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2010年2月26日 (金)

親友

「コレが何か解るかな?」
それはニワトリの卵を模した白い球体だった。二つに別れられるような真っ直ぐの筋と、シッポのように伸びているコードの先にリモコン・スイッチが付いているので、本物の卵ではない事は即に解っていた。
ヨシカズはソレを俺の股間に挿れようとしていた。
「力を抜けよ。緊張してると余計痛くなるぞ。ソコはもともと、コレよりでかいモノが通るためのものだ。こんな小さなモノにビクビクしても始まらないぞ。」
そう言って、俺の股間の穴に指を入れ、クチュクチュと揉みほぐした。

 

ヨシカズの指が挿れられているのは、直腸につながる肛門てはない。今、俺の股間にはヨシカズのもってきたアイテムにより、女の子と同じ「膣」が出来上がっていた。
ヨシカズは俺の膣に「大人のオモチャ」を挿れようと、俺の膣口を揉みほぐしているのだ。ソコからは本物の女の子が感じるようなコソバユイ快感が伝わってくる。女の子と同じように、刺激を受けて愛液をにじませている。
「これくらいかな?」そう言ってヨシカズは指を引き抜くと、卵をゆっくりと膣の中に押し込んでいった。
「下半身に力を入れて抜け落ちないように気を付けるんだぞ。」と俺を立ち上がらせた。
丸裸の下半身。見た目は男のまま。ちゃんとペニスも付いている。
しかし、その裏側の穴からはケーブルが垂れ下がっていた。ヨシカズは器用にケーブルを束ねるとマジックテープで俺の太股に固定した。
「トランクスの下にコレを穿いておくんだ。」
渡されたのはデザインよりも機能が重視されたような女性用の下着だった。股間の所には生理用のナプキンが貼り付けられていた。

「これで良いか?」
と下着を着けた姿をヨシカズに見せる。
「OK。じゃあズボンも穿いて良いぞ。その後でリモコンの具合を確認してやるからな♪」

俺はショーツの上からトランクスを穿き、ズボンを引き上げた。
太股に固定されたケーブルには違和感を覚えたが、股間に挿入された卵は既にその環境に馴染んでしまったみたいに、意識しないとその存在を忘れてしまいそうだった。
「それじゃあリモコンのテストをするぞ。」とヨシカズが電波を送ってきた。

ブーン

「ぁあん♪」と声がでてしまった。
俺の膣の中で振動を始めた卵が、思いもよらない快感をもたらしたのだ。膝がガクガクと崩れ、立っている事ができなかった。ジクリと溢れ出る愛液がナプキンに吸い取られる。
「強すぎたか?」とヨシカズがリモコンを操作した。
振動は微かになり、何とか立ち上がる事ができるようになった。
「これ位なら大丈夫みたいだ。」とは言ったものの、僅かではあっても振動があれば、そこには快感が生まれている。
俺はその快感が残っていた事に悦んでいた。

「電池も節約しないとな。」しばらくしてヨシカズがスイッチを切った。
と同時に快感も失われる。俺は快感を求め、無意識のうちに腰をくねらせていた。
「お、おい。女の子なら色っぽい仕草だが、男がやるとキモイだけだぞ。」とヨシカズに指摘される。
「だ、大丈夫だ。今のはちょっと気を緩めてたからだ。」
「本当か?」とヨシカズが懐疑の目で覗き込む。
「大丈夫。で?俺は何をすれば良いんだ。」
「そうそう。そいつのスイッチはボクの手にある。いつ、どの位の強さで入るかはボクの気分次第だ。キミはボクの機嫌を損なわないようにしなくちゃいけない♪」とリモコンの操作機をプラプラさせた。
「で、これからのスケジュールだ。ボクの支度が済んだら、外に出る。電車に乗って遊園地に行く。そこでしばらく遊んだら食事、そのあとカラオケに行って解散。」
「なんかデートコースそのものだな。」
「そう。君はボクとデートするんだ。男の格好をした女の子の君と、男のボクが女装して逆転カップルでデートするんだ。」

兎に角、俺は何も口を挟まない事にした。
いくら快感であっても、マックスパワーで卵を振動させられたら、どんな事になるか想像もつかない…

 

何とか無事にカラオケボックスにまで辿り着いた。
卵に怯える俺と違って、ヨシカズはデートを満喫しているようだ。女装しているからか、いつもより余計に可愛く見えた。

TS病で女になってしまった事を受け入れられず、頑なに「男」を貫いているヨシカズは、こんな理屈でもつけないと「女」になれないのだろう。
ヨシカズは今、「女」になりきって熱唱している。しかし、これが本来の彼女の姿には違いない…

「おい!!ボーッとしてるなよな。次を入れておけよ。お前も中身は女の子なんだから…そうだ、アレにしよう♪」とヨシカズが選んだのは女の子二人組の歌う有名な歌だった。
これなら俺も知ってるとフリを付けて歌った。
歌い終わると…
「やっぱり、お前は男なんだな…」と呟いてソファに座った…

 
ビクンッ!!!!

強烈な刺激が俺を襲った。
胎の中で「卵」が激しく振動している。
「ヨシカズ、スイッチ!!」
座った拍子にマックスバワーに入ってしまったようだ。卵の唸る音も聞こえる。
動こうとしないヨシカズの隣になんとか這い寄った。するとヨシカズからも同じ音がする。
俺はスイッチを探した。操作機はヨシカズの尻の下にあった。強引にヨシカズを転がす。
「アファ~ン♪」と艶めかしい声を上げるが構ってやる暇はない。
スイッチを切った。

唸り音は消えた。

ヨシカズはまだ動けそうにない。
彼女のスカートを捲ると、束ねられたコードがマジックテープで太股に固定されていた。
俺と同じだった。
コードの端はショーツの中につながっていた。
ナプキンを貼り付けたショーツの中に手を入れ、ソレを抜き出した。俺の膣に入れているのと同じ「卵」だった。
何で?と聞く以前に呆れる。
と、同時にヨシカズの気持ちも解るような気がした。
「…エッチ…。女の子のパンツの中に手を入れちゃいけないんだヨ♪」
横になったまま、ヨシカズが弱々しくそう言った。

「じゃあ、もっとエッチな事をしてあげようか?」
俺が言うと、ヨシカズは何も言わず、ゆっくりと首を縦に動かした。

その後俺達は家に帰らず、ホテルで一夜を過ごした。

その夜、ヨシカズは初めて「女」になった…

貴方に知っていて欲しい…

「くだらないね。」
彼は切って捨てるように言った。
何が気に入らないのか判らない。正直な気持ちを聞かせてもらいたいだけなのに…
何故かあたしの目に涙が浮かぶ。
「ほら、すぐに泣く。だから女って奴は面倒なんだ。泣き止むまで俺の前に顔を見せるんじゃないぞ!!」
そう言って彼は外に出ていってしまった。多分パチンコでもするのだろう。あたしが阻止する隙も与えず、財布からお金を抜いていったのだ。

他人に話せば即に別れろと言われるに違いないが、優しい時の彼はすごくあたしに優しくしてくれる。彼もあたしなしでは生活できないのは目に見えている。
第一、彼はあたしの一番の秘密を知っているし、その上であたしを「女」として扱ってくれる♪

彼は、あたしが「男」なのを知っている只ひとりの人なのだから…

 

 
ま、ウジウジしていても始まらない。あたしは部屋の中を片付けると、冷蔵庫の中を確認した。まだ買い足しはいらないと判断すると、仕事に出かける前に彼の夕食の準備を始めた。
あたしは仕事の合間に食事をするが、彼はその日の気分で家で食べる事が多々ある。
しかも、疲れて帰ったあたしが、それから作り始めていては「遅い!!」と彼が暴れだしてしまうのだ。

そうこうしている内にあたしも落ち着きを取り戻した。まだ少し目が赤いが、仕事に差し支える事はないと思う。濃いめの化粧をし、ミニのワンピースで出勤する。行き先は夜の仕事の定番…男のあたしが女として働ける場所は、そう多くはない。結局は水商売に行き着いてしまう。
彼との出会いもこの店だった。あたしにヒトメボレしたようで足繁くお店に通ってくれていた。
ある日、デートのお誘いを受けた。あたしは自分が普通の女ではないので即に断ったが、彼は諦めず事ある度に誘ってくれる。次第に周りからも一度くらいは付き合ってあげなさいよとの声が強くなり、結局次のオフにデートする事になった。

青空の下に「女」を曝すのには勇気がいったが、今更後には引けない…と思っていたのは彼に会うまでの事だった。デートは楽しく、そんな事を考えていた事など、どこかにフッ飛んでしまっていた。
あたしは彼とのデートに時の経つのも忘れていた。
夜が訪れる。大人同士のデートの流れでは、避ける事はできない…あたし達はホテルのベッドにいた。
あたしはあらかじめ決めていた台詞を口にした…
「今日はダメな日なの。お口でするから、それで許してくれる?」あたしは、初めて男の人のペニスを口に入れた。
「あぁ、良いよ。凄く気持ちイイ。」そう言って彼はあたしの口の中に精液を吐き出した。AVの女優になったつもりで、あたしはそれを美味しそうに飲み込もうとしたが、失敗してむせてしまった。
「無理はしなくて良いよ。」と彼が優しく言ってくれた…
 
 
何故か、あたしは彼からのデートの誘いを断れなくなっていた。
二度目のデートは何もせずに終わることができた。三度目はまた、口で済ませた。
けれど、四度目となっては告白しない訳にはいかないと思った。
「じゃあ、裸になってみろ!!」と彼が言った。
「隠すな。両手は下ろして脇に揃えるんだ。」彼の前にあたしの裸体が晒される。
「これのドコが男なんだ?体毛のない白い肌。丸みを帯びた肩や腰。くびれたウエストに豊かな胸の膨らみ…」
「それはホルモンを射ってるからで…」と、何とか口にする。そして、あたしは無意識のうちに「女」の肉体にはあってはならないモノを掌で隠していた。
「その手の下のモノは何だ?それが男のモノだって言うのか?バカ言うんじゃない。女ならクリトリスがあって当然だろ?その向こうには男を迎え入れようとしてヒクついている膣口があるじゃないか♪」と、あたしのお尻の穴に指を突き立てた。

その夜、あたしは初めて男を受け入れ、正真正銘の「女」になった。

 

なし崩し的に、彼との同棲生活が始まっていた。
彼の存在はあたしの「女度」を上げてくれたようだ。「彼女」という立場に「主婦」という肩書きが加わり、あたしが「女」でいられる証が確固たるものになっていった。
仕事場でも「綺麗になったね」と言われた。

