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2009年1月24日 (土)

彼女?

 

香坂学はユニークな男だ。
肩まで髪を伸ばし、女子の制服で登校してくる。それがまた似合っているから始末に負えない。

校内いちの学力と、インターハイにも出れる体力を兼ね備えているので、学校側も何も言えないでいる。
そんな香坂さんに僕=久遠修一は恋してしまっていた。

 
もちろん、香坂さんを慕う者は男女を問わず、学校の内外を問わず、数多存在することは周知の事であった。
が、彼(彼女)のパートナーとして選ばれたのは、他ならぬ「久遠修一」…僕だったのだ。

僕はと言えば、平凡を絵に描いたような男子学生で、頭も良くなければ、顔も良くない。運動能力に至っては後ろから数えた方がはるかに早い。
体格も恵まれた方ではないく、男子としては中程の彼よりも低いくらいである。シークレットシューズでどうにか同じ位になるが、私服(もちろん女装)でかかとの高い靴を履かれたら、その差は歴然となる。
噂では、香坂さんはどんな手を使っても「落ちない」と言われていた。当然、僕のような平凡な男は相手にされる筈もないのだが、ダメ元でアタックしてみた。
しかし、僕の明晰とは絶対に言えない頭から絞り出したアイデアが功を奏したようだ。
そのアイデアは
・手紙ではなく、直接会って告白する
・手ぶらではなく、何かプレゼントを添える
・プレゼントは手作りであること

と、言う事で僕はクッキーを焼いていったのだ。

食い物に釣られたと言っては香坂さんに悪いが、デートの度に要求してくるのではいちがいに否定もできない。
今日も早朝から格闘した、レーズン・クッキーを手に待ち合わせの場所に向かっていた。時間までにはまだずいぶん余裕があったので近くの公園で暇潰しをしていた。
「…あん、ああん…」艶めかしい声が公衆トイレから聞こえてきた。好奇心に駆られて近づいていくと、男子トイレのドアの隙間から女物の服が見えた。
角度を変えると二人の人影を確認できた。女の背後から男が股間をぶつけている。女はスカートをまくり、尻を男の方に突き出していた。
艶めかしい声は男の動きに合わせるように漏れてくる。声は激しさを増していき、突如、その声が途絶えた。
男も動きを止めている。しばらくそのままでいたが、事が終わったようで男が女から離れた。女も服の乱れを整え始めた。
彼らと鉢合わせしないように後ずさり、公園から逃げるように離れた。他で暇潰しする気にもならなかったので、まだ時間前ではあったが、待ち合わせの場所に戻ることにした。

 
「お待たせ♪」と香坂さんがやってきた。もちろん、デートなのでオシャレなワンピースでの登場だ。
(?)と僕の頭に何か引っかかるものがあった。
「今日のクッキーは何?」と聞かれて、慌てて持ってきた袋を差し出した。その袋を受けとる姿勢のまま、香坂さんが僕に最接近してきた。
「さっき見てたでしょ♪」と耳元で囁かれた。

(!)
ジグソーのピースが繋がった。
今日の香坂さんの服は、公園で見た女の服と同じ柄だったのだ。香坂さんは僕が覗いていたのを知っていた。つまり、あの女は香坂さん?

「工藤君もシてみたい?」香坂さんの顔に妖艶な笑みが浮かんでいた。僕は肯定も否定もできないでいた。
「もちろん、あんな所でじゃないよ。ちゃんとホテルに行ってサ♪」

僕の頭の中からは、今日のデートの予定が消し飛ばされていた。
代わりにイケナイ妄想が頭の中を塗り固めてゆく。ホテルの部屋で香坂さんが服を脱ぎ始めてゆく。カーデガンを脱ぎ、ワンピースのファスナーを下ろしてゆく。袖から腕を抜くと胸元を隠しながら、脚を抜いてゆく。
下着姿の香坂さんは正しく、艶めかしい女の肉体を持っていた。それが僕の妄想=イメージに過ぎないとは分かっている。しかし、妄想は更に続いていった。
ブラジャーを外すと豊かな胸がプルプルと震えている。ストッキングを丁寧に脱いでゆく。最後の一枚となったショーツに手を掛けたところで彼女の動きが止まった。
「コレは久遠君が脱がしてくれないかしら?」と、香坂さんが近づいてきた…

 
シャワーの音がしていた。
僕の妄想が現実になろうとしている。バスルームの擦りガラスの向こうに全裸の香坂さんがいるのだ。
先に体を流した僕は、ベッドの上で彼女が出てくるのを待っていた。カチャリとドアが開いた。「お待たせ♪」とバスタオルを胸に巻いた香坂さんが現れた。
「準備するから、仰向けに寝てくれない?」何をするのか分からないが、僕は言われた通りにした。おあずけとなった息子が元気に天井を指していた。

香坂さんは僕の胸にまんべんなくクリームを塗り込んだ。そして、彼女はハラリとバスタオルを落とす。僕の妄想に違わない、豊かなバストが現れた。
そのバストに香坂さんの指が食い込んでいった。メリメリと彼女の胸からバストが剥がれていった。「先ずは、これを付けてあけるね。」
と、彼女の胸から剥がしたバストを僕の胸に貼り付けた。先に塗られたクリームは接着剤なのだろう。
「安定するまで、これを付けていてね。」と僕の胸にブラジャーが巻かれた。

