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2010年2月 6日 (土)

アナタと一緒に…(2/2)

気が付くと、目の前に悟の顔があった。
「悟?」
俺の声は音となって近くの空気を震わせた。
「何だい?」と悟が優しく問い掛けてきた。
その笑顔は、未だかつて「親友」の俺には見せた事のない類の笑顔だった。

俺はただならない違和感を感じていた…
先ずは声だ。俺の声ってこんなだったか?少し鼻に掛かった甘ったるい声…作ろうとして出来るモノではない。
そして、体に感じる違和感…股間に何か挟まっているような…そして俺の胎の中にある異物の感触…
「今日はどうしたんだい?いつもは気を失うなんて事なかったろう?」と、悟の手が俺の胸に触れた。
「あんっ」と軽い吐息が俺の口から漏れた。乳首が勃っているのを感じる。悟の手が俺の胸を揉み始めていた…

悟から押し出された俺の魂は、どうやら沙織の体に納まってしまったようだ。
快感に気を失っている沙織の代わりに、今は俺が沙織の体を動かしている。
「んあん、ぁぁあん♪」意識せずとも、快感に体が反応し、俺の口からは沙織の喘ぐ声が紡がれてゆく。

既に、悟は十分に回復していた。
「いくよ♪」と俺の上に伸し掛かってくる。彼の熱い肉棒が俺の股間に押し当てられた。
「沙織」であれば、それを拒否する筈はない。
俺は「沙織」として悟のペニスを俺の肉体に迎え入れていた…

 

「沙織」の感度が良いのか、世の中の女性全般がそうであるのか、今の俺には答えを出すことはできなかったが、これまでに経験した事のない強烈な快感に、俺は何度となくイッてしまった。
俺の下半身は悟の精液と、俺が溢れさせた愛液でぐちゃぐちゃだった。そればかりではない。悟に誘われ、俺は俺の口に悟のペニスを咥える事までした。
舌と唇で刺激を与え続けていると、悟の快感が高まり射精に導く事ができた。口の中に吐き出された精液を、俺は美味しそうに飲み下すことまでしていたのだった。

いずれは、悟の時と同様に沙織の意識が戻れば再び傍観者となるのだ。
今度は視点を変え、沙織の目から見た悟を追う事になるのだ。
俺は単純にそう思っていた…

 

「沙織、起きろ。朝だぞ!!」
俺の体が揺り動かされた。声の主は悟だった。俺は未だ沙織に憑依しているようだ。
「起きろよ!!」と悟が言うが、沙織は一向に目覚める気配がない。仕方なく…
「ん?あ、おはよう。悟♪」と、代わりに俺が起きてやった。
「どうしたんだ?いつもの沙織らしくないぞ?」と言う悟に、俺は「沙織」を演じ切る事にした。

沙織は一向に目覚める事はなく、俺は彼女の代わりに生きていくしかなかった。
いくつかの失敗もあったが、俺は何とか「沙織」としてやっていけそうだった。

 

妊娠が発覚したのは、それからしばらくが経ってからだった。
予定日に生理が来たか?など生理を経験した事のない者に気付く訳がない。(沙織の手帳の印が予定日であったと気付いたのは、妊娠が判明してからだった)
その後は慌ただしい日々が続いた。
早々に籍を入れる事になった。結婚式は別に行うが、親達がとにかく籍を入れろとうるさかったし、僕等にしても反対する理由がなかった。(沙織だって反対しない筈だ)
直近の大安の日に市役所に届けを出した。
その足で「俺」の家に向かった。仏壇の前で手を合わせる。
悟は何と言っているのだろうか?

それから先は結婚式に向けて、雪崩のように準備が進んでいった。その合間にも、定期的に病院に通う。赤ちゃんは順調に育っていた。

結婚式の日を迎える。俺はウェディングドレスに身を包んでいた。「母さん」が来てくれた。
「おば様」としか呼べないのがもどかしい。
「来てくれてありがとう。」と言う俺の目から涙がこぼれていた。
「何か自分の娘を嫁に出すみたいね♪」とハンカチで俺の涙を拭ってくれた。

新婚旅行、新居への引っ越し…
そして出産の日を迎えた。

「おぎゃーっ」と大きな声が響き渡った。
「元気な男の子ですよ♪」と俺の腕に生まれたばかりの赤子が抱かされた。

 

 
「俺」の名前を付けられた我が子はスクスクと成長していった。

ある日、彼がこんな事を言った。
「ママ。僕は昔、ママだったんだよ。パパと結婚する事を夢みて一生懸命だったのよ。それを貴女はあたしから奪ったの…」
息子は目の前で手首にナイフを充てた。
「…返してもらうわ。あたしの体!!」

 

 
俺の目の前が真っ赤に染まっていた。
その「赤」に塗れて息子が横たわっている。
「きゃーーーっ!!」と叫んだのは、俺だったのだろうか?

 
俺は再び幽霊に戻っていた。
息子は一命を取り留めた。事件の前後の記憶が残っていないようだが、医者は心配しないで良いと言っていた。

ベッドでは自らの肉体を悟に委ねて快感に浸っている女がいた。
沙織はこれまでのブランクを埋め合わせるかのように、何度もイきまくっていた。
俺は再び傍観者として彼等の営みを見続けていた。
「彼は今もあたしたちの事を見ているのかしらね?」と沙織。
「そんな事はどうでも良いだろう?」と悟。
悟の動きが激しくなっていった。
「あん、ああん、あん♪」沙織も余計に感じているようだ。
「ああ、行くぞ!!」と悟が精を放つ。

それに引きずられるように、俺の魂は沙織の中に没していった。

 

 
辺りは闇の中だった。
と、突然に光が辺りを支配した。
同時に「おぎゃー」と産声が上がった。

「可愛い女の子ちゃんですよ♪」
女の声がした。
俺はゆっくりと瞼を開けた…
目の前に沙織がいた。

「あたしが貴女のママよ。よろしくね♪」
俺が彼女の手に抱かれた赤ん坊になってしまった事に気づくのに、そう時間は掛からなかった。
(これはこれで良かったのかも知れない)
俺はそう思う事にした。
俺の親友とその連れ合い、俺と俺が生んだ息子と、みんな一緒に幸せな家庭が築けるて良いな♪と思う。
今の俺は赤ん坊なのだ。そう思うだけで、それ以上は何もできない。
赤ん坊にできるのは、おっぱいを飲むことと寝ることだけだ。
だから今は寝ときます…おやすみなさ~い♪zzzzz

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