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2008年3月18日 (火)

魔物の卵(3)

胸騒ぎがした。俺は獲物の事は二の次に家路を急いだ。手前の街に辿り着くと、町中がざわついていた。「どうしたの?」「魔物の巣が見つかったんだ。そこの広場に焼け落ちた櫓があるだろう?魔物の卵を孕んでいた女を焼いた跡だよ。明日にでも魔物の巣を焼き払いに行く。たまげたよ、街の近くに魔物の巣があったなんてな。」俺の記憶では、この街に魔物に関する知識は皆無であった筈だ。更に聞くと、旅の導師がたまたま孕んだ女を見つけ、その腹に存在するのが魔物の卵であることを暴き、魔物の脅威を人々に説くと伴にその女を火炙りに架けたと言うことだった。
俺はこっそりと街を抜け出した。辺りを注意しながら家に近づく。当然の事ながら見張りがいる。彼らの注意を反らす為に、俺は離れた場所にある納屋に火を放った。
奴等が浮き足立っている隙に家の中に滑り込んだ。「ママ?」ドアの影から彼女が顔を出した。成長した彼女は女になった俺と瓜二つだった。「逃げましょう。朝が来れば街の人達がこの家に火を付けにくるわ。」「駄目よ、ママ。あたしは逃げられないわ。この姿はあたしの仮の姿なのよ。本体は巣に根を下ろしているの。動くことはできないわ。」「本当に駄目なの?」「これが宿命なの。だから、ママを解放してあげるわ。ママはもう自由よ。」
俺の目の前で女の顔が崩れていった。魔物が擬態を解いたのだ。同時に壁や天井が朽ち落ちてゆく。家は元の廃墟に戻っていた。「さようなら、ママ。」俺の耳に彼女の囁きが聞こえた。

俺は旅を続けた。この世界にもう魔物はいないようだ。あの導師達は組織的に魔物を根絶していった。俺はあの街に戻っていた。当然のように、中に居た魔物は焼き殺されていた。

「ねえ、オジサン♪」俺は高みから声を掛ける。戦車のハッチから上半身を晒し、張りのある乳房の先端の突起までも男に見せつける。「何だい?」「オジサンの足元にある紙袋、取ってもらえないかな?」男は地面を見ると、転がっていた紙袋を拾い上げた。「何で自分で取りに降りて来ない?」「乙女にそれを言わせる気?その中のもんがないと出るに出れないのよ!」
男は紙袋を開け、中に入っているのが女の下着である事を認識した。男は紙袋を持った手を広げ、ポトリと紙袋を落とした。男は戦車の壁面の突起に手を掛け、捩上って来た。俺は「きゃっ!!」と叫んで中に隠れる。ハッチは開いたままにしておく。男がハッチの上に立った。俺は手で胸と股間を隠しながら男を見上げた。

俺はこれから行われる悦楽の時間を思い、密かに笑みを浮かべていた。

魔物の卵(2)

