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2010年7月 9日 (金)

スペース・ヒーロー!!(後編)

中央に巨大な樹が据えられていた。
根元の太い幹に全裸の女性がくくりつけられていた。意識はないようだ。
彼女以外にはこの部屋には誰もいないみたいだ。
出入り口は僕の入ってきたドア以外にはない。この館の「主」はどうしたのだろうか?との思いはあったが、人気のない今ならば…と女性を戒めから解放した。
樹から伸びた蔓を外してゆく。蔓の一部には毛根が彼女の皮膚に貼り付いているものがあり、丁寧に剥がしていったが、紅い跡が残ってしまった。
予想以上に時間が掛かってしまったが、誰にも邪魔される事なく、女性を床に横たえる事ができた。

「キミ、キミ!!」
としばらく声を掛け続けると、ゆっくりと女性は瞼を開いていった。
「あ、ああ…」
彼女の意識が戻る
「スリムか?助けに来てくれたのか。ありがとう。」
何故この女性は自分の名前を知っているのだろうか?疑問は沸くが…
「貴女に聞きたい事があるのです。僕の仲間が捕らわれているのです。この館と思いやってきたのですが、ここには貴女しかいなかった。他に考えられる所をご存じありませんか?」
「あぁ…」と呟き、彼女は半身を起こした。
「お前の探している仲間とは、キャプテン=ガイ・ランドフォースの事か?」
「ご存じなんですか?!」
「ご存じも何も…俺がその本人だ。…信じてもらえそうもないがな…」

 

僕は彼女が何と言ったか理解できなかった。
「先ずはここを出よう。」
と彼女が立ち上がった。
「その前に、何か着る物がないか探してくれないか?」
僕は彼女の指示で部屋の中を探した。僕の前で平然としていたので思い至らなかったが、女性はいつまでも男の前に裸体を晒すわけにもいかないのだ。

どうにか見つかった服を彼女が着ると、この館からの脱出計画を実行に移した。
館の内部や地下都市の造りは僕が知り得た情報が全てだった。結局は僕が侵入した経路を逆に辿る事になる。
館の裏口を出て、姉妹に教えられた隘路を逆行してゆく。地下都市を離れ、茂みを抜けると、そこには<アーク・フォレスター号>があった。
彼女は入り口に近づくと、パネルを操作始めた。
「あ、僕がやります。登録された乗員でないと…」
僕の言葉はそこで止まった。
彼女がボタンを押すと、何のためらいもなく扉が開いていったのだ。
「登録されていない乗員でないと、扉は開かない。」
開かれた扉の前で、彼女は僕の言葉をつないだ。
「だから、このように扉を開くことのできる俺は、この艇の乗員である。スリム!続きは船内で説明する。」
と彼女は中に入っていった。

 

「あの樹がパパと呼ばれるモノだ。この惑星の遺産にして唯一の支配者だ。」
僕は何も言えず、ガイの席に座り語り始めた彼女の言う事を聞くしかなかった。
「俺は肉体を改造されるとともに、奴の洗脳に晒されていた。あと数時間遅れていたら、洗脳は完了していただろう。気がついていると思うが、この惑星の住人は皆奴に改造・洗脳された軌道上の難破船の生き残りだ。
奴は知性体に奉仕すべき一種のロボットだった。元の主人がいなくなり、次の主人を求めていたのだ。そこに訪れたのが彼等だった。彼等の肉体がこの惑星の環境に合わないと知ると、惑星を改造し酸素呼吸を可能とさせた。しかし、それだけでは彼等の生命を維持できない。奴は己の下に一体づつ呼び寄せ、奴の与える栄養を摂取しやすい形に彼等の肉体を改造したのだ。
その際、彼等の本能に触れ、己の身を守る為に洗脳が必要であると判断したのだろう。本来は奴の主人であるべき知性体を支配下に置いてしまったのだ。
しかし、この惑星に秩序が訪れる事になった。奴は彼等に必要な栄養を与え、彼等は奴に奉仕する…言ってみれば共生状態が出来上がったのだね。
そこに俺達の介入があった。奴の能力では俺達を排除できない。ではどうするか?奴の結論は俺達もまた、この共生状態に組み込むと言うものだった。
その結果がこの姿だ。俺は彼女等に誘惑され、ホイホイとベッドに入っていった。さんざんに奉仕され、上機嫌で昇天したと思ったら、樹の幹につながれていた。
既に肉体の改造は始まっていた。俺の股間には奴から伸びた管が刺さっていた。そこから栄養素が送り込まれると同時に、これまで経験した事のない快感が俺を満たしていった。
あまりの気持ち良さにあげた俺の喘ぎ声は、既に女のものとなっていた。リーダー格の女が俺にいろいろと語ってくれた。と同時に、変容する俺の肉体を鏡に写し俺に見せつけた。次第に膨らんでゆく胸、くびれてゆくウエスト。白く、細くなってゆく四肢。顔の造りもどんどん変わっていった。そして最後の洗脳が始まった。次に目覚めた時には貴女もアタシ達の仲間ね♪と言って彼女が部屋を出たのを最後に俺の記憶は途絶えてしまったんだ。」

