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2010年7月 9日 (金)

スペース・ヒーロー!!(前編)

銀河を切り裂いて<アーク・フォレスター号>が未知の宙域を目指して突進していった。
艇を操るのは<アクー・フォレスター号>の船主であり、A級航宙ライセンスの保持者である、キャプテン=ガイ・ランドフォース。
助手席で航法支援を行っているのが、僕=スリム・スキンボーン。

僕達は政府の免許を受け、未開宙域にマーカーを設置する仕事に就いていた。
「仕事」ではあるが、半分以上はガイの趣味である。まあ、ガイの航宙テクニックがあっての事だが、
…例えるなら、スキーをする時…
ガイは、整備されたスキー場ではなく、誰も足を踏み入れない奥まった雪山の斜面にシュプールを刻む事に喜びを覚える類の人種なのだ。
普通は足を踏み入れる事のできない未開の宙域に入りたいがためだけに、会社を起こして政府の免許を奪取してきたのだ。
まあ、政府からノルマが課せられている訳でもない。ガイの財力があれば遊んで暮らすのも絵空事の話ではないのだ。僕の方で適当にマーカーを放出していれば、だれからも文句が出ることはない。
だから、ガイは今日も艇を未開宙域に躍らせていた。

 

僕がそのビーコンに気づいたのは、殆ど偶然に近かった。
「ガイ。艇を少し戻す事はできないか?」と僕がパイロットシートに声を掛けると…
「言ってるだろう?キャプテンと呼べと。で、何があった?」
「イェッサー!!」これもガイに言われている事。尋ねられたり、命令された場合には必ず言う事になっている。
「微弱なビーコンを検知しました。このような宙域で…」
「それは救難信号に違いない!!」とガイは大きく舵を切ると、ビーコンを捕らえた場所に艇を戻していった。

 

ガイは「ヒーロー」にも憧れていた。子供の頃に読み漁ったスペースオペラに感化された結果が「キャプテン~」他のこだわりだった。

しかし、ビーコンは正しく救難信号だった。
僕は正規の手続きに従い、ビーコンの詳細情報を「伝書鳩」にセットすると、最寄りの宙軍基地の座標を指定して艇外に放った。
そうこうしている間にも、ガイは艇の先にビーコンの発信元と思われる星系を捕らえていた。

ここは未開の宙域である。特徴のある恒星以外は殆ど情報がない。当然のように、この星系も無機質な記号の羅列で恒星がカタログされていたが、それ以外の情報は一切存在しなかった。
艇の分析装置が第一報をもたらす。
恒星はソル型で、周りには4つの惑星が存在した。木星型が3、地球型が1。地球型には酸素があり生命活動も可能と考えられる…
「発信源はあの惑星しかないっ!!」ガイはそう言って、僕に最短ルートを計算させた。

 

ビーコンは惑星の周回軌道上の宇宙船から自動発信されていた。
乗員は地上に降りているらしく、宇宙船に生命反応はなかった。
僕達は艇を直接大気圏に突入させた。

その惑星は地球と同様、広大な海の中に幾つかの大陸と点在する島々を有していた。大陸には砂漠地帯はあるものの、広い範囲が緑で覆われていた。
「電磁波は自然放電によるもので、意図されて発せられているものはありません。地表には都市をはじめとする人造物も見当たりません。もっとも、地下都市が発達していたらこの限りではありませんが…」
「赤外線探知の結果は見ているのだろう?」分析結果の報告が中断される。
知的生命体が都市を形成する程にあれば、都市活動は何らかの熱を放出する。それが地下都市であれば、不自然な熱放射があると言う事だ。当然、僕は赤外線探知の結果とも突き合わせている。
「今の所は不自然な熱放射はありません…あっ!!」
探知機の特徴的な反応が出た。
「ガイ。金属反応です。今通過した大陸の東海岸側…この惑星に自然に存在するタイプの金属ではありません。」
「あの宇宙船の脱出ポッドか?」
「大きさまでは、まだ特定できていません。」僕がそう答えている間にも、ガイは艇を反転降下させていった。

 

そこに残されていたのは十数名を収容できる救命ボートだった。
不時着してから、かなりの期間があったのだろう、船体のほとんどが植物に覆われていた。
ガイは艇を砂浜に着底させた。
「お前は後方待機な♪」と船内服のまま、ガイは艇の外に出ていった。

「救命ボートは不時着時の損傷も大した事はなさそうだ。乗員は無事だったと思う。しかし、ここ最近にここに訪れた者はいないみたいだ。このまま奥に向かってみる。」
インカムからガイの声が聞こえてきた。

「泉がある。」
しばらくしてガイの声がした。
「ここには頻繁に訪れているみたいだ。しばらくここに張り込んでみる。」

しかし、それを最後にガイからの連絡は途絶えてしまった。
綺麗な夕焼けとともに陽が沈んでいった。心配は募るばかり。だが、僕には何の手の打ちようもなかった。
夜の闇が訪れる。地球のような月明かりはないが、澄んだ空は星の光をそのまま届けてくれる。
外気が下がった所で、赤外線探知機をガイの向かった方向にセットした。が、ガイの痕跡はどこにも残っていなかった。

夜が明けた。
僕は一睡もできずにいた。睡魔は襲ってくるのだが、僕の本能が無意識の内に睡魔を遠ざける。一進一退の攻防のうちに夜が明けたのだった。
その時、分析機は低速で移動する物体を捕らえていた。まだ、この惑星に降りてから「動物」との接触はなかった。
船外カメラを向け、倍率を上げてゆく。
茂みの影からこちらを伺う2体の動物…二足歩行が前提の骨格…
カメラが捕らえたのは二人の人間の子供であった。
樹木の葉を集めたモノをスカートのように腰に巻いている。長い髪の毛は束ねられている。そこには花飾りが付けられていた。
少し小さい方も同じような格好だ。姉妹なのだろうか?僕は彼女達を怖がらせないように、できるだけ軽装にして、ゆっくりとドアを開いた。

