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2009年8月12日 (水)

無題

 

その薬はゆっくりと効いてくるんだ。
最初は身体がポカポカと暖かく感じるだけだが、それは次第に疼きに変わってくる。
その疼きは何だか知っているかね?
それは、女性が性的に興奮した際に、内性器の発する「男」を求める信号と同じものなんだよ。もちろん、君には膣も子宮も持ってはいない。
しかし、肉体は確実に反応してゆく。熱気が股間に集中してきただろう?太股の内側がヌルヌルとしている。君は単なる「汗」だと思っているだろうが、これは正真正銘の「愛液」なのだよ。
君には膣がないが、オンナの疼きが股間の汗線を改造して、愛液を滴らせているんだ。

良く見てごらん♪
君は性的に興奮しているにもかかわらず、ペニスは一向に勃起してこないだろう?それはオンナの快感には自らのペニスは不要だからね♪
君に必要なのは、君のオマンコに突っ込んでもらえるペニスだよね。でも、君にオマンコはないから、たとえこんな張形でも入れる事はできないんだ。

おや?どうしたんだい。君の視線は張形を追っているね。あぁ、口から涎も出ている。これを口の中に入れて欲しいのかね?
君は「男」のくせに、偽物とは言えペニスを咥えたいのかい?
そう、そんなに欲しいのなら挿れてあげよう。けれど、一気には入れてあげないよ。最初は舌でまんべんなく君の唾液を刷り込むんだ。そうしたら、先端を唇に挟む事を許してあげよう。

だんだん興奮してきただろう?ほら、君のペニスも硬くなってきた。勃起したとはいっても、大きさは小指の先にも満たなくなってしまったがね。
良く見てごらん。これはもう、女のクリトリスと言っても通じるだろう?
金玉がどこにいったか気にしているね。大丈夫。消えたりなんかはしていないよ。君の腹の中に昇って、必死になって卵巣になろうとしているところだ。
君も感じる事ができるだろう?君の腹の内には未熟ながら子宮が形作られてきている。
股間にできた割れ目から、奥に向かって穴が穿たれようとしているだろう?それが子宮と繋がれば、一人前の膣が出来上がるんだ。

すでに、お前の股間は愛液でどろどろになっているね♪膣がどの程度出来上がっているか、この張形で確認してあげよう。
ほら、M字に脚を広げるんだ。
おや。お前の股間はもうすっかり女のモノになっているじゃないか。肉襞が男を求めてヒクついているぞ。
このペニスは偽物だが、お前はもう欲しくてたまらないのだろう?今、挿れてやるからな♪

良い声で鳴くじゃないか♪お前はすっかり女になったようだな。
それも、男のモノを欲しがる淫乱女だ。どうだい?本物が欲しくてしょうがないだろう♪
大丈夫だよ、すぐに胸も膨らんでくるからね。そうすれば、そこにあるセクシーな衣装もぐっと引き立つよ。
顔も化粧で少しはみられるようになるから、街角に立てば男の方から寄ってきてくれるさ。適当に選んで、ホテルに連れていってもらえば良い。
なんなら、その場で物陰に隠れてシたって良いんだよ♪

ひとつだけ注意しておきなさい。
この薬は昼の12時で効果が切れるからね♪シンデレラではないけれど、君の肉体は一気に元に戻ろうとする。
街中で戻れば、君の女装姿を公衆に晒すことになる。もちろん、男とヤッてる時に戻ったら、もっと悲惨な事になると思うね♪

じゃあ、いってらっしゃい。健闘を祈りますよ♪
薬が欲しくなったら、いつでも私を呼び出してくださいな。貴女をとことんまで墜してさしあげますよ。
それが私達「悪魔」の仕事ですからね♪

当直(1/2)

 

恒星が流れ去ってゆく。
ブリッジの当直は定刻に各計器が異常を検知していない事を確かめるだけで、至って暇な仕事である。ただ、寝てしまう訳にもいかないので、窓の外を流れてゆく恒星を眺めていた。光の速さの数百倍という速さではあるが、宇宙の広さからすればカタツムリの歩みより鈍いとされている。
どこをどう飛べば良いかは、船長と頭の良い航海士の方々に任せておけば良い。
俺は機関助手として任せられた機械のメンテナンスとローテションで巡ってくるブリッジの当直がこなせれば、一人前の給料をもらえるのだ。

