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2008年11月15日 (土)

あたし、サラリーマンなんです♪(1)

 

ここは何処なんだろう?

俺は辺りを見回してみたが、記憶にあるどこの景色とも一致してこない。歩道に立ち止まっている俺を、まばらな通行人が胡散臭げに振り返ってゆく。少し離れた所に公園があったので、とりあえずそこに移動する事にした。
一歩、足を進める。(?)違和感が俺を襲う。何かが足にまとわり付いている。それに、身体のバランスがおかしい。何かが頬をくすぐる。(髪の毛?)
俺の頬に触れていたのは、金色の髪の毛だった。俺の毛は黒だし、染めた記憶もない。第一、女みたいに頬に届くまで長く伸ばしたりはしていない。だが、それを引っ張ると、確かに俺の頭から生えていると実感させられる。
鏡はないのか?
辿り着いた公園には公衆トイレがあった。俺は真っ直ぐにトイレに向かった。手洗い場の壁には鏡がある。

…誰だ、この娘は?
鏡に映っていたのは「俺」ではなく、金髪碧眼のガイジンの女の子だった。着ているのはワンピース。俺の足にまとわり付いたのはスカートの裾に違いない。発育の良い胸はブラで固定されているにもかかわらず、俺の胸でプルプルと震えている。これだけの質量があれば、身体のバランスが取り難いのも納得できる…
だが、俺が女の子になっているという事実はどうあっても納得できるものではない。

「…クリス、何処にいるの?」女の声がした。俺…この娘を探しているのだろうか?俺は公衆トイレを出て、公園の入り口に向かった。
「あぁ、クリス。良かったわ、見つかって。」と、この娘と同じ金髪の女が近づいてきた。「ダメじゃないの、勝手にうろついちゃ。」女の勢いに圧され「ごめんなさい…」と謝ってしまっていた。
「あ、もしかしてトイレだったの?慣れない所で大丈夫だった?」俺は用を足すためにトイレにいった訳ではないので首を横に振ったが、彼女は俺がトイレが使えずに未だ我慢していると勘違いしたようだ。
手近の喫茶店に連れていかれ、注文もそこそこに女子トイレに押し込まれてしまった。不思議なもので、便器を前にすると自然と尿意が感じられた。
便座を上げ体勢をとろうとして、今の自分が女になっていた事に気づく。立ったまま小用を足すことはできないのだ。仕方なく便座を下ろし後ろを向いた。スカートをたくし上げ、中のショーツを下ろして便座に座った。
括約筋が緩むと、俺の股間からおしっこが奔った。弾けた滴でお尻が濡れている。ペーパーで拭ったが、そこには男にあるべきシンボルが存在しない事を改めて思い知らされた。

席に戻ると女は珈琲を飲んでいた。向かい側にはアイスティが置かれている。「どうしたの?」彼女はテーブルの前で戸惑っている俺に席に座るように促す。「はい…」と椅子に座る。改めて聞く自分の声は、やはり女の子の声になっていた。
「落ち着いた?」と女。俺は「何とか…」と答えたが、頭の中は疑問符で一杯になっていた。この女は誰?ここは何処?そもそも、何で俺は女の子になっているんだ????

