« ふたりの夜(裏の後日談) | トップページ | セミナー »

2011年1月21日 (金)

ふたりの夜

ギイッと扉が開いた。

「冷えると体に悪いですよ。構いませんから、こちらにいらっしゃいな。」
扉の影から年配の女性が手招きしてくれていた。軒の下で弾ける水滴を被りつつ雨宿りをしていた俺達は顔を見合わせる。

「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます。」
と、止みそうにない雨な中に走り出していた。既にぐしょ濡れになっているので、俺達は構わないが、ご婦人の家の中が水浸しになるのでは?と心配になった。

その家の玄関は以外と広く、濡れた荷物も土間に置いておく事ができた。
俺達にはバスタオルが渡され、床を濡らさない程度に余分な水分が取れると、風呂場に案内された。
「丁度良い具合に沸いてますから、じっくり暖まっていってくださいね。わたしは暖かいスープでも用意していますから♪」

案内された風呂場は結構広く、俺達二人が同時に入ることも可能だった。
「これってジャグジーって言うんだっけ?温泉以外ではテレビとかでしか見たことがないよ♪」
丸い湯舟からは、ブクブクと泡が立っていた。
「先に入ってろよ。」と俺が言うが、
「こんなに広いんだよ。二人で入れるよ♪」
「物理的にはな…」
「なら、問題ないじゃないか。」
「お前に問題なくとも…」
「昔は平気で一緒に入ってたじゃないか?今更恥ずかしがる事なんかないだろう?」
「それは、お前が…」

(お前が男だった時の事…)と続くのだが、今の俺達にそれは禁句であった。
敏之が男でなくなって行く様を、俺はこの半年、何もできずに只見守っているだけであった。親友である俺だけでも、敏之を「男」として接してやらなければ、奴は即にでも自分を見失い、…最悪の場合、自ら死を選んでいたかも知れない。

俺の言いたかった事を言外に察知したのだろう、
「判ったよ。じゃあ、先に入らせてもらうな。」
と、服を脱ぎ始めた。

敏之に背を向けていると、しばらくしてドアを開け浴室に入っていく音が聞こえた。
「ふう」
と俺は溜めていた息を吐いた。普段は男物の服を着ているから、さほど意識する事はない。が、裸になれば奴の肉体が「女」であることを隠す事ができない。
俺は奴が女である事を意識しないよう努めてきた。しかし、敏之が「女」である事は否定できない。そして、少しでも気を抜けば、奴を女として見ている自分に気付く日々が続いていた。
あからさまに奴の「女」を見せつけられた時、はたして俺は理性を保ち続けられるだろうか?…

「晃も入りなよ♪」
浴室から出てきた敏之はバスタオルを胸の高さで巻いた姿で現れた。
「なっ!!」
俺は言葉を失った。敏之の艶めかしい肢体を見せつけられ、体中の血液が股間に集中してゆく。
「は、入ってくる!!」
と、俺は腰を屈めて浴室に転がり込んだ。
何かにつまづき、派手な音が浴室に響く。
「大丈夫?」
と敏之が声を掛けてくる。
「大丈夫だから、服を着てむこうに行っててくれ。」
敏之は俺の願いを受け入れて、即にも脱衣所からは気配が消えていた。

 

体が暖まり、落ち着きも取り戻してきた。
普段の俺に比べると、かなりのんびり湯舟に浸かっていたようだ。少しのぼせているのか、思考に霧が掛かっているような感じがした。
浴室を出て体を拭いていると、
「晃♪服は洗濯しているから、これを着てって。」
ドアが開き、敏之が入ってきた。
(?)
奴はこれまで一度として着ようとしなかった「スカート」を穿いていた。
「この家にはこんなのしかないらしいよ。それは晃も同じだからね。」
と手にした着替えを台の上に置くと、
「ボクは奥様を手伝ってくるからね。絶対に裸で現れるなんてハシタナイ事はするなよな!!」
敏之はスカートを翻して去って行った。
(こんなのしかない…か)
確かに、奴が置いていったのは女物の服…スカートやブラウスだった。更に下着も女物で揃えられていた。
(ブラジャーまで用意してある?)
しかし、これ以外に着るものはない。裸のままでいる訳にもいかず、ブラジャーとストッキングだけは抵抗があるので、それ以外を着る事にした。
本当はスカートも穿きたくなかったが、女物のパンツ丸見えでは余計変態的だったので、穿かざるを得なかった。