外に出て、彼女等に向かい大きく手を振ってみた。
「こんにちわ~♪」
できる限りにこやかに声をはりあげる。
「こんにちわ~♪」
もう一度言ってから、ゆっくりと近づいてゆく。逃げようとはしないみたいだ。
「君達はどこから来たの?」
まだ、距離はあるが顔の表情は判る所まで来た。
こちらがにっこりと笑うと姉の方は顔を引き攣らせながらも笑みを返そうとした。
「艇を見たいのかい?」
そう言うとコクリと頷く。
「規則で中に入れてあげる事はできないが、近くで見る分には構わないよ。おいで♪」
と手招きすると、姉妹は茂みの中から出てきた。

「これが着陸脚。車輪ではなく、スキー板になっているのは、不整地や水上への降下を考えての事なんだ。地表を移動するタキシングには向いていないけど、ほとんどその必要がないからね♪」
姉妹は僕の説明を聞きながら、熱心に着陸脚の構造を観察していた。
「あそこの穴は何?」
とギアボックスの周囲に並ぶ直径2cmの開口部に興味を持ったらしい。
「STOL用の噴射口だよ。氷結惑星に降りてスキー板が凍りついた時に解かすのにも使えるんだ。」
「アイスを解かしちゃうの?もったいないよ。ママ達が甘くて美味しいって言ってた♪」
妹が初めて口を開いた。
「アイスって言っても食べるのじゃないよ。氷結惑星って言ってたじゃない。惑星全体が氷に覆われているんだよ。」
「あ~、食べてみたかったなあ…」
不平を漏らす妹を姉はなんとかなだめようとしていた。ここは赤道に近く、結構暖かい。地軸の傾斜も少ないので、彼女達は雪や氷に接する機会がなかったのだろう。
「ちょっと待ってて。」と僕は艇の中に戻るとイチゴシロップのカキ氷を作ってやった。

「冷たくて甘くて美味しい♪♪」と好評を得た。
大分打ち解けてくれたようなので、彼女達が食べ終わるのを待ってから切り出した。
「君達のパパやママに会いたいんだ。案内してくれるかな?」
二人は顔を見合わせてしばらく考えた。
「パパは無理だけど、ママ達の所になら良いよ。」

こうして、僕は茂みの奥へと足を踏み入れていった。
 

 

 

姉妹に導かれて入り込んだ洞窟の中には、地下都市が広がっていた。それは先住民族の残した遺跡のようだった。現在の住人は機械を使っていないので、空中から感知できる程の排気熱など存在しないのだった。
人工的な照明もない。外光を鏡やファイバーを使って、地の底まで取り込んでいる。地下を流れる水系が、換気にも役立っているようで、息苦しさも感じられない。
僕は姉妹に手を引かれ、一軒の家に案内された。
「あたしたちの家よ。」と姉が説明する。
「ママーッ、お客さん!!」と妹は叫びながら奥に駆け込んでいった。
「あ、ハ~イ♪どなたかしら?」
と奥から大人の女性の声が近づいてきた。

部屋のドアが開いた。
僕は立ち上がり、
「突然、お邪魔して申し訳ない。」と頭を下げた。

「ヒッ!!」と息を飲む音…
頭を上げると、彼女はそこで固まっていた。

「僕はスリム・スキンボーンといいます。救難信号を頼りにこの惑星に降りたのですが、相方が行方不明になってまして、捜査に協力していただけないかと…」
と、僕がこれまでの経緯を話しているうちにも、彼女の顔はどんどん青くなってきた…

「キャ~~~ッ!!」
と上がる叫び声。彼女は脱兎のごとく外に飛び出した。
叫び声を聞いて、ワラワラと人が集まってきた。彼女の後を追って僕が顔を出すと、ざわめきが広がってゆく。
「もう一人いた?」
「パパは?」
「まだ終わってないの?」
彼女達…何故か集まってきたのは女性ばかりだった…の口々に上った言葉から、ガイが捕らわれている事が窺えた。更に、何らかの処置が施されているようだ。処置を施していると言う事は、即に殺されてしまったと言う事はないらしい。
しかし、その「処置」が緩慢な「死」に向かうものでないとは保証の限りではない。処置はまだ終わっていないようだ。
僕は部屋に戻り、姉妹に尋ねた。
「僕の仲間がどこにいるか知ってる?」
「たぶん、パパの所だと思う。」
「それはどこかな?僕を連れていってくれないか?」
「ダメよ。ママ達に叱られちゃうわ。」
「ママには内緒で…そうだ、あとでアイスをごちそうしてあげよう。シロップは掛け放題で良いよ♪」
姉妹が顔を見合わせる。そして、
「ちょっと待ってて。」と自分達の部屋に入って何かゴソゴソやっている。
「お待たせ。こっちから出るわね。」と裏口に案内する。一瞬覗けた彼女達の部屋の中には机に向かって勉強している人影のようなものが見えた。

足音を忍ばせて裏口を出ると、隘路を巡りながら地下都市の奥に向かって進んでいった。
「あの館の中にパパがいるの。でもあたし達はここ迄しか案内できないわ。」
「いや、ありがとう♪戻ってきたら約束通りアイスを食べさせてあげるからね。」
「「約束よ♪」」
姉妹は彼女等の家へと戻っていった。

ここからは僕一人で行かなければならない。流石に正面の玄関から入る訳にはいかないだろう。裏手に廻り、忍び込めそうな場所を探した。
カチャリと音がした。ドアが開き中から籠を抱えた女が出てきた。籠の中には布切れが入っていた。
「!」
その一片にアーク・フォレスターのエンブレムが描かれていた。籠の中身はガイの着ていた船内服なのだろう。女を呼び止め、服を回収しようかと思ったが、騒ぎになるとまずい…
それよりも、女はドアを開いたまま出ていったのだ。このチャンスを逃す手はない!!
僕は館の中に足を踏み入れた。

