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2009年2月20日 (金)

妖精の魂

俺は「妖精」だった。

いつからそうなったのかは、もう記憶の彼方に追いやられてしまっている。それ以前は、ごく普通の成人男性であった事は確かだ。
それが、何故「妖精」…それも、女の体になってしまったのだろうか?

俺は今、ある男に飼われている。彼ならば理由を知っているかもしれない。が、彼には俺の「言葉」は届かなかった。
俺が喋っても、まるで犬猫が吠えている、あるいは小鳥がさえずっているかのような反応しか見せない。俺は彼の言葉を理解できるのだから、意思の疎通はできる筈と思っている。
彼が「俺」という人格を認めてくれれば…という前提があるが…

 
彼にとり、俺は鑑賞用のペットにしか過ぎないのである。餌を与えていれば、美しい羽と愛らしい「女」の肢体をこころゆくまで鑑賞できるのだ。
その「餌」の前には俺の「肉体」が言うことを利かなくなる。まるで麻薬のように「俺」と彼を結びつけている。
「餌」とは彼の精液であった。俺の「男」の意識は精液など触れることさえためらわれるのだが、その芳香の前に俺の肉体は、それこそ全身精液まみれになり、嬉々としてその「餌」をむさぼるっているのだ。

 

男は俺に様々な芸を仕込もうとする。できなければ鳥籠に入れられ、餌を絶たれる。「妖精」は空腹で死ぬような事はないのだが、禁断症状に悩まされる事になる。
男の言う言葉の意味は解るのだが、それを行うことに伴う恥ずかしさが先に立ち、俺はなかなか男の言う通りには出来なかった。
しかし、餌を絶たれるとそうも言っていられなくなる。羞恥心を抑えつつ、恥ずかしいポーズを取ってやると、男は拍手して喜ぶのだった。
「芸」は次第にエスカレーションしてゆく。胸の膨らみを強調させるポーズだけだったものが、ストリップの女優さながらに動き回る事を求められた。
芸に併せて次々と新しいコスチュームも用意された。当然のように次第に露出度が上がり、デザインも官能的なものになっていった。
男は自らが楽しむだけでなく、仲間を集めては俺の「芸」を見せびらかすのだった。そんな時のご褒美は、当然のことながら彼のお仲間のモノも追加される。いつもの2倍も3倍もの精液に浸っていると、いつの間にか「芸」の恥ずかしさも吹き飛んでしまう。
サービスのポーズを決めてやると、更に精液が追加される。けど、どんなにお仲間が入れ替わっても、彼の精液が一番お美味く感じられるのは、最初に浴びたのが彼のモノだったからだろうか?

 

 
今日の芸はかなり柔軟さを求められた。「妖精」の肉体であるからこそ可能な方向に関節を曲げることになった。
背中を反らせ、開いた股間に頭を挟む。両手をクロスさせ、足首を掴む。その隙間に羽を差し込み、体を宙に浮かせる。
鏡に写る姿は、羽を生やした球体であった。開かれた股間は秘部が剥き出しになっている。
「良くできた。ご褒美だよ。」男は俺を宙に浮かせたままズボンを下ろした。

「そうだ♪」男は俺を掴むと風呂場に行った。湯船の上空に俺を漂わせる。男は少し離れて自分自身をしごき始めた。
しばらくして彼がうめくと、俺に向かって精液が発射された。が、それは的であろう「俺」を大きく外れていった。
自由に動ければ追いつくこともできないではないが、今の俺の状態ではどうする事もできなかった。
結局、彼の試みは風呂場の壁を汚すだけで終わってしまった。
しかし、それで済まされては俺の方が収まらない。必死にご褒美をねだると、彼は小皿に風呂場の壁から取ってきたモノを盛ってきた。
「ほらよ。」
机の上に転がされ、身動きができないままの俺の股間に、精液をからませた指を擦り付けてきた。屈辱的な行為にも拘わらず、俺の股間はヒクヒクと震え、精液を膣に取り込もうとしていた。

 

 
「よう!」と肩を叩かれた。振り向くと知り合いの男が立っていた。「そんな人形に構ってばかりいないで、外に出て健全に生身の女の子と付き合わないか?」
視線を戻す。テーブルの上、俺の手の中には妖精のフィギュアがあった。身体を反らせ、球のようになっていた。顔には満ち足りた笑顔が浮かんでいる?

俺は??

俺は「妖精」ではない。生身の人間だった。
「女の子と付き合う?」振り向いた先に奴がいた。俺の手からフィギュアが落ちた。
男が俺を見ていた。男の顔を見ていると「乾き」を覚える。そう、俺は彼に求めるものがあったのだ。
「ご褒美…ご褒美は?」俺は彼をペッドに押し倒していた。ベルトを外しパンツの窓を開けると芳香に包まれる。萎えたペニスを引き出し、両手を添えた。
「ご褒美もらうね♪」俺は男のペニスを口に含んでいた。舌で先端を弄っているとペニスは次第に硬くなってきた。嬉しくなり、俺は背中の羽を広げた。人間の身体では宙に浮くことはできないが、俺の意識は天井近くまで舞い上がっていた。
先走りの雫が染みでてくる。口の中でストロークを繰り返していると、やがて彼も限界を迎えた。俺の口の中に甘露が広がる。白い粘液に口の中が満たされる。ごくりと飲み込むと、乾きが癒される。
もっと、もっとご褒美が欲しい。その為には何をすれば良いか?そう、新しい芸を見せれば良い。俺は大きく体を反らした…

ゴキッ

人間の肉体は「妖精」とは違った。
ショックで気を失っていたようだ。俺が押し倒した男の姿はもうどこにもなかった。
俺は床に落ちたフィギュアを取り上げた。
「もう一度…」俺は額をフィギュアの額に押しつけた。
「もう一度、俺の魂をこのフィギュアに入れてくれ!!」


 

目覚めると、そこは異世界だった。「妖精」達の棲む、現実ではない世界…
俺は美しい女の姿をした「妖精」であった。
 

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コメント

彼が体験したのは、フィギュアが見せた幻想だったのだろうか?それとも、異次元の世界に紛れ込んでしまった時の体験なのか・・・
トワイライトゾーンみたいなこの感じ好きです!

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