鏡に映してみたが、やはりまともな格好ではない。敏之は意識はともかく、肉体は女性である。奴に似合わない筈もない。
いつもは抑えつけているバストが解放され、更にブラジャーで強調されていた。思い出しただけで、俺の股間は硬くなり、スカートの生地を押し上げていた。

(な、ナニを考えているんだ、俺は!!)
慌てて頭に浮かんだイメージを打ち消し、心を落ち着かせた。
何とか下半身の膨らみをごまかせるようになってから、俺は風呂場を後にした。

 

食卓には暖かそうに湯気をたてたスープと柔らかそうなパン、そしてサラダとフルーツが山のように用意されていた。
「どうぞ召し上がってくださいな♪」
婦人が椅子を引いて誘ってくれた。
「あ、ありがとうございます。」
服の事についてヒトコト文句でも言ってやろうかと思っていたが、彼女の優しい笑顔の前に腰砕けになってしまった。
既に敏之はスープを掬っていた。俺もスカートの下に手を当て、椅子に座った。
食卓ではもっぱら敏之が婦人と他愛もないお喋りをしていた。その姿、話の内容とも、すっかり女同士のものになっていた。
「晃もそう思うでしょ?」
と、時々話を振ってくるが、結局俺はナマ返事を繰り返すだけだった。

食卓の上も大分片付いた頃、
「じゃあ、晃♪ボク達も寝室へ行きましょうか?」
敏之が全くの女の子言葉で言ってきた。それが、いつもの敏之の姿で言われれば違和感アリアリなのだが、スカート姿だと自然体で聞こえた。
二人にはひと部屋が与えられていた。大きなベッドが一つだけあった。
「俺は床で寝るから、敏之はベッドを使えな。」
と毛布を剥ぎ取ろうとすると、
「何で?一緒じゃ駄目なの?」
とその手を押さえる。
「そんな女の子している敏之を前に、俺は何かしない自信が持てないんだ。」
「ほら、今は女の子同士でしょ♪」
と鏡を見させる。
ベッドの脇に立つスカート姿の女の子が二人…
「お、俺は男だ!!」
と、鏡から視線を逸らす。
「こんな可愛い顔してるのに?それでも男だと言うの?なら、世間で言う男の娘なのかな?」
「着るモノがないから着ているだけだ!!」
「そんな事言って、自分の可愛さに見とれてたんじゃない?」
「そ、そんな事…」
敏之に詰め寄られ、俺達はベッドに倒れ込んでしまった。
鏡にはベッドで絡み合う女の子の姿…
「やっぱり晃って可愛い♪なんか、久しぶりに勃っちゃったみたい。」
スカート越しに触れる敏之の下半身に違和感を感じた。
何か硬いモノがゴロリと触れてくる…
「お、お前…女になったんじゃないのか?」
「そうよ♪この体は隅から隅まで女の子になっちゃったわ。勿論、生理もあるから、赤ちゃんだってちゃんと産める筈よ。でもね、時々、可愛い娘を見て男だった時のように性的に興奮すると、ココだけが男の子に戻っちゃうのよ。」
「それって、今迄も何度かあったって事か?」
「そうよ。晃と一緒に男の子の格好をしていると、精神的にも男に戻ってしまうようね♪あたしの体に男の子が戻ったのも、精神と肉体のアンバランスが生み出したものじゃないかと言われてるわ。」
「それって…」
「晃があたしに男のままでいるように言ったからよ。だから、セキニンは取ってもらうからね♪」
「責任?」
「ほら、コレをどうにかしないと♪」
と奴は股間を圧し付けてくる。
「ふたなり娘と男の娘のカラミなんて、凄く廃退的じゃない?」
敏之に組み伏せられた俺は身動きが取れなかった。そんな俺のスカートの中に敏之の手が差し込まれ、グイっとパンツが引き剥がされた。
「あらら?貴女って見かけによらず、淫らなのね♪ほら、ここの所なんて、もうグッショリ濡れてるじゃない?」
それはカウパー線から漏れ出た汁の染みだった。言葉で責められるだけでも、先走りの汁は出続けてしまう。
「ほら、コレが欲しいんでしょ?」
と敏之はスカートを捲ると、奴のペニスを露出させた。
「良いわよ♪コレで晃を思う存分可愛がってあげるわね。」
と俺をうつぶせにさせる。俺のスカートの下にはむき出しの俺の尻があった。
敏之がソコに突き入れてくる。
「んあん、ああん。」
俺は女のように喘ぎ、悶えていた。
その姿は鏡に映り、二人の女のレズプレイを俺に見せつけていった。