朝、目が覚めた時、俺は体の異変に気づかされた。下腹が妊婦のように膨らんでいたのだ。産みつけられた魔物の卵が成長しているのだ。このままではズボンが穿けず、朝メシも食えない。宿の人を呼んで食事を運んでもらう事にした。
「あんた、魔物に引っ掛かったね。」俺の状態見た宿の主人は即にもそう結論づけた。「あんたには済まないが、ここを魔物の巣にされる訳にもいかないんでね。服は用意したから、すぐにでも引き払ってくれないかね?」そうして渡されたのは妊婦服を始めとする女の衣服ばかりだった。「あんたは知らないのだろうが、あの魔物に卵を産みつけられた男は皆、若い娘の姿となって魔物の獲物を誘き寄せる餌にされるんだ。あんたも即に女の体に変わってゆくよ。美人になることには間違いないからな。」俺は妊婦服を着せられ、宿を追い出された。仕方なく、街を離れる。数日もすると、俺の顔も女顔になり、親切な人は車に乗せてくれたりもした。逆に女と見ると手当たり次第に犯そうとする輩もいる。
俺はとある廃屋に連れ込まれていた。女として犯されることに嫌悪感もあったが、俺は抱かれる事で得られる快感を覚えてしまっていた。しかし、この輩は何の技もなく、俺は余裕で辺りを見回していた。そろそろ「巣」を定めなければならない。この廃屋なら良いだろうか?
俺がそんな事を考えていると(そうね。ここなら申し分ないわ。)と声なき声が俺の頭に響いた。誰だ?俺を組敷いている男には聞こえていないようだ。(心で話しているのよ。あたしはママの娘よ。)ま、魔物の卵が孵ったのか?こいつに俺の意識が食われてしまうのか?(まだ大丈夫よ。ここを巣にすれば、ママの意識が消えることはないわ。ここを巣にする?)あんたに依存がなければね。
俺は魔物の子と会話しながらも、男の気分を害さないように適当に喘ぎ声をだしていたが、男が射精しようとしていたので嬌声を上げ一緒にイった振りをした。(この男を苗床にしましょう。)俺は魔物の子の指示に合わせて男の背後に廻った。(行くわね。)俺の膣から、触手が顔を出した。見た目は勃起したペニスのようだった。俺はそれを男の尻の穴に突き立てた。
「あ、あう?」己の体の異変に、男は気を取り戻した。「もう遅いわ。手遅れよ♪」俺は腰を突き出し、男の腹の奥へと触手を送り込んだ。「あぐっ、あがっ!!」男は意味を成さない悲鳴を上げると、再び沈黙した。俺の中から男の中に触手が移動してゆく。生まれたばかりの触手は旺盛な食欲で男を内側から食っていった。
跡に残ったのは、白い触手ね塊だった。触手が擬態を始めた。そこに、小さな女の子が現れた。「ママ♪」少女が俺を呼んだ。「新しい獲物を見つけてきてちょうだい。その前に、あたしにも何か着るものを買ってきてね。」

子供の服は手に入れたが、店には子供の服より多くの大人の服が飾られていた。卵がなくなったことで、俺は見事なプロポーションを得ることになった。この体を飾るのにふさわしいドレスが俺の目の前で揺れていた。結局、派手なドレスも買ってしまった。魔物の子は「今の貴女に合ってるわ。」と言ってくれた。俺はそれを着て、次の獲物を捕らえに出かけた。
街を歩けばそれだけで言い寄って来る男は多い。しかし、その男の存在が消える事で騒ぎが生じれば、魔物の存在が明らかとなる。獲物は旅行者に限ることにした。が、俺は単なる撒き餌である。目的の為にも、俺は手当たり次第に男に抱かれることにした。

「ねぇ、あなた旅の人?あたし、あなたのペニス大好きよ。良かったら家に来ない?ホテル代も浮くわよ。」俺はそうやって男を誘った。男の車で家に向かう。魔物の姿にたじろぐと「この子の父親が誰だかなんて誰も詮索しないわ。ここには、この子とあたしだけ。あたし達が何をするかはちゃんとわきまえているわ。」魔物は一度だけ姿を見せると自分の部屋に引き篭もってしまう。男が「あたし」に飽きて彼女の部屋のドアを開けた時が男の最後だ。男は触手に絡め捕られ、魔物に食われるのだ。
「ママ、新しい服と獲物をお願いね。」魔物は獲物を食う度に成長する。俺は獲物の持っていた金で彼女と自分に新しい服を買う。あと2~3回も成長すれば母娘ではなく、姉妹で獲物を誘き寄せる事になるのだろう。
俺は、男の車で娘の為に獲物を探しに出掛ける。もちろん、男の車は足が付かないように処分する必要もある。「ヤバイ男に捕まっちゃってね。」純情そうな若者の車助手席で、俺はいつもの言い訳を口にしていた。お礼に俺を抱かせてやる。俺は獲物を物色しながら家に向かって行った。

魔物の卵(1)

「ねえ、オジサン♪」
高みから声を掛けてきたのは若い娘だった。乗り捨てられた戦車のハッチから上半身を覗かせていた。何も着ていないようで、張りのある乳房の先端の突起も剥き出しにしていた。「何だい?」「オジサンの足元にある紙袋、取ってもらえないかな?」地面を見ると、確かに紙袋が転がっていた。拾い上げたが、重いものではなかった。「何で自分で取りに降りて来ない?」「乙女にそれを言わせる気?その中のもんがないと出るに出れないのよ!」
紙袋を開けると女の下着が入っていた。そういう事か。俺は紙袋を持った手を広げた。ポトリと紙袋は元の位置に戻った。俺は戦車の壁面の突起に手を掛けると、キャタピラの残骸に足を乗せ、捩上るとハッチの縁に手を掛けた。
娘は「きゃっ!!」と叫んで中に隠れた。幸いにもハッチは開いたままだ。俺は一気にハッチの上に立った。下を見下ろすと全裸の娘が手で胸と股間を隠しながら俺を見上げていた。