 
館の中は以外と広かった。人の気配に注意しながら、屋敷の中を探索する。
少なくとも十人位は居るみたいだ。人が集まるような場所は手入れが行き届いていた。逆に、埃の溜まっている場所は普段から使われていないのだろう。その周辺には人の気配はなかった。
そして、人の気配がないのに手入れの行き届いている一角があった。多分、そこが館の主の居場所であり、ガイが捕らえられ、何らかの処置を受けている場所なのであろう。

僕はしばらく様子を窺い、誰も行き来していない事を確認すると、その部屋に突入していった。

 

スペース・ヒーロー!!(後編)

中央に巨大な樹が据えられていた。
根元の太い幹に全裸の女性がくくりつけられていた。意識はないようだ。
彼女以外にはこの部屋には誰もいないみたいだ。
出入り口は僕の入ってきたドア以外にはない。この館の「主」はどうしたのだろうか?との思いはあったが、人気のない今ならば…と女性を戒めから解放した。
樹から伸びた蔓を外してゆく。蔓の一部には毛根が彼女の皮膚に貼り付いているものがあり、丁寧に剥がしていったが、紅い跡が残ってしまった。
予想以上に時間が掛かってしまったが、誰にも邪魔される事なく、女性を床に横たえる事ができた。

「キミ、キミ!!」
としばらく声を掛け続けると、ゆっくりと女性は瞼を開いていった。
「あ、ああ…」
彼女の意識が戻る
「スリムか?助けに来てくれたのか。ありがとう。」
何故この女性は自分の名前を知っているのだろうか?疑問は沸くが…
「貴女に聞きたい事があるのです。僕の仲間が捕らわれているのです。この館と思いやってきたのですが、ここには貴女しかいなかった。他に考えられる所をご存じありませんか?」
「あぁ…」と呟き、彼女は半身を起こした。
「お前の探している仲間とは、キャプテン=ガイ・ランドフォースの事か?」
「ご存じなんですか?!」
「ご存じも何も…俺がその本人だ。…信じてもらえそうもないがな…」

 

僕は彼女が何と言ったか理解できなかった。
「先ずはここを出よう。」
と彼女が立ち上がった。
「その前に、何か着る物がないか探してくれないか?」
僕は彼女の指示で部屋の中を探した。僕の前で平然としていたので思い至らなかったが、女性はいつまでも男の前に裸体を晒すわけにもいかないのだ。

どうにか見つかった服を彼女が着ると、この館からの脱出計画を実行に移した。
館の内部や地下都市の造りは僕が知り得た情報が全てだった。結局は僕が侵入した経路を逆に辿る事になる。
館の裏口を出て、姉妹に教えられた隘路を逆行してゆく。地下都市を離れ、茂みを抜けると、そこには<アーク・フォレスター号>があった。
彼女は入り口に近づくと、パネルを操作始めた。
「あ、僕がやります。登録された乗員でないと…」
僕の言葉はそこで止まった。
彼女がボタンを押すと、何のためらいもなく扉が開いていったのだ。
「登録されていない乗員でないと、扉は開かない。」
開かれた扉の前で、彼女は僕の言葉をつないだ。
「だから、このように扉を開くことのできる俺は、この艇の乗員である。スリム!続きは船内で説明する。」
と彼女は中に入っていった。

 

「あの樹がパパと呼ばれるモノだ。この惑星の遺産にして唯一の支配者だ。」
僕は何も言えず、ガイの席に座り語り始めた彼女の言う事を聞くしかなかった。
「俺は肉体を改造されるとともに、奴の洗脳に晒されていた。あと数時間遅れていたら、洗脳は完了していただろう。気がついていると思うが、この惑星の住人は皆奴に改造・洗脳された軌道上の難破船の生き残りだ。
奴は知性体に奉仕すべき一種のロボットだった。元の主人がいなくなり、次の主人を求めていたのだ。そこに訪れたのが彼等だった。彼等の肉体がこの惑星の環境に合わないと知ると、惑星を改造し酸素呼吸を可能とさせた。しかし、それだけでは彼等の生命を維持できない。奴は己の下に一体づつ呼び寄せ、奴の与える栄養を摂取しやすい形に彼等の肉体を改造したのだ。
その際、彼等の本能に触れ、己の身を守る為に洗脳が必要であると判断したのだろう。本来は奴の主人であるべき知性体を支配下に置いてしまったのだ。
しかし、この惑星に秩序が訪れる事になった。奴は彼等に必要な栄養を与え、彼等は奴に奉仕する…言ってみれば共生状態が出来上がったのだね。
そこに俺達の介入があった。奴の能力では俺達を排除できない。ではどうするか?奴の結論は俺達もまた、この共生状態に組み込むと言うものだった。
その結果がこの姿だ。俺は彼女等に誘惑され、ホイホイとベッドに入っていった。さんざんに奉仕され、上機嫌で昇天したと思ったら、樹の幹につながれていた。
既に肉体の改造は始まっていた。俺の股間には奴から伸びた管が刺さっていた。そこから栄養素が送り込まれると同時に、これまで経験した事のない快感が俺を満たしていった。
あまりの気持ち良さにあげた俺の喘ぎ声は、既に女のものとなっていた。リーダー格の女が俺にいろいろと語ってくれた。と同時に、変容する俺の肉体を鏡に写し俺に見せつけた。次第に膨らんでゆく胸、くびれてゆくウエスト。白く、細くなってゆく四肢。顔の造りもどんどん変わっていった。そして最後の洗脳が始まった。次に目覚めた時には貴女もアタシ達の仲間ね♪と言って彼女が部屋を出たのを最後に俺の記憶は途絶えてしまったんだ。」

 

沈黙が訪れた。
彼女がガイ本人である事は間違いないのだろう。一歩間違えれば、僕も女にされていたに違いない。

沈黙の中、警告音が響いた。船外カメラにあの姉妹が写っていた。
「彼女達と約束があったんだ。ちょっと待っていてくれないか?」
「約束?」
「ああ、ガイの捕らわれている所に案内してくれたら、アイスをご馳走してあげるって。」
「なら、ここに呼んでくれないか?俺も少し聞きたい事がある。…それと、俺の分も作っておいてくれ…」
着替えて来る!!とガイはキャビンに消えていった。