 
「クリス?」と声を掛けられ俺は向かい側の女を見た。「貴女、クリスじゃないのね?」そう言われ、俺はどう答えれば良いか迷った。「心配しないで良いわよ。貴女はクリスの気まぐれに巻き込まれただけなのだから。良かったら貴女の事を話してくれないかしら。名前は何ていうの?」
「…な、何がどうなったと言うのですか?その、巻き込まれたってどういう事?」彼女は全てを知っていそうだった。俺はとにかく、今、自分の置かれている状況を知りたかった。「そうね。貴女もそれは知りたいでしょうね。」彼女は珈琲のカップをテーブルに置いた。
「クリスには特別な能力があるのです。精神を肉体から切り離し、別の人の肉体に入り込んで、その人に成りすますのです。何が面白いのか知りませんが、クリスは時々そうやって他人になって遊んでるのです。彼女がそうしている間、入り込まれた方の人の精神は今の貴女のようにクリスの中に入ることになっているようです。」
「彼女が戻れば、元に戻れるという事?」俺は身を乗り出すようにして彼女に聞いた。
「それは問題ないみたいです。ただ、クリスが何時戻って来るかは判りません。三日後か、三ヶ月後か、三年後か…」「三年って、そんなに長い間も?それは無理よ。その娘に会って直談判しなくちゃ。ねぇ、何処にいるの?」俺がすぐにでも店を出て行こうと腰を上げたが、
「慌てないでね。クリスのいる所は元々貴女がいた所である可能性が一番高いでしょう。だからと言って、彼女がいつまでもそこに留まっているとは限りません。いずれ、彼女の方から接触してきます。」「そ、そんなの嫌よ。あたしは男なのよ。女の子になるなんて耐えられないわ。」
「ぁあ、貴女、男の方だったのですか?それは珍しい。でも、大丈夫ですよ。貴女もその身体に大分順応してきているようです。喋っていても貴女が男だったなんて気づかないくらい女の子していますよ。」「あたしが女の子?」俺は自分の発した言葉に愕然とした。

「あたし…」
俺は「俺」と言ったつもりだった。しかし、俺の耳に届いたのは「あたし」だった。
「これが順応したって事なの。あたしは男なのに女の子してる?」「どこから見ても女の子。そしてクリスそのものね。もう少しすれば、貴女はクリスそのものになってしまうんじゃないかしら。」
「あたしがクリスに?」「何言ってるの?貴女がクリス以外の何者だというの?ほら、ストローに歯形が付いているじゃない。それはクリスの癖だったでしょ?」
俺はアイスティのグラスに刺さったストローの先端を見た。違和感がなかったので気がつかなかったが、そこには俺の歯形が残っていた。そもそも、俺はアイスティを飲む時、ストローを使っていたっけ?しかし、記憶にあるのはマニキュアをした細い指でストローを摘んでいる光景しかない。その先端には今と同じ歯形が刻まれている。
「ネネ、あたし…記憶がおかしくなってる。知らない筈なのに、そこにはクリスとしてのあたしがいる。」得体の知れない恐怖心に俺は女のように泣きそうになっていた。

 

あたし、サラリーマンなんです♪(2)

 

「大丈夫。問題はないわ。記憶って元々脳にあるものでしょ?貴女はクリスの脳を使っているのだから、クリスの記憶があって何もおかしくはないわ。」「でも、あたし…男だった時のあたしの記憶が全然浮かんでこないのよ。」
「だから、クリスの脳を使っている貴女はもう、クリスそのものなのよ。試しに自分のフルネームを言ってごらんなさい。」「あたしの?」「そう」「クリスティーナ・マリア・ワイズマンよ。」「だから、もう貴女はクリスなのよ♪」
「ちょ、ちょっと待って。あたしは、あたしの名前は…」俺は言葉をつなぐ事ができなかった。俺は自分の名前を忘れてしまっていた。「あたし…」俺の目から涙がこぼれた。
「クリス?」ネネが手を伸ばし、俺の頭を撫でた。「大丈夫よ。」彼女の掌の温もりが俺を落ち着かせた。「ネネ…」見上げると、彼女はにっこりと微笑んでいた。

「過去に捕らわれていては駄目よ。」俺達は喫茶店を出て、路を歩いていた。「あなたはクリスなのだし、クリスとして必要な知識は全て貴女の脳に入っているのよ。」
俺は隣を歩くネネの情報を頭の中から引き出してみた。根室紀子。クリスの家庭教師であり、年の離れた親友である。初めて出会ったとき、クリスは「ノリコ」とは言えなかった。ネェとかネーコとか言っていたのがネネという愛称に落ち着いたのだ。
クリスは貿易商の両親とともに幼い頃に日本にやってきた。クリスに日本語を教えるとともに、多忙な両親に代わってクリスの面倒をみる住み込みのお手伝いさんのようなものでもあった。両親が仕事で家を離れる事が多く、二人だけでの生活が長くなると、二人の関係は更に深まっていった。

