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2010年12月31日 (金)

ザ・パワードスーツ(装甲強化服)-その4.5-

「ウェンディ、始めるわね。」
エリザベスこと、山我悟の手でウェンディの装甲強化服が剥ぎ取られていった。
名目は足の状態を確認すると言う事であったが、山賀の目的はウェンディの本体である天野翔の肉体がどこまで女性化しているかを確認する事であった。

装甲強化服の前身である「素体」を長期に渡って着用していた山我は、その肉体が「素体」の形状を記憶してしまい、完全に女性化してしまっていた。
装甲強化服は改良を加えられているが、その影響は無視できないものと考えていた。
先に調査する機会を与えられたアリスこと大神に関して言えば、肉体的な男性機能は維持されてはいるものの、女性化の傾向は確認する事ができるものの微々たるものであった。
それに比べ、精神の女性化はかなり進行しているようであった。意識的に行動している場合は、外見に合わせて男女を使い分けられているようだが、無意識に行動する際には、女性形質が顕著に現れていた。
それでも、アリスやイブは定期的に装甲強化服を脱ぐ事ができる。「男」に戻っている時間が長ければ、それだけ女性化を遅らせる事ができる。モンスターさえ現れなくなれば、精神的にも男性性を取り戻す事は可能な筈だ。
が、ウェンディの場合は足の怪我が完治しない限り「脱ぐ」とは言わないだろう。それも、彼女の場合に於いては単に「歩ける」だけではダメなのだ。競技者として再起できるまでにならないと完治したとは認めない筈だ。
彼女のレベルでの「完治」は、筋力サポートの値を旨くコントロールしない限り、望むべきものではない部類のものである。モンスターとの戦いが続く中でそれを行うことは、不可能だと言い切れる。

山賀がウェンディを脱がすと、素の「翔」が現れてきた。
端から見ても彼の精神の女性化は相当に進んでいるのがわかっていた。しかし、現れた肉体の女性化は想像以上のものがあった。
骨格が女性化しているのと、外性器の変形までは山賀の想定内ではあった。腹部にエコーを当てると、まさかとは思っていたが、子宮や卵巣まで確認できたのだ。そこからは女性ホルモンが分泌されているのだろう、翔の肌艶が女性のものに近づいてきているのも納得できた。
更に、分析に廻した細胞片からは、染色体までもが女性化している事が判明した。

今、彼=彼女にこの事実を告げるべきなのだろうか?
躊躇している山賀の元に、モンスター出現の連絡が入ってきた。

その報は、当然のように翔の耳にも入る。
「山我さん…エリザベス!! ボクを戦えるようにして!!」
翔の手が山賀の腕をきつく握り締めた。
「今は駄目よ!!これから装甲強化服を装着しても、戦闘可能となるまでには時間が掛かるわ。特に貴女の場合はうちが調整しながらでないと、治る足も…」
「ボクの事はどうでも良い!!少しでも戦力を足さないと…」

山賀は考えた。
ここで自分がこの場を離れれば、目前の課題=翔に彼の肉体の状態を告げるべきか?と言うことをしばらくの間保留できる。
それに、このまま興奮状態の彼に告げるのもまずい事には違いない。
山賀は立ち上がった。
「戦力が心配なら、うちが出ます。だから、貴女はうちが戻るまでそこを動かないことを約束してくださいな。無理だとは思うけど、寝ていてくれるのが一番良いわ。」
「ボ、ボクも…」
「貴女は連れて行けません。酷だと思うけど、今の貴女は足手まといの何者でもないわ!!」
山賀は翔の答えを待たずに部屋を飛び出していた。

 

残された翔は何もできず、毛布にくるまっていた。
静かな部屋で独りになると、次第に熱気が冷めてゆく。心が落ち着きを取り戻してゆくと、肉体に芽生え始めた違和感に意識が向かってゆく。
装甲強化服から解放された肉体が「本来」の体形に戻ろうとしているのだか、染色体から変化してしまった翔は、その「本体」自体までもねじ曲げられてしまっていた。
胸がむず痒かった。装甲強化服を脱いだ事で見た目膨らんでいた胸も微かな膨らみ程度になっていた。その先端でむず痒さとともに、乳首がぷっくりと膨らみだしていた。
変化は外見だけではなかった。
下腹部の奥が疼き始めた。痛みは次第に激しくなった。胎内から排泄しようという欲求が生まれていた。
翔は何の疑いもなく、起き上がり、トイレに向かった。ドアを開け、パンツを下ろし、便座に座った。

確かに何かが排泄された。
が、それは大便とも小便とも違う。腹がくだっていた訳でもない。
何が排泄されたかは便器の中を見れば即に解る。そして、それを見た翔は声を失っていた。

 

排泄が終わっても、シクシクとした疼痛は残ったままだった。
結局、翔は山賀が戻るまでおとなしくベッドで寝ていた。

「まだ、検査の結果を聞いていなかったよね。」
ミッションから戻り、翔に向かったまま何も言わずにいる山賀に対し、口を開いたのは翔だった。
「それって、ボクが生理になった事と関係がある?」
その一言で山賀の表情が一変した。
「何?生理?!」
「あ…うん。始めてだから焦ったけど、母さんからは女の子のたしなみだってナプキンを持たされてたから、今はそれを付けてるんだ。何か変な感じするよね?」
「同意を求められても困るが、うちが躊躇ってたのは正しく、その事でした。ウェンディの肉体は、うちよりも女性化が進行しているようです。でも、生理まであるとは…」
「ボクはもう男には戻れないの?」
「それはうちにも判りません。今言えるのは、貴女の肉体が染色体レベルで女性化していると言うこと。生理があると言う事は、貴女は普通の女性と同じように、妊娠・出産も不可能ではないかも知れません。」
「赤ちゃんを産む…ボクが?」
「か、可能性の話です。ですが、不用意に男性と性交渉を持てば、望まない状況に至ることもあるという事です。」
「あぁ、それも良いかな?大神さんの赤ちゃんを産んで、お嫁さんになって…」

順番が違わないか?とツッコもうとした山賀だったが「夢見る乙女」の表情を浮かべた翔には、今は何も言うべきではないと自制し、装甲強化服の再装着の準備を始めていた。

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コメント

翔本人が乗り気になっちゃってるところをみると、結果オーライなんでしょうかw

スーツを脱がせていくところはもっと詳細をじっくり見てみたかったですね。

とりあえず同時投稿分も含めて一区切りということみたいですが、お疲れ様でした。

またいつか、皮モノ系や装着系のTSFモノが来るのを楽しみにしています。

よいお年を。

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