「何で?」と聞くと、「さっきの公園と同じコトをしたいんだろ?これは、あの時の女が着ていたワンピースだ。女と同じように絶頂を味あわせてやるよ。」「その服は香坂さんが着ていたんじゃ?」
「男としてヤるときは女装はしないよ。服はちょっとした悪戯心で交換したんだ。」とワンピースを差し出してきた。「ほら、さっさと着てしまいな。準備ができたら尻を出しな。思う存分可愛がってやるから♪」

 

…僕は香坂さんの「彼女」となった。

 
日曜日にはデート♪

僕はクッキーを手に待ち合わせ場所に向かう。デートなので「彼女」の僕はオシャレしてゆく。ヒラヒラのスカートを穿いて、お化粧だってしている。
香坂さんは男の子の格好で待っていた。
「お待たせ♪」僕がクッキーを渡すと、早速お礼のキッス。みんなが見ている前で恥ずかしのと、嬉しいのと…
「今日はとことん可愛がってやるからな。」
香坂さんの言葉に、僕はもうメロメロになっていた。

嘘…(非TS)

 
嘘…

嘘を嘘で塗り固める
それは現実ではない
それは真実ではない

限りなき背徳
拭えない贖罪

 
「嘘」は僕の「夢」?

 
夢なら叶えることができる
過去は変えられないが
未来には無限の可能性がある

 
夢は現実ではない
しかし、現実にすることは可能だ
夢は真実ではない
しかし、真実に変わることもある

 

だから
僕は「夢」を綴る

RPG

 

風が吹いていた…

いや、実際に吹いている訳ではない。そういう視覚効果が設定されているだけである。
ここは仮想空間…ゲームの世界なのだ。僕はキャラクターの一人として、この場所に立っている。
ゲームの内容はありふれたファンタジーRPGだ。魔物を倒して、捕らわれのお姫様を救い出すのだ。

とは言っても、今の僕には武器も金もない。とりあえずは、金を稼ぐ方法を確認しようと街の中に入っていった。
門番の教えに従ってルルージュという居酒屋を訪ねた。「ただいま準備中」の張り紙のあるドアを開けた。「まだ早いよ!」と恰幅の良い女将が現れた。
「金を稼ぐならここで聞けと門番に言われたんです。」と言うと中に入れてくれた。

「手っ取り早く稼ぐには身体を売るのが良い。お前さんは貧相だが、それなりの値段は付くね。代わりの身体はサービスしてやるよ。」「代わりの?」「そうさ、文字通り身体を売ってしまうんだ。売春みたいな生易しいモンじゃない。」
女将は話を続けた。「この世界では与えられた身体によって行為が制限されるんだ。たとえばあたしはこの店の女将だから、この店を離れる事ができない。お前さんのようなオリジナルの身体は、それこそどこにだって行けるんだ。」
「けれど、その為にはお金が…」「そう。新しい身体にはスキルがない。金も稼げなければ戦うこともできない。スキルを得るには長い時間と努力の蓄積が必要なんだ。しかし」
「しかし?」「身体を交換すれば、その身体の持っているスキルを手に入れることができる。一旦手に入れたスキルは身体を交換しても無くなることはないんだ。だから、多くのプレイヤーは身体を交換し、そのスキルで稼いではまた別の身体に変わってスキルを向上させているんだ。」
「へ~」と僕は頷く。「で、どうする?その身体、売らないか?」

1.売る
2.売らない

 

 
1.売る
「じゃあ、こっちにきな。」と店の奥に連れてこられた。女将は「もしもし」と電話を始めていた。
僕はする事もないので、その部屋の中を見ていた。入り口の脇に大きな鏡があり、その前にあるスペース以外は色とりどりの衣装で埋め尽くされていた。これらは店で働く女の子達のものなのだろう。見た目にも女将のサイズではないし、若い娘しか似合わないデザインであった。
「よかったね。すぐに買い手が見つかったよ。」と電話を終えた女将が戻ってきた。
「じゃあ、あんたには新しい身体をあげるからね。」
女将は壁に掌を当てた。隠し扉が開くと、中から肌色の塊を取り出した。
「じゃあ、ちょっと目を瞑っていな。」と女将の手が僕の首筋を摘んだ。
スッと抜きとられた感じがした。次には何かに押し込められるような感覚がする。
「目を開けて良いよ。」ゆっくりと目を開けたが視界がぼやけている。何度か瞬きをしたが改善されない。
「そうだ、これを渡さないとね♪」と女将が手渡してくれたのはメガネだった。「何でわざわざメガネなんだ?仮想世界なんだから、視力を落とす必要なんてないだろ。」
「まあ、それがそのカラダのスキルを活かすアイテムになるんだから我慢するんだね。」「で、この身体のスキルって…」

女将に問いかけると同時にこの身体のスキルに関する情報が、一気に頭の中に展開された。そのいくつかのイメージに僕は顔を赤くしていた。
この身体のスキルを短く言えば、眼鏡のドジッ子ウエイトレス&夜のお相手…
ようやく僕は女の子の身体に移された事を理解した。

「とにかく、何か着ておきなさい。できたら店の手伝いだよ。」とママが言って店に戻っていった。あたしはまっ裸だったのを思いだし、慌ててドレスを身に着けた。

その夜のお相手は貧相な旅の男の子だった。あたしの頭の奥で「自分自身とシてるんだ」て声が聞こえた。何だかいつもより感じてるみたいだった。

(オンナの快感に捕らわれ一生をこの店で過ごす…BAD END)
 