「どうしたの?」とネネが振り返った。俺がその場に立ち止まってしまったからだ。多分、俺は顔を真っ赤にしているのだろう。「慣れない身体で疲れたのかしら。ホテルに戻る?」
「ホテル」という単語に俺の肉体が反応した。ジワリと股間が熱を持つ。下腹部で何かが蠢いている。男の「俺」は知る筈のない感覚であったが、クリスの脳には鮮明に刻まれていた。
一線を超えた二人は、性的な関係にまで発展していた。もちろん、女同士であるので互いの肉体を擦り合わせるだけなのだが、男のように出せばおしまいという訳ではないので、体力の続く限り際限なくイき続けるのだった。

「クリス?」ネネが俺の肩に触れた。ビクリと俺の身体が震える。「ダメ…あたし…歩けない…」俺の口から弱々しい声が漏れた。「もしかして、アレを思い出したの?」ネネの顔に好色そうな笑みが浮かんだ。
不意に目の前にネネの顔がアップになった。そのままネネの唇が俺の口を塞いだ。息が吸われ、力なく開かれた前歯の間から彼女の舌が侵入してきた。
「ムン…」止めてと言おうとしたが、言葉にならない。それ以前に俺の身体が彼女の行為を嬉々として受け入れている。体中から力が抜けてゆく。俺はあろうことか、女の腕に抱えられていた。

 
俺はホテルのベッドに横たえられていた。既に服は脱がされ、下着しか着ていなかった。「貴女も敏感な娘よね♪キスだけでパンツをグショグショに濡らしてしまうのよね。」俺の頭にはクリスの記憶が鮮明に映し出されている。この後、ネネが何をしようとしているか、それにより自分がどう感じるか、全て解ってしまっている。
しかし、それは男の「俺」が知る筈のないオンナの快感なのだ。はたして、記憶にあるのと同じように「俺」も感じてしまうのだろうか?
未知への恐怖に俺は逃げ出したかったが、身体な期待に打ち震え、俺の意思に従おうとはしなかった。
「クリス、可愛いわね♪」ネネもまたセクシーな下着に包まれて、俺の視界に入ってきた。「どうしたの、今日は?何かビクビクしているじゃない♪」ネネが俺の上に跨り、再びキスをした。
痺れるような感覚に、俺の頭は霞が掛かったかのように白く濁っていった。正常な思考ができなくなると同時に快感に対する感覚が研ぎ澄まされていった。
ネネに触れられた全ての箇所から快感が沸き上がってくる。最初は下着に包まれていない、露出された所から…次に下着の内に手を入れてくる。男には存在しない、胸の膨らみが揉みあげられる。俺は男なのに、その快感を知っていた。
乳首が弄ばれる。俺は「ああん♪」といつものように喘いでいた。いや、それはクリスの記憶…だが、俺は喘がずにはいられなかった。
ブラのカップからこぼれでた乳房の先端をネネの唇が包み込む。舌先でくすぐられ、俺はベッドの上で悶えていた。ネネの掌が下腹部に乗せられた。ゆっくりと下の方に降りてゆく。パンツのゴムを越して、中に入っていった。
「良いかしら?」
俺はネネの問いに答えることはできなかった。代わりに「んあん」と喘いでいた。ネネの指が股間の合わせ目に這わされる。「クリスはエッチな女の子よね♪ほら、もうヒクヒクとおねだりしているわ。」
彼女の指に刺激され、俺の股間では肉襞が蠢き始めていた。分泌される愛液がネネの指を更に濡らす。「何が欲しいの?」と指の腹で戸口をさする。

