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2008年6月10日 (火)

VSC

夏休みの学生は暇である。これで金と女があれば言うことナシなのだが、生憎オレにはそのどちらもない。
女は無理だとしても、金ならアルバイトで稼ぐこともできる。求人情報を漁っていると、VSCというIT系の会社が掛かった。一ヶ月の期間限定であったが、結構見返りもある。暇な学生にはうってつけだ。場所は軽井沢だが、交通費支給とある。一ヶ月のバイトの合間には、軽井沢でバカンスを楽しめる…
と、早速申し込んでいた。

軽井沢駅で待っていたワゴンに乗った。「あと一時間は掛かるから寝てても良いわよ。」とハンドルを握るお姉さんが言った。「え?バイトの場所は軽井沢じゃなかったの?」とオレが言うと、彼女はクックと笑った。「軽井沢には違いないわよ。旧軽は有名だけど、軽井沢って広いのよ。」
オレはガイドブックで見知った軽井沢の景色を後にするとリクライニングを倒した。緊張が一気にほぐれたようで、オレはいつの間にか寝てしまっていた。

「君にはここで寝泊まりしてもらう。」案内されたのは真っ白な部屋だった。ウレタン・ボックスのようなベッド、それと同じ素材でできていると思われるサイコロ状のものはイスなのだろう。調度はそれしかない。「ここは、我がバーチャル・スペース・カンパニーの最重要施設であるVSスクリーンだ。ここに様々な映像を投影し、快適な空間とは何かを模索しているのだ。これまでは社員で実験していたのだが、今回、広く一般から公募することにしたのだ。」「で、オレは何をすれば良いのですか?」「貴方には、」
ワゴンを運転していたお姉さんが話を引き取った。「一ヶ月の間、VSスーツを着てこの部屋で生活してもらいます。貴方の心理状態等がスーツ経由で記録されます。貴方には様々な環境を経験してもらいますが、一部の行動に関してはこちらから規制させていただく場合がありますのでご了承ください。」
「って、何か命に係わるような事はないですよね?」と聞くと、「ご心配なく。貴方の前には私自身が三ヶ月程実験しています。よろしければ、早速スーツを着てもらえませんか?」と真っ白な全身タイツのようなものが渡された。「全て脱いでくださいね。」と彼女は妖艶な笑みを浮かべていた。

「聞こえますか?」彼女の声が隠されたスピーカから届いてきた。「はい。」と返事をしたが、何故かその声はオレの耳には届いてこなかった。「大丈夫よ。こちらでは聞こえているから。では最初のVSを投影しますね。馴れないと眩暈を起こすから、目を閉じていて。良い?」
オレは言われた通りに目を閉じた。そして「目を開けて良いわよ。」の声とともに目を開いた。
辺りは一変していた。白しかなかった部屋の中に色が付いていた。とは言っても、会社の応接室のような落ち着いた雰囲気があった。窓の外には高層ビルが建ち、白いベッドは皮張りのソファに変わっていた。

目の前には彼女がいた。
「いいえ、それは私の姿をしているけれど私ではないわ。それよりも、貴方の着ているものを見てご覧なさいな♪」「は、はい。」オレは視線を下ろした。
確かにオレの服は真っ白な全身タイツではなくなっていた。いや、それよりも、何で胸元が膨らんでいるんだ?「前を見て。」彼女の声がした。「それは鏡になっているのよ。今の貴方はVSによって私の姿が投影されているの。」
確かにオレが動けば同じように目の前の彼女も動いていた。「声を出してみて。」「あ、あぁ…」とオレの喉から出てきたのは女の声だった。
「感覚とかもフィードバックされているからね。試しに胸を揉んでご覧なさい♪」オレが胸に手を当てると、手のひらに柔らかな感触があった。と同時に胸に触れられた感触もあった。更に指を立て、胸を掴んだ。
「あ、ああん♪」突然の快感にアタシは艶めかしい声を上げてしまった。「少し感度を上げたのよ。気持ち良いでしょ?」
アタシの耳には彼女の声は届いていなかった。ブラのカップに乳首が触れているだけで快感が沸き起こってくる。いつの間にかショーツがぐしょぐしょに濡れていた。
「だ、だめ…立ってらんない♪」アタシは床の上に崩れ落ちていた。鏡の中には上気したアタシの顔が写っていた。
「じゃあ、私の代わりにこの先一ヶ月、社長の相手をお願いね。」女の人の声と入れ替わりにドアが開いた。
男の人が入ってきた。股間が膨らんでいる。それはアタシが今一番欲しいもの…
「ねぇ、アタシに頂戴♪」擦り寄ってゆくと、彼はアタシを優しく抱き締めてくれた。

アタシは裸で床の上に寝ていた。立てた膝の間に彼が割り込んでくる。「いいかい?いくよ♪」彼のペニスがアタシの中に入ってきた。「良いね。本物みたいだ…」

何を言っているの?アタシは元々女の子よ。何でも良いから早く動いて!!
そしてアタシの中にザーメンをいっぱい吐き出して頂戴♪

 

「貴方、軽井沢は初めて?」アタシは男の子をワゴンに乗せるとVSCに向かって走り始めた。

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コメント

エンドレスすとーりー?
実はこの社長は、彼を連れてきた社長?
VSスーツは、ヴィジュアルセックススーツ?
性を精巧にコピーするボディスーツ?(て苦しいですね^^;)

VSシステムは、部屋とかスーツにバーチャル空間の情報を投影し、現実世界に展開させるものです。
特にスーツはアバタの外見を再現するだけでなく、アバタが得るであろう感覚を装着者にフィードバックさせます。
従って、女性のアバタが投影されると、姿形が女性になるだけでなく、装着者に女性としての感覚もフィードバックされます。
アバタがSEXすれば、装着者が男性でも女の快感を体験することになります。

なお、アバタの相手は別のアバタでも、現実世界の男性でも構いません。現実世界の男性を相手にした場合、装着者が男性の場合には股間に男性を受け入れるための器官が一時的に作り込まれます。このため、長時間スーツを着用していると、当該箇所ばかりではなく、アバタの形状全てが装着者に転写される場合がありますので注意願います。

アバタの動作は装着者の動作を忠実に再現する事が可能ですが、予め組み込まれたプログラムにより行動を制限する事も可能です。

行動の制限は洗脳効果を伴いますので、装着者の意識にも影響を与える場合があります。過度な制限は装着者の自我を崩壊させる恐れがあります。

可能であれば装着者自身のアバタを作成し、意識のバックアップを取得しておく事をお勧め致します。

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