 
「よう♪調子はどうだい?」
声を掛けてきたのは航海助手のカイリだった。
「まだ交代には時間があるけど?」彼はローテションで俺の次に当直になるのだが、引き継ぎには5分も掛からない。まだ交代までは一時間近くあった。
「面白いゲームが出来たんで教えてあげようと早めに来たんだ。」カイリは船内コンピュータを勝手に使って色々な事をしている。中には作業の効率化につながるものもあったので、船長も黙認している状態であった。
「ゲームって?」
「まあ、暇潰しみたいなものだよ。一応、スコアが表示されるけど、ゲームをすることが快感につながるんだ。」
「どうやってアクセスすれば良い?」
「試してくれるのか?MAPで俺の部屋を叩いてみてくれ。GAME STARTと言えばすぐに始まるようになっている。」
「中身は教えてくれないのかい?」
「それはやってからのお楽しみと言う事にしておいてくれ。」

 

他愛もないお喋りをしていると、時間の経つのも早い。すぐにも交代の時間になった。「たっぷり楽しんでくれ♪」と言うカイリに送られ、俺は部屋に戻っていった。
早速、端末にMAPを表示させる。カイリの部屋に移動し、ドアを叩いた。キーワードの問い合わせがあり、俺がGAME STARTと言うと、カイリの作ったゲームが始まった。

「おい、大丈夫か?」と肩を揺すられていた。
カイリだった。俺はゲームをしながら、いつの間にか眠っていたようだ。
「86点か。まだまだのようだが、その状態ではゲームの感想は聞けそうにないな。」
「悪かった。本当にゲームの中身は全く覚えていないんだ。ただ、物凄く気持ちが良かった事だけは覚えているんだ。」
「まだまだ改良しなくてはな。出来たらまた知らせるから、その時はよろしくな♪」そう言ってカイリは出ていったが、俺はゲームによってもたらされた快感の余韻に包み込まれていた。
本当にゲームの中身は何も覚えていなかった。しかし、あの快感を考えたら、それは些細な事でしかなかった。
次第に快感から醒めてゆく…

俺は再び端末に向かっていた。

 

そこはカイリの部屋の中だった。
「もう一度言ってごらん♪」
「アタシはご主人様の奴隷です。なんなりとご用を申し付けください。」俺はカイリの前に頭を下げていた。
「そう。素直にしていれば、さっきみたいに気持ちよくさせてあげるよ。」
「ハイ♪」俺が喋っているのだが、それは愛らしい女の子の声みたいだった。
「こっちにおいで♪」カイリに促され、俺は彼の前に跪いた。「さあ♪」と彼が言うと、「はい、ご主人様。ご奉仕させていただきます。」と、俺の意思とは別に肉体が動いてゆく。
「抗わずにいれば、すぐにも気持ちよくなるからね♪」カイリの言う通り、肉体の行動を阻止しようとすると猛烈な不快感に襲われた。仕方なく、肉体の行動に任せると、次第にポカポカと体が暖かくなってきた。
安心感、多幸感に満たされてゆく。俺の手はカイリのズボンから彼の逸物を取り出していた。ゆっくりとソレを口に咥える。
ドクリと心臓が脈打った。快感が増している。刺激を与えると、俺の口の中でカイリが硬くなってゆくのが解った。
「良いぞ♪じゃあ、プログラムに任せずに自分からやってみな。」