「さあ、どうぞ♪」と席に着いた彼女等の前にシロップを並べた。
「いただきま~す♪」とアイスにスプーンを刺した。
「美味しい♪」と笑顔が返ってくる。

「少し聞いても良いかな?」予備の船内服に着替えたガイが姉妹に聞いた。
「君達はパパに合う事はあるのかい?」
「ううん。ママ達は毎日交代でご奉仕に行ってるけど、あたし達子供はまだ駄目なんだって。」
「それじゃあ、話は変わるけど、ご飯はいつもどうしているんだい?ママと一緒に食べているのかい?」
「変な事聞くのね?あたし達子供はパパの所から帰ってきたママにご飯をもらうんじゃない。あぁ、お姉さんもパパの所から戻ってきたんだから、あたし達にご飯くれるの?」
「あ、あたしご飯したい♪」と妹の方がガイの胸に飛びついた。
「ごめんな。お前達にやれる分はないんだ。」とガイが言うと、姉妹は席に戻りうらめしそうにガイの胸の膨らみを見ていた。

 

「大体、解ったよ。」再びガイが話し始めた。
姉妹には、明日ママ達と話しをしたいと伝えてもらった。僕達はアイスのセット=浄水機と冷蔵庫、それらの発電装置とアイスメーカーを残してこの惑星を去ることにした。
「彼等は原則的にパパの養分で生きている。子供達は母の乳を介してパパの養分をもらっているんだな。未成年の娘には、あの摂取方法は耐えられないだろう。
彼等を帰還させることも可能であるが、洗脳された上、あの肉体では元の生活に戻る事はできない。このまま、ここに置いておいた方が幸せな筈だ。また、この星系は封鎖してもらう。性転換を目的とした輩が押し寄せるに決まっている。パパの能力を超えては移住させる訳にはいかない。
動植物の移植にも問題はある筈だ。何せ、酸素量を調整するような事までしているんだからな。」
「ガイは大丈夫なんですか?」
「それは今夜確認する。」
「今夜?」
「楽しみにしているんだな♪」
そう言ってガイはキャビンに戻っていった。

 

その後、夜まではこれと言った事は起こらなかった。
僕は姉妹の為にアイスメーカーを調整し、木の実からシロップを作成するレシピを用意したりした。
その合間に昼飯を二人分調理した。ガイに食事をしようと声を掛けたが、明日まで食わないと言う。結局、夕飯に残りを食べる事となった。
陽が落ちると船内で艇の点検をする。明日の離昇に影響がでないよう、念入りに行った。
点検も完了したところでガイから指示があった。
「風呂に入って汗を流したら、俺のキャビンに来い。」と言うものだった。

ガイのキャビンは滅多な事では足を踏み入れる事はない。が、目の前の光景は「これがガイのキャビン?」と疑いたくなる様相を呈していた。
そして、その中心にはセクシーな衣装をまとったガイがいた。
「…アタシを満たして頂戴♪」
オンナのフェロモンが盛んに吹き荒れている。理性では正気を保とうとするが、股間は正直に反応してしまっていた。
「我慢しなくてイイのよ♪そうなるようにアタシはパパに改造されたのだから♪」
彼女の手が、僕のズボンのベルトに掛かっていた。ベルトは即に抜き取られる。ボタンが外され、下着と一緒に引き下ろされた。
「ああ、美味しそう…」舌舐め摺りしたその舌が僕のペニスの先端に触れた…
「お腹空いちゃったの。もう我慢できないわ。戴きま~す♪」とガイが僕のペニスを咥え込んだ。
「だ、駄目です。気持ち良くて即にもでちゃいます!!」
拒絶しようとすると、ガイを見ていた僕の目を彼女の視線が射抜いた。
「良いから♪そのまま射しちゃいなさいな。」と彼女の目は言っていた。
僕はそれ以上我慢できなかった。彼女が新たな刺激を加えた途端、
ドピュッ!!
と、大量の精液を彼女の口の中に放っていた。

彼女はそれをゴクリと飲み込んだ。ペロリと口の周りに残った残祉を舐め取る。
「濃いいのね♪そんなに溜めていたの?」
そう言いながら服を脱いでゆく。
「今度は下のお口に貰うわね♪」と僕を圧し倒した。
僕の上に跨り、彼女は僕のペニスを彼女の股間の潤洞に挿入していった。僕は快感に支配され、股間を更に硬くしていった…

 

 
「彼女達も納得したようだな。」
交渉を終え艇に戻ったガイは早速、昨夜のセクシーな衣装に着替えていた。
スペース・ヒロインはビジュアル的にもセクシーでなければならないらしい。
「お前が奴の代わりになる事は解った。この肉体は、口から食料を採るより、遥かに効率良く栄養が補給できるようだ。あたし達がここを離れるのには何の問題も無いという事よね。」
ガイはそのままパイロットシートに腰を下ろし、エンジンを起動した。
「イクわよ!!テイク・オフ。」
<アーク・フォレスター号>は海に侵入すると、海面を滑るように疾駆した。
轟音とともに海面を離れると、一気に宇宙空間に飛び出す。
「照準は固定できているわよね?」
「イェッサー!!」僕が答える。
ガイがトリガーを引くと、弾丸が軌道上の宇宙船の残骸に吸い込まれ、ささやかな閃光とともに四散していった。
「ビーコンは停止しました。」
「これで、彼女達の楽園も安泰ね。伝書鳩に追加の指示を出しとけよ♪」

姿は変わってもガイはガイであった。
艇が大きく旋回する。
僕は「イェッサー!!」と言って伝書鳩に入力を始めるが…

「今のってイマイチよね。今度はイエス・マムって言ってみてくれない?」
そう言ってガイは鏡を手に取ると、化粧を直し始めていた。

 