 

沈黙が訪れた。
彼女がガイ本人である事は間違いないのだろう。一歩間違えれば、僕も女にされていたに違いない。

沈黙の中、警告音が響いた。船外カメラにあの姉妹が写っていた。
「彼女達と約束があったんだ。ちょっと待っていてくれないか?」
「約束?」
「ああ、ガイの捕らわれている所に案内してくれたら、アイスをご馳走してあげるって。」
「なら、ここに呼んでくれないか?俺も少し聞きたい事がある。…それと、俺の分も作っておいてくれ…」
着替えて来る!!とガイはキャビンに消えていった。

「さあ、どうぞ♪」と席に着いた彼女等の前にシロップを並べた。
「いただきま~す♪」とアイスにスプーンを刺した。
「美味しい♪」と笑顔が返ってくる。

「少し聞いても良いかな?」予備の船内服に着替えたガイが姉妹に聞いた。
「君達はパパに合う事はあるのかい?」
「ううん。ママ達は毎日交代でご奉仕に行ってるけど、あたし達子供はまだ駄目なんだって。」
「それじゃあ、話は変わるけど、ご飯はいつもどうしているんだい?ママと一緒に食べているのかい?」
「変な事聞くのね?あたし達子供はパパの所から帰ってきたママにご飯をもらうんじゃない。あぁ、お姉さんもパパの所から戻ってきたんだから、あたし達にご飯くれるの?」
「あ、あたしご飯したい♪」と妹の方がガイの胸に飛びついた。
「ごめんな。お前達にやれる分はないんだ。」とガイが言うと、姉妹は席に戻りうらめしそうにガイの胸の膨らみを見ていた。

 

「大体、解ったよ。」再びガイが話し始めた。
姉妹には、明日ママ達と話しをしたいと伝えてもらった。僕達はアイスのセット=浄水機と冷蔵庫、それらの発電装置とアイスメーカーを残してこの惑星を去ることにした。
「彼等は原則的にパパの養分で生きている。子供達は母の乳を介してパパの養分をもらっているんだな。未成年の娘には、あの摂取方法は耐えられないだろう。
彼等を帰還させることも可能であるが、洗脳された上、あの肉体では元の生活に戻る事はできない。このまま、ここに置いておいた方が幸せな筈だ。また、この星系は封鎖してもらう。性転換を目的とした輩が押し寄せるに決まっている。パパの能力を超えては移住させる訳にはいかない。
動植物の移植にも問題はある筈だ。何せ、酸素量を調整するような事までしているんだからな。」
「ガイは大丈夫なんですか?」
「それは今夜確認する。」
「今夜?」
「楽しみにしているんだな♪」
そう言ってガイはキャビンに戻っていった。

 