そう、今までの行動はすべて俺の意思ではない。プログラムが勝手に俺の肉体を動かしていたのだ。
俺が自らの意思で舌を動かした。プログラムに逆らおうとしない限り、俺の肉体は素直に俺の意思に従ってくれた。
裏側の筋に沿って舌を這わせた。舌先で袋の中の玉をつつくと、ジワリと下半身に熱いモノがこみ上げてきた。
「良いよ。ポイントも100を超えたみたいだね。これからどんどん気持ちよくなっていくよ♪」とカイリは俺の頭に手を掛けると彼の股間から引き剥がした。
「服を脱いでベッドの上にあがるんだ。」カイリの指示に、俺は「ハイ♪」と立ち上がった。着ていたものを脱ごうとして、俺は戸惑ってしまった。
普段、俺達は所定の船内服を着ている。船内服にはツナギの男性用とミニ丈のワンピースの女性用がある。今、俺が着ていたのは女性用の船内服だった。
俺が何もできないでいると、プログラムが勝手に背中のファスナーを下ろし始めた。袖口から腕が抜けると船内服が床に落ちる。胸元を見下ろすと、俺の胸には男にはあり得ない膨らみがブラジャーに包まれていた。
「下着も取るんだ。」カイリの指示に従い、ブラジャーを外した。もう一方の下着にも手を掛ける。こちらも女物のショーツだ。両足を抜いて手にしたショーツは暖かく、股間の布は湿り気を帯びていた。
「そう、それは君自身の愛液で濡れたんだよ。さあ、ショーツを置いてベッドの上に座るんだ。」
部屋の造りはどこも同じである。壁から張り出した台の上にマットが敷かれている。カイリに向かい合うように座ると、背中が壁に付いてしまう。
「良く見えるように脚を広げて♪」今の俺の股間にはペニスはない。彼は俺の女陰を見ようとしているのだ。恥ずかしさに頬が紅潮するが、俺はプログラムに従って脚をM字に広げていた。
「自分の手で慰めてごらん♪」カイリに言われ左手が股間を覆った。中指が曲がり、指先が股間に触れる。
そこにある濡れたモノは男にはある筈もないモノであった。ゆっくりと指が肉のあわせ目に潜り込んでゆく。同時に、俺の股間からは侵入してくるモノがあることを伝えてきた。
ジュン!!と俺の膣が愛液を滴らせた。
指が一気に付け根まで挿入される。
新たな快感が湧き起こる。「あ、ああん♪」俺は甘い吐息を吐いていた。
「そうだ。そのまま指を動かすんた。」俺はカイリに言われるがまま、指を動かした。
「ああん、ああん。」次から次ぎに湧き起こる快感に俺は我を忘れていた。
「あん、ああん♪な、何か来る?」俺はうわごとのように呟いた。
「お前は感じ易いんだな。それは女のオーガスムだ!!」
お、俺は男なのに女のオーガスムを体感しようとしている?な、何なんだこの感覚は?
「アッ。イ、イクッ!!」

当直(2/2)

 

俺の上に誰かが伸し掛かっていた。カイリだった。俺は股を開き、股間の蜜壺にカイリを受け入れていた。
俺の膣の中をカイリのペニスが動いていた。そこからは泉のように快感が湧いてくる。カイリの動きに合わせて俺も腰を揺らすと、更に快感が増した。
「気がついたかい?」とカイリ。「女の快感は凄いだろう?そして、自分からソレを求めれば更に快感が増す事も解ってくれたと思う。」
俺はただ首を縦に振った。「じゃあ、僕が下になるから騎乗位でやってみな♪」カイリはごろりと体を入れ替えた。カイリのペニスを咥えたまま、俺は彼の上に跨る形になった。
自ら腰を振ると、俺の中でカイリのペニスが動いているのが解る。乳房の先端ではピクピクと乳首が疼いていた。両手を胸に当て、指先で乳首をつまみあげた。「ああ、ああ~~~!!」あまりの快感に俺は嬌声をあげていた。
「凄いだろう?この船の女の乗組員には当直は回らないんだ。何故だか知っているか?俺達が当直している間、上官達とこんな風に気持ち良い事をしているからだ。不公平だと思わないか?」
俺の頭は快感の波に揺さぶられ、カイリの言葉の意味までははっきりと捕らえる事はできなかった。ただ、不公平という言葉だけが残っていた。女達はいつもこんなに気持ち良い事をしていたのかと思うと腹が立ってきた。
「気持ち良いコトの一人占めはだめよね♪」俺は腰を揺すりながらそう言った。
「そうそう♪」とカイリ。「だから、非番の時はいつでもこのゲームにアクセスしてこいよ。」
俺は「ウンッ♪」と返事をすると、更に激しく腰を揺すった。「良い娘だ。ご褒美をあげよう♪」とカイリも腰を上下させ始めた。「行くよ。」の声と共に熱い塊が俺の膣に放たれた。
「あ、あっ、ああ~~ん♪」
俺もまた絶頂に達し、嬌声とともに意識を失っていった。

 

「おい、起床時間だぞ。」とカイリに肩を揺すられた。
俺は素裸でベッドに寝ていた。そこがカイリの部屋のベッドである事に気付くまで、しばらくの時間が掛かった。
「ほら、早く服を着ろよ。」と船内服が差し出された。その上には下着が乗っていた。
俺は何の疑いもなく、ブラジャーを手に取ると胸の膨らみを覆い隠していた。