 
<アーク・フォレスター号>は今日も銀河の辺境を疾駆していった。

憑依 ~痴漢~

満員電車に揺られている。俺は片手に鞄を下げ、もう一方の手で吊革に掴まっていた。満員の乗客に押され、身動きが出来ない状態になっている。
この線は痴漢が多い事で有名である。だから、女性専用車ではなく一般車両に乗っている女性は痴漢に遇う事は折込済みと思って良い。
だからと意って、俺は痴漢を正当化する訳ではない。痴漢行為は犯罪である。
まあ、こうして両手がふさがっていては、痴漢をしようにもままならないと言うものだ。それに、今の俺は痴漢をするのではなく、痴漢される立場にいるのだ。

俺の肉体は今現在も布団の中で眠っている。
いわゆる幽体離脱というやつで、俺の魂は俺の肉体を離れ、駅で電車を待っていた女子高生に憑依しているのだ。そして、痴漢に遭遇すべく、女性専用車両の列を離れ、サラリーマン達の並ぶ一般車両の列に並び直したのだ。
もちろん俺が憑依した女子高生は、男なら誰でも触りたくなるようなナイス・ボディの女の子である。列に並んでいる間も、男達の卑しい視線に晒されていた。
電車が来て、ドアが開き、男達の流れに押されるように車内になだれ込んだ。スーツの男達にサンドイッチ状態にされながらも、吊革の一つを確保したのだ。

さあ、これで俺は…この娘は身動き出来なくなったぞ。どこからでも手を伸ばして来い!!と待ちかまえていた。
スッと制服のスカートに触れてきたものがあった。電車の揺れとは無関係な事は明らかだった。
その手は次にスカートの上からお尻に触れてきた。こいつは確実に痴漢しようとしていると断定できた。
満員電車の人込みなど無視するかのように、その手はお尻の肉を揉み始めた。その手は痴漢する事に慣れているようで、即に俺は気持ち良くなってきた。
指が立てられ、お尻の溝に押し込まれた。
「ぁぁん」と俺は小さな喘ぎ声を上げていた。
股間が熱くなり、パンツの中が蒸れ始めてきた。男の指がそれより前に進めば、俺が濡れてきているのに気付かれてしまう…
しかし、男の指はお尻の穴…肛門を揉みほぐすように動き始めた。それでも快感は昇ってくる。小刻みに喘ぎ、尻を振って男の指の動きに応えていた。
「やっぱりアナタって変態なのね♪」耳元で男の声がした。
「もっとイイコトしてあげるから、次の駅で降りましょう♪」

俺はフラフラと男に手を引かれて駅を出ていった。連れ込まれたのは安ホテルだった。
「男の癖に痴漢に遇いたいだなんて、アナタ相当な変態なのね。」と男が言う。
「き、君は?」
「あたしはその肉体の本来の持ち主よ。アナタに憑依された時、あたしも近くにいたこの男に玉突きのように憑依してしまったのね。」そう言いながらも、男=彼女は俺の着ている服をどんどん脱がしていった。
「男の立場で見てみると、あたしって本当にエロッぽいわよね。もう股間が痛くてしょうがないわ。」
見ると男=彼女の股間はバンパンに膨らみ、ズボンの中で窮屈な思いをしている事は解った。
「ねえ、気持ち良いコトしてあげるから、その前にパイズリっていうのやってみてくれない?あたしのバストなら十分な大きさはあるでしょ♪」とズボンを脱ぎはじめた。
いくら中身が女の子でも、その肉体は成人男性である。その股間のモノに触れる事は、俺の男としての意識が拒絶していた。しかし、この現状の中では男=彼女の言う事には従う他はなかった。
俺はその後に待っている良いコトに期待しながら、男=彼女のペニスを胸の谷間に挟み込んだ。

「あ、あん。気持ちイイ♪ ああ、何かクる…」
男の声で女のように喘いだかと思うと、男=彼女は一気に爆発していた。避ける間もなく、男=彼女のザーメンが俺の顔に叩き付けられていた。

 

「じゃあ、良いコトしてあげるわね。でも、あたしまだ処女だから、アソコを使うのはナシだからね♪」と俺の脚を抱えあげると、肛門を舐め始めた。
「あたしのココって可愛いのね♪こうしてるだけでヒクヒクしてるわ。」
電車の中で指で責められ、そこは十分にほぐれていた。男=彼女の股間も威様を取り戻していた。
「あん、ああん♪」
俺は愛らしい喘ぎ声を上げていた。俺の中にペニスが挿入されたのだ。
と、同時に胸の先端も責められる。快感が全身に広がり、股間からはタラタラと愛液を溢れさせていた。
「気持ち良い?」
そう聞かれても、俺はアンアンと喘ぐ事しかできなかった。

 

「あたしって良い顔をするのね。あなたが処女を散らす顔も見たくなっちゃった♪」
と、男=彼女は一旦ペニスを引き抜いた。そして、俺の膣に挿れ直すべく態勢を整えた。
「痛いかもしれないけど、最初だけだからね♪」
膣口にペニスの先端が当たる。
俺は、これから訪れる破瓜の痛みを想像し体を固くするが、これから始まる本番を期待し、股間では更に愛液を溢れさせていた。

 

 

「おはよう。変態さん♪」
駅のホームで満員電車を待っている俺は見知らぬ男に声を掛けられた。
あの日から毎日、俺はこの娘に憑依させられていた。彼女はと言うと、毎回違う男に憑依しては俺に…自分自身の肉体に痴漢行為を行い、快感に悶える自分の顔を見て楽しんでいる。気分が向けば途中で電車を降り、ホテルでSEXしては激しい時は一日中、快感にまみれるのだ。

「さあ、今日も楽しみましょう♪」男=彼女は俺の背中…ではなく、お尻を押して満員電車の中に入っていく。
俺が吊革に掴まると、男=彼女の手が俺の体をま探り始めるのだった…