が、同棲を始めれば彼の欠点も見えてくる。これも、どの女だって経験する事だと我慢していた。

「どうしたの?目が赤いじゃない。」
今日のお客さんにも即に気を使われてしまった。
「この目薬を注してごらん?」渡された容器には商品名などの表示は何もなかった。
「害はないから。」と人の良さそうな笑みを浮かべている。
内装の鏡に映るあたしの目は確かに赤くなっていた。これ以上何とかなっても同じ事…と、目薬を注してみた。スーッと眼が涼しくなった気がした。鏡に映るあたしの目は今まで以上に白く輝いていた。
「お医者さんなんですか?」とのあたしの問いに、
「まあ、似たようなものだよ。」と答えた。実際、お医者さんに接したときと同じ安心感があり、何故かあたしは彼との事を包み隠さず話してしまっていた。
「じゃあ、彼氏に少しお灸を据えてみましょうか?」と一包の薬袋を取り出した。
「晩酌のビールにでも混ぜて飲ましてご覧なさい。少しは女心を理解してくれるようになりますよ♪」

珍しく、あたしはそこから先の記憶を失っていた。気が付くと、あたしの家の扉の前にいた。

 

既に彼は帰っていて、ビールを飲みながらビデオを見ていた。
あたしの帰りに気づいた彼は、画面から目を離さずに「メシ、早くしろ。」とだけ言った。あたしはあの薬をエプロンのポケットに移していた…
「ご飯、出来たわよ。」と彼に声を掛ける。
彼は「ああ」とだけ言うと、箸と茶碗を取る一瞬だけテーブルの上を見たが、その視線は即に画面に戻っていた。当然、あたしの方は向かないし、あたしの目が赤いか白いかなんて気づく訳もない。
あたしは空になったグラスに「薬」を入れ、ビールを注いでいた。
 
「寝るぞ。」
それは睡眠をとるための合図ではない。SEXを始める合図である。
「あたし、疲れてるんだけど…」と言っても許す彼ではないのは承知している。
「何か、いつも以上にヤりたい。体調も良いし一晩中ヤり続けても良いかな?」などと言っている。もしかして「薬」の所為で興奮しているの?
「早く脱げよ。」とせかされ、あたしは化粧も落とさずにベッドに上がっていた。
裸になった彼が伸し掛かってくる。脚を開かせジェルを擦り込んでくる。彼の指があたしの穴に入ってくる。
「ぁあん」と条件反射のように喘ぎ声を上げてしまう。まだ、快感には程遠いのに…

指が抜かれる。いつもなら、その直後に「いくぞ!!」と憤り勃ったベニスを一気に突っ込んでくる…が、今日は様子が変だ…
「ぉい…ぅそだろ…」と彼が呟いている。「ヤりたいのに、ヤりたいのに…」
あたしは彼を見た。あたしの脚の間で、彼は膝立ちのまま固まっていた。
いつもなら、股間に握られた彼の手の中から、勃起したペニスが雄々しい姿を見せているのだが…
「どうしたの?」あたしが聞くと
「無いんだ。ヤりたい、挿れたいのに、俺のが無くなってるんだ。」
彼が手を退かすと、露になった彼の股間にはペニスがなく、代わりに女のような溝ができていた。良く見ると、内股に光るものがある。性的に興奮している女のように、愛液が滴っているのだ。

「挿れたい…挿れたい…」と呟く彼の視線があたしの股間に注がれた。
彼の手が、あたしのクリ…ペニスを包んでいた。彼の頭が降りてくる。あたしのペニスが彼の口の中に納まってしまった。
「だ、だめよ!ソレは…」これまでフェラチオどころか、他の人に弄られた経験のないあたしのペニスは、何年かぶりに勃起していた。
十分な硬さが得られたところで、彼は体を起こすと、あたしの腰の上に跨ってきた。
「挿れるんだ、挿れるんだ…」と彼が呟いている。
彼の腰が降りてきて… あたしのペニスを呑み込んでいた。
「ああ、ああ、ああ…」
腰を振り、女のように喘いでいる。彼の膣からは愛液が溢れてくる。
彼の喘ぎ声の音程が、次第に高くなると伴に彼の胸が膨らんでいった。彼が体を揺する度に、彼の胸が揺れる。彼は無意識のうちに自らの胸に手を当て、揉みあげては快感の媚声を上げている。
彼はすっかり「女」に変わっていた。

幾度か絶頂を味わった後、力尽きた彼はあたしの脇に体を横たえると、愛らしい寝息をたて始めていた。

 

 

「いらっしゃいませ♪」愛らしい笑顔もようやく板に付いてきたようだ。
彼の女性化は一時的なものとはならはなかった。もしかしたら、あたしが本物の「女」で、あの時のSEXが女同士のもので終わっていたら何事もなかったかも知れない。
しかし、いくら姿を偽っても結局のところ、あたしは「男」だったのだ。彼が妊娠している事がわかった時、彼は「女」として生きる事を決意した。

あたしが何を言っても言い訳にしかならない。ホルモンをやっていたにも拘わらず、あたしのザーメンの中に活きの良い精子が混じっていた事は事実である。彼の股間に膣ができていたと同時に、子宮や卵巣など、女として必要なものが全て造られ、正しく機能するようになっていた事を知らなかったと言っても始まらない。

けれど、あなしは彼程割り切る事はできなかった。自分が欲しくて止まなかった「女」の体を得たのは「彼」だったのだ。
彼が「女」としてあたしを求めて来れば、あたしは「男」に戻ってしまう。男の精を彼の中に吐き出し、歓喜に打ち震える彼を見ながら自己嫌悪に陥る。
(そこに横たわっていたかったのは、あたしの方なんだからね)

 
子供が産まれても、あたしは夜の仕事を止めなかった。
周りにはどう見られているか知らないが、あたし達の子は二人のママに育てられている。
あたしが仕事をしている夜は、彼が面倒をみている。昼間、あたしが面倒をみている間は、なんと、彼はパートタイムのアルバイトをするようになっていた。

パチンコに明け暮れていた彼の変わりようを見ると、あの「薬」も満更悪いモノではなかったのかも知れない。
子供を抱いて彼の働くスーパーのドアを開けた。
「いらっしゃいませ♪」彼の明るい声が、店内に響き渡っていた。

2010年2月16日 (火)

B/A について

私も例のTV番組をイメージして作りたくなってしまいました。
(尤も、B/A 1-1の作り始めはそんな事など考えていませんでしたが…)
結局はダイエット・コンテストと合体したようなものになってしまいましたが如何でしょうか?
B/A 1-1の最後でステージにいた他の二人について、彼女等に施された『匠の技』を想像してみた結果がこれらの連作です。
「なんということでしょう」と言う女声ナレーションは入りませんでしたが、どこかで必ず言っていると想像して下さい。

第二段で「夏の水着スペシャル特番」を考え始めましたが、挫折しています。
一人は伸び悩みのスイマーで、水の抵抗を減らすべく、スキンヘッドに留まらず、全身脱毛し、眉毛も落としてもなお伸び悩んでいました。最後の手段で股間にある突起物を排除することにした。
脚の動きも良くなり、一気に記録を更新したのだが次第に胸が膨らみだし、その抵抗で以前よりもスピードが落ちてしまった。悩む彼にシンクロに転向するように勧めた。
やがて彼…彼女は一流の選手として名前を知られるようになった。
までは考えたのですが、二人目以降が続かない。一人はグラビア・アイドル風、もう一人はスクール水着で登場させたいのだが…

P.S.
あむぁいさんとこ みたいな絵が付けられると面白いよね♪

B/A 1-1

カチャリと音がしてドアが開いた。

 
「誰だ?!」
俺の発した問いは、来訪者の耳には届いていなかった。

俺は身体の自由を奪われていた。手足はおろか指一本…声も自由には出せなかった。
カツカツと足音が近付く。パサリと俺の身体に掛けられていたシーツが剥がされた。俺の皮膚感覚からすれば、俺は全裸の筈だった。空調が効いていて寒さは感じない。
ピッとリモコンの作動音がした。モーターが唸り、俺を寝かせていたベッドの上半身部分が持ち上がっていった。
上体が起き上がるとともに視界が移ってゆく。天井が流れ、壁が目に入った。
来訪者の頭が視界に入るとすぐに顔が見れた。
モーター音が止まり、俺は来訪者と正対した。

 
来訪者は女だった。
「気分はどう?」
「…」
「って聞いても答えられないわよね。アタシ達がそうしたからね♪」と悪戯な笑みを浮かべた。
「尤も、気分は最悪でしょうけどね。」と俺の方に近付いてきた。
ベッドの脇に回り込まれると、首を回せないので即に視界から消えてしまう。
「じゃあね、立ってみて♪」耳元で女の声がした。

自分では動かせない身体が、彼女の指示に従う。身体の向きを変え、床に足を下ろすと一気に立ち上がった。
しかし、それ以上の行動はできない。彫像のようにそこに佇んでいる。
「ベッドの方を向いて。」彼女の指示が続いた。
「脚を開いて、上半身をベッドにくっつけるのよ。」
尻の穴が丸見えになる屈辱的な姿勢であった。が、俺の身体は何の躊躇もなく、彼女の指示に従っていた。
「そのまま動かないでね♪」

カチャカチャと音を立て、彼女は俺の腰に何かを装着した。
皮製のふんどしのようにも思えた。ベルトに付属したモノが股間に回され、後ろで固定されるようだ。そこには何か付属物が付いていた。
棒状のものが尻の穴に挿入された。ベルトが締められると、棒状のものは、そこにしっかりと固定された。
「これからがお楽しみね。棒はもう一本あるの♪どうするか解る?」
彼女は別の器具を持ち出してきた。カチリと填め込まれる音がした。
「こっちに来て、この椅子に座りなさい。」
俺の身体は彼女の指示通りに動く。椅子の上にはペニス様な棒が起立していた。
座れっこない!!という俺の判断は、あっさりと無視される。俺の身体は棒の先端に尻を当てた。

ぐりぐりと股間にへこみが作られる。物理的な障害に抗おうとすれば、当然のように痛みがでる。が、俺の身体は彼女の指示に忠実たろうとする。
ピッと再びリモコンの音がした。今度は股間の棒が小刻みに振動する。マッサージの効果があるのか、痛みが幾分か和らいだ。が…

 
ブチッ!!

