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2009年1月24日 (土)

彼女?

 

香坂学はユニークな男だ。
肩まで髪を伸ばし、女子の制服で登校してくる。それがまた似合っているから始末に負えない。

校内いちの学力と、インターハイにも出れる体力を兼ね備えているので、学校側も何も言えないでいる。
そんな香坂さんに僕=久遠修一は恋してしまっていた。

 
もちろん、香坂さんを慕う者は男女を問わず、学校の内外を問わず、数多存在することは周知の事であった。
が、彼(彼女)のパートナーとして選ばれたのは、他ならぬ「久遠修一」…僕だったのだ。

僕はと言えば、平凡を絵に描いたような男子学生で、頭も良くなければ、顔も良くない。運動能力に至っては後ろから数えた方がはるかに早い。
体格も恵まれた方ではないく、男子としては中程の彼よりも低いくらいである。シークレットシューズでどうにか同じ位になるが、私服(もちろん女装)でかかとの高い靴を履かれたら、その差は歴然となる。
噂では、香坂さんはどんな手を使っても「落ちない」と言われていた。当然、僕のような平凡な男は相手にされる筈もないのだが、ダメ元でアタックしてみた。
しかし、僕の明晰とは絶対に言えない頭から絞り出したアイデアが功を奏したようだ。
そのアイデアは
・手紙ではなく、直接会って告白する
・手ぶらではなく、何かプレゼントを添える
・プレゼントは手作りであること

と、言う事で僕はクッキーを焼いていったのだ。

食い物に釣られたと言っては香坂さんに悪いが、デートの度に要求してくるのではいちがいに否定もできない。
今日も早朝から格闘した、レーズン・クッキーを手に待ち合わせの場所に向かっていた。時間までにはまだずいぶん余裕があったので近くの公園で暇潰しをしていた。
「…あん、ああん…」艶めかしい声が公衆トイレから聞こえてきた。好奇心に駆られて近づいていくと、男子トイレのドアの隙間から女物の服が見えた。
角度を変えると二人の人影を確認できた。女の背後から男が股間をぶつけている。女はスカートをまくり、尻を男の方に突き出していた。
艶めかしい声は男の動きに合わせるように漏れてくる。声は激しさを増していき、突如、その声が途絶えた。
男も動きを止めている。しばらくそのままでいたが、事が終わったようで男が女から離れた。女も服の乱れを整え始めた。
彼らと鉢合わせしないように後ずさり、公園から逃げるように離れた。他で暇潰しする気にもならなかったので、まだ時間前ではあったが、待ち合わせの場所に戻ることにした。

 
「お待たせ♪」と香坂さんがやってきた。もちろん、デートなのでオシャレなワンピースでの登場だ。
(?)と僕の頭に何か引っかかるものがあった。
「今日のクッキーは何?」と聞かれて、慌てて持ってきた袋を差し出した。その袋を受けとる姿勢のまま、香坂さんが僕に最接近してきた。
「さっき見てたでしょ♪」と耳元で囁かれた。

(!)
ジグソーのピースが繋がった。
今日の香坂さんの服は、公園で見た女の服と同じ柄だったのだ。香坂さんは僕が覗いていたのを知っていた。つまり、あの女は香坂さん?

「工藤君もシてみたい?」香坂さんの顔に妖艶な笑みが浮かんでいた。僕は肯定も否定もできないでいた。
「もちろん、あんな所でじゃないよ。ちゃんとホテルに行ってサ♪」

僕の頭の中からは、今日のデートの予定が消し飛ばされていた。
代わりにイケナイ妄想が頭の中を塗り固めてゆく。ホテルの部屋で香坂さんが服を脱ぎ始めてゆく。カーデガンを脱ぎ、ワンピースのファスナーを下ろしてゆく。袖から腕を抜くと胸元を隠しながら、脚を抜いてゆく。
下着姿の香坂さんは正しく、艶めかしい女の肉体を持っていた。それが僕の妄想=イメージに過ぎないとは分かっている。しかし、妄想は更に続いていった。
ブラジャーを外すと豊かな胸がプルプルと震えている。ストッキングを丁寧に脱いでゆく。最後の一枚となったショーツに手を掛けたところで彼女の動きが止まった。
「コレは久遠君が脱がしてくれないかしら?」と、香坂さんが近づいてきた…

 
シャワーの音がしていた。
僕の妄想が現実になろうとしている。バスルームの擦りガラスの向こうに全裸の香坂さんがいるのだ。
先に体を流した僕は、ベッドの上で彼女が出てくるのを待っていた。カチャリとドアが開いた。「お待たせ♪」とバスタオルを胸に巻いた香坂さんが現れた。
「準備するから、仰向けに寝てくれない?」何をするのか分からないが、僕は言われた通りにした。おあずけとなった息子が元気に天井を指していた。

香坂さんは僕の胸にまんべんなくクリームを塗り込んだ。そして、彼女はハラリとバスタオルを落とす。僕の妄想に違わない、豊かなバストが現れた。
そのバストに香坂さんの指が食い込んでいった。メリメリと彼女の胸からバストが剥がれていった。「先ずは、これを付けてあけるね。」
と、彼女の胸から剥がしたバストを僕の胸に貼り付けた。先に塗られたクリームは接着剤なのだろう。
「安定するまで、これを付けていてね。」と僕の胸にブラジャーが巻かれた。

「何で?」と聞くと、「さっきの公園と同じコトをしたいんだろ?これは、あの時の女が着ていたワンピースだ。女と同じように絶頂を味あわせてやるよ。」「その服は香坂さんが着ていたんじゃ?」
「男としてヤるときは女装はしないよ。服はちょっとした悪戯心で交換したんだ。」とワンピースを差し出してきた。「ほら、さっさと着てしまいな。準備ができたら尻を出しな。思う存分可愛がってやるから♪」

 

…僕は香坂さんの「彼女」となった。

 
日曜日にはデート♪

僕はクッキーを手に待ち合わせ場所に向かう。デートなので「彼女」の僕はオシャレしてゆく。ヒラヒラのスカートを穿いて、お化粧だってしている。
香坂さんは男の子の格好で待っていた。
「お待たせ♪」僕がクッキーを渡すと、早速お礼のキッス。みんなが見ている前で恥ずかしのと、嬉しいのと…
「今日はとことん可愛がってやるからな。」
香坂さんの言葉に、僕はもうメロメロになっていた。

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コメント

バイセクシャルかと思ったら、実は普通だったのですね〜結局は「彼女」にされちゃったみたいだし
話の流れがうますぎるよ奈落さん

久遠修一は、学校では男の格好をしているのでしょうか?
だとしたら、外見はノーマルな2人?
この学校にこんなカップルが広がって行ったりして^^

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