憑依 ~先生~

「おはよう。変態さん♪」
今日も俺はそうやって声を掛けられた。

俺は今、女子高生に憑依している。
一月程前、この娘に憑依して満員電車で痴漢されるのを体験しようとした所、憑依された彼女も玉突きのように近くの男に憑依してしまった。
結局、俺は彼女に痴漢されたばかりか、ホテルに連れ込まれ、彼女の処女をいただく…いただいたのは彼女自身で、俺は男でありながら処女を失うという貴重な体験をした。
その後は毎日のように彼女に憑依することを強制され、彼女は毎日違った男に憑依しては俺に…彼女自身に痴漢を働いていた。

しかし、今日の彼女は女性に憑依していた。
「たまには女同士もヤッてみたいのね。今日はこっちに乗りましょう♪」と女性専用車に連れていかれた。
「今日はどうするの?」と俺が尋ねると、
「言ったでしょう。女同士でって。」
「そうじゃなくて、どこでヤるのかって事。」
「それはお楽しみにね♪」と、俺はそのまま電車に乗り続けた。

「由宇美。オハ~ッ♪」ドアが開き、乗り込んできた少女が俺を見つけるなり近づいてきた。俺と同じ制服を着ている。
「あっ、芳恵ちゃん。おはよう。」と言ったのは俺ではない。俺はこの娘の名前なんか知らないのだ。が、
「真貴先生?お、おはようございます。」と芳恵が頭を下げた。
俺は彼女を振り返った。
「何でも良いから、あたしに合わせてね。」と耳元で囁かれた。

「丁度良かったわ。由宇美ちゃんが具合悪いそうなので、学校に着いたらそのまま保健室で休ませるから、担任の荒木先生に言っておいてくれないかしら。」
そう言われ、俺は具合が悪そうに彼女にもたれかかった。
「わかりました。」と芳恵は快活に受け答えた。

電車が彼女達の学校の最寄り駅についた。女性専用車の大半を埋め尽くしていた制服の少女達が一斉に降りてゆく。俺達もその流れに乗って、一気に学校まで辿り着いてしまった。
「由宇美の事、お願いしますね。」と芳恵が教室のある棟に入っていった。俺達は少女達の流れから離れて保健室に向かった。

「さあ、このベッドを使いましょうか♪」
保健室に入ると彼女はカーテンを閉め、ドアを施錠していた。
「さあ、脱いでいて。一人でできるでしょ?」と言い、部屋の奥から紙袋を取り出してきてはこれから始まる宴の準備を整えていた。
俺は上着を脱ぎ、ブラウスのボタンを外してゆく。男の服とは左右が違うため、遅々として進まない。女としての経験の違いか、後から脱ぎ始めた彼女の方が先に裸になっていた。
「さあ、おいでなさい♪」とベッドの上で腕を広げている。すっかり受け身の愛撫に慣らされてしまった俺は、何の躊躇もなく彼女の腕の中に体を滑り込ませていた。

「ああ…女同士ってのも良いわね♪あたしの肌のしっとり感が良く解るわ。」と彼女は俺=彼女本来の体を隅々まで触りまくった。
当然のように、敏感な肉体は全てを快感に変えてゆく。胸や性器に触れられる前から、俺は快感に喘ぎ続け、股間もぐっしょりと濡らしていた。

「あん!!ああっあ~~~♪」彼女の繊細な指先が陰部を責め始めた途端、俺は学校中に響くかのような嬌声をあげていた。
「誰も来ないようになってるから、思い切り叫んで良いわよ♪」と彼女が責め続ける間中、俺は嬌声をあげ続けていた。そして、彼女の指技だけで、俺は絶頂を迎えたばかりか、しばらくの間、快感に意識を失っていたのだ。

「今度はこれでシてあげるわね♪」
彼女が紙袋から取り出したのは双頭のバイブだった。
何でこんなものがココにあるのかは知らないが、俺がその事に思い至るより先に、彼女の悦責めが再開されてしまった。
「本物を何本も経験したアナタには物足りないかも知れないわね。」と手にしたバイブで俺の股間を刺激しながら、もう一方の手で紙袋の中から更なるアイテムを取り出した。
「アナル用のバイブよ♪アナタってお尻の方も好きだったのよね?」
俺は何も答える事はできなかった。即座にお尻に突っ込まれ、スイッチが入れられた。
「あっあっあっ…」再び快感の嵐に巻き込まれると予感していた。
「あたしも本気になるわね♪」彼女は一旦俺の体から離れると、双頭バイブの一端を自らの股間にしっかりと装着した…

リ~ンゴ~ン!!

終業のチャイムが鳴っていた。
俺はまだ、貫かれたままベッドの上で喘ぎ続けていた。外はもう夕闇が迫っていた。
「今日はこの位にしておきましょうか♪」と頭を撫でられた。
彼女は既に服を着ていた。俺の股間に挟まっていたのは、彼女から外されたバイブの片割れだった。
「後の事はあたしがやっておくから、変態さんはもう帰って良いわよ。」
そう言われてしまうと、俺はもう憑依を続けていられなかった。俺は股間にバイブを残したまま、この娘の肉体から離れた。

 

俺自身の肉体に戻るのは、一瞬の事だった。
再び目を開けた時、見えたのは俺の部屋の天井だった。俺は股間に残るバイブの感覚を思い出していた。
無意識の内に股間に手が伸びる。パジャマのズボンの中に入る。邪魔なペニスに触れないように、股間に指を立てる…そこには膣口は存在しない…更に奥へと指を進める…
肛門に指を立てた。

快感がよみがえる。

「あん、ああん♪」
俺は由宇美だった。
「お願い。貴男の太いのを、あたしのオマンコに挿れて頂戴♪」
俺は想像上の膣の中で指をかき回し、その夜の遅くまで快感に喘ぎ続けていた。

憑依 ~由宇美~

俺は死んだ筈だった。
この世に未練など残していない筈だったが、俺は成仏できずに街を彷徨っていた。

そんな俺が、何かに惹かれるように、その家の前に留まっていた。そこから先にも、後に戻ることもできなかった。俺は最後の選択肢を選んだ。

玄関の扉は開ける必要は無かった。幽体である俺は、ドアだろうと壁だろうとすり抜けてしまう。
…そして、俺の前。ベッドに女の子が眠っていた。
脇のテーブルには、水が僅かに残ったガラスコップ。空になった薬瓶。そして綺麗に重ねられた数通の封筒…表に「遺書」と書かれている。

この娘は本当に死んでいるのだろうか?

