を疑えなくなっていた。

そう、これは「生理」なのだ。俺が男であろうがなかろいが、子宮が正常に活動していれば、月に一度は生理が訪れるのだ。
とりあえず、ポケットティッシュを股間に挟み、近くのコンビニに向かった。生理用品を買うためだ。
ナプキンかタンポンを買えば良いと思っていたが、生理用ショーツなるものが並んでいたので、タンポンと一緒にこれも買う事にした。

部屋に戻り、早速タンポンを装着してみた。
思った程の違和感はない。女性はSEXの際これより太い男性自身を受け入れるのはもとより、この穴を通じて赤ん坊を産み落とすのだ。それを考えれば小指程の物体などいか程のものであろうか…

しかし、生理があるという事は、俺も男とSEXすれば妊娠し、子供を産むことになる可能性があるということだ。男となど…と嫌悪感が押し寄せる一方で、SEXのときの女の快感は男の十倍、百倍とも聞いている。

 

悶々とした日々が過ぎ、いつしか俺の中で好奇心が勝る事となった。
俺は親友の勝也を呼びつけた。
「な、なんの用だ?」と言うが用がなくても勝也はやって来てくれる。
「女を抱きたくはないか?」と俺。奴も俺と同様、この才まで童貞である事は判っていた。
「だ、抱けるなら、それに越した事はないが、俺達にそんな事を頼める女性の知り合いなんていないだろ?」
「まあ、それは置いておいて、先ずはお前のチンポを見せてくれないか?」
「み、見せるのか?」勝也は躊躇したが、萎えたペニスを俺の前に晒した。
「硬くできるか?」
「不能じゃないが、男同士で硬くさせて何の意味があるんだ?…って、何をしてるんだ?」
俺は無意識のうちに勝也のペニスを掴み、優しく刺激を与えていた。
状況がどうであれ、ソレが無節操なモノである事には変わりはなかった。俺の与える刺激に反応して、ピクリと脈動する。その変化に俺は夢中になってしまった。
勝也のペニスは硬く勃起してゆく。独特な牡の匂いが俺を包むと、ジュクッと俺の女の器官が反応した。
男同士としてみれば、それは異様な光景だった。しかし、俺の内の「女」がソレを欲していた。
俺はズボンのベルトを緩め濡れたパンツと一緒に脱ぎ捨てた。
そのまま勝也の上に跨った。

ヌペリ…

俺の膣に勝也のペニスが収まった。
「な、何をするんだ?俺はオカマを掘る趣味はないぞ!!」
「オカマじゃないよ。ちゃんと濡れているだろう♪正真正銘のオンナノコに突っ込んでいるんだよ。」
「お、お前…性転換したのか?」
「別に手術とかした訳じゃない。いつの間にか、俺の股間に女性器ができていたんだ。」
「お前…女…になるのか?」
「どうだろう?チンポは付いたままだし、胸が大きくなってゆくようにも見えない。ココ以外は男のままみたいだ。」
「じゃあ、しばらく女のフリでもしてろ。俺は女を抱かせてもらえると期待していたんだ。いくらソコが変わっていても男を抱いているとは思いたくない。」
「そんな簡単に言うなよ…」
「じゃあ黙っていろ。そして俺の言う通りに動くんだ!!」
俺は床に四つ這いにさせられた。勝也が背後から突っ込んできた。
「んあん!!」
それは女の快感なのだろう。男のものとは違う強烈な刺激が俺を貫いてゆき、俺は女のように声をあげてしまった。
「黙ってろと言ったろ?男の声で喘がれても興ざめするだけだ。」
俺は快感に漏れそうになる声を必死で堪えた。
その分、頭の中に響く俺の声は完全に女の声になっていた。
(あん、あああん♪)
(頂戴♪モット激しくぅ!!)
(イく?イッちゃうの?)
(あ、あ、あ、あああ~~~!!)
俺は頭の中を真っ白にして気を失っていた…

 

「おお、気がついたか?」
勝也の声に自分が何をしたのかを思いだした。
股間には今だ勝也のペニスが挟まったままのように感じていた。
「…お、俺…イッたのか?」
「まあ、そう言う事だが、もう少し色っぽく言えないのか?」
「色っぽくすれば、もう一度シてくれるの?」(…って、俺は何を口走っているんだ?)
勝也も何か考えているようだ。
「俺に考えがある。夜になってもう一度来てやる。それまでに、もう少し女っぽくできるようにしておいてくれ。」
勝也はそう言って出ていってしまった。

 