 
2.売らない
「じゃあ、その身体のままスキルを得ようと言うんだね。ちょっと待ってな。」と女将は店の奥から二振りの剣をもってきた。
「獲物を狩ってくれば金に換えてやる。数を重ねれば金もスキルもアップするし、スキルが上がれば上物の獲物にトライできる。」「で、その剣は?」
「鋼の剣と木の剣だ。お前さんは何も持っていないだろ?どちらかを貸してやる。もちろん只では貸せないよ。鋼の剣は命と、木の剣は身体の一部との交換になる。最初だから、三日の内に返せないと交換したモノは失われるからね。」

3.鋼の剣を借りる
4.木の剣を借りる

 

 
3.鋼の剣を借りる
僕は剣を手に女将に聞かされた森に向かった。体力のない僕は鋼の剣の重たさもあって、森に着いた時にはヘトヘトになっていた。
だから、巨木の下で休んでいた時に、獲物であるスライムに取り囲まれた事に、即には気がつかなかった。僕を囲んだスライムの壁が一気に雪崩落ちる。
スライムは取り込んだ餌から体力を奪う。既に体力を使い果たしていた僕は剣を振るう以前にスライムに取り込まれてしまった。
鋼の剣と引き換えに命を女将に預けているので体力を取られるだけ取られても、三日間は死ぬに死ねない。
スライムは餌が死ぬまで離れる事がない。僕は干からび、ペラペラの皮のようになってもスライムに集られ続けた。

気がつくと、僕はスライムと同化してしまっていた。僕の失われた命の代わりにスライムの命を取り込んでしまっていた。
何日かすると、僕=スライムを狩りに男がやってきた。僕は人間の姿になって男と相対した。何故か男は自ら僕に近づき、僕に取り込まれようとする。
そう、僕がなれる人間の姿は決まって美しいオンナの姿だった。僕は遠慮なく取り込んだ男性自身から彼の体力を頂戴する。
男から体力を奪う時、快感が僕の身体を走り抜ける。「あん♪ああ~~ん!!」僕はその度に嬌声を上げるのだった。
(オンナの快感に捕らわれスライムとして一生を過ごす…BAD END)
 

 
4.木の剣を借りる
僕は剣を手に女将に聞かされた森に向かった。体力のない僕は、森に着いた時にはヘトヘトになっていた。
しかし、巨木の下で休んでいた時に、獲物であるスライムに取り囲まれた時、咄嗟に剣を抜き立ち上がる事はできた。
スライムは取り込んだ餌から体力を奪う。しかし、動きは遅く木の剣でも容易に切り裂く事ができるので注意を怠らなければ、簡単に取り込まれるものではない。
ある程度獲物をしとめると、その日のうちに町に戻った。

「ほい、これが報酬だ。」と女将からスライムの数だけ銅貨をもらった。
「スキルもアップしたようだね。次はどうする?」

4.もう一度スライムを狩りに行く
5.次の獲物を教えてもらう
6.手にした銅貨で木の剣を買う

 

 
5.次の獲物を教えてもらう
僕は女将に教えられた場所に向かった。獲物はゴブリンだった。当然のように木の剣では歯が立たない。
木の剣はあっと言う間にへし折られてしまった。
その時頭の中に女将の声が聞こえた。
「お前さんの剣はわたしの貸した剣だったね?」
 
7.はい。借りた剣です
8.いいえ。買っています。

 

 
6.手にした銅貨で木の剣を買う
「お前さんはいくら持っているんだい?一回狩りに行っただけでは足りないよ。」
(三回狩りに出ていれば木の剣を買う)
「次はどうする?」

4.もう一度スライムを狩りに行く
5.次の獲物を教えてもらう

 

 
7.はい。借りた剣です
「木の剣を失ったお前さんは身体の一部を永遠に失う事になる。」
女将の言葉と共に、突然下腹部が痛みだした。うずくまるように倒れた僕は、容易にゴブリン達に捕らえられてしまった。
縄を掛けられ身動きができない状態で奴等の村に担ぎ込まれた。既に陽は落ち、焚き火がたかれている。そのまわりでゴブリン達は宴会を始めていた。酒が入り、陽気にはしゃいでいる。
宴が盛り上がる中、僕は縛られたまま奴等の中に引き出された。ナイフを持った奴が現れ、華麗な捌きを見せると歓声が上がる。そいつが僕の服を肌に傷ひとつ付けずに切り裂いていった。

一瞬の沈黙の後、最大級の歓声が上がった。
僕は顔面蒼白となった。切り裂かれた服の下に現れたのは「女」の肉体だった。
僕が木の剣の代償として取られた肉体の一部とはペニスだった。これが失われた事で僕の身体は急激に女性化してしまったのだろう。
僕は縛られたままゴブリン達に犯された。僕の股間に生じた女の性器が奴等のモノで満たされる。
いつしか、僕は快感に嬌声を上げていた。

(一生をゴブリン達の性処理奴隷として過ごす…BAD END)

 

 
8.いいえ。買っています。
僕は命からがら町に逃げ帰ってきた。
店に辿り着くと女将が待っていた。「どうだい?身体を売った方が楽だと思うがね♪」
(5回以上狩りに出ていなければ身体を売るしかありません)

1.身体を売る
9.剣を買う

 