その後、夜まではこれと言った事は起こらなかった。
僕は姉妹の為にアイスメーカーを調整し、木の実からシロップを作成するレシピを用意したりした。
その合間に昼飯を二人分調理した。ガイに食事をしようと声を掛けたが、明日まで食わないと言う。結局、夕飯に残りを食べる事となった。
陽が落ちると船内で艇の点検をする。明日の離昇に影響がでないよう、念入りに行った。
点検も完了したところでガイから指示があった。
「風呂に入って汗を流したら、俺のキャビンに来い。」と言うものだった。

ガイのキャビンは滅多な事では足を踏み入れる事はない。が、目の前の光景は「これがガイのキャビン?」と疑いたくなる様相を呈していた。
そして、その中心にはセクシーな衣装をまとったガイがいた。
「…アタシを満たして頂戴♪」
オンナのフェロモンが盛んに吹き荒れている。理性では正気を保とうとするが、股間は正直に反応してしまっていた。
「我慢しなくてイイのよ♪そうなるようにアタシはパパに改造されたのだから♪」
彼女の手が、僕のズボンのベルトに掛かっていた。ベルトは即に抜き取られる。ボタンが外され、下着と一緒に引き下ろされた。
「ああ、美味しそう…」舌舐め摺りしたその舌が僕のペニスの先端に触れた…
「お腹空いちゃったの。もう我慢できないわ。戴きま~す♪」とガイが僕のペニスを咥え込んだ。
「だ、駄目です。気持ち良くて即にもでちゃいます!!」
拒絶しようとすると、ガイを見ていた僕の目を彼女の視線が射抜いた。
「良いから♪そのまま射しちゃいなさいな。」と彼女の目は言っていた。
僕はそれ以上我慢できなかった。彼女が新たな刺激を加えた途端、
ドピュッ!!
と、大量の精液を彼女の口の中に放っていた。

彼女はそれをゴクリと飲み込んだ。ペロリと口の周りに残った残祉を舐め取る。
「濃いいのね♪そんなに溜めていたの?」
そう言いながら服を脱いでゆく。
「今度は下のお口に貰うわね♪」と僕を圧し倒した。
僕の上に跨り、彼女は僕のペニスを彼女の股間の潤洞に挿入していった。僕は快感に支配され、股間を更に硬くしていった…

 

 
「彼女達も納得したようだな。」
交渉を終え艇に戻ったガイは早速、昨夜のセクシーな衣装に着替えていた。
スペース・ヒロインはビジュアル的にもセクシーでなければならないらしい。
「お前が奴の代わりになる事は解った。この肉体は、口から食料を採るより、遥かに効率良く栄養が補給できるようだ。あたし達がここを離れるのには何の問題も無いという事よね。」
ガイはそのままパイロットシートに腰を下ろし、エンジンを起動した。
「イクわよ!!テイク・オフ。」
<アーク・フォレスター号>は海に侵入すると、海面を滑るように疾駆した。
轟音とともに海面を離れると、一気に宇宙空間に飛び出す。
「照準は固定できているわよね?」
「イェッサー!!」僕が答える。
ガイがトリガーを引くと、弾丸が軌道上の宇宙船の残骸に吸い込まれ、ささやかな閃光とともに四散していった。
「ビーコンは停止しました。」
「これで、彼女達の楽園も安泰ね。伝書鳩に追加の指示を出しとけよ♪」

姿は変わってもガイはガイであった。
艇が大きく旋回する。
僕は「イェッサー!!」と言って伝書鳩に入力を始めるが…

「今のってイマイチよね。今度はイエス・マムって言ってみてくれない?」
そう言ってガイは鏡を手に取ると、化粧を直し始めていた。

 

 
<アーク・フォレスター号>は今日も銀河の辺境を疾駆していった。

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コメント

初コメントです。
久々のスペースオペラ!
いい感じですね。
シリーズ化できそう?

コメントありがとうございます。

本当に宇宙モノは久しぶりになってしまいましたね。
現在、少し長めの宇宙モノを執筆中ですので、いましばらくお待ちください。

キャプテンも実は洗脳されていて、うっかり連れてきたスリムも改造・洗脳される連鎖オチ。かと思ったら意外とハッピーエンドで次回へ続くというような展開は気になりますね。

少し長めの宇宙モノ期待してます!!

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