息をしているか確かめようと、彼女の頭に顔を近づけた…
次の瞬間、俺は彼女に吸い込まれる。

そして、俺は「三原由宇美」になった。

 

 
男である「俺」が、女=女子高生でいる事は、苦痛以外の何物でもなかった。更に、通学で使う満員電車は痴漢の宝庫であり、さんざん嫌な目にあってきた。
「由宇美のその肉体じゃ男達も理性を保ってられないよ♪」親友の芳恵にも、そう言われる。
自分が「女」であることを認めたくない一心で拒み続けていた女性専用車に乗ることも、仕方ないと諦めたのだ。

 
そんなある日、何かの拍子で俺は再び幽体状態になった。その俺の目の前で由宇美が女性専用車に並ぶ列から離れてゆく。慌てて後をついてゆくと、噂では一番痴漢が出る確立の高い車両に乗り込もうとしていた。
(由宇美が自分から痴漢に遭おうとしている?)
そんな筈はない。俺が憑依した時には、既に彼女の魂は存在していなかったのだ。考えられるのは、どこかの変態男が由宇美の体に憑依したのだろうと言う事…
借り物とはいえ、今迄俺の肉体であったのだ。愛着がない筈もない。見知らぬ野郎に辱められるよりは…と、俺は由宇美の後ろに立っていた男に憑依していた。

やはり、俺は「男」だった。理性を保とうと努力はしたが、由宇美の魅力の前には刃が立たなかった。俺は一線を超え、由宇美を犯してしまっていた。

俺はそれからも毎日のように由宇美の肉体を弄んだ。由宇美に憑依した男もそれを悦んでいるようだった。
そして、俺はある事を思いついた。由宇美に憑依している奴の肉体に俺が憑依し返し、由宇美の姿の奴を犯してやる。奴の精神は自らの肉体に弄ばれる事に耐えられるかと…

 
俺は奴の住所を探り出した。
その日は早めに家を出た。奴が幽体離脱する前に奴の所に行くためだ。
タイミングは問題なかった。奴は由宇美を部屋に招き入れた。
「ここで憑依してもらえないかしら♪」
「良いのか?」
「その為に来たんだもの♪」
奴にも解っていると思う。自分自身に犯されると知り、パジャマのズボンを大きく張り出させていた。

「じゃあ行くね。」と奴が意識を集中させる。
ポンッと俺は由宇美の肉体から弾きだされた。そして、俺は目の前の男に憑依した…

 

 

俺は疲れ果てていた。
先日、保健医の先生に憑依した時は夕方までヤり続ける事ができたが、この肉体では正午まで保つか心配になってきた。男と女の差異…射すモノがあるのと、際限なく快感を享受しているのでは、最初から限界は違っている。が、それ以上に奴の肉体は精力が圧倒的に不足していた。

「ちょっと休憩。お昼ごはんにしましょうよ。」と俺が体を離す。奴は由宇美の顔で不満を現す。その表情に挫けそうになるが、限界は限界なのだ。
これ以上、由宇美の艶っぽい顔を見ていては何もできなくなる気がして、一旦憑依を解こうとした。

(?!)

離れられない?
いつもであれば、簡単に憑依が解け、奴の魂を簡単に押し退けて由宇美の肉体に戻れるのに、今日はこの男の肉体から出る事ができないのだ。
「どうしたの?」と奴が不信がって聞いてきた。

「あなた、こっちの肉体に戻れる?」
俺の意思で出られなければ、俺が由宇美の肉体から弾かれたように、奴にこちらに戻ってもらえばここから弾かれると考えたのだ。が…
「え?戻るってどういう事?あたし、まだ家には帰りたくないよ。もっとイッパイ気持ち良い事シたいんだもの♪」
俺は背筋に冷たいモノが流れ落ちるのを感じた。奴は俺の前では「あたし」等と言った事はない。奴の家はここであり、「帰る」と表現される家は由宇美の家なのだろう。
奴は自らの肉体に犯され、自己認識が危うく…いや、既に崩壊してしまっているのではないだろうか?自分を「由宇美」本人だと認識してしまっているような素振りだ。
確かに、やろうと思えば憑依した魂が彼女の過去の記憶を取り出すことは可能だ。奴の自己認識が崩壊した際、由宇美の記憶から、自身を由宇美と思い込むのもあり得ないことではない。第一、奴の現在の肉体は「三原由宇美」なのだから…

 
俺は考えてみた。
俺は慣れたとはいえ、女でいる事を辛く思っていた。折角与えられた第二の人生であるのだが、俺は俺自身が「男」であると認識し続けていた。
だから、これはチャンスなのではないのだろうか?
由宇美に憑依した奴は「女」である事を積極的に受け入れていた。そして、自己崩壊…
奴は「三原由宇美」となった。
そして、奴の「男」の肉体は空いている。俺が貰い受けても、誰からも文句は出ない。
俺はもう「由宇美」である必要もない。俺は生粋の「男」に戻れるのだ。

 

「由宇美。そんなに気持ち良い事したいなら、先ずは俺のペニスを勃たせるんだな。」
俺がそう言うと、奴は愛らしく「ウン♪」と言って、俺の股の間に潜り込んできた。
俺が何も言わないでも、奴は愛しそうに元の奴自身の…俺のペニスを咥えていた。