何かが破れる音。
同時に棒が俺の中に侵入する。
尻が椅子の座面にペタリとついた。
そして、俺の股間から液体のようなものが出てきて、太股と椅子を濡らした…
「おめでとう。これでアナタもオンナになれたわね♪」と俺の下腹部をさすり、その奥にある棒の存在を確かめて言った。
「破瓜の証にはチョット量が多いけど、即に治まるから心配しなくて良いわよ。」リモコンが操作されると棒の振動が止まった。カチリと音がして棒を固定していたものが外れた。
「そのままの姿勢で少し腰を浮かして…」
俺が言われた姿勢を取ると、背中側から折り返した皮が、挿入された棒を押さえ込むように股間を被った。

皮が固定されると、その場に立たされた。
蒸しタオルで太股の汚れが拭われた。紅く染まったタオルは椅子の上に投げ捨てられた。
「一日経てば、膣が安定するの。それまでは外せないからね♪」
女はそう言ったが、俺には自らの意思でそれを外すことは叶わないのだ。

「じゃあ、お洋服着ましょうか。」と部屋の中を移動させられた。
足を運ぶと腹の中の二本の棒の存在が強調される。そのうちの一本は男にはありえない場所に挿入されているのだ。
鏡の前に立たされた。股間を被う皮の装具がペニスの存在を隠しているが、俺の姿は何も変わっていないように見える。
「先ずはブラジャーね。これは女性の必需品ですものね♪」と肩紐が通され、背中のホックが留められた。
「あなたは胸がないから、パットを入れるわね。」とシリコン製の疑似バストが胸に貼り付けられた。
「次はこれね♪」と腹巻き状のものが着けられた。腹巻きと違うのは、それが女性用であると主張する色とレースの飾り。そして、スニーカの靴紐のように編み付けられた紐の存在だった。
その紐は当然のように俺の腹を絞めあげてゆく。そして、俺の腹部に女のような「くびれ」が出来上がった。
その「くびれ」は着せられたワンピースのラインを綺麗に見せる効果があったが、それ以前に、何で俺がワンピースを着せられなければならないのだろうか?

俺はハイヒールによろめく事もなく、彼女に連れられて次の部屋に向かった。
そこではカツラを被せられ、化粧が施された。
俺の顔はどこから見ても「女」だった。

 

「そろそろ時間ね。」一週間の「トレーニング」の後、俺はとある建物に連れてこられた。
ハリボテのような扉の前に立たされる。その向こうから人々のざわめきが聞こえていた。
「さあ、劇的変身ビフォー・アフター!本日三番目のターゲットはこの方です。」
との男の声に続けて女の声で俺のプロフィールが読み上げられていった。
「では登場してもらいましょう。どうぞ!!」
との声で扉が開かれ、俺はスポットライトに包まれた。

お~~っ と言うどよめきに支配される。
「さあ、こちらへ。」とステージの中央に導かれる。隅の方にはプラカードを手にした女の子が二人いた。
坊主頭の高校球児のブラカードを持つのは愛らしい女子高生。スレンダーなレースクイーンはブクブクに太ったオタッキーのブラカードを持っていた。

「そこで、ぐるりと回ってください。」と囁かれる。
場内に女のナレーションが流れる…
「まあ何と言う事でしょう。さえない中年男が華麗に変身を遂げました。お姫様のような上品な面立ち、優雅な物腰。彼は蛹から蘇った蝶のように、美しくなって舞い戻ってきました。」
俺は「俺」の写真の貼られたプラカードを持たせられた。

「今回はどのような所に苦心されましたでしょうか?」
袖に下がった司会者がマイクを向けたのは、あの女だった。
「そうですね。何の素養もない男に優雅な身のこなしを覚えさせるのに、ことの他時間が掛かりましたね。」
「それでは先生のトレーニングの成果を見せてもらいましょう。」

再びスポットライトがあたり、場内が暗くなった。
俺の前にゲストの男優が寝かされたソファが据えられると、アシスタントがブラカードを持っていった。
「トレーニング」の情景が頭の中に蘇った。
俺はソファの脇に優雅に跪くと、男のズボンから彼のペニスを引き出した。これもまた、優雅に口に含む。刺激を与えると、彼のペニスはどんどん大きく、硬くなっていった。
俺はステージの袖に立つ女を見た。彼女は満足げに首を縦に振ったので、俺はスカートの中に手を入れると優雅に下着を脱ぎ去った。
優雅に男の上に跨る。スカートがふわりと広がる。その内で、俺は彼のペニスを俺の股間に産まれた膣に咥え込んだ。
優雅に腰を振っていると、下になった男優も次第にデキあがってくる。
「あぅ」とうめくと、彼の精液が俺の膣に放たれた。

ビクン!!

衝撃が俺を貫く…
「あ、あ、あ、あ~~~っ!!」
俺は嬌声をあげ、そのまま気を失っていた。

 

「いや~、優美なモノを見せていただきました。」そう言って司会の男が締めくくりに入る。
「今夜の劇的変身ビフォー・アフターはこの辺で♪次回をお楽しみに…」
と、司会者の指先が画面に迫る…
「次のターゲットは貴男かもしれませんよ!!」

B/A 1-2

気がついたのは病院のベッドの上だった。

今は春の甲子園につながる、大事な試合の最中だった事を思い出した。
既に試合は終わってしまったのだろうか?勝てたのだろうか?

しかし、それ以上に股間の痛みが気になっていた。
コントロールが定まらない相手ピッチャーに四球を選んだ先輩が一塁にいた。ここは何としても送る。俺のバットに奴の球が吸い込まれるように近づいてきた。
そして、1ミリにも満たない誤謬…
弾かれた硬球は俺の股間にめり込んでいた。
そこで意識が途絶えていた。

 
しばらくして監督がやってきた。
試合はボロボロに負けたらしい。俺も早く復帰して力になりたい。と言った途端、監督の顔が曇った。
「順を追って話した方が良いようだな。」と監督はパイプ椅子に腰を下ろした。

病院の手配は取材に来ていたTV局の人がやってくれたんだ。下半身血塗れのお前に手早く止血をすると、シートが汚れるのも構わず彼らの車に乗せ、ここまで運んでくれたんだ。
もう、一週間も前の事だがな。
医師の腕は良く、傷跡が残らないように綺麗に処置してくれたよ。誰もお前が大怪我をしたとは思えない出来だ。
しかし、そんな医師でも無理な事、不可能な事がある事は理解してもらいたい。

お前の金玉=睾丸は完全に潰れてしまっていた。チンポの海綿体も切り子状態で、復元する事は不可能だと言われた。だから、今のお前の股間は女の子のようになっている。
お前は「男にも女性ホルモンがある」って聞いた事あるか?普通は大量の男性ホルモンに隠れているが、お前のように男性ホルモンが作れなくなると女性ホルモンが優位に立つ事がある。

だから、成長期のお前はこれからどんどん女らしくなってゆく。これは避けられない事実だ。
そこで、TV局の人が全面的にお前の女性化をサポートしてくれるそうだ。当然ドキュメンタリーとして番組を作るのに使われる。名前は伏せてくれるし、どうせほっといても女になるんだから、彼等の好意に甘えるのも悪くないと思うよ。

 

 
紆余曲折はあったが、あたしは彼等のサポートを受けて、今、ステージの上に立っていた。
あたしの担当だったお姉さんがプレゼンテーションを続けている。
「グラウンドに立てなくなった彼女はベンチからでも仲間を応援したいから野球部に残してくれと懇願しました。しかし、野球部は熱い男の子達の集う所。そんな中に女の子が居れば間違いが起きる可能性が充分にありました。
そこで私達は彼女にチアリーダーになる事を勧めました。仲間とは少し離れてしまうが、応援する立場は変わらないと納得してくれました。
元々運動神経の良い彼女ですが、男のアイデンティティがそうさせるのか、なかなか笑顔が作れませんでした。
夏の予選が始まろうとしていました。彼女は練習の合間には必ずグラウンドを走り回る元の仲間を見ていました。
そんな彼女を観察していると、彼女の視線の先には必ず特定の選手が居るのが判りました。私は彼女に聞いてみました。
『彼が気になるの?』
彼女は必死になって彼だけを特別視している訳ではないと否定しました。
『貴女はまだ自分が女の子ではないと思っているの?』
私は彼女に恋愛感情を意識させるようにしました。
『今は片思いのままでも良いのよ。彼への一番のエールは貴女の笑顔だと思ってやってみなさい♪』
こうして彼女に笑顔が生まれ、彼女の応援に奮起した部員達はこれまでになく勝ち進んでいきました。惜しくも準決勝で敗れはしましたが、彼等は充分に満足していました。」

 

司会の人があたしを呼び出した。
「本来なら、ここでチアの演技を見せてもらいたい所ですが、今日はユニフォームではなく、制服のままなんですね?何か意味があるのですか?」
あたしは正直に答える。
「お医者様に激しい運動は控えるように言われているんです。」
「どこか体の具合が悪いのですか?」
司会者の言葉は担当のお姉さんが引き取った。
「彼女の片思いは片思いのままでは終わりませんでした。彼女のお腹には彼との間に新しい命が芽生えているのです。」
おお!!と観客のどよめきが広がった。
「ご両親を始め、周りの方々の暖かい祝福を受け、彼女の卒業を待って結婚する事が決まっています。」
「それはおめでとうございます。」と司会者が握手を求めてきた。そして、マイクが向けられた。
「今のお気持ちをどうぞ。」
あたしはプラカードに貼られた昔の写真を見返した。
「ここではまだ昔の名前を使ってますが、昨日、あたしの誕生日に正式に入籍しました。」
再び場内がどよめきにつつまれる。
「いろいろありましたけど、あたしは今幸せです♪」

 

 
鳴り止まない拍手を鎮めつつ、司会者はあたしを袖に下げた。
「さあ、劇的変身ビフォー・アフター。次のターゲットはこの方です…」

B/A 1-3

「コレッ!!ていうターゲットなんてそうそう見つかるもんじゃないわよねェ。」
と愚痴をこぼしていたのはADの七瀬薫だった。

今日はターゲットを探しに展示会に潜り込んでいた。やはり…というか当然のように、そこにはコンパニオン狙いのカメラ小僧(小僧と言うよりはオッサンばかりだ)がゴツイ一眼を手にうろつきまわっていた。
「画的には、ああいうキモオタ君が良いのはわかってるんだけどねェ…」と愚痴る薫だったが、やはりプロ根性が備わっているのか、その視線は絶えず場内を巡りターゲットを探していた。

 

「あの~」
と薫に声を掛けてきた男がいた。
「お姉さんの写真を撮らせてもらっても良いですか?」
「へッ!!あたし??」
突然の申し出に素っ頓狂な声をあげてしまった薫だったが
(この辺で妥協しとくかな?)と即座に本来の任務と結び付けていた。
「あ、あたしはコンパニオンさんじゃないんだけど…」
「判ってます。でも、どうしてもお姉さんを撮りたいと感じているんです。」
「わかったわ。でも、あたしも仕事柄いくつか条件を付けさせてもらうけど、それでも良い?」
「はい♪勿論です!!」とキモオタ君は即答していた。

 
「ココじゃ何たから場所を換えるね。」
「はい、どこにでもついて行きます。」
少々うっとおしいが、これも仕事だから…と薫は局の空きスタジオを予約した。

薫の運転する車は海岸沿いの倉庫街に入っていった。
地下の駐車場に車を置き、エレベータでスタジオに直行する。スタジオ側の準備は既に整っていた。
「スゲーッ!!本格的なスタジオじゃないですか♪」
はしゃぐキモオタ君を連れて中央に向かった。スポットの当たる場所に立ち、説明してやる。
「後ろのスクリーンには様々な背景が投影できます。ハワイの海岸も、アルプスの山々も、ニューヨークの街角も。実際は後で電子合成されるけど、雰囲気が出るからって評判は良いわよ。」
リモコンを渡してやると、様々な画像をスクリーンに出して喜んでいた。
「それから、衣装も用意しておいたわ。」とスクリーンの脇のカーテンに仕切られた一角を示した。
「一通りのものは揃ってるから、好きに選んで良いわよ。」
そして、薫は一呼吸置き、先を続けた。
「最後にこれね♪このヘッドセットを付けてあたしに指示を出してくれれば良いわ。撮影時間は3時間。自動的にスイッチが切れるようになってるから。」
薫は彼の頭にヘッドセットを装着し、
「じゃあ、後はよろしくね♪」
と言ってスイッチを入れた。

