« 身代わり | トップページ | 脱出 »

2009年3月28日 (土)

*** 後日談2 ***

あたしは絶対に認めない。
好きでもない男と…選りにも選って、血縁だけで会社に置いてもらっている、あのどうしようもないボンボンと結婚するなんて、死んでも願い下げだった。

そんなあたしに占い師の叔母さんが「良いモノをやるよ。」と、入れ替わりの呪文と一緒に魔法のアイテムを譲ってくれた。弟には悪いとは思ったが如才ない彼の事、あたしより上手くやっていけるに違いない。首尾良く弟と入れ替わると、あたしは「あたし」の結婚式に参列し、雛段の上の二人の幸せを祈ってあげた。

新婚旅行に出掛ける弟達を見送ったあたしは、しばらく海外で生活してみようと思い立った。今までも何度となく、海外に行った事はあるが、観光旅行の範囲を越えたことはない。「あたし」が結婚した事でパパも気が大きくなっていたのだろう「男は若いうちに何でも体験しておくべきだ。2年でも3年でも行ってこい。」と、財布から札束を取り出して見せた。あたしがバイトで旅費を稼がなければならなかったのとは、えらく待遇が違うんじゃない?
まあ、今回はこのお金のお世話になれるので文句は言いませんよ。向こうでは大学にも通おうと、手続きに時間が掛かっていた。
その間に新婚家庭も訪問していた。弟は現在の状況にも慣れたようで、化粧をして若奥様然としていた。お昼ご飯を頂いたけど、あたしより上手なんじゃないの?
しばらく海外で生活すると言ったら「いつまでこのまんまなんだよ!!」と慌てていた。さすがに「一生、そのままでいてくれると嬉しいんだけど♪」とは言えなかった。

 

当面の目標は誰にも知られない場所で「男の子」を満喫すること。美人の女の子と仲良くなって、いろんなコトをやってみたい。成田を発った飛行機の中であたしは妄想を膨らませていた。
学生寮はもちろん男子ばかりだった。それは最初から解っていた。大学は共学だし、別に学生でなくても喫茶店のウェイトレスとか、女の子と仲良くなる機会はいくらでもある筈だった。
しかし、寮には何故かかなり良いめの男達が揃っていて、あたしの「乙女心」をくすぐるのだった。中でもルームメイトのアランはスポーツマンで肉付きのよい肢体をしていた。まずいとは思いつつも、シャワーを浴びた後の半裸の彼から目が放せなくなってしまう。

「まだ、ヒロキの歓迎会をしていなかったね。」アランがワイングラスを差し出した。彼の手から綺麗なロゼが注がれた。
「ようこそ♪我が国に」とグラスが重なり、美しい音色を響かせる。その味もまた、見劣りはしなかった。
あたしはアランの話術に引き込まれていた。久しぶりのアルコールが意識を朦朧とさせる。いつものあたしなら、こんな事にはならないのに…
あたしは弟と入れ替わっていた事をようやく思いだした。弟はお酒なんか飲んだ事なかったんじゃなかったっけ。それを、いつものあたしのペースで飲んでれば、すぐに酔ってしまうのは当たり前の事だ。
「ヒロキ♪君って可愛いよね。」アランがあたしの顎に指先を触れさせた。「可愛い」なんて、ここしばらく言われた事なかったっけ…
「君を僕のモノにしたいな♪」彼の腕があたしを抱き締めていた。
「良いかい?」彼の顔が近づいてくる。あたしが瞼を閉じると、彼の唇があたしの唇を塞いだ。あたしの中に舌が割り込んでくる。
気持ち良かった。あたしはあたしの舌を彼のに絡めた。二人の唾液が混ざり合う。あたしはそのまま、ソファの上に押し倒された。
「イイかい?」彼の手があたしのシャツのボタンを外してゆく。Tシャツがたくし上げられ、彼の口が乳首に吸い付いた。
「あ、ぁん…」つい、いつものように喘ぎ声を漏らしてしまった。「感度が良いんだね♪」彼の手がズボンに掛かる。「ああん♪だめよ…」

いつの間にか全裸にされていた。彼の指が、舌が、あたしに快感をもたらす。あたしは全身をとろかして、彼の愛撫に浸っていた。
「ココも良いかな?」彼の指があたしのお尻の穴に触れていた。あたしは何も考えずに「うん」と答えていた。
彼のペニスがあたしの中に挿入された。そ、そこ違う!!と指摘しようとして、今のあたしはそこでしか彼を受け入れられない事に思い至った。
あたしの中で彼が暴れ回っている。前立線が刺激されるのか、あたしのおちんちんの先からは、愛液のような透明な汁が放たれていた。
「あん、あん、あん♪」彼のリズムに併せて快感が上昇してゆく。その先に絶頂が見え始めてきた。
「あ、あっ、あ~~~ん!!」あたしは嬌声をあげ、達すると同時に気を失っていた。

 

ここには「弘樹」を知る者は誰もいない。だから、あたしは無理に弟を演じる必要がない事に気付いた。
あたしは「ヒロキ」。ルームメイトのアランに恋する男の娘。
元々「女」だったから、女装には抵抗がない。始めは土日のアランとのデートの時だけ女装していたが、今では四六時中「女」のままでいる。
弟はもともと華奢だったのに加え、飲み続けている女性ホルモンがあたしの女装に違和感んなくしてくれている。誰もがあたしの事を「女の子」として扱ってくれていた。

ある日のデートの帰り、アランがあたしに花束を差し出した。「な、何?」と聞くと、もう一つ小さな箱が出てきた。
指輪だった。
「結婚して欲しい。」
とアラン。
あたしはためらわずに「YES」と答えていた。

 

「父さん、母さん。俺は日本に帰れなくなりました。大好きな人ができたのです。あたしは、アランのお嫁さんになります。パパ、ママ。育ててくれてありがとう。」
日本への手紙を送り出したあたしに向かって白馬に跨った王子様がやってきた。ウェディングドレスに包まれたあたしは彼に抱かれ、馬の上に。

白馬は彼のお城に向け、森の中を駆り抜けていきました。

 

« 身代わり | トップページ | 脱出 »

コメント

身代わり の後日談

弟になった姉の方はこんな感じです。

姉さんは、男になって、女の幸せを見つめ、婚約者は女になって、本当の自分を見つけた・・・て、世の中って複雑怪奇^^

こういう姉弟入れ替えパターンだと姉は実は男に生まれたかったていう理由がお約束だったけど、この姉は急場凌ぎで替わったからなのかな?私の予想では小猫ちゃん〜といって同性愛に目覚めるかと思ってたので良い意味で予想外な作品になったと思います。
姉にとって「望まれた結婚」でおめでとうて言いたい気分です。
あと「いとこの占い士」って結構使える素材だと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: *** 後日談2 ***:

« 身代わり | トップページ | 脱出 »

無料ブログはココログ