「勃ったよ♪」と奴が顔を上げる。その淫らな表情が何とも言えない。
「ねぇ、早く頂戴♪」と両脚を広げ、指先で肉襞を広げている。

「俺」は「女」のマンコに、硬くなった俺のモノをぶち込んでやった。

居残り

ゴロゴロと雷が唸っていた。
いつ、ビカリと稲妻を落としても不思議はない。空一面は黒い雲に覆われていたが、幸いにも未だ雨は落ちてきてはいなかった。

「なあ、いい加減に切り上げて帰ろうぜ。」俺は机を挟んで向かい側に座っている克也に言った。
「今日のノルマはこなしておかないとダメだよ。」と委細構わず、克也はノートにペンを走らせていた。
俺達は「居残り」の補習の最中だった。元々頭の構造がシンプルな俺が居残るのはいたしかたないとしても、成績優秀な筈の克也が居残っているには訳があった。

「傘、持ってきてるか?」と俺が聞くと、
「ああ、以前のよりはひと回り小さいけどね。弘志、持って来てなかったのなら入れてやるよ。」
俺は降りしきる雨の中、克也と一つの傘の下に居る様を想像し…
「え、遠慮しとくよ。」と答えるしかなかった。
「じゃあ、さっさと済ませて、降り出す前に帰ろうよ。」と克也は再びペンを走らせ始めた。

克也が補習を受ける事になったのは、病気で入院していた為、試験を受けれなかったからだ。病気といっても命に拘わるものではなかったが、退院してきた克也は、以前とは別人のようだった。
その事が、今の俺の最大の悩みなのだ。

退院してきた克也は、あろうことか女子の制服を着て現れたのだった。
「性転換症というものらしい。今の僕の体は完全に女の子になっている。これまで通りとはいかないとは思うが、よろしく頼む。」
それが克也の復帰後の第一声だった。

俺の目の前で補習を続けている克也は、どこから見ても「女の子」だった。肩まで届くサラサラの髪。心地良い香りが漂ってくる。
ブラウスの下、肩に掛かる紐が透けて見える。肌着のキャミソールのと…ブラジャーの肩紐だ。
俺が恐れているのは、克也のブラウスが雨に濡れ、更に透けるようになると、克也のしているブラジャーがくっきりと見えてしまうようになるだろう。
女の子に成り立ての克也はいつものノリで何気なく俺に接してくるに違いない。しかし、俺の目に映る克也は愛らしい女の子以外の何者でもないのだ。
俺は理性を保っていられるか判らない…いや、きっと即にでも理性の戒めを切り裂いてしまっているだろう。

「あっ…降ってきたみたいだね。」
克也の発言は窓ガラスを叩く大粒の雨の音で裏付けされた。俺の考える最悪のストーリーをなぞり始めていた。
「先に帰って良いよ。」と俺が言うと、
「待ってるよ。弘志は傘を持ってきてないのだろう?それに、こんなに暗い道に女の子を一人で放り出すのかい?」
「おお、女の子だという自覚はあるんだな?」
「な、何だよ…」
「じゃあ、年頃の男の子が女の子と二人だけというシチュエーションでの男の子の心理状態は判っているか?」

その途端、克也は静かになり、ポゥっと頬を赤らめた。
「弘志となら…良いかな?…って、思ってる…」
囁くような声で克也はそう言った。
「な、何だよ。俺達は親友だろう?どんなに姿が変わろうとも…男…同士の友情は…」
「僕はもう、女の子…なんだよ♪」

雨音が激しさを増す。
目の前には克也の顔があった。
瞼を閉じ、唇を軽く開いている。
口紅でも塗っているのだろうか、そこはテラテラと輝いていた。
俺の手はゆっくりと克也の背中に回っていた。
(女の子の肩って何て小さいんだろう…)
俺はもう、克也の事を女の子としか見ていなかった。
髪の毛から甘い香りが漂ってくる。
俺の唇は彼女の唇と触れ合っていた…

 
俺はギュッと彼女を抱き締めた。二人の胸に挟まれて、彼女のバストが形を変える。
「あ、ああん♪」
唇が離れると、彼女の口から甘い吐息が漏れてくる。
ブラウスのボタンが外されていた。キャミソールがたくし上げられ、ブラのカップから彼女の乳房がこぼれていた。
俺は彼女の乳首に吸い付いていた。
「あああん♪」
艶めかしい吐息が辺りを支配してゆく。俺の股間はガチガチに固くなっていた。

「一度だけ、僕の病気を直すチャンスがあるんだ。」
克也は以前、そんな事を言っていた。
「他人に染すと風邪が直ると言うのがあるけど、この病気が他人に染せるのは一度だけ…ハジメテと供に染ると聞いている。」

 

俺は彼女を床の上に押し倒していた。
ショーツを剥ぎ取る。ショーツの股間は既にしっとりと濡れていた。
「良いんだな?」
俺が確認すると、彼女は「ウン」と首を縦に振った。
俺は彼女の中に腰を沈めていった…

 

 

「だから、夜中に女の子を一人で帰らせる訳にはいかないだろう?」
克也は強引に俺の肩を抱いていた。
「だ、だれが女の子だって?」
俺は克也を見上げた。いつの間にか克也の背丈は俺を追い越していた。…いや、俺の背が縮んでしまったのかも知れない…
「僕の下でアンアン喘いでいた娘のどこが女の子じゃないんだって?」

そう、俺は克也に病気を染されて女の子になってしまったのだ。
もう一度、克也に染し返そうとしたが、巧くいかずに結局女の子のままになってしまっていた。
一度、女の子になると何らかの抗体ができるようで、染し返す事ができないようだ。
そして「女の子のハジメテ」を使ってしまった俺はもう二度と男には戻れない…
しかし、だからと言って不満がある訳ではない。
克也は優しいし、いつも俺を気持ちよくしてくれる。
女の子の快感は男の比ではないとは正にこの事だ。

外は雨が降っていた。
傘は一本だけ…克也の差し出す傘の下で寄り添って歩いてゆく。
結局はブラウスが濡れてしまった。
ブラジャーが透けて見える。
克也がそれを見て興奮しているのが手に取るように判った。

「どこかで雨宿りしていかないか?」と克也。
そこがラブホテルの前である事は俺にも解る。
「良いよ♪」
俺はそう言って胸の膨らみを彼の腕に押しつけた…

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