 
ヘッドセットは薫の体内に埋め込まれた受信機に装着者の意図を伝える事ができる。言葉で伝えるよりも正確に意図が伝わる…まるで装着者自身が薫そのものになったかと錯覚される程である。

これは薫によるターゲットのトレーニングの第一段であった。
キモオタ君には、被写体を撮るより被写体となって撮られる快感を覚えてもらうのだ。
薫は黙って彼に肉体の主導権を明け渡していた。しかし、彼女に向かってフラッシュが焚かれる度に、できうる限りの快感を彼の脳にフィードバックさせていた。

いつの間にか、彼は被写体を撮影する事を放棄していた。カメラは三脚に固定し、タイマで一定間隔にシャッターが切れるようになっていた。勿論、構図等何も考えていない。薫の体にフラッシュを浴びさせるだけの仕組みでしかない。
彼はレースクイーンの衣装を着、スタジオの真ん中で様々なポーズをとっていた。それは薫自身でも考えが及ばなかった淫らなポーズの連続であった。
薫は嫌悪感を感じてはいたが「仕事のため」と割り切る。キモオタ君は撮られる快感の虜となっていった…

「どうだった?」
3時間が経ち、肉体の主導権を取り戻した薫が彼に聞いた。
「なんか凄かったです。時間もあっと言う間で…」
薫はニヤリと嗤った。
「この紙にサインをもらえれば、好きな時にこの快感を得られるようになるわよ♪」と紙とペンを差し出す。
彼はほとんど内容も確認せずにサインをしてしまった。「OK」とサインを確認すると、薫は自分に埋め込まれたものと同様なチップを彼の耳の中にねじ込んだ。
「さあ、先ずはダイエットからね♪」と薫は対となっている端末装置から彼のダイエットプログラムの第一弾を送信した。

 

3週間後、見事なプロポーションとなった「元」キモオタ君がスタジオに現れた。
「良く頑張ったわね。」と労うが、99%は耳に装着した装置からの指示で強制的にやらされた結果だった。その中には、永久脱毛や女性ホルモンの服用も含まれているが、見た目には彼が率先してチャレンジしているように映るよう計算されていた。

「何を着る?」薫がカーテンで仕切られた一角に案内すると、彼女はあの時と同じレースクイーンの衣装を手にした。

 

「すごい…」
薫は少し離れた所からフラッシュに包まれる彼女を見ていた。フラッシュの閃光にスカートの中のショーツがキラめいている。彼女の股間には愛液が溢れかえっているのだろう。
彼女の興奮が伝染したのか、薫の股間も潤み始めていた…

 
「こうして、撮られる悦びにいつでも浸れるようになった彼女は、現在モデルとしての職も手にして順風満帆な人生を謳歌している所です。」
薫はプレゼンテーションを締めくくり、マイクを司会者に戻した。

フラッシュの嵐が消えると、元キモオタ君の顔が不満げに歪む。
「まだ、ステージの上よ。」と薫が耳打ちすると「見られている」と言う認識が彼女に快感を取り戻させたのか、妖艶な笑顔が復活していた。

司会者の手招きに応じて二人はステージの袖に行き司会者と並んだ。
「相当痩せられましたね。」司会者の言葉とともに昔の写真の貼られたブラカードがアシスタントに運ばれてきた。
「トレーニングのほとんどが、贅肉を落としては弛んだ皮膚を引き締める事に費やされました。ただ、胸だけは脂肪を落とさずに、逆に今までよりも大きくなるようにしました。」
彼女はヒップからウエストに手を滑らせ、絞られたクビレを強調した後、豊かな胸を持ち上げてみせた。
「それにしても形の良いオッパイですね。」
「そうでしょ?あたしの自慢なんです♪これもみんな薫さんの指導の賜物なんです。薫さんには感謝してもしきれません。」
彼女は眼にうっすらと涙を浮かべていた。
場内のあちこちからバチパチと控えめな拍手が起こっていた。

2010年2月12日 (金)

バレンタイン・プレゼント

「バレンタインにアタシをあげるの♪」

女の子の無邪気な言葉に反応した悪魔がいた。
「よかろう。あんたの作ったチョコレートをもらった男があんたを自由にできるようにしてやるからな。」
悪魔は女の子の耳元でそう囁いていた。

 

 
ショットバーに二人はいた。
女の子はカバンからチョコレートを取り出すと彼氏に渡した。
「これ、食べて良いかな?」
「なんか恥ずかしい♪」
そんな会話の後、男は包みを解いた。
<レイコの全てをアゲル♪>
手作りのチョコレートにはそう書かれていた。当然の事ながら、そのチョコレートは悪魔が細工したものだった。

構わずに、男はチョコレートを食べてしまった。
「な、何か変だ…頭がふらつく…」とチョコレートを食べた男が、彼女にもたれ掛かった。
その途端、男の頭が爆発した…ように見えた。髪の毛が一気に伸びていったのだ。髪は男の腰にまで届く位のストレートのロングヘアとなっていた。
「ね、ねえ、大丈夫?」と女の子が彼氏の肩を抱く。その肩はとてつもなく華奢になっていた。
「ぁ、ああ。何とか…」と顔を上げた。

「あ、あたし?!」

その顔は鏡に写したように、女の子自身と瓜二つであった。
「あれ?声が…」彼氏だった方が喉に手を充てた。細くしなやかになった指が、喉仏の出っ張りがなくなっている事を確認した。
「何が起きたんだ?!」彼女の手が喉から胸に降り、胸の膨らみを掴んでいた。
「何で俺の胸に…」彼女はその変化が肉体だけではない事に気付いた。
胸はブラジャーに包まれており、脚にはストッキングが貼り付いている。服もまた、くたびれた背広からフリルの付いたワンピースに変わっていた。指にはマニキュアが塗られ、顔には化粧が施されていると判った。

「あたし…なの?」と女に問い掛ける。
その声は、いつの間にか「男」の声に変わっていた。
「入れ替わっちゃったのかしら?」
女のバックから着信音がした。女は取り出した。
「それ、あたしの携帯よ。何で貴女が持ってるの?」
男の指摘にも関わらず、キーを押した。
「…もしもし…」
女が言う。
「如何かな?その女の体はあんたのモノだ。あんたはその女の体を自由にできるんだ。彼女からのプレゼントだそうだ。ありがたく貰っておくんだな。」
それは悪魔の声だった。
 

 
二人は店をでていた。
「とにかく、落ち着ける所で話そう。」
男はボーッとしている女を連れて、ホテルに入っていった。
「俺…どうなってしまったんだ?」と繰り返す女。男は女の手からカバンを取り、手際よく服を脱がせた。
「お前はレイコ以外の何者でもないよ。」男は女をベッドに押し倒した。
「な、何すんだよ。俺は男に抱かれる趣味はないぞ!!」と女は拒絶する。が…
「本当に嫌なのか?その身体は何と言っている?淫乱なレイコなら、即に発情するんだろう?」男はフウと女の耳に息を掛けた。
「あんっ♪」
女が艶声を上げた。
「ほら、ココも準備OKだね?」と股間に手を入れ濡れ具合を確かめた。
「ヤメロッ!!」女の叫びは、次の瞬間…
「ああん、あ~~~ん♪」と嬌声に変わっていた。

 

 

(何の捻りもないパターンでした)

2010年2月 9日 (火)

バレンタイン・プレゼント

「バレンタインにアタシをあげるの♪」

女の子の無邪気な言葉に反応した悪魔がいた。
「よかろう。あんたの作ったチョコレートをもらった男があんたを自由にできるようにしてやるからな。」
悪魔は女の子の耳元でそう囁いていた。

 

 
ショットバーに二人の男がいた。一人は紙袋に山と積み込まれたチョコレートを持て余していた。
「良いのかい?女の子達を放って、俺なんかと飲みに来ていて。」
そう言ったのはもう一方の男。ルックスは格段に差がある。
「バレンタインデーだからこそ、特定の女と一緒にいたらどんな恨みを買うかも知れないんでね♪」と白い歯を見せて笑う顔は、女の子達が喜ぶのも頷けると思わざるを得ない。
「まあ、お前には縁のない悩みに付き合ってもらってるんだ。お詫びにコレをやるよ。」と紙袋の一番上にあったチョコレートを渡した。
「良いのか?」と悪びれながらも包みを解いてゆく。
<レイコの全てをアゲル♪>
手作りのチョコレートにはそう書かれていた。当然の事ながら、そのチョコレートは悪魔が細工したものだった。

構わずに、男はチョコレートを食べてしまった。
「な、何か変だ…頭がふらつく…」とチョコレートを食べた男が、もう一人の男にもたれ掛かった。
その途端、男の頭が爆発した…ように見えた。髪の毛が一気に伸びていったのだ。髪は男の腰にまで届く位のストレートのロングヘアとなっていた。
「おい、大丈夫か?」と肩を抱く。その肩はとてつもなく華奢になっていた。
「ぁ、ああ。何とか…」と顔を上げた。

「レ、レイコ?!」

その顔は男が付き合っていた女の一人と瓜二つであった。
「あれ?声が…」男だった方が喉に手を充てた。細くしなやかになった指が、喉仏の出っ張りがなくなっている事を確認した。
「何が起きたんだ?!」彼女の手が喉から胸に降り、胸の膨らみを掴んでいた。
「何で俺の胸に…」彼女はその変化が肉体だけではない事に気付いた。
胸はブラジャーに包まれており、脚にはストッキングが貼り付いている。服もまた、くたびれた背広からフリルの付いたワンピースに変わっていた。指にはマニキュアが塗られ、顔には化粧が施されていると判った。

「レイコじゃないのか?」と男が女に問い掛ける。
「俺には何が何だか解らない。お前がそのレイコさんを知ってるなら、どうなってるのか聞いてくれないか?」
「あ、ああ…」と男は携帯を取り出すと、アドレス帳からレイコの番号を呼び出した。
と、女のバックから着信音がした。取り出して…キーを押した。
「…もしもし…」
女の声が男の携帯に届いていた。
「それ、レイコの携帯だぞ。何でお前が持ってるんだ?」

 

