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2008年6月17日 (火)

VSC0

「これが、君が作ろうとしているVSシステムなのか?」
水原は俺の手渡したグローブを手に填めていった。「先ずはそのまま、机の上に手を伸ばしてください。」俺がスイッチを入れると、グローブは透明になった。
実際は予め入力しておいた水原の手の情報を投影させているのだが、今の彼にそこまで言っても理解できはしないだろう。「机の上に、何がありますか?」俺が聞くと、「何も見えないのだが、指先に何か当たっている感じがするな。」「それが何か触って確かめてもらえませんか?」
水原は指先を広げ、ソレを撫でまわした。「なにか壺のようなものかな?」水原の掌は、正確に壺の表面をトレースしていた。
「では次に…」と俺は三枚のパネルを取り出した。一枚を見えない壺の下に置き、残り二枚を一枚目につなげて壁を作った。スイッチを入れると水原の手の先に見事な壺が出現した。
「これは、あくまでもパネルに投影された3D映像です。」と俺は壺の中に自分の手を刺し入れた。「実体のない映像ですから、このように壁をすり抜けます。」と左右に手を振った。
「VSシステムで連動したグローブは填めた手に情報をフィードバックし、あたかもそこに存在するかのように手触りを再現します。」俺は水原を見た。「そして…いかがですか?」
俺がスイッチを切り替えると、壺は一瞬で女の脚にすり替わった。机から網タイツに包まれた脚が生えているようだ。水原の手が脚に触れた。奴の表情が崩れてゆく。愛しむように太股を撫で摩る。
水原の嗜好を調査し、俺はこの一手に掛けたのだ。「いかがですか?我々に協力していただけませんか?」俺は水原の耳元で囁いた。「いずれ、全身が再現できるようになります。そのためには、あなたのご協力が是非とも…」

 

こうして、VSCは水原を社長に迎え、彼の軽井沢の別荘を本社兼研究所として活動を開始したのだ。俺は研究に没頭し、資金繰りは水原に一任した。彼の意欲がどこから湧き出てくるのかは問わない。彼は精力的にスポンサーを見つけてきては、潤沢な資金を俺に廻してくれていた。
俺は一部屋をまるごとVSシステムの投影装置に改造した。並行して開発したVSスーツの方も、何とか形になってきた。テスト用のアバタを投影したスーツは部屋の中で自在に動かす事ができた。
俺が学会用の論文を書いていると、水原が訪れてきた。「私にもスーツを確かめさせてくれないかね?」
「良いですけど、アバタはテスト用のしかありませんよ。」「私の方はどうだって良いよ。今度は脚だけでなく、全身を写せるんだよね。あの脚は美佐君のものなのだろう?君なら美佐君の全身データを作ることなどたやすい事なのだろう♪」
実際、美佐のアバタはほぼ出来上がっていた。しかし、アバタとはいえ、恋人である美佐の肉体を水原の良いようにさせるのは気が進まなかった。
「少し時間をください。ぁあ、三日後にはご希望に沿えるようにしておきます。」その時の俺は魂を悪魔に売っていたのかもしれない。

「ほう、私の姿まで再現してくれたのか。」VSシステムを起動すると、水原の声がモニタから聞こえてきた。「で、美佐君はどこだね?」「今、ベッドの上に出します。」俺はマイクに向かってそう言うと美佐のアバタを起動させた。
「言っておきますが、彼女は何もできませんよ。寝ているだけです。」「構わんさ。」と奴はベッドの上に上っていった。
最初に美佐の太股をさする。「美佐君は本当に良い触り心地だね。」奴はその手を腰から脇に、そして乳房の上へと滑らせていった。
俺はレコーダが奴の動作を忠実に記録している事を確認した。胸を揉みしだき、唇を合わせては舌を挿入してくる。片手が乳房から離れる。その手は胸の谷間から真っ直ぐに下ろされていった。臍の上を通り、淡い茂みを抜け、秘裂に達した。
奴は割れ目の中に指を立て、膣口を揉みほぐすように蠢かせた。しばらくすると愛液が奴の指を濡らし始めた。奴は美佐の脚を抱えると、憤り勃ったモノを一気に突き入れた。
奴は己の欲望を満たすためだけに自らの腰を動かした。やがて高まりを迎え、奴は己の内にある全てを美佐の中に吐き出したのだった。

力尽きた奴は美佐の隣に横たわった。俺は頃合いと見て次のスイッチを入れた。
美佐の姿が消える。「?」奴の顔に正気が戻る。カチャリとドアが開き、新たなアバタが登場した。
「ほう、私の姿まで再現してくれたのか。」新たなアバタはそう言った。「で、美佐君はどこだね?」
「な、何で私がいる?」奴は慌てた。「大丈夫ですよ。その空間には水原さんは一人しかいません。今のあなたは美佐ですから。」
「構わんさ。」とアバタがベッドの上に上っていった。奴の取った行動を着実に再現する。「美佐君は本当に良い触り心地だね。」アバタは奴の太股を撫でながらそう言った。奴には抵抗する事は許されていない。
奴は自分自身の行った行為を、美佐として甘受するしかできなかった。「ダ、ダメッ!!」アバタの手が奴の股間に達する。圧し留めようと手を伸ばすが、奴の力ではアバタの行為を阻止する事はできない。
「あ、ああ!!」アバタの指が奴の膣に差し込まれた。膣の中でアバタの指が蠢く。男が経験しえない感覚に奴は翻弄された。やがて、それが快感であると認識する。「ああんっ、あん♪」奴が嬌声を上げ始めた。
アバタが奴の脚を抱えた。奴はもう抵抗など考えていない。肉襞をヒクつかせて男を誘っている。その中にアバタのペニスが突き立てられた…

水原の精神は完全に破壊されていた。自分が何者かを理解できない。平らな胸に手を当て、揉むような動きをする。股間に手を伸ばし、ある筈のない穴に挿入しようと無駄な努力を続けている。「ああん。あん♪」奴の口は意味をなさない喘ぎ声しか打さなかった。
俺は知り合いの医者に後を託した。

こうして俺は美佐を守った。いずれ、この罪を償わなければならない時が来るだろうが、今ひと時は安らぎを得て文句は言われないだろう。

「愛してる♪」
俺は美佐の肉体を抱き、彼女の耳元で囁くのだった。

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コメント

VSCの世界。これから広がりそうですね。
VSCの巨大なドームを作れば、街が出来そうですね。そこではどんな出来事が起こっているのかな?

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