 
9.剣を買う
「今度の剣は鋼の剣だ。今のお前さんなら充分に使いこなせる筈だ。」
僕は鋼の剣を手にゴブリンに対峙した。僕は難なくゴブリンを打ち倒した。女将は報酬とともにボーナスを与えてくれた。
二階に上がり教えられた部屋に入った。全裸の女の子がそこに待っていた。
女の子は男の快感のポイントを全て知っているかのように、僕をリードしていった。僕が高まりを迎えようとすると、彼女も悦感に打ち震えている。「あん、あん♪」と官能的に喘ぎ、僕の気持ちを更に昂ぶらせる。
「いく、いくぅ。イっちゃうのぉ~~♪」と、女の子は僕の腕の中で果てていた。
「お姫様を悦ばせるスキルも上げておかないとね♪」と翌朝女将にそう言って送り出されたのだった。
 

 
 
月日が経った。
僕はスキルを積み重ね、一人前の狩人…勇者になっていた。武器にも不自由はなくなる程財産も貯まっていた。
久しぶりに、僕は最初の町に訪れていた。
僕はまっすぐにルルージュに向かった。女将はまだ健在だった。
「おや、元気だったかい?ずいぶん羽振りも良くなったじゃないか。」
「いや、まだまだだよ。それより女のコはいるかい?」僕は女将がよこした女のコと二階に上がった。
こちらの方のスキルも随分上達したと思う。女の子は僕の腕の中で何度となく極上の悦感の中に果ててゆくのだった。

(to be continued)

 

いよいよ魔物を倒し、お姫様を救い出す時がきた。
僕は魔法で防御力をアップした鎧に身を包み、同じく魔法で強化した剣と楯を手にして、魔物の城の前に立っていた。
僕だけではない。仲間もいる。魔法使い、剣士、剛人、賢者。それぞれがその分野でのエキスパートだ。
「いくぞ!!」と僕が声を掛けると、魔城の扉がゆっくりと開いていった。

 

僕は魔王の間にたどり着いた。魔物は玉座に座り、その脇の檻にはお姫様が繋がれていた。
「よく来たな。勇者殿♪」魔物の声が広間全体に鳴り響く。
仲間はすでに失われ、僕一人となっていた。
「だが、お前の努力もこれまでだ。」と、魔物は玉座から立ち上がった。
暗黒の「気」が広間の中に渦巻いた。昔の僕であれば、その「気」に触れただけで命を落としていたに違いない。
魔物が一歩前に踏み出す。間合いが解らないので同じだけ後退するしかない。
一歩、また一歩。背中に壁が触れた。「もう、後がないぞ。どうする?勇者殿♪」
僕は魔物に切りかかると見せて、立ち位置を変えた。

「ほう、なかなかやるな…」と魔物の手が印を結んだ。

雷の攻撃を紙一重で躱す。
再度魔物に切りかかる。今度はフェイントではなく、魔物に狙いを定めていた。

「うっ!!」と魔物がうめく。手応えはあった。いくばくかの傷を負わせることはできた筈だ。
「だが勇者殿、それだけでは私は倒せないぞ。」
魔物の腕が投げ縄のように伸びてきた。その手が僕の首筋を摘んだ。

目の前が真っ暗になる。何かがスッと抜きとられた感じがした。そして、今度は何かに押し込められるような感覚がする。
「目を開けてみな。」僕はゆっくりと目を開けた。
声のした方を向く。
鉄格子の向こうに奴がいた。
奴の腕に抱かれていたのは「僕」だった。

 
では、僕は何者?

 
この広間にいたのは、僕と魔物とお姫様だけだった。魔物と「僕」がそこにいれば、単純な引き算の答えになる。

僕が「お姫様」だった。

魔物は「僕」を連れてくると、檻の中に放り込んだ。「手厚く「勇者」さんを看護してやるんだな♪「お姫様」よ。」
そう言って玉座に戻ると、魔物は塑像のように動かなくなった。次の「勇者」が現れるまで、このままでいるのだろう。

僕は膝の上に「僕」の頭を乗せ「僕」の回復を待った。傷口に覚えたての治癒の呪文を送り、滴る汗を拭ってやった。
やがて「うっ」とうめき声をあげて「僕」が目を醒まそうとしていた。「大丈夫ですか?」と声を掛けると、「僕」はパッチリと目を開いた。
「僕」は僕を見ると、両手を目の前にかざした。
「そうか…」と呟き、「僕」は身体を起こした。
立ち上がり、身体を確認する。「君が傷の手当てをしてくれたんだね。」「僕」が僕の前に座り込んだ。
「戸惑っていると思うが、君は捕らわれのお姫様の身体に入れられてしまったんだ。自分ではどうする事もできない。再び勇者が現れ、魔物に敗れるまではその身体のままという事だ。かく言う俺も、君と同じように魔物に敗れた勇者の一人だ。」
彼は動かない魔物を一瞥した。
「君の身体は大分鍛えてあるね。魔物との戦いも見させてもらったよ。この身体なら俺も魔物に勝てるような気がするよ。」
「戦うの?」
「君はそれを望むかい?俺が勝てば、確かに君は解放される。しかし、それはお姫様としてだ。多分、君を連れ帰れば、俺は次の王の座を約束される。すなわち、君の夫となるんだ。」
「僕が?」
「君はお姫様だからね♪俺が王の座を放棄しても、どこかの王子と結婚させられるだろうね。」
僕が結婚?それも女として男と…
彼はひと呼吸置いた。
「しかし、ここで次の勇者が現れるのを待つという選択肢もある。そいつが魔物に敗れれば、お前はそいつの身体を手に入れる事ができる。そう、今の俺みたいにな♪」

 

 
あなたの選択は?