「今夜もよろしくな♪」
カイリに見送られ部屋のドアを開ける。
俺は一旦、カイリを振り返った。
「もちろんよ♪」
俺はカイリにキスをすると、彼の部屋を後にした。

 

 

 

今夜も退屈な当直の時間がやってきた。
定刻に計器を確かめてレポートにチェックを入れた。後は次の時刻まで暇な時間となる。
俺は窓を見つめた。
俺の目には流れ去ってゆく恒星達は映ってはいなかった。窓は鏡のように「俺」の顔を映し出していた。
船内服のポケットの中から、カイリにもらった口紅を取り出した。

「可愛いって言ってくれるかしら?」
俺は窓に映る自分の唇に、口紅を塗っていた…

翠(1)

 

「よろしく♪」
と手を伸ばしてきたのは姉さんの婚約者になった男だった。
俺は何も言わず、手だけ差し出した。彼は姉さんが喜びそうな白い歯を輝かせた笑顔を俺に向けた。

姉さんはメンクイである。顔が良ければ、性格も知性も二の次となってしまう。数々の男性遍歴の果てに、ようやく両親が結婚を認めたのが、この飯島博章であった。
この男の顔は何度か写真で見ていた。実際に会ってみると、何か危険な感じがした。どこがどう危険だと言えないでいるうちに、結納の儀式が進んでいった。
「ヒロアキ♪これが弟の裕也よ。」と姉さんが最期に俺を紹介した。形式的な握手の筈が、彼の掌に握られた途端、背筋を冷たいものが走っていった。

 
それからは、彼はちょくちょく家に顔を出してきた。もちろん姉さんのデートのお迎えだ。家には上がらず即に出ていってしまうので、俺は部屋に篭もって顔を会わせないないようにしていた。
しかし、その日はまったく違っていた。両親も姉さんも出払っており、俺一人が家に残っていたのだ。
「姉さんはいませんよ。」と言うと、「今日は裕也君に用があるんだ。」と家の中に上がり込んできた。
「どうしても、裕也君でなければ出来ない用事なんだ。」キラリと彼は姉さんを参らせた輝く歯を俺に向けた。
「もともとは翠からの頼みなんだ。今、彼女は手が離せない状態なんだ。だから、代わりに僕が君を迎えに来たんだ。良いね?」と俺の腕を掴んで玄関に向かった。
外に出ると博章さんの車が待っていた。助手席に座らされた。いつもはここに姉さんが座っているのだろう。
「シートベルトは良いかな?」と、いつも姉さんにそう言っているのだろう。俺が「大丈夫です。」と運転席を見る。姉さんはいつもこの向きで博章さんを見ているのだろうか?

 

車はかなりの距離を移動していった。やがて木々に覆われた山の中に入っていった。
途中、湖畔のドライブインで食事をした。
何故か、店員の案内を拒否して店の中を歩き回ると、最も目立つ場所に席を確保した。
料理の注文にも事細かに確認するので、即に店中の注目を浴びていた。食事の後も併設のショップで姉さんに贈るのだろう、アクセサリーを長い時間品定めして回った。

あからさまなアリバイ工作めいた事をした後は、これといった寄り道もせずに、更に山の中に入っていった。
別荘の点在する森の中を進む。車は更に森の奥へと進んでゆく。しばらく人家が途絶えた先にポツンと一軒の家が建っていた。
車は、その家の前に止まった。

 

博章さんに連れられ、家の中に入った。玄関の先には、広いリビングがあった。そこのソファの上には先客がいた。
「お、俺?!」
そこにいたのは、鏡に映したように「俺」にそっくりな男だった。
男はニヤリと嗤った。「良く出来ているだろう?」俺の姿をした何者かがそう言った。そいつは後頭部に手を掛けるとグイと皮膚を引き裂いた。マスクが外れると、中から現れたのは博章さんだった。
俺は俺の腕を掴んでいる男を振り返った。彼もまた博章さんだった。
「ひ、博章さんが二人?!」