「お願い♪イれて頂戴!!」俺は意味も理解せずに叫んでいた。「モっと、モっと。激しくしテ♪」俺は腰を突き上げ、小刻みに揺らしていた。「イれて!!イかして!!あん、ああ~ん!!」俺は泣き叫んでいた。
「わかった。イかせてアゲル♪」
ネネが俺の中に指を突き立てた…

 

あたし、サラリーマンなんです♪(3)

 

俺の記憶はそこで途切れていた。気がつくと俺はベッドで寝ていた。記憶とは違う寝間着を着ていた。股間にも不快感はない。汚れは拭い取られ、新しいパンツに替えられているようだ。
そして、俺がクリスのままである事には誤りはなかった…

「おはよう♪」ネネがワゴンを押して部屋に入ってきた。「朝ご飯にしましょう。」とワゴンに乗せられた皿をテーブルに移していった。
「お、おはよう。」とベッドを降りた。寝ぼけてはいない。頭はいつもより冴えている気がする。椅子に座り、ネネと一緒に食事を始めた。
トーストにバターとジャムを塗る。「クリスはマーマレードが好きなのよね。」
俺は普段はジャムなど付けない…っかと思う。無意識のうちにイチゴやブルーベリーではなくマーマレードを塗っていた。そう言えば、さっきホットミルクに砂糖を入れていたようだ。そして、それを美味しいと感じている自分がそこにいた。

「今日はどこに行きましょうか?」食事が終わり、片付けられたテーブルの上にネネが観光ガイドを広げていた。クリスとネネは観光のためにこの街に来ていたのだ。
「昨日は途中で帰ってしまったから、その続きで良いかしらね?」と俺に同意を求める。俺にはどうでも良かったのだが、ふと頭に浮かんだ。「もう一度…」
俺はそれをはっきりと言葉にしてみた。「もう一度、昨日と同じにできないかしら?できれば、服も似たような格好にしてみたいわ。」俺は立ち上がるとクローゼットの扉を開き、服を選んでいた。

 
「じゃあ、ココで待っていてね。勝手にあちこち動くと迷子になってしまうから。」
そう言ってネネは立ち去っていった。
俺はこの場所を覚えていた。あの時、俺は「ここ」にいたのだ。
ここまではクリスの記憶にあった通りに進んでいた。この体に俺の意識が宿るまで、あとどれくらいの時間があるのだろうか?それまでクリスは何を考えていたのだろうか?
俺はクリスの記憶を再現しながら、クリスの考えを読み取ろうとした。

あの時、街にはまばらではあったが、様々な人々がいた。話に夢中の女子高生のグループ、腕を組んだ若いカップル、散歩する老人、買い物途中の主婦…
そして、忙しげに歩き去ってゆくサラリーマン。
何であんなに急いでるんだろう?
それはクリスの想いだった。これまでクリスは優しい女性達に囲まれ、ゆったりとした時間を過ごしてきていた。それは、クリスの特別な能力により、他の人に入り込んでも違和感がないようにとの配慮だった。
そんなクリスの目に写ったサラリーマンにクリスが興味を引かれたとしても不思議はなかった。
しかし、クリスの特別な能力は相手との相性があるらしく、彼女の目の前を往くサラリーマンに入り込むことはできなかった。そして、クリスが次に精神を飛ばした時「俺」はクリスとなっていた。

俺は自分が何者であったかを確かめることはできなかった。ただ漠然とサラリーマンであった事だけは確かなようだ。だが、名前はおろか、どこに住んでいたとかの情報さえ得ることができなかった。

 
「クリス?」
と声を掛けられた。ネネではない。それは男の声だった。
振り向くとそこに見知らぬ男が立っていた。「あのォ、どなたでしたっけ?」彼はどこにでもいそうなサラリーマンであった。「あら、忘れちゃったの?」と男が首を傾げる。
…変質者?…俺はその場から逃げ出そうとしたが足が動こうとしない。少しでも触れられたら、その場に座り込んでしまいそうだ。
叫ぶ事もできず、俺は男の顔を見つめたまま固まっていた。