いきます…

 

「どこに行く気?!」
男の声に僕は振り向くことはせず「もう一度…死にに行きます。」と廃墟のビルの非常階段を昇り始めた。
「止めなよ!!」男が僕の腕を掴んだ。「今のあんたに自殺すべき理由があるの?今のあんたは、さっきまでのあんたではないのよ!!」

僕は死ぬ事しか考えていなかった。だから、現在の自分の状況をまったく把握していなかった。
廃墟のビルから飛び降りた筈が、気が付くとビルの前の道路で寝ていたのだ。だから、もう一度飛び降りる必要があるのだ。
「待ってよ、もう一度自分の姿を確認して!!」男はうるさく言ってくる。
「何なんだよ。他人の事など放っておけば良いだろう?」僕は男に向かって言った…
「生憎、他人事ではないのよね。」

よく見ると、男は「僕」だった。
「自殺の理由なんか知った事ではないけど、あんたが飛び降りた時に下に居たあたしを巻き込んだのは事実なのよ。そして、神様の悪戯か、あんたとあたしの身体が入れ替わってしまったのよ。今、あんたが死ぬって事は、あたしが死ぬ事になるの!!」

ようやく、僕は自分の姿を見る事になった。僕はスカートを穿いていた。胸に手を当てると、女性だけの持つ膨らみを感じた。
「解った?」男の声に刺を感じた僕は、下半身を確認するのを止めて「ああ」とだけ答えた。その声はもう「僕」自身の声ではなく、高い女の声だった。

 
「あたしは小室由紀恵。25才OL。彼氏なし。これがあんたのプロフィールになるのね。」
僕は喫茶店に連れてこられた。「ぼ、僕は橋本秀司。フリーター…でした。」
「過去形って事は現在無職って事ね。で、どこに住んでるの?今流行りのネットカフェ難民てやつ?」
「そ、そんなトコです。」僕は彼女(彼?)のペースに飲み込まれてしまっていた。
「とにかく、今夜はあたしのマンションに行きましょう。その前に携帯貸して。」僕は携帯など持っていないが、由紀恵のバッグには華麗にデコレーションされているやつが入っていた。
「俺」とは思えない馴れた手つきで幾通かのメールを送信した。「掛かってきても出ないでね。とりあえずマナーモードにしておいたから、解らないとは思うけど。」僕は返された携帯を再び由紀恵のバッグに入れた。
「そうだ。中に財布があったでしょ?それ貸してくれる?」と財布から数枚の紙幣を抜き取り、ポケットに入れた。「やっぱり女の子に払わせる訳にはいかないからね?」
もともと由紀恵のお金なのだから、僕にはどうでも良い事だ。それよりも…「あの~ぉ、いつまで入れ替わっているんでしょう?」
「あんた、どうせ死ぬつもりだったんでしょ?なら、しばらくあたしに身体を貸してくれたって良いんじゃない?」と押し切られ、僕達はそのまま由紀恵のマンションに向かった。

「お風呂は沸いているから先に入ってて。」僕は由紀恵に言われるがまま、慣れない女の服を脱いだ。
湯船に浸かっていると由紀恵が入ってきた。見知った「僕」の身体であったが、股間のモノを目の当たりにして、思わず目を背けていた。
「あんたの身体でしょ。恥ずかしがる事ないんじゃない?」と、由紀恵はここ数日シャワーも浴びていなかった汚れた「僕」の身体を洗っていった。
「ほら、洗ってやるから出てきなさい。」さっきより大きくなっていた股間のモノに躊躇はしたが、結局由紀恵の指示に従うことになった。実際、女性の身体をどう洗えば良いのかなど知らないので、僕はその身を任せるしかない。
由紀恵の手が背中、腕とボディソープを刷り込んでゆく。その手が前に廻り、胸を包み揉みあげる。
「あぁん♪」快感のようなものに思わず声をあげてしまった。
「そうね。気持ち良かったら我慢せずに喘いだ方が良いわよ。」と、由紀恵はワザと感じる所を攻めていった。
由紀恵の指が僕の股の間に滑り込んできた。「イヤッ」と反射的に声をあげ、ギュッと閉じたが「ここはデリケートな所だから、ちゃんと洗わなくちゃだめよ♪」と耳元で囁かれた。

由紀恵の指技に翻弄され、僕は風呂を出るなりグッタリとベッドの上に横たわっていた。風呂の中で僕は幾度となくイかされたのだろう。それがオンナの快感である事を今になって理解し、僕は頬を赤らめていた。
由紀恵は何かを探してゴソゴソとしていた。やがて、ベッドの近くの椅子に座った。
「何してるの?」と由紀恵の方を向いた。
そこには鏡に向かいお化粧をしている女性?がいた。女物の服を着ているが、髪の毛は男のよう…
その人物は「僕」だった。お化粧が終わり、ロングのカツラを被ると、とても「僕」には見えなかった。
「あんたが痩せていてよかったわ。」男とも女ともつかない声色で由紀恵は僕に全身を見せた。詰め物をしているのか、胸はしっかりと膨らんでいる。腕や脚の毛は綺麗に剃り落とされていた。
「このマンション、男子禁制なのよ。誰かに見られるといけないから女装してみたの。似合ってると思わない?」とくるりと回転し、スカートの裾を舞わせた。
由紀恵の言う通り、元が「僕」だとは思えないほど女らしかった。

