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2010年7月 9日 (金)

居残り

ゴロゴロと雷が唸っていた。
いつ、ビカリと稲妻を落としても不思議はない。空一面は黒い雲に覆われていたが、幸いにも未だ雨は落ちてきてはいなかった。

「なあ、いい加減に切り上げて帰ろうぜ。」俺は机を挟んで向かい側に座っている克也に言った。
「今日のノルマはこなしておかないとダメだよ。」と委細構わず、克也はノートにペンを走らせていた。
俺達は「居残り」の補習の最中だった。元々頭の構造がシンプルな俺が居残るのはいたしかたないとしても、成績優秀な筈の克也が居残っているには訳があった。

「傘、持ってきてるか?」と俺が聞くと、
「ああ、以前のよりはひと回り小さいけどね。弘志、持って来てなかったのなら入れてやるよ。」
俺は降りしきる雨の中、克也と一つの傘の下に居る様を想像し…
「え、遠慮しとくよ。」と答えるしかなかった。
「じゃあ、さっさと済ませて、降り出す前に帰ろうよ。」と克也は再びペンを走らせ始めた。

克也が補習を受ける事になったのは、病気で入院していた為、試験を受けれなかったからだ。病気といっても命に拘わるものではなかったが、退院してきた克也は、以前とは別人のようだった。
その事が、今の俺の最大の悩みなのだ。

退院してきた克也は、あろうことか女子の制服を着て現れたのだった。
「性転換症というものらしい。今の僕の体は完全に女の子になっている。これまで通りとはいかないとは思うが、よろしく頼む。」
それが克也の復帰後の第一声だった。

俺の目の前で補習を続けている克也は、どこから見ても「女の子」だった。肩まで届くサラサラの髪。心地良い香りが漂ってくる。
ブラウスの下、肩に掛かる紐が透けて見える。肌着のキャミソールのと…ブラジャーの肩紐だ。
俺が恐れているのは、克也のブラウスが雨に濡れ、更に透けるようになると、克也のしているブラジャーがくっきりと見えてしまうようになるだろう。
女の子に成り立ての克也はいつものノリで何気なく俺に接してくるに違いない。しかし、俺の目に映る克也は愛らしい女の子以外の何者でもないのだ。
俺は理性を保っていられるか判らない…いや、きっと即にでも理性の戒めを切り裂いてしまっているだろう。

「あっ…降ってきたみたいだね。」
克也の発言は窓ガラスを叩く大粒の雨の音で裏付けされた。俺の考える最悪のストーリーをなぞり始めていた。
「先に帰って良いよ。」と俺が言うと、
「待ってるよ。弘志は傘を持ってきてないのだろう?それに、こんなに暗い道に女の子を一人で放り出すのかい?」
「おお、女の子だという自覚はあるんだな?」
「な、何だよ…」
「じゃあ、年頃の男の子が女の子と二人だけというシチュエーションでの男の子の心理状態は判っているか?」

その途端、克也は静かになり、ポゥっと頬を赤らめた。
「弘志となら…良いかな?…って、思ってる…」
囁くような声で克也はそう言った。
「な、何だよ。俺達は親友だろう?どんなに姿が変わろうとも…男…同士の友情は…」
「僕はもう、女の子…なんだよ♪」

雨音が激しさを増す。
目の前には克也の顔があった。
瞼を閉じ、唇を軽く開いている。
口紅でも塗っているのだろうか、そこはテラテラと輝いていた。
俺の手はゆっくりと克也の背中に回っていた。
(女の子の肩って何て小さいんだろう…)
俺はもう、克也の事を女の子としか見ていなかった。
髪の毛から甘い香りが漂ってくる。
俺の唇は彼女の唇と触れ合っていた…

 
俺はギュッと彼女を抱き締めた。二人の胸に挟まれて、彼女のバストが形を変える。
「あ、ああん♪」
唇が離れると、彼女の口から甘い吐息が漏れてくる。
ブラウスのボタンが外されていた。キャミソールがたくし上げられ、ブラのカップから彼女の乳房がこぼれていた。
俺は彼女の乳首に吸い付いていた。
「あああん♪」
艶めかしい吐息が辺りを支配してゆく。俺の股間はガチガチに固くなっていた。

「一度だけ、僕の病気を直すチャンスがあるんだ。」
克也は以前、そんな事を言っていた。
「他人に染すと風邪が直ると言うのがあるけど、この病気が他人に染せるのは一度だけ…ハジメテと供に染ると聞いている。」

 

俺は彼女を床の上に押し倒していた。
ショーツを剥ぎ取る。ショーツの股間は既にしっとりと濡れていた。
「良いんだな?」
俺が確認すると、彼女は「ウン」と首を縦に振った。
俺は彼女の中に腰を沈めていった…

 

 

「だから、夜中に女の子を一人で帰らせる訳にはいかないだろう?」
克也は強引に俺の肩を抱いていた。
「だ、だれが女の子だって?」
俺は克也を見上げた。いつの間にか克也の背丈は俺を追い越していた。…いや、俺の背が縮んでしまったのかも知れない…
「僕の下でアンアン喘いでいた娘のどこが女の子じゃないんだって?」

そう、俺は克也に病気を染されて女の子になってしまったのだ。
もう一度、克也に染し返そうとしたが、巧くいかずに結局女の子のままになってしまっていた。
一度、女の子になると何らかの抗体ができるようで、染し返す事ができないようだ。
そして「女の子のハジメテ」を使ってしまった俺はもう二度と男には戻れない…
しかし、だからと言って不満がある訳ではない。
克也は優しいし、いつも俺を気持ちよくしてくれる。
女の子の快感は男の比ではないとは正にこの事だ。

外は雨が降っていた。
傘は一本だけ…克也の差し出す傘の下で寄り添って歩いてゆく。
結局はブラウスが濡れてしまった。
ブラジャーが透けて見える。
克也がそれを見て興奮しているのが手に取るように判った。

「どこかで雨宿りしていかないか?」と克也。
そこがラブホテルの前である事は俺にも解る。
「良いよ♪」
俺はそう言って胸の膨らみを彼の腕に押しつけた…

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