「クリス?」
その均衡を破ったのはネネの声だった。声のした方に首を向ける。
「「ネネ!!」」
俺と男が同時に叫んだ。
ネネと俺の視線が男に集中した。
「ネネ、あたしクリスよ♪」

 
俺は頭の中が真っ白になっていた。俺の他にクリスがいる。クリスは見知らぬ男の姿をしている。俺もクリスだけど、俺はクリスではない…
俺の頭はオーバーヒートした。
崩れ落ちる俺の体は、男の腕に抱き止められていた。

 

あたし、サラリーマンなんです♪(4)

 

俺が気を取り戻したねは、再びホテルの部屋の中だった。しかし、今回はベッドではなく、リビングのソファの上だった。
ベッドルームは現在、使用中のようだ。ドアの向こうから、男のうめき声と女の喘ぎ声が聞こえてくる。何をしているのかは容易に想像がついた。
俺に女同士の快感を教え込んだネネが、男に組み敷かれ、女の快感に浸っているのだ。彼女の指が俺に与えてくれた快感を思い出す。同じ快感を、いや、それ以上の快感を彼女は享受しているのだろう。
もともとは男性を受け入れるための器官である。指や器具などの紛い物とは比べられない程の快感を、本物は与えてくれるに違いない。

俺も彼に抱かれたい…

そんな想いが、俺の頭の中をよぎっていった。
既に、俺の股間は愛液で濡れている。俺はパンツの中に手を入れ、愛液に指を濡らしていた。
この指は彼のペニス…そうイメージして目を閉じる。聞こえてくるネネの喘ぎに合わせて指を動かす。俺の喘ぎがネネと重なる…
「あん、あああん♪」指を二本に増やして、更に激しく挿抜する。「もっと激しく…突いて、お願い!!」そう言って大きく腰を振る。男はネネの欲求に応えるように体を揺する。俺の胎で彼のペニスが跳ね回っていた。
「ああん♪イくのォ…イっちゃうー!!」
快感に俺の意識が飛んでいった…

 
俺の目に映ったのは枕だった。ここはベッドの上?
俺の下半身が何かに圧されていた。膣に挿入されているのは指ではない。これは男のペニス?
俺の意識がはっきりしてきた。俺はベッドの上でうつぶせになり、尻を高く突き上げていた。枕に残った髪の毛の色は黒い。シーツに押しつけられた乳房はクリスのものより大きかった。
俺はネネになっていた。

俺はネネの肉体で何度も男にイかされた。それは決して不快なものではなかった。俺は男によって満たされていた。快感にヨがり声を上げる。自ら腰を振り、男を奮い勃たせる。男が疲れ果て眠りにつくまで続けられた。
俺は意識の無くなった男の身体の下から這い出した。寝室のドアを開け、リビングに向かう。クリスが涼しい顔をしてソファに座っていた。
「いかがだったかしら♪オトコに抱かれた感想は?」先程まで俺であった少女が平然と問い掛けてくる。「君はネネなのですか?」
「いいえ、あたしはクリスよ。ネネは貴女でしょう?」「わたしはさっきまでクリスでした。でも、本来のわたしは男性です。寝室のベッドに寝ているのが本来のわたし自身です。」
「そんなのどうでも良いじゃない♪今の貴女はネネ以外の何者でもないのよ。ネネとしての記憶もちゃんとあるでしょ?とにかく、今はあたしがクリスなのよ。だからネネ…」
俺の足はフラフラとソファに近づいていった。クリスの腕に絡み取られる。縺れるように俺達はソファに倒れ込んでいった。

「貴女は口では男だと言っているけど、貴女の本質はとっても淫乱なオンナだと解ってる?」俺はクリスの攻めに喘ぎながら「チガウ」と否定した。
「クリスの特別な能力はクリスの肉体の方にあるのよ。貴女が本当に元の肉体に戻ろうと思っていたら、ちゃんと戻れていた筈なの。」
「あ、あぁん♪」俺は膣の中で暴れるクリスの指に艶声を上げていた。
「けれど、貴女はネネになりたいと願ったのよ。男に貫かれ、嬌声を上げていたネネになりたいと想うのは、貴女の本質が淫らなオンナだったからよ。」
乳首が捻られ、俺は快感に吠き叫んでいた。
「貴女はネネになれて満足しているのでしょう?」