が、僕がベッドの上で起き上がったと同時に由紀恵が、「え?やだ!」と突然下半身を押さえていた。見るとスカートにくっきりと男のシンボルが浮かび上がっていた。全裸の僕の姿に反応してしまったらしい。
「あんたの身体でしょ。ちゃんと始末してよね。」とスカートをたくし上げた。
小さなパンティから「僕」の男性自身がはみ出ている。由紀恵は僕の頭を引き寄せると、パンティから取り出したペニスを僕の口に咥えさせた。
何をさせようとしているかは解っていた。そして、僕はそれに抗うことができないのも解っている。僕は「僕」のペニスにしゃぶりついた。
しばらくして由紀恵がうめき声を上げると、口の中に精液が放出された。僕はこぼさないように全てを飲み込み、舌で残祉を舐め取って萎えたペニスをパンティの中に戻した。

 
僕が「女」である事をなかなか受け入れられないでいる間にも、由紀恵は着々と事を進めていた。既にマンションの中では「由紀恵の妹」という事で認知されていた。「美人姉妹」とも噂されているみたいだ。
由紀恵は「僕」の身体に女装させるだけでは納まらなかった。ホルモン剤を飲み始めると胸が膨らみだし、身体つきもよりオンナらしくなっていった。僕の裸体を見ても勃起する事はないようだ。ペニス自体も大分小さくなってしまっていた。
「しばらく外泊してくるから」
と言って戻ってきた時には、「僕」の股間からは完全にペニスが失われていた。股間には今の僕と同じ、淫靡な縦の筋が走っていた。
由紀恵の変身が進むにつれて「僕」という存在がどんどん薄れていくような気がした。
顔の整形手術が終わって帰ってきた由紀恵は、今の僕と同じ顔になっていた。
「今日からあたしが小室由紀恵に戻るからね。あんたの新しいプロフィールはあたしの妹って事になるわね。さあ、携帯を返してくれないかしら。」
僕はしばらくの間ではあるが「小室由紀恵」として使っていた携帯を彼女に戻した。
「僕はどうなるの?」
「できれば、整形して小室由紀恵とは赤の他人になってもらいたいわね。そうすれば生きるも死ぬもあなたの自由よ。」

僕は由紀恵に言われるまま、整形手術を受けた。
別に、男に戻れる訳でもなかった。顔の包帯が取れると、鏡の中には見知らぬ女の顔が映っていた。
「橋本秀子って所かしらね。」
僕は再びフリータの生活に戻っていった。違うのは、今の僕が女であること…
しかし、そらの違いには大きなものがあった。仕事はきつく、収入もほとんどない生活を続けてきた昔の僕。自殺も考えた事もあった。
女となった僕には楽で稼ぎの良い仕事を見つける事ができた。
街角に立っているだけで、金を持った男達が声を掛けてくる。その相手をするだけで男の時の数倍の収入が得られるのだ。それに、きついどころか、快感さえ伴っている。
僕はベッドの上で脚を広げる。
快感が訪れる。
極上の悦感の中で僕は叫ぶ。「イ、イく…イっちゃう~~♪」

 
純也は暗い夜道をとぼとぼと歩いていた。

「おい!」
不意に声を掛けられ、振り向いたが誰もいない。暗いとは言え、月あかりだけでも十分認識可能な明るさがある。が、純也は声の主を見つけることは出来なかった。
「おい!」再び声がする。
「誰? 僕を呼んでいるの?」純也は声のする方に向かって言った。「そうだ、そこにはお前しかおるまい?」「誰なのですか?姿を現してください!!」
純也は声のした方に目を凝らしたが、何も見つからなかった。「今ここで姿を現すのは叶わないのだ。私は遥か遠くにいて、お前の心に直接語り掛けている。」
「心に?! 超能力??」「超能力か…お前の世界ではそのように表現されるのだな?私は単に魔法と呼んでいる。」
「僕に何の用があるのですか?」声の説明は純也の理解の外にあった。ならば早々に用件を聞いてしまった方が良いと結論付けたのだった。
「姫を匿って欲しい。」
「無理ですよ!!」と即答したが「頼めるのはお前だけなのだ。これから姫をそちらに送る。」
「ち、ちょっと待ってよ!そんな一方的な…」と抗議する間にも純也の周囲が不可思議な光に包まれていった。

 

光が落ち着くと、そこには中世貴族風のドレスを着た愛らしい女の子が立っていた。
「ど、どうなっているの?」純也の発した疑問は、そのまま女の子の口からこぼれでてきた。
「え?!」女の子は驚きに口に手を充てた。
純也が把握できたのは、いつの間にか自分がドレスを着させられている事、靴もスニーカではなくかかとの高い靴であること…
彼には未だ自分の姿、顔を確認する術がなかった。

誰にも見られないように、足音を忍ばせてアパートの階段を昇った。二階の一番奥が純也の部屋だった。鍵は掛けていないので、そのままドアを開けて中に入る。
スカートが家具などに引っかからないようにする。靴を脱ぐのも一苦労だった。頭の上や耳に付けられた装飾品がシャラシャラと音を発てる。早く鏡を見たいと焦る心を落ち着かせる。
ユニットバスの狭い入り口にかさばる衣服とともに体を押し込んだ。一旦瞼を閉じ、洗面台に正面を向ける。
ごくりと唾を呑み込み、純也は瞼を開いた…