 
夜はあっという間にやってきた。
(勝也がいなくなった後も時間を忘れて一人で慰めていたのだ)
勝也が来るまでの間に、何とか身の回りを整える事はできたが、彼に言われた女らしさを身につける事など何もできていなかった。
「まあ、そんな所だと思っていたよ。」幾つもの紙袋を抱えてやってきた勝也には、いきなりそう言われてしまった。
「じゃあ、先ずはこれからだな♪」と紙袋から取り出したのはブラジャーだった。手に取るとずっしりと重い。
「カップにシリコンパッドが付いているんだ。本物並の手触りと質感が得られるそうだ。」
「他にもあるが、もしかして俺に女装させようとしているのか?」
「形から入った方がやり易いと思ってな♪ほら、ストッキングもガーターベルトで止めるやつだぞ。」と紙袋の中から様々なアイテムを取り出していった。
「俺とヤりたいんだろう?」の一言で、俺は勝也の言いなりになるしかなかった。

 

「ど、どこまで行くんだよ?」
俺は慣れないハイヒールにふらつく体を勝也に支えてもらいながら歩いていた。
あたりは暗くなっていたので、俺の事を女装した男だと判別するのは困難であるが、少なくとも俺の女装した姿は既に何人かに見られていた。
「言葉に気を付けろよ。」と勝也が俺の耳元に囁く。
俺はなるべく女の声に聞こえるようにして言い直した。
「ねぇ、ドコに行くのよ。」
「おお、やればできるじゃないか♪行き先はそこの公園の先にあるネオン街だ。」
「って、ラブホ?」
「嫌なら、そこの公園のベンチでシてやっても良いぞ♪」
「い、意地悪ッ!!」
俺は勝也が止まらないように、しっかりと腕を絡めて公園の前を通り過ぎていった。

 

ラブホテルの部屋に着くなり、勝也が俺を抱き締めた。
「な、なにするのよ!!」
「良いじゃないか。これからエッチするんだろ?やっぱり、揉み甲斐のある胸があると違うな♪」
「でも偽乳だから、いくら揉んでも感じないわよ。」
「じゃあ、感じてるふりでも良いからしてみろ。」
「って…ああ~ん♪」不意に耳の穴に息を吹きかけられ、喘いでしまった。
耳からのくすぐったさと同じモノが胸からも感じられ、俺は勝也の責めに喘ぎ続けていた。そして、そのままの体勢でベッドに押し倒された。
勝也の手の一方が胸を離れた。その掌が俺の太股を撫でている。ストッキングの上を滑らせてスカートの中へ…
「イヤン♪」スカートが捲り上げられ、俺は無意識にそれを阻止しようと手を伸ばしていた。が、俺の抵抗はあっさりと突破された。勝也の手が内股に回り込んでいった。
「おや?」
嫌でも気付くだろう。俺の顔は赤く燃え上がっている筈だ。
「もうこんなに濡らしているのかい?」
俺の股間は愛液でヌルヌルになっていたのだ。
既に部屋を出る時から愛液の分泌は始まっていたのだ。パンツを穿く事を禁止され、俺はノーパンのままココまで来ていたのだ。
その間に人目に晒され、勝也の言葉にも刺激されて、愛液は留まる事はなかった。

「じゃあ、一気にイくか♪」と、勝也はズボンを脱ぎ捨てた。
憤り勃ったモノが現れる。俺のスカートを更に捲り上げ、両脚を開かせると、グイと俺の胎に突っ込んできた。
「ああん!!」俺は快感に喘いだ。
勝也のペニスが更に奥まで突っ込まれる。
その先端が子宮口にまで届いているようだ。
「正解だね。服を着せたままだと、本物の女とヤっているようだ。なぁ、もう少し膣を締め付けられないか?」
俺は勝也の指示に従い、下半身に力を入れてみた。
「うほーっ♪良く締まるぞ!!」と勝也が動くと
「あん、あはぁ~ん♪」とこれまでにない快感に、俺も艶声を上げていた。
「良いぞ、良いぞ♪」と勝也の動きは激しさを増す。
「あん、はあん♪」
俺は快感に何と叫んでいるかもわからなくなっていった。快感に支配され、勝也の動きに合わせて自らも腰を振っていた。
「あぁ、来たぞ。キタ~~~!!」
ドクリと勝也のペニスが脈動する。
何が起こったのか、その瞬間には俺は理解できていなかった。
俺の奥にソレが打ちつけられた事をトリガに雪崩のように快感が広がってゆくと同時に、俺の意識を更なる高みへと放り投げていった…