「今はそう言う事になるな♪」俺の腕を掴んだ方の博章さんがそう言った。「しかし、彼はすぐまた別人になってしまう。だから、僕が本物の博章となるんだ。」

「裕也君。彼の正体が解るかな?」と俺の「皮」をソファに残してもう一人の博章さんが立ち上がった。「翠さんだよ♪」
隣にいる博章さんを見上げると、白い歯を輝かせて笑っていた。
「彼女はメンクイが高じて、自分自身がイケメンになる事を選択したんだ。そのために、いろいろと画策してきたようだ。僕との婚約もその一つだった。」と彼がもう一度後頭部に手をかけると、
「だめよ!!明日まではそのままと言う約束でしょ?」と姉さんだと言われた博章さんが割り込んできた。

「で、俺に何をさせようとしてるんだ?」
俺は二人の博章さんを交互に見ながら言った。
「君も薄々は気づいていると思うがね♪皮はこれだけではない。もう一枚用意されている。」と俺の「皮」を被っていた方の博章さんが、そのもう一枚の「皮」を取り出した。
「これは翠さんの皮だ。裕也君にはこの皮を着けて翠さんの替わりをやってもらいたい。」
「な、何で俺なんだ?博章さんがやっても良いんじゃない?」

「簡単な事よ。彼に翠の皮を被ってもっても、親戚の集まる結婚式ではボロが出てしまうわ。あんたなら知らない親戚はいないから大丈夫でしょ?」
「俺が姉さんの替わりに結婚式に出るのか?」
「素敵なウェディングドレスよ。あんたにも良く似合うわよ。」と白い歯を輝かせて俺に微笑み掛けてきた。

俺はウェディングドレスを着てバージンロードを歩いている自分の姿を想像してしまった。祭壇の前で俺を見つめていたのは博章さんだった。
「あんたもメンクイだから丁度良いでしょ?」「お、俺は男だ!!」
俺は頭に浮かんでいた妄想を首を振って振り払った。「恋愛対象は女の子だからな。」
「そうかしら?」と姉さんは博章さんの顔でクスリと笑った。「女の子になったら即に考えは変わるわよ。解らないなら、たっぷりと教えてあげるわ…あんたがオ・ン・ナ・ノ・コだって♪」

俺は男だ!!と抵抗したものの、あっと言う間に服を脱がされ、姉さんの「皮」が手渡された。
背中のスリットから脚を入れる。指の位置を合わせると、腰までがすっぽりと皮に包まれた。腕を入れると、肩まで皮に包まれた。最後に頭を被せる。
目、鼻、口の位置を合わせた。後頭部のあわせめが閉じられると、一瞬めまいに襲われた。
次の瞬間「皮」は俺の「皮膚」になっていた。「皮」を着ているという違和感が無くなっていた。

今の俺の胸には二つの膨らみがあった。完全に俺の「皮膚」となった「皮」は、乳首の先まで感覚を持っていた。「どうだい?本物のオンナの肉体は♪」博章さんが背後から俺を抱き締めた。
「あ、ああん♪」乳首を摘まれただけだが、俺は思わず喘いでしまった。
博章さんの手が俺のバストを揉みしだく。「オンナ」の快感が俺を襲い始めた。性的な快感に反応して硬くなる筈のペニスは、股間から失われていた。
そこには女の割れ目が穿たれていた。ペニスが先走りを滴らせる替わりに、割れ目の奥から愛液と思われるモノがにじみ出てきていた。

お、男なのに…
俺は博章さん手技だけで軽くイッてしまったようだ。

鏡の前に連れて来られた。
鏡には博章さんに責められる俺の姿が鏡に映し出されている。鏡に映っているのは姉さんと博章さんである。
しかし、淫陶なオンナの顔をした「姉さん」は「博章さん」な姿をした姉さんに責められ、喘いでいる俺自身だった。
 

ベッドに連れて来られた。そこには全裸の博章さんが待っていた。
「これから、たっぷりオンナの快感を教えてあげるわね♪」
ベッドに上がると博章さんの頭を胯ぐように座らされた。姉さんの手が俺を身動きできないように拘束する。博章さんの舌が俺の股間を舐めあげた。
ゾクゾクするような快感が背筋を昇ってくる。「我慢は体に毒よ。素直に声を出しちゃいなさい♪」
我慢するまでもなく、俺はすぐにも嬌声を上げ始めていた。俺は二人の博章さんに、思い切り「女」の快感を教え込まれていった。

翠(2)

 
「しばらくは僕が君の替わりをするからね。」そう言って博章さんは再び「俺」の皮を着け、「俺」が俺の着てきた服を着ていった。
俺は、広いリビングのソファにぐったりとして、彼らの行動を眺めていた。