「誰?」
鏡に写っていたのは、着飾った女の子の顔だった。化粧とかいろいろされているとは思っていたが、そこには純也の面影は何一つ存在しなかった。
結い上げられ、ティアラの載せられた髪は綺麗な金髪であった。ふっくらとした頬のライン、ピンク色に塗られた唇は小さな口を更に愛らしくしている。
細く整えられた眉毛に形の良い額。スッと筋の通った鼻は高からず低からず。そして大きく見開かれた目にある瞳の色は澄んだ水色をしていた。

「誰なんだ?この娘は!!」純也は叫ぼうとしたが、声の言っていた言葉にその声を詰まらせた。
「この娘が姫なのか?」声の言っていた匿うと言う意味が、今の状態に結びついていった。「もしかして…」
と胸に手を充てる。造り物かとの一縷の望みを裏切って、胸の膨らみから充てがわれた手の感触が伝わってきた。純也はスカートの中に手を入れ、股間に触れてみた。
レースのフリルが施された女の子の下着の上からではあったが、そこには確かにオンナの秘裂が存在した。

「これが、この娘を匿うって事?」
声は「魔法」と言っていた。何が起きてもその一言で済ましてしまうのだろう。今の純也には現状を受け入れるしかない事も解っていた。
「取り敢えず、この邪魔なドレスを脱いでしまわないとな。」と、背中にある筈のファスナーに手を伸ばしたがそれらしきモノは見つからなかった。
純也は焦ったが、どうにもならない。助けを呼ぼうとしたが、携帯電話はこの姿に変わった時に着ていた服と一緒に失われてしまったようだ。

 
と、ドアをノックする音がした。
「純也、いるか?」その声は親友の正樹だった。純也はドレスに阻まれ身動きがとれずにいた。
ドアには鍵は掛けていなかった。物音を聞いて正樹が入ってくる。「だ、ダメ!!」純也の切迫した叫びは正樹の行動を速める事にしかならなかった。
「どうした?」と玄関に靴を脱ぎ捨て飛び込んでくる。叫び声のした場所を見る。
そこにはドレスに身動きがとれなくなった女の子がいた。
「ま、正樹~!」情けない声で呼ばれた。が、彼にはこの娘が誰だか解らない。ましてや、青い眼・金髪で艶やかなドレスを着ているのだ。
「とにかく、ここから出してくれないか?」
正樹は娘の願いをきいてやった。

「で、君は何者なんだ?ぁあ、日本語は解るよな?」娘を居間に運び、玄関のドアとユニットバスのドアを閉め、娘の前に座った正樹が問い詰める。
「僕が純也なんだ…と言っても信じてはもらえないと思うけど、本当の事なんだ。」
「まあ、信じろと言われても無理があるな。第一、純也は男だ。」
「とにかく、話を聞いて欲しい。」と純也はこれまでのいきさつを正樹に話した。
「まぁ、荒唐無稽な話だが、日本語ペラペラの外国の女の子がココにいるという事からして普通ではないよな。ましてや、こんなドレスを着てウロウロするような所でもない。それに、君の話し方は純也そのものだ。」
純也はそれを聞いてほっと胸を撫で下ろした。
「で、あそこで何をしていたんだい?」と正樹。「このドレスが邪魔なんで脱ごうとしたけど手に終えなくなってしまったんだ。」
「ちょっと見せてみろ。」と純也に背中を向かせた。「あぁ、この服は絶対に一人では脱ぎ着できないな。それこそ、お付きのメイドに手伝ってもらわないとな。なんたってお姫様なんだから。」
「蘊蓄は良いから、脱ぐのを手伝ってくれないか?」純也の頼みに正樹は素直に応じるのだった。

 

「ありがとう♪」ドレスだけでなく、結い上げた髪も解いてもらっていた。全ての装飾品を外し、身軽になった体で洗面台に向かう。石鹸で化粧を落としてようやく一息ついた。
「俺とお前の仲なんだが、少しは今の自分の状況を考えてくれないか?」と正樹。
「何か?」と無邪気な顔で答える。
「仮にも女の子なんだから、下着姿のままあぐらをかかないでくれないか?俺はそう長くは理性を保っていられそうにない。」
「何?その理性って。正樹の口からそんな言葉が出るとは思ってもいなかったよ。」
正樹の手が震えだし、顔が赤くなる。「だから、限界だと言っているだろう?お前はそうなっても良いのか?」純也は未だ理解できていないようだった。
「我慢は良くないよ。正樹の好きにして良いんじゃない?」
その言葉に正樹の中の堤防が決壊した。
「後で文句を言うなよな。半分はお前にも責任はあるんだからな。」
正樹は純也の上に伸し掛かっていった。唇を塞がれ、濃厚なキスの洗礼に純也の意識が混惑する。下着を剥ぎ取られ乳房を刺激されると、得体の知れない快感が湧き起こってくる。
「お姫様の乳首は綺麗だね。」とピンクのさくらんぼのような乳首が正樹の口に含まれる。舌先で嬲られ、甘噛みされる。
これまで経験したことのない刺激が、快感となって純也を襲う。「ああ…」純也の口から甘い喘ぎが漏れる。
「感度が良いんだね。」と今度は下が剥がれる。純也の股間に正樹の指が触れる。割れ目に添って指が這わされる。刺激を与えると、次第に潤んでくる。
クチュクチュと淫卑な音が立ち始める。「濡れてきたね。」と正樹が囁く。彼の指は純也の奥にまで差し込まれていた。
純也はソコから与えられる刺激に媚声をあげ、体を悶えさせていた。朦朧とした意識の中で、必死に抵抗しているモノがあった。
「駄目、それ以上は…」ソレは純也の中に残っていた「男」の意識だった。「女」としてイッてしまうことで「男」としての自我が崩壊してしまうのではないかと恐れている。
「何がダメなんだい?お前のソコはもの欲しそうにヒクヒクしてるぞ。」正樹は股間から掬い取った淫汁を純也の唇に刷り込んだ。
「それじゃあ、ご希望通りに真打ち登場といきますか♪」正樹は体勢を整えた。純也の脚を抱えて股間を広げさせる。純也は抵抗することなく、正樹にされるがままにしていた。