 
二人は店をでていた。
「とにかく、落ち着ける所で話そう。」
男はボーッとしている女を連れて、ホテルに入っていった。
「俺…どうなってしまったんだ?」と繰り返す女。男は女の手からカバンを取り、手際よく服を脱がせた。
「お前はレイコ以外の何者でもないよ。」男は女をベッドに押し倒した。
「な、何すんだよ。俺は男に抱かれる趣味はないぞ!!」と女は拒絶する。が…
「本当に嫌なのか?その身体は何と言っている?淫乱なレイコなら、即に発情するんだろう?」男はフウと女の耳に息を掛けた。
「あんっ♪」
女が艶声を上げた。
「ほら、ココも準備OKだね?」と股間に手を入れ濡れ具合を確かめた。
「ヤメロッ!!」女の叫びは、次の瞬間…
「ああん、あ~~~ん♪」と嬌声に変わっていた。

 

 

 
「…な、何なのよ。この身体は!!」
レイコの部屋の中でレイコだった男がうめいていた。
「どうしたらコレって鎮まるのぉ?」
部屋に充満した「女」の香に、股間のモノが激しく勃っている。
レイコは自らのショーツにくるみ、何度もヌいたが、一向に衰えを見せない。
「あ~ん(;_;)せっかくのバレンタインデーなのにぃ~!!」
レイコの部屋は、野太い鳴き声に包まれていた…

茜色の空…

茜色の空…

俺は土手の芝に転がり、ぼーっと空を見上げていた。
何をすべきなのか?俺の頭は答えを出せずに思考停止状態に陥っていた。

視線を下ろすと、河に掛かる橋が見えた。あの橋をバイクで走っていたのは今朝の事だった。
俺には何の落ち度もない。対向車線から飛び出してきたトラックを避けられるほどの余裕などありはしなかった。次の瞬間、俺は空に投げ出され、橋の下に落ちていった。

次に気が付いたのは、この土手の上だった。
遠くでサイレンが鳴っていた。橋の上にバトカーと救急車が集まっていた。
ダイバーが潜っているのだろう、橋の下に船がいた。
しかし、それも一時の事…河から引き上げられたものが救急車に詰まれる。バトカーの数も半減した。レッカー車がトラックを橋の外に運んでいった。
最後のパトカーが去ってゆくと、橋の上はいつもの日常を取り戻していた。

 

 

では、俺は何者なのだろうか?
俺は答えを出すのが怖くて、土手の上から動こうとしなかった。
橋の上の騒ぎが収まってからは、ゴロリと土手の芝に転がっていた。

 
手がかりはいくつもあった。
脚を揃えると、皮膚が直に触れ合う。つまり、長ズボンではないという事。
首筋や頬に触れる髪の毛の先。刈り込んだ俺の髪ではあり得ない。
髪の毛から漂うコロンの香り。俺のまわりにはタバコのニコチン臭しかなかった筈だ。
胸の周りが締め付けられている。怪我をして包帯を巻かれているのではないと解っていた。
肩からの紐が何かを支えている。
身体を揺らすと胸の上にその動きに抵抗するモノがあった。
肩からの紐は、胸の周りを締め付けるベルトとともに、その抵抗を緩和させようと頑張っている。
俺が視線を下ろすと、ボタンの外れた白いシャツの中に、レースで縁取られた布切れの一部が見えた。
と、同時に俺の胸にしっかりと谷間ができているのが解った。

 
つまり、俺は今「女」になっていると言うことだ…

 

 
いつまでもこのままでいる訳にもいかない。
俺は立ち上がると、パタパタとスカートを叩いた。
傍らに学生鞄があった。俺の着ている服…紺のプリーツスカート、白いブラウス、紺のソックスに黒のローファー…
どうやら、女子高生になっているようだ。

鞄の脇に空になった薬のビンと一通の手紙が置いてあった。
手紙の表には「遺書」の二文字。たぶん、ビンの中には睡眠薬があったのだろう。

つまり、彼女は自殺しようと…いや、自殺は成ったのだろう。魂が失われ、抜け殻となった彼女の身体に、近くで事故にあった俺の魂が入り込んだという事なのだろう。
だから、このまま俺がこの身体を使っても、誰からも文句は出ない筈だ。

俺はまだ生きていたい。どんな形にしろ、死んでお終いにしたくはない。

俺は脳に残っている彼女の記憶を読み取ってみた。
彼女の名前、家族、友達…そして愛していた男の名前と振られた場面が鮮明に蘇ってきた。
(それが、あんたの自殺の理由なのかい?)
俺は彼女の記憶に問いかけてみた。他に理由となりそうな事はなかった。
(生きていれば、もっと良い男に出会えたはずだよ)
俺は彼女にそう言った。

…って、その「男」と付き合う事になるのはこの「俺」なのだと言う事に思い至った。
それも良いんじゃないか?
と俺…いえ、アタシは思った。
アタシを優しく抱いてくれる彼氏を想い描きながら、アタシは家に向かって歩き始めた。

 
街はもう、夜の帳が降り始めていた…

2010年2月 6日 (土)

理想の女(1/2)

「愛してる♪」
宏樹が俺の耳元で囁いた。

「バ、バカか事言うなよな!!俺は男だ。同性に愛なんか囁かれても、背中に虫唾が走るだけだ。」
「そんな可愛い声で言われても説得力なんかないね。」
「だ、誰の所為だ!!」
「それは、芳和がゲームに負けたからだろう?負けた方が今日一日、相手の奴隷になる。そう言う約束だったろう?」
「だからって、ココまで準備しておくかっ!!」
と、俺はフリフリのスカートの裾を摘んだ。

宏樹の命令は「今日一日、宏樹の恋人としてすごす事」。
奴隷はその主人の命令には(生命の危険が伴わない限り)絶対服従なのだ。
だから、俺は宏樹が用意していた女物の服…当然下着も…を着させられ、化粧をさせられ、最期に「変声チョーカー」を首に巻かれた。
そのチョーカーの所為で、俺の声は全て愛らしい女の子の声に変換されてしまうのだ。

「で、どこに行くんだ?」声は変えられても言葉自体には影響がないので、俺はいつも通りのぶっきらぼうな口調で喋っている。
「もちろん、遊園地だよ。ほら、入園パスポートも用意してある。」と2枚の紙っペラをひらひらさせていた。
「最初はジェットコースターな?」
と無邪気に笑う宏樹を見て、俺はフッと「可愛い♪」と思ってしまった。

これって、女の子が彼氏に抱く感情じゃないのか?という疑惑が沸く。
俺はフルフルと首を振って、先ほどの感情を振り払った。

 

 
「キャーーーッ!!」

俺は女の子のように、甲高い声で叫んでいた。
気がつくと、宏樹の腕にしがみ付いている。ブラの下のバストが圧されて変形するくらい強く体をくっつけていた。
慌てて離れようとするが、体が言う事を聞かない。すぐにも次の急降下がやってきた。
「キャーーーッ!!」と再び叫んでは、俺は宏樹の腕に顔を埋めていた…

 
車両から降りる時もまだ、俺は宏樹の腕にしがみついていた。
ようやくその腕が離れたのは、宏樹が買ってくれたソフトクリームを手渡された時たった。
「あぁ、オイシイ♪」俺は舌先でペロリとアイスを舐めあげていた。
宏樹を見ると、男らしくガブリと噛みついていた。宏樹のアイスは即に彼の腹の中に消えていった。

手持ち無沙汰になった彼の視線が、俺のアイスに注がれている。
俺はタラリと落ちそうになるアイスの雫を舌に絡め取っていた。
宏樹の視線が痛いくらいに突き刺さってきた。
「じゃあ、少しなら良いよ。」とその拷問に耐え切れず、俺が手にしたソフトクリームを差し出す…

「あっ!!狡い!」
彼はアイスの先端から半分近くを口の中に入れてしまった。
俺の抗議に…
「判ったよ。じゃあ、可能な限り返してやるから、口を開けて目を閉じてみな♪」
言われた通りにする…

宏樹の手が俺の背中に回され…突然、口が塞がれた。
「んん…」
つめたいモノが俺の口の中に入ってきた。それは宏樹の舌だった。彼の舌が俺の口の中で俺の舌に擦り付けてくる…
(これってキスじゃないのか?)
俺の…初めての…ファースト・キス…
頭の中がボーッとしてきた。

 
それから二人で回転木馬などの大人しめの遊具に乗り、夕暮れが近付いた頃に観覧車の列に並んだ。
順番が巡ってきて、二人の前でドアが開かれる。並んで座ると、カチャリとドアが閉められた。ゆっくりと上ってゆく…
遊園地の施設の高い屋根の向こうに山並みが見えてくる。ゴンドラは更に昇り、近隣を一望できるようになる。
空が紅く染まっていた…
「キレイ…」
俺は思わず呟いていた。太陽が西の山並みに沈んでゆく…
宏樹の腕が俺の肩を抱いた。何故かほっとする安心感に包まれた。
気が付くと、ここはもう二人だけの空間…
俺は宏樹の方を向いた。宏樹もまた、俺を見ていた。自然と俺の瞼が閉じてゆく。
それが何を意味しているか判らない訳ではなかったが、俺は俺の意思でそれを求めていた…

ゴンドラが頂点に上り詰めた時、宏樹の唇が俺の唇を塞いだ…
それは、ゴンドラが地面に近付くまで、延々と続いた。その間、俺はこれまで感じた事のない幸福感に包まれていた。
「記念にいかがですか?」と係りの女性が声を掛けてきた。
彼女の手には写真が…ゴンドラの中で抱き合い、キスをしている男女…俺達が写されていた。
(ハズカシイ?…)
複雑な思いに圧し潰されそうになる。
「お化粧直してくるね。」と俺はトイレに向かった。
何の躊躇もなく婦人用に入っていた。小用だけでも個室に入らなければならない。
用を足して鏡の前に立った。顔は真っ赤に染まっていたと思ったが、大分落ち着いたようで気になるような赤みはなかった。
口紅はやはり落ちていたので、ポシェットの中にあったスティクを使って直しておいた。
他におかしなところがないか鏡ど確認してから宏樹の所に戻っていった。

 

シアターでのショーを見終わると、辺りは暗闇に包まれていた。
ヒューッと音がしたと思うと夜空に光の花が咲いた。
しばらく花火を堪能し、遊園地を後にした。
そのままの流れでレストランで夕食。カクテルを少し飲んだだけなのに、大分酔ってしまった。
「夜風に当たろう♪」と街を歩く。
少しふらつくので肩を寄せる。どこから見ても仲の好いカップルにしか見えないだろう。

宏樹がとある建物の前に立ち止まった。
「ここにしよう。」と俺に言ったのか、ただの独り言なのか?
中に入り機械を操作している。取り出し口に出てきた鍵を手にエレベータに乗った。
ドアを開けるとメルヘンチックな部屋が現れた。大きなぬいぐるみも何体か置かれていた。
「カワイイ♪」と俺が言うと、
「気に入ってくれたかい?」と宏樹…そのまま、中央のベッドに導かれた。

