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2008年4月10日 (木)

女難(第1話)

「あなたの顔には女難の相がでている。」見るからに胡散臭そうな風体の占い師は、俺にそれだけ言うと姿を消していた。

そんな占い師がいた事も忘れて、俺は親友の敬司と飲んでいた。いや、飲み過ぎて足下が怪しくなっていた。「大丈夫か?」と奴の問い掛けに「大丈夫だよ。」と答えた筈が、聞こえてきたのは「たーたーうー」と日本語になっていなかった。
肩を組んで道を歩いていたが、所々記憶が飛んでいる。タクシーがなかなか捕まらない。奴が何か言っていた。「良いぞ、任した。」などと俺は答えていた気がする。
気がつくと俺はベッドの上で寝ていた。意外と二日酔いもなく、すっきりとした目覚めを迎えていた。何故かベッドはキングサイズで隣に男が寝ていた。
「敬司?」俺が声を掛けると、奴は「むむん。」とうめいて寝返りを打った。奴の顔がこちらを向く。「?!」
その顔は敬司ではなかった。しかし、知らない男でもない。それは「俺」の顔だった。その「俺」の目が驚きに大きく見開かれた。
「誰だ!お前は?」

「俺」にそう言われると俺も答えに窮する。俺が「俺」でなければ、俺は何者なのだろう?小説とかで良くある話なら、俺と敬司が入れ替わったという展開がある。俺は自分の体を見下ろしてみた。

「…」

俺は言葉を発する事ができなかった。備え付けているであろう浴衣を着ていなかったとしても、ある程度は想定していた。下着もしていないのもご愛敬とはいえ、そこに「女」の体が存在しているとは思いもよらなかった。
当然、下着もつけていないのだから、そこにあるのは真っ裸の女の体だ。開かれた股間には淡い茂みと深く穿たれたスリットが見てとれた。角度が良ければ「俺」の目ははっきりと女陰を捕らえていただろう。

「お前は敬司じゃないよな。敬司は男だし、顔も違う。」奴はむっくりと起き上がった。奴は自分が「俺」である事に疑いを持っていない。つまり、入れ替わりとか、そう言うものではないらしい。「君は敬司の紹介で来たんだな。敬司もイキな事をしてくれる。」俺は「俺」の股間が激しく勃起しているのを見た。俺は「俺」が何を考えているか、手に取るように解っていた。
ガバッと「俺」が伸し掛かってくる。解ってはいたが逃げられなかった。「止めろ!!俺は男になんか犯られたくない。」と叫ぼうとしたが、「止めろ」の所で口が塞がれた。抱き締められ、奴の舌が俺の口の中で蠢いている。
男の体が密着し、俺は…俺の「女」の体は股間に蜜を染ませていた。奴の指は的確に「女」の性感帯を刺激してゆく。俺は快感の喘ぎ声を上げ始めていた。奴の腕の中で悶える。乳房が揺れる。子宮が疼いていた。
俺は彼に奏でられる楽器となっていた。触れられる度に、俺は媚声を発する。時に大きく、時に囁くように。彼に振り回されるように体位を変えてゆく。うつ伏せにされたり、仰向けにされたり。今度は脚を大きく広げさせられた。
「ああ~~~っ!!」俺は殊更大きな嬌声を上げていた。彼のペニスが俺の中に入ってきたのだ。充分に濡れていた所為か、痛みはなく、快感だけが押し寄せてきた。
永遠とも続く悦楽の時間が過ぎてゆく。絶頂を迎えたかと思うと、更なる快感がその先に待ち受けていた。「出すぞ。」と彼が言う。ぐぐっとペニスが膨らんだと思うと、一気に爆発した。ザーメンの奔流が俺の子宮を打ちつける。新たな快感の上乗せに、とうとう俺の意識は耐えられなくなった。「あーーーっ!!!!」俺は嬌声を発し、意識を失っていた。

部屋には俺一人だけだった。再び気が付いた時、俺は元に戻っていた。しかし、「俺」に貫かれた記憶は、股間の痛みと伴に生々しく残っていた。腹の中にはいまだに「俺」の精液が子宮の中で波打っているような気がする。が、今の俺は男である。膣も子宮も存在しない。股間にはちゃんとペニスが存在している。
服を着て鏡の前に立った。スーツを着た「俺」がそこに立っていた。俺の視線はズボンの前の膨らみに注がれていた。

ズキン!!

俺の腹の中で子宮が疼いた…

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コメント

入れ替わりって・・ここまで入れ替わるお話ってすごいなぁ!
体が入れ替わり、性まで入れ替わり?

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