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2009年5月 4日 (月)

無題

 

俺が見下ろしている「女」は俺自身だった。
俺の中の女々しい部分を抜き出して実体化させたのだ。先ほどから女々しく泣き続けている。
「ほら、立てよ!!」と腕を引いた。俺の中の女々しさはこの程度だったのかと思うくらい、女の背は低かったがプロポーションはなかなかのものがあった。

俺も女も、今は何も身に着けていない。だから、俺の股間は素直に反応していた。
俺は女を抱き締めた。最初は緊張してか、身体を堅くしていたが、それも徐々にほぐれていった。と同時に彼女の腹に押しつけられた俺の息子の存在を意識していた。
ジュッと膣壁に淫汁が染みだしていた。「女」は俺自身であるので、その肉体で感じているものを俺の肉体と同様に感じることができるのだ。
俺は「俺」を抱き締める腕の力を強めた。俺の胸に「女」の乳房が押しつけられた。
女はその身体を俺に委ねるようにもたれかかってきた。
俺は一旦身体を離し、彼女を抱え上げた。脇の下と膝裏に腕が廻されている。俺は女の腕を俺の首に絡めた。
俺が覗き込むように女を見ると、女の瞳には俺自身の顔が写っていた。

俺は女をベッドに運んだ。女は即にも脚を広げる。女の股間は期待にあふれて、グショグショに濡れていた。
俺の息子もいつになく逞しく勃っていた。
言葉はいらなかった。俺は女の股間に真っ直ぐに突き入れていた。と同時に俺の胎に侵入してくる異物を感じていた。
「あん、ああん♪」女が喘ぎ声を上げる。その声とともに快感がアップする。俺は腰をグラインドさせながら、女を喘がせ続けた。
快感が津波のように押し寄せてくる。
「ああん♪あん…」俺は喘ぎながら、男の腰に捻りを入れた。そこから新しい快感が生まれる。
「もっと…もっと頂戴♪」男の身体も女の身体も動かしているのは「俺」なのだが、そう言わずにはいられなかった。

「ハア、ハア…」と男の息が上がってきた。俺は男の身体をベッドに寝かせ、その上に跨った。彼は俺の男らしさの象徴である。息は切れても、股間のモノだけは雄々しく勃ち続けている。
俺の膣に枯れるまで精液を絞りとられても、まだ勃っているのだろう。しかし、女の快感は限度を知らない。自分が疲れれば、再び男に頑張ってもらうだけだ。

俺は男の上に跨り、更なる高みを目指して腰を振っていた。
「うっ…あっくぁ…」男が変なうめきを上げた。顔を見ると白目を剥き出している。
(あっ、来る♪)
俺は久々にペニスを昇って来るモノがある事を感じた。
それは最期の爆発であった。
結合部からあふれ出た精液に赤いモノが混ざっていた。
俺はゆっくりと身体を離した。

男のペニスが委縮してゆく。それと同時に男の身体自体も萎えたようにしおれていった。その皮膚が老人のように干からびてゆく。
「男」の身体が文字通り崩れていった。燃え滓となった灰のようなものがベッドの上に残っていた。
俺の中にあった男らしさが燃え尽きてしまった。
それは、俺の目の前でゆっくりと消えていった。

 

女になったアタシは、ベッドの上に座り、永遠に失われた「俺」に涙を流し続ける事しかできなかった。

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コメント

時々「無題」でくるけど、私ならこの小説には「分離」てタイトル付けるかもね。
いつの間にか男性視点から女性視点にシフトする方法はいつ見ても不思議過ぎる。

あと、いくつかの「無題」をほかの人の意見を参考にしてホームページに上げたらいかがでしょか?

これは・・・本来の性に目覚めるときの幻想かもしれませんね。(稲川淳二さん風に)

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