「良いね?」宏樹がそう言い、俺は「ウン」と頷いていた。
再び唇が合わせられる。そして、背中に回った宏樹の手が、ワンピースの背中のファスナーを下ろしていった。
首の後ろのフックが外れ、宏樹は体を離すと同時に、俺の体から服を剥ぎ取っていった。
俺は下着姿で宏樹の前に立っていた。
恥ずかしいので、片腕で胸を隠し、もう一方の掌で股間を被った。
「さぁ、ベッドに…」宏樹に促され、俺はベッドに仰向けになった。
「手をどけて…」手首が捕まれ、胸の上に置いた手が持ち上げられた。
俺には抵抗する事ができなかった。いや、抵抗しようと思う事さえなかった。

宏樹は俺の手を体の脇に置くと、俺の「胸」に手を伸ばしてきた。
ブラのカップの中から、柔らかな肉塊を取り出した。朝はまだ、まっ平で、カップに詰め物をしようかと思ったくらいなのに、昼にはCカップ位には育っていた。今はFカップはありそうな程である。
その先端には苺のような蕾が乗っかっている。宏樹の指がソレを摘むと、シビレるような感覚が背中を走っていった。
それが「快感」であると判ったのは、俺の口から「あん、あああん♪」とオンナの喘ぎ声が漏れたのを聞いた時だった。

「感じているのかい?」宏樹が声を掛けてくる。
俺は何と答えれば良いか判らなかった。ただ、口からは喘ぎ声が漏れるばかりだった。
「じゃあ、脱がすね♪」彼の手がショーツに掛かった。
その時、初めて俺は自分の股間が濡れているのに気が付いた。蜜壺から溢れでた淫汁…
俺の肉体が宏樹の「男」を受け入れるべく、準備を整えていたのだ。
ショーツが外された。
「脚を広げて…」宏樹に言われるがまま、俺は淫らなポーズをとってゆく。
脚が抱えられ、宏樹の肌と触れ合う。
「行くよ♪」宏樹のペニスが俺の膣に入ってきた。痛みはなかった。
不思議な充足感に満たされる…

 
「あん、あん、あん♪」
宏樹が動く度に快感が膨れあがる。俺は媚声で応じる。
「イイのォ…もっと激しく…」
俺は自分が何を言っているのか意識していなかった。

一瞬、宏樹の動きが止まる。
「イくね♪」と宏樹
「頂戴♪いっぱい出してね♪」と俺
その直後、熱い塊が俺の子宮に向けて打ち出されていた。
「あ!!ああ~~~~」
俺は嬌声とともに意識を失っていた…

 

理想の女(2/2)

鏡に写っているのは、紛れもない「女の子」の裸体だった。それは顔の造作や胸に存在する乳房の実在感だけではなかった。
俺の股間にあった「男のシンボル」は失われ、割れ目の奥には膣も形成されていた。
あまつさえ、俺はそこに宏樹の精液を嬉々として受け入れていたのだ。

日付が変わり、罰ゲームは終了した。
俺は「宏樹の奴隷」となる呪縛から解放された。と同時に宏樹と行った行為の数々に赤面し、あわてて宏樹から体を離した。
「な、何をさせるんだよ!!」と俺が叫ぶと
「あ、ああ。12時を回ったんだな。」と何食わぬ顔で宏樹…
更に文句を言おうとした所で、俺は自分の肉体に気が付いた。
「な、何で俺の体が女になってるんだ?確か最初は単なる女装だけだったんじゃないか?」
「お前、変性チョーカーを着けているだろ?」
「あぁ、声を女の声に変えるやつな?」と、自分の発する女声に違和感を感じながら言った。
「それ、声だけじゃないんだ。着用した者の姿をその人の理想とする女性に近づけてゆく。…早まるなよ、チョーカーを外すと、その時の姿に固定されてしまうからな。もちろん、設定年齢もそのままだ。外して姿が固定されると肉体的には老いることはない。」
「不老不死ってやつか?」
「死ぬことはある。が、お前ロリ好きだろう?さっきに比べ大分幼くなってるぞ。そのまま外したら生活に困ると思うよ。繁華街を一人で歩いてたら即に補導されるね♪」
俺は自分の姿を見てみた。あんなに大きかった胸は跡形もなくなっていた。かと言って、それは「男」の胸ではなかった。育ち始めの少女の胸であった。
「じゃあ、さっきのは?」
「お前が俺の奴隷でいる間は、お前自身が俺の理想の女に近づこうとしていただろう?お前の理想が俺の理想にすり代わったから、どんどん巨乳になっていったんだ。」

「元には戻れないのか?」
「あくまでも女に変えるやつだから、男には戻れないな。せいぜいボーイッシュな女の子止まりだろうね。もっとも、お前がそれを理想の女の子としてイメージできればだけどね♪」
俺は立ち上がると風呂場の鏡の前に立ってみた。
今写っているのは俺が理想とする女の子。昼間の女の子は宏樹の理想…に近づこうとした、彼の奴隷であった俺の理想…
もう一度、あの時の気分を思い出す。俺は「男」ではない…彼に愛されている女だ。少しでも、彼の理想に近づきたい…彼の理想の女の子だったら、もっと優しくしてもらえる…もっといっぱい愛してもらえる…俺の理想はもっと乳の大きな女だ!!

 
見ると鏡の中の女の子の胸がFカップに戻っていた…
と同時に子宮が疼きだしていた。
「キャン!!」
大きなバストを抱えようとして、腕が乳首に振れた。何故か俺の体は敏感になっていて、ちょっとの刺激に反応してしまう…
体中から力が抜けてゆき、俺はペタリと床に座り込んでしまった。
「どうした?」と宏樹がやってきた。
俺の視線は彼の股間に釘付けになっていた。
「頂戴♪」突然、俺の口からそんな言葉がこぼれ出た。
指先がズボンのチャックを降ろしてゆく。中から太くて愛しいペニスがこぼれ出る。
俺は状態を近づけ、彼のモノを咥えていた。
「おい、芳和。妄想に呑まれるな。後で自己嫌悪に陥るのはお前なんだからな!!」宏樹の手が俺を引き剥がす。
「イヤッ!!」俺は宏樹を見上げた。ウルウルと目に涙が浮かんでくる。
パシッ!!
宏樹の掌が俺の頬を叩いた。
「正気を取り戻せ。俺が好きなのは、そんな淫乱な娘じゃないぞ。」

 
「でも、キライじゃないよな♪」宏樹のピンタが効いたか、何とか自分を取り戻せたようだ。
俺は立ち上がろうとしたが、依然と敏感な体が少し動いただけで快感の嵐を起こすのだ。
「だめだ。しばらく動けないかも。俺は大丈夫だから、先に寝ていてくれ。」
とにかく、別の「理想の女」をイメージして、この敏感な体を変えるしかない。
宏樹は出ていったが、俺はしばらくそのままじっとしていた。

(俺の理想の女…)
俺の好み…男として恋人にしたい女…ではないのだ。俺はもう「男」ではない。
女の自分の理想…俺はどのような「女」になりたいのだろうか?
女の幸せは、好きな男と結婚し、子供を生み・育て、笑いの絶えない・暖かな家庭を維持する事で良いのか?
俺は女になったばかりで実感はないが、女である限りは俺も妊娠する事になるのだろうか?
昨夕、俺は宏樹の精液を膣に受け止めている。もちろん避妊など考えていなかった。
もし、子供ができたら、俺は宏樹と結婚する事になるのだろうか?

それも悪くはない。
ウェディングドレスを着た俺がバージンロードを歩いてゆく…宣誓し、宏樹の誓いの
口づけを受ける。
二人だけのハネムーン。新婚家庭でのアツアツな生活。やがて生まれてくる子供のための準備をすすめる。
男の子かな?女の子かな?名前はどうしようか?…

幸せな家庭。その時の「俺」はどんな姿をしているのだろうか?
母さんの若い頃の写真を思い出す。母子だからやはり似ているのだろう…

肌の過敏反応はいつしか治まっていた。
俺はゆっくりと立ち上がり、鏡を見た…
(これから、ヨロシクね♪)
俺は…あたしは鏡の中の自分にそう言うと、首に巻き付けてあったチョーカーをゆっくりと外していった…

アナタと一緒に…(1/2)

俺は…

死んだんだと、思う。

 
目の前に掌をかざすと、うっすらと向こう側の景色が見えるのだ。
多分、俺は幽霊になってしまったのだろう。足元も影が薄く、どこか浮いているようにも見える。
考え事をしながら歩いていると、様々な障害物にぶつかりそうになるのだが、俺の体はその障害物をすり抜けていた。
実体がない…まさに「幽霊」だった。

 

「幽霊」になったら何をするか?だれでも一度くらいは考えた事があるのではないだろうか。
とは言っても「透明人間」とは違う。完全に見えなくなる訳ではない。霊感の強い人間にはしっかり見られるし、そうでなくとも「存在」を感じる者は少なくないようだ。
「幽霊」の強みは「障害物に邪魔されない」と言う事だろう。何でもすり抜けてしまう。ドアを開けずに侵入したり、分厚い金庫の壁を通り抜け、中身を見る事ができる。(金庫の中身を持ち出す事はできないけど…)

で、俺がやろうとしたのは「憑依」だった。
他人の肉体を乗っ取り、そいつに成りきるってやつだ。本当にできるかどうか半信半疑だったが、試して損はない筈だ。
とは言っても、見知らぬ人に憑依するのも気が引けたので、親友の五島悟をターゲットとしようと思った。

悟のアパートに向かった。現金の持ち合わせが無かったので、バスやタクシーを使うのは諦めた。が、これも幽霊の特権か、いくら歩いても疲れる事はなかった。
障害物もなんのその、最短コースで辿り着いた。外階段を上り、ドアの前に立つ。
呼び鈴を鳴らそうかと思ったが、これから憑依するのにそんな事が必要か?と思い直し、ドアをすり抜けて中に入っていった。

悟は机に向かって座っていた。腕を組み、その上に頭を乗せて机にうつ伏せている。
一向に動こうとしない。
俺は彼の背後に忍び寄ると、椅子の背もたれをすり抜けて、彼と体を合わせた。
障害物と同様に彼の体の中に俺の手足が入ってゆく。手と手、足と足が同じ位置になるように調整する。
腰を降ろし、彼と同じ姿勢を取る。頭を腕に乗せると、二つの体がビタリと一致した。
グラリ
と眩暈がした。
と同時に、俺は生命活動を続けている肉体を感じた。
頬を押す腕の感触、腕に掛かる頭の重さ、触れ合う肌の暖かさ…
心臓の鼓動を感じる。
息をしている。
腹が空腹を訴えていた。
(悟、お前どのくらい食っていないんだ?)