 

 
ゆったりとしたリズムで、俺の胸が揉まれていた。
「んんあん…」甘い吐息が俺の口から漏れていった。
「どうだった♪本格的にイけただろう?」
「お、俺…イったんだ…」
「良かったか?」
「ああ…凄かった♪ありがとう。」
「礼には及ばないさ。頼まれればいつでもイかせてやるよ♪」
勝也の股間が俺の太股に当たっていた。彼のペニスが十分な硬さを維持しているのが解った。

その時になって、ようやく俺は全裸にされているのに気付いた。
揉まれていた胸は、ブラジャーと一体となった偽乳ではなく、俺自身の肉が盛り上がっていた?!?!
「な、何なのよコレは?」揉んでいた勝也の手を払い退けるように、自らの手を胸にあてた。
快感に朦朧としていた俺の意識が一気に醒めていった。覆い被さる勝也を押しやり、上体を起こした。重力に引かれた肉塊が、俺の胸にその重さを伝える。
「お前がイった直後に、急激に変化していったんだ。胸だけじゃないぞ。股間を見てみろ。」
言われるがまま股間を覗き込むと、そこには「男」の痕跡すら残さずに完全な女の股間に変わっていた。
「あ、あたし…どうなっちゃったの?」
気が付くと俺は目からぼろぼろと涙を落としていた。
「大丈夫。俺が付いている。」
勝也はぎゅっと俺を抱き締めた。
彼の心臓の音がトクントクンと俺の耳に届き、俺は自分が次第に落ち着いてゆくのが解った。
俺は勝也の腕の中に安らぎを覚えていた…
(これって、俺のココロも「女」になってしまったという事なのかしら?)

 

 
ホテルを出ての帰り道。勝也と並んであるいている。
なんとなく、掌を合わせた。
「ん?」と勝也
「駄目?」と聞くと
「別に…」と前を向いた。

公園の前を通る。
砂場で幼い子供達が遊んでいた。いままで何とも思っていなかったのが、何故か優しい気持ちが湧き出てくる。
(母性本能かな?)

「眩しいな…」
勝也が呟いた。空を仰いだが、日差しはまだ強くはなかった。視線を下ろすと、勝也の視線とぶつかる…勝也は俺を見ていた。
「眩しいのはお前だよ。親友だったお前が女になって、更に輝きを増したようだ。」
「な、何よ!!親友だった。って過去形?」
「ああ、今は恋人INGだな♪」
俺はハタと足を止めてしまった。
「あ、あたしで良いの?」おずおずと問い返す。
「お前との相性は申し分ないだろ?」そう言って俺を抱き締める…
「他人が見てるよ。」と離れようとしたが、
「何か問題あるのか?」と言って、そのまま俺の口を勝也の口で塞いでしまった。
(ダ、ダメ…抵抗できない…)

アタシは人目も憚らず勝也に抱き付くと、差し込まれてきた彼の舌に自分の舌を絡みつかせていた…

 

闇からの声

「…タスケテ…」
闇の奥から声がした。
か細い、女の子の声だった。
僕は闇の中を、声のした方に向かって進んでいった。
やがて、薄明の中に少女の姿を認めた。
足を速め、少女に近づく。
「き、君っ!」
僕の声に少女が振り向く…
 
ジリジリジリーン!!

けたたましい目覚まし時計の音に夢から引き戻された。
ここ何日か繰り返される「夢」とその幕切れ。僕は未だ少女の顔さえ見れていない。

「じゃあ、目覚ましを止めておけば良いじゃないのか?」
親友の大樹はそう言うが
「目覚ましが鳴らなければ、母さんが起こしに来るしな。」
そう言う僕に
「なら、俺ん家に泊まらないか?明日は休みだから、好きなだけ寝かせてやれるぜ♪」
急にそう言われても…と遠慮する気持ちよりも「彼女の顔を見てみたい」という欲求が勝った。

そして…
 

 
「…タスケテ…」
闇の奥から声がした。
僕は闇の中を、声のした方に向かって進んでゆく。薄明の中に少女の姿を認め、足を速める。
「き、君っ!」
僕の声に少女が振り向く…

グラリ!!

