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2008年12月14日 (日)

呪いの…

 

「呪いのレオタードって知ってるか?」
学校の帰りにたむろする喫茶店で良悟が言った。正直に「知らない」と言うと良悟はテーブルの上に身を乗り出してきて言った。
「実はコレがそうなんだ。」と紙袋を目の前にかざした。

「呪いって?」
俺が聞くと、「まあ、中を見てみろ。」と紙袋を俺に手渡した。店の中とはいえ、公衆の視線を感じる。袋の口を開けて中を覗き込んだ。
「これが、そのレオタードなのか?」広げて確かめる訳にもいかないが、中には光沢を発する布地で造られたモノがあった。レオタード自体、そんなによく見た事はなかったが、それが魔が魔がしいまのであるようには見えなかった。
「で、これにはどんな呪いが掛かっているんだ?」「知らん。」「断る!!」
聞かれてもいないのに、俺は即答していた。
「なんでだよ。まだ何も頼んでいないぞ。」「お前のやりたい事は容易に想像できる。」まあ、良悟とは長い付き合いだ。「俺の家は両親が留守がちだ。誰にも邪魔されない場所が欲しいんだろ?」
良悟はウンウンと首を縦に振っている。「それに、俺を実験台にするつもりだ。」
「よく解っているじゃないか。」「だから、断ると言っているだろう?」「ありがとう。じゃあ決まりな♪さっそく行こうじゃないか。そう、ここの分は俺が奢ってやるからな。」と良悟は席を立っていた。

 

鍵を開けて家の中に入る。両親揃っての出張なので、あと一週間は俺独りの家だ。
「おじゃましま~す。」と律義に声を上げる良悟。昔から変わらない。「俺の部屋で良いか?」と二階に上げる。
俺が台所からジュースを持ってくる間に、良悟は俺のベッドの上に「呪い」のレオタードを広げていた。
「何で自分で着てみようとは思わないんだ?」「自分で自分を観察する事は非常に難しい。それにどんな突発事態が発生するとも限らない。」
「観察するなら俺にもできるし、突発事態の対応にしても、俺と大差ないんじゃないか?」「それはそうだが、お前は重要なものを見落としている。」「な、何なんだ?」
「それは、」俺はゴクリと息を飲んだ。「それは、お前の方が絵になるからだ。」
「…」

俺は二の句が継げなかった。
結局俺がレオタードを着る事になった。良悟に背を向けて服を脱いでゆく。「下着はどうするんだ?」と聞くと、「おぉそうだ。」と紙袋から何かを取り出した。「下着はコレを着けてくれ。」と渡されたのは、両サイドを紐で縛る女性用のパンツだった。
どうせ拒絶することはできないのだからと、潔くブリーフを脱いだ。紐パンを穿き、レオタードに足を通した。
ズリズリと引き上げて肩紐を掛けた。「できたぞ。」と良悟に向き直った。「俺の目に狂いはない。すごく似合っているぞ。」
「褒めても何も出ないぞ。それより、呪いの方はどうなったんだ?」
「ああ、それはこれからだ。ちょっと良いか?」と擦り寄ってくる。良悟の手が腰のあたりで何かしている。
「ちょっとガニ股になってくれ。」と言われ、足を広げ、腰を下ろした。
スルリと股間を何かが通り抜けていった。

良悟の手にあたしの穿いていた紐パンがあった。
「何するのよ。返してちょうだい!!」あたしが叫ぶと
「これは、お前が穿いていただけで、お前のモノではないのだろ?」
「そ、それはそうだけど…」下着がない事で、レオタードの股間にはあたしの陰部が浮き上がっているに違いない。
「パンツの線がなくなって、すごく綺麗に見えるよ。」「え?」何か意表を突かれてしまった。
綺麗って、あたしの事?ちがうわよね、あたしの着ているレオタードが綺麗に見えるのよね…
「このレオタードだって、お前が着てるから綺麗に見えるんだぜ。」って、あたしが綺麗だって言ってくれてるの?
「そうだ!レオタードの上からで良いから、これを着てみてくれないか?」と渡されたのはマイクロミニのスカートだった。
「こんなに短いの恥ずかしいわ。」当ててみただけであたしは躊躇した。
「じゃあこっちなら良いかい?」と取り出したのは良悟の学校の女子の制服だった。あたしも憧れてたんだけど、そこに入れる程アタマは良くないのよね。
「でも、どうしてレオタードの上からなの?」と聞くと「そ、それはこっちの都合なんだけど…」何か隠しているみたいだけど、大好きな良悟の為なら何だってしちゃうの。あたしってケナゲな女の子でしょ?