彼らの準備が一通り終わると、ソファから起こされた。
「じゃあ、服を着なさい。」と服が差し出された。その上にはブラジャーが乗せられていた。
ブラジャーを着けると、その重みが肩の紐で分散されるのを感じた。
ショーツを穿く。俺の股間には今や不自然な突起はない。ショーツの布がピタリと下半身を被っていた。

ふうっ、と首筋に息が吹きかけられ、「ヒャン♪」と声を上げてしまった。
「翠は感じ易いなァ♪」と背後から博章さんに抱き付かれた。
鏡には姉さんの服…スカートを穿いた俺の姿が映っていた。責め続けられて女の快感に敏感になっていた俺は、ガクガクと膝が揺れ崩れ落ちてゆく…
落ちてゆく俺を博章さんの逞しい腕が支えてくれた。「ありがとう。」と言っている間にも、スカートが捲られショーツの隙間から博章さんのペニスが侵入してきた。
俺は鏡に手を掛け上体を支えた。条件反射のように尻を突き出す。博章さんのペニスが俺の中に入り込んできた。俺は女のように快感に喘ぐのだった。

 
「時間が無いよ。」「俺」の姿をした博章さんが声を掛けてきた。「仕方ないな。」と俺はつながれたまま、車の中に運び込まれた。
「運転は頼むよ。」と博章さんは俺を膝の上に乗せて後部座席に陣取っていた。その間も手は愛撫を休まなかった。
いつの間にか、股間は愛液にあふれていた。
「これは凄いなズボンも濡れてしまうぞ。」と一旦俺を脇に置き、ズボンを脱いだ。俺もショーツを剥がされると、再び彼の上に座らされた。

 

 
車は早朝の空いた道を走っていた。ときどきすれ違う車の中には、後部座席で重なっている男女の姿を見てハンドルをふらつかせるものもあった。
博章さんはシートベルトのように俺の腰を押さえている以外は何もしていない。それでも車の振動とともに俺の中にあるペニスが微動する。道路に段差があると、俺の中のペニスが刺激を与えてくる。
「ああん♪」その度に、俺は小さく喘ぐのだった。

博章さんのペニスは萎えることはなかった。もともと女性である姉さんが「皮」を被っているだけであるので、本物の男とは違い幾度となく射精しても尽きる事がないのだ。
「ああっ!!」俺の中でペニスが脈動した。博章さんの精が吐き出されると同時に、俺もイッてしまう。
俺の膣は博章さんの精液であふれかえっていた。

「いい加減にしておいた方が良いんじゃないか?」車を運転する「俺」が言葉を挟んだ。「いくら結婚するからといっても、今からSEX漬けだともたないと思うよ。」
「そ、そうね。翠があまりにも可愛かったから、我を忘れてしまったわ。」と俺の股間からペニスを抜き取ると、脇に降ろした。
「かなりグショグショになってるね。」とタオルで自らの下半身を拭き取り、ズボンを穿き直した。
「しばらくはココでじっとしているんだ。」と後部座席に俺を寝かせ、その上から毛布を掛けた。「俺」は助手席に移動し、博章さんがハンドルを握った。

 

いつの間にか寝てしまっていたようだ。
気が付くとベッドの中にいた。そこは姉さんの部屋だった。
起き上がる。
俺は姉さんのパジャマを着ていた。俺の胸にはバストが存在し、股間には何もない事が確認された。
いや、股間には女の性器があり、俺はそこに博章さんのペニスを受け入れた感触を覚えていた。
クローゼットのドアを開け、鏡に顔を映す。それはどこから見ても姉さんの顔だった。

 
ドアを開け、廊下に出た。
となりの部屋…俺の部屋のドアを開ける…

「な、何だよ姉さん?勝手に入って来るなよなっ!!」
そこには「俺」がいた。
「こ、ここは俺の部屋だ。出ていってくれ。」
「何言ってるんだよ。姉さんの部屋は隣だろ?それに、いつまでもそんな格好をしていると博章さんが来てしまうよ♪良いの?」
そんなやりとりをしている間にも、博章さんの車の音が聞こえた。

「翠~。博章さんがいらっしゃったわよ~♪」
母さんの声がした。
「ほらね♪さあ、部屋に戻って着替えなくちゃ。ちゃんとお化粧もするんだよ♪」
「お、俺は姉さんじゃない…」