「憑依」したには良いが、俺は一向に悟の体を…指一本動かせなかった。
何がいけなかったのだろうか?とは言っても憑依のマニュアルがある訳でもない。自分自身で試行錯誤してみるしかないのだ。
が、時間だけが刻々と過ぎていった。

 

ピンポ~ン
と呼び鈴が鳴った。
「あたしよ。悟居るんでしょ?」
ドアの向こうの声の主は悟の恋人の春日沙織だった。
おもむろに立ち上がると、玄関に向かい、ドアのロックを外した。
目の前に沙織の笑顔があった。
「辛いかも知れないけど元気出しなよ。」
ほら、と手に下げたスーパーの袋を見せる。
「何か作ってあげるから、台所借りるね♪」と、勝手知ったるでエプロンを取り出すとてきぱきと食事の支度を始めた。
悟はそんな彼女を見送ると、再び机の前に戻っていった。
その間、俺は何もできずに傍観しているしかなかった。どんなに頑張っても、悟の行動に干渉する事は叶わなかった。

「ご飯できたよ♪」
エプロン姿の沙織が悟に声を掛けた。
「悟がいつまでも落ち込んでいたって、何も変わらないわよ。先ずはご飯を食べて元気を取り戻さなきゃ!!」と悟の腕を引いて食卓に着かせた。
黙ってだが、悟は食べ物を口に運び始めた。彼一人では沈黙に圧し包まれる筈の食卓に、沙織のお喋りが華を添える。
「ねえ、こんな歌があったわよね?お墓の前で泣かないで、私は風になって貴方の側に居るって。だから、彼も近くに居るんじゃないの?もしかしたら、あたしたちが食事しているところも見てるかも知れないわね♪」

悟が沙織の言葉に反応した。
「奴が居る?今も俺の側に…」

 

それがきっかけとなったのだろうか、悟に生気が戻ってきた。
「確かに、奴は今も俺の側にいるような気がする。」
(確かに俺はお前の側に居るよ。側も側、お前自身に憑依してるんだ。)と俺が言っても彼に届く事はなかった。

「手伝うよ。」と悟は食べ終わった食器を台所に運び、沙織が洗い終わった食器を片付けていった。
「ビデオ見ようか?」と沙織。珈琲を淹れ二人でテレビの前に座った。
流れ始めたのは俺の一番好きな作品だった…

 

エンディングのロールが流れてゆく。
「あぁ、もうこんな時間か…」と悟が時計を見上げた。
「そうよ。もう終電は終わってるわ。だから、今夜は泊めてね♪」

大人の男女が一夜を伴に過ごす…
当然のように、その過程には性行為が存在する。
沙織がシャワーを浴び、その後で悟が風呂場に向かう。バスタオル一枚だけの沙織とすれ違うとき、俺はこのまま憑依を続けていてはいけない気がした。
が、俺は悟と伴にシャワーを浴び、濡れた体を拭いて、寝室に向かっていた。

沙織は既にベッドに横たわっていた。毛布の下には一糸纏わない瑞々しいオンナの裸体があった。
「来て♪」
そう言う沙織は、恋人の親友でしかない俺には一度たりと見せた事のない、憂いを秘めた顔を悟に向けた。

俺は傍観者でしかなかった。
繰り広げられる男女の営みを、男性側の視点から余すところなく観察させられていた。
沙織の艶声が頭の中に焼き付いてゆく。
悟と伴に興奮してゆく。
硬くなった凶器で沙織を貫いていた。

「あん…ああ。ああ~~~ん♪」
沙織の嬌声が高まる。
「ああ、イク…イッちゃうーッ!!」
「お、俺も…」
「イ一緒に…」

悟な射精すると同時に、俺は何かに引っ張られるような感じがした。
(離される?)
しっかりと悟に憑依していた筈が、強引に悟の外に押し出されるっ!!
(ま、待てよ!!)
俺の抗議を聞いた者は一人もいなかった…

アナタと一緒に…(2/2)

気が付くと、目の前に悟の顔があった。
「悟?」
俺の声は音となって近くの空気を震わせた。
「何だい?」と悟が優しく問い掛けてきた。
その笑顔は、未だかつて「親友」の俺には見せた事のない類の笑顔だった。

俺はただならない違和感を感じていた…
先ずは声だ。俺の声ってこんなだったか?少し鼻に掛かった甘ったるい声…作ろうとして出来るモノではない。
そして、体に感じる違和感…股間に何か挟まっているような…そして俺の胎の中にある異物の感触…
「今日はどうしたんだい?いつもは気を失うなんて事なかったろう?」と、悟の手が俺の胸に触れた。
「あんっ」と軽い吐息が俺の口から漏れた。乳首が勃っているのを感じる。悟の手が俺の胸を揉み始めていた…

悟から押し出された俺の魂は、どうやら沙織の体に納まってしまったようだ。
快感に気を失っている沙織の代わりに、今は俺が沙織の体を動かしている。
「んあん、ぁぁあん♪」意識せずとも、快感に体が反応し、俺の口からは沙織の喘ぐ声が紡がれてゆく。

既に、悟は十分に回復していた。
「いくよ♪」と俺の上に伸し掛かってくる。彼の熱い肉棒が俺の股間に押し当てられた。
「沙織」であれば、それを拒否する筈はない。
俺は「沙織」として悟のペニスを俺の肉体に迎え入れていた…

 

「沙織」の感度が良いのか、世の中の女性全般がそうであるのか、今の俺には答えを出すことはできなかったが、これまでに経験した事のない強烈な快感に、俺は何度となくイッてしまった。
俺の下半身は悟の精液と、俺が溢れさせた愛液でぐちゃぐちゃだった。そればかりではない。悟に誘われ、俺は俺の口に悟のペニスを咥える事までした。
舌と唇で刺激を与え続けていると、悟の快感が高まり射精に導く事ができた。口の中に吐き出された精液を、俺は美味しそうに飲み下すことまでしていたのだった。

いずれは、悟の時と同様に沙織の意識が戻れば再び傍観者となるのだ。
今度は視点を変え、沙織の目から見た悟を追う事になるのだ。
俺は単純にそう思っていた…

 

「沙織、起きろ。朝だぞ!!」
俺の体が揺り動かされた。声の主は悟だった。俺は未だ沙織に憑依しているようだ。
「起きろよ!!」と悟が言うが、沙織は一向に目覚める気配がない。仕方なく…
「ん?あ、おはよう。悟♪」と、代わりに俺が起きてやった。
「どうしたんだ?いつもの沙織らしくないぞ?」と言う悟に、俺は「沙織」を演じ切る事にした。

沙織は一向に目覚める事はなく、俺は彼女の代わりに生きていくしかなかった。
いくつかの失敗もあったが、俺は何とか「沙織」としてやっていけそうだった。

 

妊娠が発覚したのは、それからしばらくが経ってからだった。
予定日に生理が来たか?など生理を経験した事のない者に気付く訳がない。(沙織の手帳の印が予定日であったと気付いたのは、妊娠が判明してからだった)
その後は慌ただしい日々が続いた。
早々に籍を入れる事になった。結婚式は別に行うが、親達がとにかく籍を入れろとうるさかったし、僕等にしても反対する理由がなかった。(沙織だって反対しない筈だ)
直近の大安の日に市役所に届けを出した。
その足で「俺」の家に向かった。仏壇の前で手を合わせる。
悟は何と言っているのだろうか?

それから先は結婚式に向けて、雪崩のように準備が進んでいった。その合間にも、定期的に病院に通う。赤ちゃんは順調に育っていた。

結婚式の日を迎える。俺はウェディングドレスに身を包んでいた。「母さん」が来てくれた。
「おば様」としか呼べないのがもどかしい。
「来てくれてありがとう。」と言う俺の目から涙がこぼれていた。
「何か自分の娘を嫁に出すみたいね♪」とハンカチで俺の涙を拭ってくれた。

新婚旅行、新居への引っ越し…
そして出産の日を迎えた。

「おぎゃーっ」と大きな声が響き渡った。
「元気な男の子ですよ♪」と俺の腕に生まれたばかりの赤子が抱かされた。

 

 
「俺」の名前を付けられた我が子はスクスクと成長していった。

ある日、彼がこんな事を言った。
「ママ。僕は昔、ママだったんだよ。パパと結婚する事を夢みて一生懸命だったのよ。それを貴女はあたしから奪ったの…」
息子は目の前で手首にナイフを充てた。
「…返してもらうわ。あたしの体!!」

 

 
俺の目の前が真っ赤に染まっていた。
その「赤」に塗れて息子が横たわっている。
「きゃーーーっ!!」と叫んだのは、俺だったのだろうか?

 
俺は再び幽霊に戻っていた。
息子は一命を取り留めた。事件の前後の記憶が残っていないようだが、医者は心配しないで良いと言っていた。

ベッドでは自らの肉体を悟に委ねて快感に浸っている女がいた。
沙織はこれまでのブランクを埋め合わせるかのように、何度もイきまくっていた。
俺は再び傍観者として彼等の営みを見続けていた。
「彼は今もあたしたちの事を見ているのかしらね?」と沙織。
「そんな事はどうでも良いだろう?」と悟。
悟の動きが激しくなっていった。
「あん、ああん、あん♪」沙織も余計に感じているようだ。
「ああ、行くぞ!!」と悟が精を放つ。

それに引きずられるように、俺の魂は沙織の中に没していった。

 

 
辺りは闇の中だった。
と、突然に光が辺りを支配した。
同時に「おぎゃー」と産声が上がった。

「可愛い女の子ちゃんですよ♪」
女の声がした。
俺はゆっくりと瞼を開けた…
目の前に沙織がいた。

「あたしが貴女のママよ。よろしくね♪」
俺が彼女の手に抱かれた赤ん坊になってしまった事に気づくのに、そう時間は掛からなかった。
(これはこれで良かったのかも知れない)
俺はそう思う事にした。
俺の親友とその連れ合い、俺と俺が生んだ息子と、みんな一緒に幸せな家庭が築けるて良いな♪と思う。
今の俺は赤ん坊なのだ。そう思うだけで、それ以上は何もできない。
赤ん坊にできるのは、おっぱいを飲むことと寝ることだけだ。
だから今は寝ときます…おやすみなさ~い♪zzzzz

30過ぎの包茎が罹る病(1/2)

30を過ぎても包茎でいると体に良くない。と言われていた。
馬鹿馬鹿しいと無視していたが、今更後悔しても始まらなかった。

「癒着が始まってますね。」
医者はそう告げてきた。
小便をする際、なかなか出が悪いと思っていた。すぐに医者に行けば良かったかも知れない。
しばらくすると、痛みを伴うようになってきた。我慢できなくなってから医者に見せたところ、そう言われた。それは、30を過ぎても包茎でいると発症すると言われている『後天性半陰陽症』と診断されたと言うことだった。
「包茎の手術をすれば直るんですよね?」と聞くと、
「病状はかなり進んでいるな。今更手術しても手遅れだね。まあ、死ぬ事はないんだから、気を楽にして終わるのを待ってなさい。」とカルテにいろいろと書き込んでいった。
「薬も出しておいてあげるね。化膿止めと痛み止め、ホルモン剤も出しておくから、時間が掛かるようなら服用しなさいね。」
俺はズボンのベルトを絞めながら医者の話を聞いていた。
「それから、トイレは常に個室を使うようにね。尿道口が移動するのはもう時間の問題だ。立っている時に裂けると悲惨な事になるよ。」