「あっ!!イタイ!!」

正樹が侵入すると同時に純也が悲鳴をあげた。「痛い、イタイ、いた~い!!」
「おお、心も体も処女という訳ですか。大丈夫。すぐに慣れるよ。」正樹は委細構わず挿入を続けた。
純也は無意識のうちに正樹のペニスを締め付ける。それは正樹を更に逞しくし、それが快感となって純也にフィードバックされてくる。いつしか、快感が痛みを圧し、純也は再び喘ぎ声を上げ始めた。

「あ、あ、イク…」純也の喘ぎに呼応するように、正樹も達しようとしていた。
「お、俺もいくぞ!」と最後の一突きを入れ、正樹は純也の膣に己の精を放出した。
同時に純也も嬌声を発し、果てていた。

 
まどろみの中で純也は目覚めた。
正樹の逞しい腕に抱かれている自分が、オンナであることを再確認した。股間の疼痛が処女でなくなったことを伝えてくる。後悔はしていない。この腕に包まれている幸福感は他に替え難いものであると解っている。
「お目覚めですか?お姫様♪」正樹の声が心地よい。
「あっ、待って!もう少しこのままで…」モゾモゾと起き上がろうとする正樹を純也が引き留める。
「お姫様のおおせのままに。」と軽くキスをする。それだけで純也は幸せな気持ちになっていた。

 

自堕落な日々が続いた。純也はオンナの快感に目覚め、欲望のままに正樹を求める。正樹もまた、純也の欲求を阻止することはできなかった。
お姫様の姿の純也を外に出せば目立ってしまう。必然的に純也は監禁状態となる。その不自由さを考えると、正樹は純也の求めるものを断ることができなかった。

ある日、純也が身体の不調を訴えてきた。それが悪阻の症状と似ていることに気付いた。正樹には十分思い当たる節がある。純也との行為で避妊などは考えた事がなかったのだ。元は男だといえ、今の純也は女性の器官を完璧なまでに保有しているのだ。正樹も純也もそこまでは思い至らなかった。特に、純也は何も判っていない。
正樹が「生理はあったか?」と聞いても、何の事か理解していない。理解していなくとも、生理があれば何らかの異変があった事に気付く筈だ。
純也が妊娠している可能性はかなり高い。先ずは妊娠検査薬で判定する。予想通り、妊娠しているようである。が、こんなお姫様の姿の純也を連れて、病院に行く事など問題外である。仮に行ったとしても、純也の保険証など使える筈もない。
正樹はこのまま、この部屋で子供を生ませる事にした。

ネットで情報を集める。必要な機材を揃えてゆく。その間にも、純也の胎は刻々と膨らみを増していった。
胎児が成長するにつれ、純也にも母性が目覚めてきたようである。最初は女の服を着るのも嫌がっていたが、腹を冷やしてはいけないと判るとマタニティドレスを躊躇わずに着ていた。
やがて臨月を迎える。
正樹は純也の胎から元気な女の子を取り出していた。
赤ん坊の泣き声が部屋の中に響き渡る。
「よくやった。頑張ったね。」
正樹は純也に声を掛けた。
「うん」そう応えた純也の目には大粒の涙が浮かんでいた。

 

「おい!」
純也の耳に懐かしい声が響いた。
「あなたですか?」
「そうだ。姫を匿ってもらってありがとう。ようやくこちらも落ち着きを取り戻した。
これで姫を連れて帰れる。」
そして一瞬の沈黙が訪れた後、
「何故、姫が二人いる?」
「この子は僕の娘です。あなたの「姫」ではありません。」
「も、もしや… 貴様、姫を傷物にしおったか?」
「まぁ、僕の責任でもありますが、何も言わずに「姫」を押しつけていったのはあなたの方でしょ?預かった僕が「姫」をどうしようとあなたの知った事ではない筈だね。」
再び声が沈黙した。
「それでも、姫は戻してもらう。」と声がすると純也の周囲が不可思議な光に包まれていった。

光が落ち着くと、そこには純也と正樹の二人だけが残っていた。
純也の腕に抱かれていた「姫」もその姿を消していた。
「連れていかれちゃったの?」純也が正樹を見る。「ふたりともね。」と正樹。
「僕達の赤ちゃんが…」純也の目から涙が落ちてゆく。
「また作れば良いよ。今度は「姫」の子ではなく、純也の子をね。」
正樹は純也を抱き締めた。
純也は「純也」に戻っていたが、その身体は女のままであった。
「ぁあん♪」
正樹の手が純也の感じる所を攻め始めていた。
二人の間に再び命が宿るのも、そう遠くない未来であると容易に想像がついた。

(つぶやき)

今回は不調です

出来は良いとは思えませんが、とりあえずUPしておきます(ネタとして…)

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