俺はクリスの言葉をほとんど聞いていなかった。オンナの快感に揺さぶられ、飲み込まれ、俺自身が快感そのものになってしまった気がした。「ああ、イくゥ、イっちゃう~♪」
「本当に貴女は淫乱なメス犬よね。じゃあ、今度はまた別の肉体で可愛がってあげるわね♪」

俺は床の上に転がされていた。脚を広げ、股間にはまた別の男を咥え込んでいる。俺の下半身は男達の精液と俺自身が吐き出した愛液にまみれていた。
「まだまだ!!」
男は再びペニスを硬くすると、俺を攻め始めた。「あん、あん。もっと、もっと♪」
俺は盛んに腰を振っていた。
「良い娘だ。お前は自分が何だか判っているな?」
男が俺の尻を叩きながら、そう言った。
俺は躊躇わずに答える。
「わたしはネネ。とっても淫乱なメス犬ですゥ♪」
男は満足げに高笑いをすると、一気に上り詰め、熱い奔りを俺の子宮に叩きつけた。

 

気が付くと、俺は元の街に戻っていた。
そこにはクリスもネネもいない。俺は何事もなかったかのように、元の肉体に戻っていた。日にちだけが、まるまる2日分過ぎ去っていた。
会社では無断欠勤に小言が付いたが、いつも通りのサラリーマンとしての日々が戻ってきていた。朝には足早に会社に向かい、毎日変わらぬノルマをこなし、夜に憂さを晴らし、家に戻り一日が終わる。何の変哲もない一日が過ぎてゆく。
しかし、夜はこれまでと同じには済まなかった。クリスの、そしてネネの肉体で教え込まれたオンナの快感が、俺の精神を染め上げていた。
それは、毎晩のように俺を苦しめる。課長の逞しい肉体を想像する。部長のズボンの前を膨らませていたモノを想う。俺が俺でなければ、そこが会社でなければ…
俺は部長の前に跪き、そこに頬ずり、チャックを開けてソレを咥え込んでいただろう。マニキュアで染めた指で優しく袋を撫で上げ、甘い声で彼を誘惑する。
「ねえ、あたしのナカに入れてみない♪」

ある筈のない子宮が疼きを発している。俺の手は太股を伝い、股間に達する。ショーツのクロッチが俺の愛液で濡れている。指先で俺のオンナを撫で上げた。

「あん、ああん♪」
寝室に俺の喘ぎ声が漏れ始める。シャツのボタンを外し、ブラの中に手を入れ、自ら乳首を刺激する。股間の手はショーツの中に潜り込む。
俺は指を立て、濡れた股間に指先を送り込んだ。存在しない膣に指が入ってゆく。これは俺の指ではない。硬く勃起した部長のペニスだ。
「ああ…」
夢の中のあたしは淫乱なメス犬以外の何者でもなかった。
部長に抱かれ、あたしは激しく淫らに酔い痴れるのだ。

 

友だち思い

 

正輝が女になって一ヶ月が過ぎた。
夏休みに病気になり、男から女に変わってしまったそうだ。
学校は男子校なので、女子の制服がある訳ではない。学生服を着ている正輝は夏休み前とは何も変わって見えないので、そのまま男子生徒として通い続けることにしたらしい。
正輝が女になった事を知っているのは、親友の俺と一部の先生達だけである。他の生徒に気づかれないようにするのが、俺の役割みたいなものだ。
小便をするにも個室を使わなければならないので、正輝の出入りの際にはトイレに他に生徒がいないか見張っていてやる。今日の体育を見学にしたのも「生理」の為なのだが、風邪気味であると口裏を合わせるようにしている。
しかし、正輝が女になったことを隠すのは、だんだん難しくなってきている。上着を脱げば、元々ほっそりしていた体型が、女の曲線を描き始めているのが分かってしまう。下着は女の下着の上に厚手のTシャツとトランクスを着ているが、どうしてもブラジャーの線が浮き出てしまう。
季節は秋から冬へと移り変わってゆくので、しばらくはごまかしていられるが、春になり着るものが少なくなってくれば、そうも言っていられない。
そう、夏になれば体育で水泳もある。いくら何でも裸になれば皆の知る事になるだろう。

