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2008年12月23日 (火)

トラップ(前編)

 
なかなか前に進めない。
足にまとわりつくのは亡者達の怨念の澱みに他ならない。「大丈夫か?」と振り返った先には遅れがちに付いてくるナクシがいる。女の体力で俺の後に従うには、体力を補う強い意志の力が必要であった。
顔を上げたナクシは、目だけで「問題ない」と答えていた。既に喋るだけの余分な体力は残っていない。俺は足を止めナクシが追いつくのを待った。
「何故止まっている。リズムを乱すと体力を消耗するぞ。」と無言の圧力がのし掛かる。自らの失態を甘んじて受けようとするのがナクシだ。その失態を因として仲間に不利を与えることを最も嫌う。
しかし、今回のトラップでナクシが女になってしまったのは、誰にも責を負わすことはできない。本当に運が悪かったとしか言いようがない。
その洞穴にドラゴンが迷い込むなど誰が想像できるだろうか?第一、このあたりに生息するドラゴンは大型で仔獣でも飛翔可能なくらいに成長したやつであれば、この洞穴には入ることはできない。
このあたりにはいない小型のドラゴンと洞穴の中で鉢合わせする確率はどれくらいあるのだろうか?そして、慌てたドラゴンがトラップを発動させるのを抑止できる者がいたらお目にかかりたい。

不運にもトラップは発動してしまった。巻き込まれたナクシは命には別状はないものの、その姿はか弱い女のものとなっていた。「こんな身体では足手まといになる。俺を置いて行け!」
「そうは行くか!」とナクシの腕を引いた時、もう一つのトラップが発動した。

 
「ああん♪」と艶めかしい吐息がナクシの口を突いた。目元が潤んでいる。「どうやら異性に触れると発情してしまうようだ。」顔は淫淘な表情を浮かべているが、ナクシはいつもの冷静な分析を下した。
「この発作を収めるのに協力してくれないか?即に済む筈だ。」とナクシは服を脱ぎ、全裸になった。
そこにあったのは紛う事なきオンナの裸体だった。既にその股間は淫卑に濡れそぼり、内股には雫がしたたっていた。ナクシは俺の前に跪くとズボンの中から俺の逸物を取り出した。
ナクシの指が絡みついただけで、俺の股間は爆発しそうだった。「これなら良いな。」とナクシは俺に背を向けたかと思うと、上体を倒し、高々と尻を突き上げてきた。
「さあ、突っ込んでくれ。私がイけば火照りも収まる筈だ。」と俺の目の前で女陰をヒクつかせた。
既に俺の逸物は準備が整っていた。ナクシの要求に従い、俺はナクシの「女」を突いた。「あ、ああん!!」ナクシの口からオンナの嬌声が上がる。俺が達するまでには多くの時間はいらなかった。熱い塊がナクシの膣に吐き出されると、ナクシも叫び声を上げた。

 

イッた事でナクシの火照りは収まったが、いつまでもこの洞穴に留まってはいられない。トラップは他にもあるだろうし、いつまたドラゴンが迷い込んでくるとも限らない。
「足手まといになる。私を置いてゆけ。」問答が繰り返されようとした。しかし、成り行きとは言え、交わった女を放りだすような事は俺にはできない。ない知恵を振り絞る。
「お前を残していくのは簡単だが、再び発情の発作がおきたら、どうやって収めるんだ?」「…」ナクシに選択肢はない。「解った。だが、何があっても私に触れないでくれ。」
今回はお宝もゲットできず、まったくの赤字になってしまった。が、ここを離れる事ができなければ、それは俺達の死を意味するばかりでなく、この地で永劫に亡者として洞穴を守り続けることになるのだ。
思った以上に長居してしまったため、洞穴の周りを水濠のように囲む池の水かさが増してきていた。水濠は年に二度干上がり、歩いて洞穴に渡れるようになる。もちろん船を使えば年に二度の機会を待つこともないのだが、洞穴を守る亡者達と戦うには、地に足が付いていた方が良い。
洞穴から去ろうとする俺達を亡者が襲うことはないが、往きに倒した亡者達の屍が俺達の足を掬おうとする。更に、池の水かさが増してきている。
洞穴を出た時はまだ足首を濡らす程度であったが、既に太股を越えようとしていた。池の端まではあと少しである。ナクシの手を引いてやりたい所だが、ここで発作を起こされては大事でたる。俺は先に池の縁に辿り着き、そこをよじ上った。ナクシの体力では最後の難関をクリアできそうになかった。
俺はあたりを見回し、縄にできそうな蔦や草の根を集めてきた。
池の縁に座り、ナクシが辿り着くのを待ちながら縄を編んでいった。一方の端を輪にしてナクシに投げた。ナクシもそれを理解し、頭をくぐらせた。

縁に掛かったナクシの腕を引き上げようとする衝動をグウと押さえ込む。ナクシは自らの力で這い上がってきた。

 

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