もう、立って小便ができない…
最後通告を受けた気分だった。

 
後天性半陰陽症は患者が包茎であった事が暴露されてしまうという、とても恥ずかしい病気だった。
それ以上に患者には、その後に「試練」が待ち受けていた。
包皮が癒着すると、当然のように小便が排出できなくなる。が、この病気は良くできていると言うか、代わりに鼠蹊部を裂き割り、そこに新たな尿道口を作ってしまうのだ。
また、先端が塞がれたペニスは、男としての大切な役割を担う事もできなくなってしまう。用を成さなくなった器官は、当然のごとく委縮してしまう。それはペニス本体だけではない。用済みとなった睾丸もまた、袋の中から姿を消してしまうのだ。
小さくなったペニスの成れの果ては、左右から柔らかな肉がせり上がり女性の割れ目のようになった溝に、その身を隠す。股間の奥でクリトリスのようにして納まってしまうのだ。

そこから先は個人差があるらしい。
多くの症例では、股間に膣のような空隙が穿たれる。十分な深さがあり、女と同じようにソコに男を迎え入れる事も可能である。愛液も分泌され、快感を得ることもあるという。
人によっては、乳房も発達してくるらしい。男なのにブラジャーが必要な程になることも珍しくないと言う。尤も、ここまで来ると体型も女性と同じになってしまうので、「女」として生活してしまう人がほとんどと言う事だ。
中には膣の奥に子宮が出来てくる症例もあった。男性と結婚し子供まで生んだ人もいるらしい。

 

数日後、俺にもとうとう「その日」が来た。
医者に言われた通り、小用でも個室を使い続けていた。
日に日に小さくなってゆくペニス。医者に言われなくとも、摘み出すのも困難となり、当然立って用を足すなど不可能となっていた。
便器に座り、膀胱に溜まったモノを排出する。痛みを我慢して圧力を掛けようとした時…
シャーと便器を打つ雫の音がした。
久しぶりに痛みもなく膀胱が空になる。と同時に、俺は新たな尿道口が出来上がった事を知る事になった。

太股に飛び散った雫を拭こうとペーパーを手に股間を見る。
小指の先程にまで委縮していた俺のペニスは、先端が完全に塞がれていた。
あと2~3日もすれば、股間に姿を隠してしまうのだろう。
濡れた股間を拭いていると、下腹部に微かな鈍痛があった。
便ではないが、何かが排出される感じがあった。
排出されたモノは確実にペーパーに付着したであろう。
引き抜いた手を確認した。

ペーパーは赤く染まっていた…

尿道口の開口に伴って出血があるとは聞いていない。それに、その時に出血したのであれば、便器に溜まった尿にも何らかの異変が見られた筈である。
考え得る可能性は…

生理

なのであろう。
つまり、俺の膣の奥には子宮が出来上がり、正常な活動が開始されていたと言う事だ。
俺は自分の肉体の変化がここまで進んでいるとは思ってもいなかった。子宮が作られるは胸が膨らんでからの事。それも、胸の膨らんだ人のうちのひと握りの人達だけに現れるものだと信じ込んでいた。
胸が男のままの俺は、そこまで変化が進む筈がないと…

ともかく、俺は他の女性達と同様に毎月の役務が課せられたという事は間違いないようだ。

 

30過ぎの包茎が罹る病(2/2)

俺は未だに自分が「女」になってしまった事が受け入れられないでいた。
外見は男のままであり、服もこれまでと変わらず男物を着ている。(生理の時の下着だけはサニタリーショーツのお世話になるが…)
別に声が高くなった訳でもないので「俺」という一人称も違和感がない。普通に「男」として生活を続けていた。

 
「お前、今日暇か?」
課長が声を掛けてきた。俺だけと言うのは珍しいが、課長は部下をよく飲みに連れて行く。
独身だから結構付き合いが良い。ルックスもそこそこなので、女の子達からの人気も高い。
そんな課長と視線が合ってしまった。
何故かポワッと顔が熱くなった。
「大丈夫です。」と答えて即に俯いてしまっていた。

何事も無かったように就業時間が終わった。
「さあ行こうか♪」と課長が迎えにきた。俺は机の上をサッと片付けて立ち上がった。
「おや?デートですか♪」と同僚に囃される。課長はニヤニヤ笑っていた。
「お、男同士ですよ。」と異議を唱えたが、何故か意識してしまっていた。

店は個室だった。密談でもできるような防音構造になっていた。
「まあ、乾杯しよう♪」とカクテルグラスを傾けた。
ベンチシートに並んで座っている。俺が女の子なら、まったくのデートシーンだ。
「体の具合はどうなんだい?」と課長が切り出してきた。
「職制上、君の病気の事は知らされているんだ。何か不便があったら何でも言ってくれ。」
「な、何ともありません。それより、どこまで知っているんですか?」俺は課長から少しでも距離をとろうと、腰をずらした。
「私が知っているのは病名だけだよ。君は見た目が何も変わっていないので、間違いかとも思ったよ。」
「じゃあ、どの程度進んでいるかは…」
「君が教えてくれないと解らないね。せいぜい、トイレで立ってしている所を見ていないので、その病気に罹っていることが確認できたくらいだね。」
「話さないと不味いですか?」
「知っていれば、上司としていろいろサポートしてあげられると思うよ。」

俺は揺れていた。
他人には知られたくないと思う。一方で味方も欲しいとは思っていた。課長なら味方として申し分ない…

「課長…」
「ん?」
「実は俺、生理があるんです。」
ああ、とうとう言ってしまった。もう後戻りはできない…
「重いのか?生理休暇を使えるようにしてやるぞ。」
「それには及びません。ただ、肉体的に…外面はこんなですが…女になってしまっていると言う事実を伝えたかったのです。」
「そうか。ならば、内面的なものはどうなんだ?おしゃれをしたいとか…社則の範囲であれば、化粧をしても、スカートを穿いてきても良いぞ。」
「内面的には…俺はまだ男のままです。気にしないで下さい。」

課長の受け答えが一瞬止まった。そして…
「そうか…じゃあ、性的対象も男ではなく、女のままなんだね?」
「…、それはちょっと違うみたいです。」俺も答えるまでに、少し時間が掛かった。
「女性に対して、以前のように性的な情動が起きて来ないんです。かと言って、対象が男性に変わったのでもないようです。今の俺は性的な欲求が皆無なんです。それこそ、自慰でも性的快感が得られると言うのに…」
「確かにな。その時のオカズが気になるところだが♪」
「俺は発病後は、自慰をしていませんでした。俺の股間にあるクリトリスはペニスが委縮したものです。刺激を与えれば同じように快感が得られる筈なのに、それを行おうとする衝動が起こらなかったのです。」
「しかし、それは未だ何もしていないからとは考えられないだろうか?」
「何もしていない?」
「そう、未開封のお菓子みたいに、製品としては出来上がっているが開けて食べてみなければ美味しさがわからない。美味しいと知らないから封を切らない…そんな所かな?」

「封を切る?」
「例えみたいなものだよ。」
と、不意に課長が俺を抱き寄せた。
「袋を手に取り、封を開ける…」
課長の手が、俺のズボンのチャックを下ろした。
「袋の中に手を入れ、美味しいお菓子を手に取ってみる…」
課長の指がショーツの中に入り、割れ目に触れていた。
「か、課長?!」
俺は驚きに声を上げたが、彼を突き放そうとはしないでた。
「ほら、こうやって優しく揉んであげれば、どんどん美味しくなってゆくんだ。」
俺は課長の胸に頭をもたれていた。
「ぁぁん」と俺の口から甘いような吐息が漏れていた。

チュクッ
と股間で湿った音がした。
「ほら、濡れてきた。ちゃんと使ってあげれば、体は正直に反応してくれるんだよ。」
課長の指の動きは巧みだった。柔らかな刺激が純粋かな快感だけを引き出してくる。
「あぁん♪」たまらずに喘ぎ声が漏れる。
「何で課長はそこまでしてくれるんですか?」
俺の問いに彼は言葉では答えず、俺の手を彼の股間に導いていった。
俺の指を使ってチャックを下ろさせる。ズボンの中に導てゆく。パンツの上から、彼の股間に触れさせた。

そこには割れ目があった。

指先に感じる布の感触は女性用のショーツに違いなかった。その下には男性の持つ独特の膨らみは存在しなかった。そして、割れ目に張り付いた布地は、暖かな湿り気を帯びていた…
「課長も?」
「そう。後天性半陰陽症だ。当時はそんな病名もなかったけどね。」
今度は俺の指をショーツの中に導いた。
「君と違って、生理なんかはないが、ちゃんと感じる事はできるんだよ。」
と俺の指を割れ目の中に送り込んだ。
「君はまだ、女を体験していないのだろう?だから、そこで女性化が止まっているんだ。蕾のままで朽ち果てるのはもったいない。まだ30なんだ。華を咲かせるにも遅くはないよ♪」

 

 
俺は課長に連れられてホテルの一室にいた。
互いに裸で鏡の前に立っていた。二人とも同じような体である。股間には割れ目があり、すね毛の無くなった脚と伴に下半身は「女」だった。
上半身は男とも女ともつかない。男のような平らな胸。しかし、女のように体毛は薄く、胸毛などは一本も生えていない。
「ほら、見てごらん。」と乳首に注目させられた。
「小さいけど、膨らんでいるよ。刺激を与えれば、どんどん大きくなってゆくんだ。」

そしてベッドに誘われる。
「どこが感じるかは私が知っているからね♪」と言う課長に責められ、俺は「女」の快感に翻弄された。
何度か絶頂を迎えていた。いつしか、俺の喘ぎ声はオクターブが上がり、女の喘ぎ声そのものになっていた。

「次はコレを使うね♪」
取り出されたのはレズ用…女同士で使うための性具だった。
「いくよ♪」と声を掛けられる。
俺の膣に性具が挿入されてきた。
痛みはない…
ただ、快感だけが俺を揺さぶる。
「あん!!あ、あ~~~っ♪」
俺の上げる嬌声が、部屋の中に響き渡った…
 

 

 

「今夜どうだい?」
今日も課長が声を掛けてきた。
彼と視線が絡まる。それだけでOKの返事になる。ポワッと体が熱くなるのは悦びを知ってしまったから…
「大丈夫です。」と答える。
「おや?デートですか♪」と同僚に囃される。
「ええ、そうよ♪」
俺はブラジャーに包まれたFカップの胸を揺らしてやった。
女の快感を知ってから、俺の肉体は一気に女性化した。今ではもうスカートを穿き「女」として生活している。
俺は机に向かいコンパクトを取り出した。
夜に向け、入念な化粧のチェックを始めるのだった。

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