「本当にこのままで良いのか?」何度も聞いた事だが、正輝からはいつものように同じ答えが返ってくる。
「オレ、この学校好きだから…通えるうちは通い続けたいんだ。」
正輝の言う「学校」に「俺」が含まれていて、「学校」に占める「俺」の割合がどんどん高くなっていった…などとは、その時の俺には知るよしもなかった。

休日の朝、正輝から電話が掛かってきた。「どうせ暇だろ?オレに付き合ってくれないか?家で待ってるから。」何か奥歯にモノが挟まったような言いようではあったが、俺が暇である事には間違いはない。「判った。これから行くよ。」と返事をし、俺は正輝の家に向かった。
ドアのチャイムを鳴らす。「達也?」と正輝の声がした。カチャリと玄関のドアが開く。
と、そこには正輝はいなかった。可愛い女の子が立っている。「エヘッ♪」と彼女が笑う。「正輝?」
俺はようやく彼女の中に正輝の面影を見いだした。女になったとは理解していたが、スカートを穿いた姿など見たことがなかった。
それに…「化粧してるのか?」正輝の唇がいつもより紅く輝いていた。
「ちょっとね。ママが女の子のたしなみだからって… 変じゃない?」
「別に。」俺は、似合ってる、可愛いよ。と言おうとしたが、口から出たのはたったそれだけだった。

「じゃあ行こ!」と正輝に手を引かれ、外に出た。「あとコレ持ってね♪」とバックが渡された。
「なぁ、どこに行くんだ?」「ヒマなんでしょ、どこでも良いじゃない。」「でもなぁ…」と俺は正輝の後を付いてゆく。

「…動物園。オレと一緒じゃ嫌か?」しばらくして正輝はそう言った。ほんのりと顔を赤らめている様は、初な女の子そのものだった。
「なんか、女の子とデートしているみたいだ。」クジャクの檻の前だった。「オレは最初からそのつもりなんだけどな。」と返ってきた。
「お腹空いたぬ。あっちに芝生があるよ。」と俺を引っ張ってゆく。「バック出して。」と俺が運んできたバックからビニールシートを出して広げた。
「座って♪」言われるがまま、靴を脱いでシートにあぐらをかいた。正輝は正座をして、バックからいろいろ取り出してゆく。
「もしかして、お弁当?」「そうだよ。オレが作ったんだぞ。と言うか、ママに作らされたっていうのかな?」
アルミホイルの中からおにぎりが出てきた。タッパの中には鳥の唐揚げにタコさんウィンナー、別のタッパにはナシが入っていた。
「沢山食べてね♪」と勧められるままに手を出した。「美味しいぞ。」お世辞でなく、そう思った。「ママの特訓の成果だね。」
あっという間に食べ尽くしてしまった。腹が満たされた所為か、日差しの暖かさに眠気を覚える。「ちょっと休憩な。」と俺はシートの上に横になった。
芝の上を流れる風が心地良かった。

 
気が付くと、俺の頭は正輝の太股の上にあった。膝枕というやつだ。女の子の脚は適度に柔らかかった。
「起きたの?」正輝の…女の子の顔が、俺の目の前にあった。口紅に輝く唇が艶めかしい。このまま、抱き締めて、唇に吸い付きたい衝動に駆られる。
正輝は親友だ。病気で女になっただけで、俺と正輝は男同士の熱い友情で結ばれているんだ。と、淫しい妄想から意識を逸らした。
「達也…」愛らしい唇から、か細い声で俺の名前が呼ばれた。
俺は動けなかった。指一本動かせない。視線は正輝の唇に釘付けられていた…