突然に眩暈に襲われる。
「大丈夫か?」
次に聞こえたのは男の声だった。
「って、大丈夫な訳はないか。先ずは助けてくれてありがとうと言っておこうか?」
「助ける?」
そう言って、僕は猛烈な違和感に襲われた。
僕は女の子の「助けて」と言う声に導かれてきたのだ。が、「助かった」と言ったのは、目の前に立っている男…僕は地面に半身を起こしただけの状態で、彼を見上げている。
まるで、女の子と僕の位置関係が替わったみたい…

それだけではない。
良く見ると、男が着ているのは昼間に僕が着ていた服と同じ。そして僕が着ているのは、女の子が着ていた何の飾りもない白いワンピース?

「悪く思うな。不用意にノコノコ助けに来たお前自身の問題なのだよ。今度はお前が助けを呼ぶ番だな。」
男はニッと卑しい笑みを浮かべた。
「さっきまでの俺と同じように、ノコノコやってくる阿呆を待ってな♪」
「ど、どう言う事だ?」
僕の声はか細い女の子の声になっていた。
「闇に捕らわれたのさ。脱出するには、その存在をすり替える以外にない。」

「そう言うお前は何者なんだ?」
新たな声が割って入った。
「大樹?」
声のした方を見ると、僕にベッドを貸してくれた大樹が、何故かそこに立っていた。
「お前が智でない事は明白だ。そして、そっちの女の子が智なのだろう?」
「邪魔をするな!!」
僕の服を着た男が吠えた。
「俺はその邪魔をしに来たんだ。智は返してもらうよ。」
「存在をすり替えた今、それが可能だとでも思ってるのか?」
「じゃあ、何故即にでもココから出ていかない♪まだ完全ではないと見たが?」
「う、五月蠅!!」
大樹が睨み付けると、男はそこから動けなくなったようだ。

「今のうちだ。智、立てるか?」
僕は差し出された大樹の腕に掴まり立ち上がった。僕がこの身体に馴染んでいない所為か、足元がふらつく。
「先ずは、ここを離れるんだ。奴や闇の近くにいると何かと影響を受け易くなる。」
「ああ…」
僕は大樹に縋るようにして歩き始めた。ただでさえまともに立てないのに、足にハイヒールが履かされていた。
「悪いな…」
と大樹に謝る。
「それは、ちゃんと起きてから言って欲しいな♪」
「そうか。これは僕の夢の中だったっけ。じゃあ、何故大樹はここに居れるんだい?」
「そ、それは…起きたら説明してやるよ。」
と大樹は言葉を濁した。
「ここまで来れば大丈夫だろう。俺は一旦抜けるからな。目覚ましが鳴ったら、ちゃんと目覚めるんだぞ♪」

フッ、と大樹の姿が消えた。
僕は一人、僕の夢の中に残されていた…

 

ジリジリジリーン!!

けたたましい目覚まし時計の音に夢から引き戻された。

「お早う♪トモ。」
爽やかな大樹の声。
「トモ?何だよそれ。」
ボクが聞き返す。
「良いじゃないか。俺達がハジメテ一夜を過ごしたんだ。」
「何かその言い方、淫らしくない?」
「じゃあ、何て呼ばれたいんだ?」
「何って…」

(あれ?)
ボクは自分の名前が即に出て来なかった。
「智」という字だけは思い浮かぶ。「智子」「智美」「智香」…
(何だったっけ?)
「…トモ。で良いよ…」
大樹にはそれだけ言った。

ボクの頭の中が洗濯機のドラムのようにぐるぐる回っている。その中に見た事のある映像の断片が見えた。
小さな頃、男の子のような格好で大樹と遊びまわっていた。
パパ、ママ…あたしが並んで写真に写っている。
中学のセーラー服
高校のブレザー
そう言えば、それ以外でスカートを穿いた記憶がない。
けれど、昨日のあたしは見た事のない白いワンピースを着ていた?

「トモ。無理に思い出そうとしなくて良い。」
大樹がギュッとあたしを抱き締めた。
そうだ。昨夜あたしはこの逞しい腕に抱かれて眠ったのだ…あたし達が「親友」から「恋人」になる為に…
「愛してるよ♪」
大樹が耳元で囁く。

(?)
どこか遠くから大樹とは違う、男の声がした。
[オ~イ、タスケテクレ~]
「何か聞こえた?」
あたしが大樹に聞くと、
「空耳だよ♪気にすることはないさ。」
そう言って、あたしの唇に接吻した。
「うん♪」
あたしはその空耳が、記憶を辿ろうとした為のものだと思った。
だったら、あたしは何もしない方が良い。全てを大樹に任せるのだ。
そして、あたしは大樹の与えてくれる快感の渦に呑み込まれていくのだった。

 

« 2011年3月 | トップページ | 2011年6月 »

無料ブログはココログ