良悟の同級生のふりをして街を歩くのは、とっても気分が良かった。良悟がいつも行く喫茶店に入った。前にも来たことがあったような気がしたけど、今日が初めてよね?
「このパフェ可愛い♪」とスプーンを手にしたあたしを、良悟はニヤニヤと見ている。「どうしたの?」と聞くと、「呪いの力って凄いんだなぁと思って。」
何の事を言ってるのか、あたしにはさっぱり解らなかった。「ああ、このクリーム美味しい♪」あたしがスプーンを舐めあげていると「あと3時間で固定されるんだ。」
「ふ~ん。」適当に相槌を打つと「お前はこのままで良いと思うか?」って聞いてきた。「良悟の彼女でいられるなら、それで良いよ。」と答えた。
何故か良悟は頭を抱えていた…

 

「お前、呪いの正体を知っていたんだな?」
そこはラブホテルのベッドの上だった。レオタードを脱いだ事で正気を取り戻した俺は良悟の胸に拳を打ちつけた。
レオタードを脱いだ俺は、もちろん素裸である。だが、その肉体は数時間前までの「俺」ではなかった。股間からは男のシンボルが消え、胸には膨らみが出来ていた。
女になった俺の腕力では、いくら殴っても良悟を痛めつけることはできない。それ以前に、俺の心が良悟を殴るのを阻止しようとしていた。
「まだ」良悟が言った。「まだ、その姿に固定されている訳ではない。レオタードを脱げば次第に元に戻ることになっている。明日の朝にはすっかり元通りになっているよ。」
「でも、何で今、ここで呪いを解いたんだ?」「ここに来たのは、お前が誘ったからだ。女の子の方から誘われて、断れると思うか?」「俺が?!」「呪いの力だよ。お前には正常な判断はできていなかった筈だ。だから、最後の一線で俺は踏み停まれたんだ。」「い、いくら見た目が女の子でも、お前はホイホイ付いて行くのか?」
「それは違う!!その娘がお前だったからだ。俺は…」
良悟の目が見開かれた。
「俺は、女になった可愛いお前に惚れてしまったんだ。」

ドキンッ!!

俺の胸が激しく脈打った。
良悟になら抱かれても良い…
俺は良悟に抱きついていた。

 

「呪いの体操着って知ってるか?」
学校の帰りにたむろする喫茶店で良悟が言った。正直に「知らない」と言うと良悟はテーブルの上に身を乗り出してきて言った。
「実はコレがそうなんだ。」と紙袋を目の前にかざす。

紙袋の中には半袖のシャツとブルマが入っていた。「今時ブルマなの?」「ブルマのどこが悪い?セーラー服、ブルマ、スクール水着は男子学生のロマンだろうが?」と良悟が熱弁を奮う。
「解った、解った。勝手にロマンしててちょうだい♪」とあたしは紙袋を押し返した。

「でもね、あたしに着せたいのなら、呪いの無いのにしてよね♪」
 

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コメント

体ばかりか、心までも・・・
でも可愛い女の子になれるなら着てみたいな・・て気がしたりして。^^

よしおかさん
毎度コメントありがとうございます

>着てみたいな・・
サンタさんにでも頼んでみて下さい

男に戻るには時間制限がありますが、
時間が経つと頭の中まで女性化が進みますので
早めに脱いでおく事をお勧めしますよ

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