「誰が見ても、君は翠だよ。」
不意に後ろから声がした。博章さんだった。
「僕はひきこもりをしてるから、後はよろしくね♪」と「俺」はバソコンに向かってキーを打ち始めた。
「君はこっちだ。」と博章さんが俺を姉さんの部屋に連れ込んだ。
彼の後ろでドアが閉まった。
「夕べは良く眠れたかい?」と白い歯を輝かせて俺に笑顔を見せる。
「姉さん?本当に入れ替わりなんかできると思ってるの?」俺は見上げるようにして博章さんの顔を見た。
「チッチ。僕は博章だよ。君の婚約者だ。君の姉さんになった覚えはないし、第一、僕は男だ。」
「だから…」
「裕也君は隣の部屋にいるでしょう?それに俺なんて一人称は似合いませんよ。貴女は女性なのですから。」
「俺は…」
「どこが男の子ですか?おちんちんはありますか?第一、昨日僕に貫かれてヒイヒイ悦んでいた娘はどなたでしたっけ?」
俺はもう、返す言葉を失っていた。

 

「さあ、先ずは着替えですね。」と博章さんは勝手知ったる姉さんのクローゼットから、愛らしいピンクのワンピースを取り出してきた。
俺がブラやストッキングと格闘している間に、鏡の前に化粧品が並べられていた。
ワンピースの背中のファスナーを上げてもらうと、鏡の前に座らされた。「明日からは一人でできるようにしておけよ。これを端から順番に使うんだ。」
俺は始めての化粧に戸惑いつつも、鏡の中でよそ行きの姉さんの顔が出来上がってゆくのを興味深く眺めていた。

翠(3)

 

気が付くと、もう結婚式の当日になっていた。
朝早くからあわただしく、前取りの写真の為に何度も着替えさせられていた。
ようやく気持ちが落ち着いたのは式場の大きな木製の扉を前にした時だった。
俺の隣には正装した父さんが立っていた。俺は純白のウェディングドレスに包まれている。荘厳なパイプオルガンの音とともに扉が開かれると、祭壇の前にいる博章さんに向かってバージンロードが続いていた。

姉さんの目論見通りに「翠」は博章と結婚する事になった。今では俺も「翠」でいる事に慣れてきている。
お化粧もファッションも楽しむ余裕さえでてきている。すべては博章さんに抱かれる快感があればこそなのだ。
結婚する事で、博章さんとは毎晩一緒にいられるのだ。

俺の目の前に博章さんの顔があった。
フッと目元が潤んでいた。
「翠…」
呼びかけられ、俺は「ハイ♪」と応えていた。
博章さんの逞しい腕が俺を抱く。「このままヤッてしまいたいね。」と耳元で囁かれた。「…」俺は何も言えず顔を紅らめたが、同時に股間をたっぷりと潤ませていた。

 

 
更に1ヶ月後、ひきこもりを続けていた「俺」が失踪した。
博章さんからは予定の行動だと聞かされていたが、両親には心配を掛ける事になる。
「本物の裕也はここにいる!!」と叫びたかったが、それが許される筈もない。
それ以上に、予想外の事態が俺の身に降りかかってきていた。

俺が「妊娠」していると言うのだ!!

「皮」は「皮」でしかない。中の俺自身は男なのだ。どうやったら妊娠できるのか解らなかったが、俺の腹の内には、子宮や卵巣などひと揃いの女性器が正常に機能しているらしい。妊娠していなければ、毎月生理を経験していた筈だと言う。
俺にはいまだ理解できていないが、つわりが来るまで妊娠に気づかなかった事を責められてしまった。

 

 
両親は黙っていたが、「俺」の事故死が確認されたと聞いた。もちろん、中身は博章さんだった人ではない。
それは全て計画されていた事だった。しかし、これでもう俺は「裕也」に戻ることができなくなったという事になる。
入れ替わった後の様々な事を思い返しながら、俺は今、分娩台の上にいた。

「はい、いきんで!」
指示される声に従って息を制御する。
「もう少しですよ♪」
痛みに気が遠くなりそうだった。

「ギャー」と泣き声が上がった。

「おめでとう。元気な男の子ですよ♪」

助産婦さんの掌の中に、産まれたばかりの命があった。
俺はまだ「女」であることにためらいがあったが、目の前に我が子を見て、自分が「母」となった事を実感した。
「男の子ですか…」

 
俺…アタシはこの子を「裕也」と名付けようと心に決めた。

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