 

「どお?良かったでしょう♪」
敏之が俺の頭を撫でながら言った。
「…」
俺は答える言葉を持っていなかった。
オカマを掘られたのは男として屈辱…の筈なのだが、敏之と「親友」以上の関係になれたという満足感に満たされていた。
それは「愛」と呼べるものなのだろうか?
俺は敏之のためなら、何でもやってあげようと言う気になっていた。彼のペニスのまわりを舌で綺麗にしろと言われればその通りにし、フェラチオをやれと言われれば悦んでやってしまうに違いない。

俺はただ、俺の頭を撫でてくれる敏之の手にうっとりとしていた…

 

「起きましょうか?」
と敏之が声を掛けてきた。窓の外には明るい日差しが降り注いでいた。
「奥様のお手伝いもしなくてはね?」
「あ、はい♪」
俺は一気に飛び起きた。昨夜は二人して遅くまで全裸で絡みあっていたのだ。
「先に使うわね♪」
と敏之は部屋に備え付けのシャワールームに入っていった。
俺は、取り敢えず適当に下着(勿論女性用だ)を着けて、起き抜けのベッドを整えた。

敏之が全裸で出てくる。
関係を持った俺の前だからというのか、身体を隠そうともせずに現れる。当然の事のように彼女の股間もまる見えである。
昨夕、敏之が言ったように、普段はそこは完全に女の子の股間だった。俺を貫いて快感を与えてくれた逸物は、影も形もなかった。
「晃も入ってきなさい。」
そう言われ、俺はようやく彼女の股間から視線を外すことができた。

シャワーから出てきた時には、敏之は既に着替えを終えていた。
「貴女の着替えも用意しておいてあげたわよ♪」
「ありがとう。」
と手渡された服を広げた。
それは、彼女が今着ているのと同じ、クラシカルなメイド服だった。
「着るの難しいから手伝ってあげるわね♪」
手伝うと言うよりは、彼女に着せてもらったと言った方が正しいと思う。ついでに化粧までしてもらっていた。
「早く一人でできるようにならないとね♪」
と彼女が言う。
俺達はいつまでこの屋敷にいる事になるのだろう?

俺には敏之に「帰ろう」と言う事ができなかった。俺は彼女が満足してくれるなら、悦んで彼女の考えに従うようになっていた。
俺達はメイドとして奥様と供に日々を過ごすことになった。

そして毎夜のように、敏之が俺を愛してくれる。
これもまた「幸せ」と言うものなのだろう。
今夜も敏之のペニスが俺を貫く。
「あん、ああ~~~~ん♪♪」
俺は悦感の渦に呑まれていった。

« ふたりの夜(裏の後日談) | トップページ | セミナー »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ふたりの夜:

« ふたりの夜(裏の後日談) | トップページ | セミナー »

無料ブログはココログ