チュッ

音を発てて、軽く触れ合った唇が離れていった。
「オレのファースト・キスだからな!!」と念を押された。もちろん、俺にとっても初めてのキスだった。相手が正輝だと思うと…
いや、否定はしない。正輝とのキスは嫌ではなかった。心地よかった。それは、相手が正輝だからなのだ。

上半身を起こし呆けている俺を余所に、正輝は後片付けを済ましていた。「あっちにサルがいるみたいだよ。」
結局、俺は正輝のベースで動物園を歩き回ることになっていた。
そんなに広い動物園ではないのだが、全てを廻るとかなりの時間をそこで過ごしていた。
もちろん昼寝をはじめ、かなりの休憩時間が間に挟まっていたのは確かである。

動物園を後にして、街に戻っても即には帰ろうとはしなかった。
街中をぶらつき、洒落た喫茶店で珈琲を飲んだりしていると、またたく間に空は夕闇に包まれていった。街はネオンの光に満たされた。
「ねえ、ココに入ろうよ♪」
正輝が誘ったのはラブホテルだった。今日の俺はどうも正常な判断ができなくなっているようだ。正輝の言葉に素直に従ってしまう。
俺の前で正輝が服を脱いでいった。服の上からでも正輝の女らしい身体を解っていたが、女の下着に包まれた肉体を見せられると、正輝が女になった事を改めて思い知らされるのだった。
「この間、生理があったんだ。オレ、正真正銘の女になったんだ。」正輝は背中に手を廻し、ブラのホックを外した。「オレのオンナをあげられるのは、達也、お前しかいない。」
パンティ一枚になった正輝が俺に近づいてくる。
「オレは他の男に抱かれるなんて考えることができない。」正輝は俺の服を脱がし始めた。Tシャツを脱がし、抱きついてくる。素肌に正輝の膨らんだバストが押しつけられた。

正輝の手がトランクスの縁に掛かる。正輝はしゃがむと同時に俺のトランクスを引き降ろした。間近でオンナの裸体を見せつけられて、俺のペニスは俺の意思とは別に憤り勃っていた。
跪いた正輝が俺のペニスを口に咥えた。俺は拒絶する事もできず、正輝のするがままに任せるしかなかった。
やがて、快感に包まれた俺は正輝の口の中に射精していた。「あまり美味しいものじゃないね。」と言いつつも、正輝は吐き出すどころか周りに残っていたものも綺麗に舐め取ってしまった。

一緒に風呂に入り、身体を洗い流すとベッドに向かった。「来て♪」と正輝が誘う。
俺は言われるがまま、正輝の上に折り重なった。

 

季節は春を迎えていた。
「行こう!!」と真新しい制服を身に着けた正輝が声を掛けてきた。
状況に圧される形で、学校側も四月から女子の制服を制定する事にした。
ごく普通のセーラー服であるが、正輝が着ると一段と輝いて見える。正輝もそれを十分に把握しているのか、俺の前でクルリと回ってスカートの裾を膨らませた。
「はいはい、セーラー服が嬉しいのは解ったが、そんな事をしていると遅刻するぞ。」「達也は嬉しくないの?折角お揃いになれたのに…」
そう、学校側がセーラー服を導入したのは、正輝一人の為なのではない。正輝の罹った病気が流行り、生徒の半分以上が女の子になってしまったのだ。
こうなると、学校も「男子校」の看板を降ろさざるを得ない。四月からは正輝も晴れて女生徒として通うことができるようになったのだ。

「急ごう。遅刻しちゃうよ。」と正輝が手を引く。
「待ってよ。俺はまだスカートに慣れていないんだから。」

俺も一月程前に正輝と同じ病気で女になってしまったのだ。俺もまた四月から女生徒として学校に通う。

俺達が走り込んだ始業間近の校門は、セーラー服の女の子達で溢れかえっていた。

 

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