娘の顔に笑みが浮かんだ。

「あっ!」俺は足を滑らした。体が宙に浮く。そして、娘の上に落ち…?…落ちる途中で俺の体が何かに引っ掛かった。いや、俺の体は幾本もの細かい触手に絡め捕られていた。
「ようこそ♪あたしの巣へ。」それは「娘」に擬態した魔物だった。「厭らしいオジサンだよね。女のハダカを見ると、何も考えずに近寄って来るんだもの。今は丁度お腹も一杯だし、折角捕まえた獲物をこのまま腐らせるのも勿体ないわね。そうだ、この所繁殖活動をしてなかったから、それに使いましょう。」
娘がそう言うと触手が意志をもって動き始めた。ズボンのベルトが外され、下半身が剥き出しになった。官能的な娘の裸体を前にして俺の逸物は憤り勃っていた。「ごめんね。アナタに用は無いのよ。」と娘がその先端を弾いた。娘の手の中には触手が変形したものと思われるホース状ね物があった。
「オジサンのお腹に、あたしの卵を産みつけたら解放してあげるわ。そしたら、あたしの子供の為に巣を見つけてちょうだいね。なるべく早く見つける事をお奨めするわ。時間が経つと孵化したベビーにあなたの意識が食べられちゃうからね♪」
娘の手にしたホースが俺の股間に差し込まれた。そして、ホースの中を卵と思われる塊が上ってきて、俺の腹の中に納まった。「じゃあ、よろしくね♪」娘の声とともに、触手が俺を戦車の外に放り出した。俺はズボンを穿き直すと、宿に向かって歩き出した。

その夜、俺は夢を見た。全裸の娘が俺の前に立っていた。邪魔な触手は見当たらない。俺が娘に手を伸ばそうとしたが、金縛りにあったように身動きが取れない。逆に娘の方が俺に手を伸ばしてきた。娘は俺を押し倒すと、俺の上に跨ってきた。俺もまた全裸であるようだ。が、俺の股間には憤り勃っている筈のペニスの感触がなかった。娘が俺の上に腰を下ろしてくる。俺の目には勃起したペニスが彼女の膣に入り込もうとしていた。「?!!」あり得ない感覚が俺の股間から伝わってきた。俺の股間を割って、何かが俺の中に侵入しようとしているのだ。「ぁ、ああん。」俺の口から女の喘ぎ声のようなものが発せられた。
ようやく俺にも事態が飲み込めた。俺は今、俺の上に跨っている娘の感覚を共有しているのだ。娘が腰を下ろせば、俺のペニスが俺自身に挿入されているように感じるのだ。更に俺は快感もまた彼女と共有していた。彼女が俺のペニスに貫かれ感じている快感もまた俺自身の快感として感じていた。
手を胸に当て、揉みあげる。腰を振り、膣の中をかき回す。愛液が太股の内側を滴り落ちてゆく。俺は全てを自分の事のように感じていた。「ああん、あん。イイの、もっとォ~!」それは俺自身が発していた媚声だったかも知れない。快感がエスカレーションしてゆく。俺は激しく腰を振っていた。「ぁあん♪イくぅ、イっちゃう~!!」俺は絶頂に達していた。

2008年3月13日 (木)

祈り

代われるものなら代わってあげたい…

妻がガンに侵されていると聞かされた。既に全身に転移し、手の施しようもないとの事だった。あと半年の命だと言う。妻には「風邪をこじらせたようだから検査もあって一週間程の入院となったよ。」努めて笑顔を作った。「君は働き過ぎなんだよ。これを機会に骨休みすると良い。」
俺は妻を残して病院を出ると、その足で近くの神社の鳥居をくぐった。普段は信仰のない俺だったが、この時ばかりは必死に祈っていた。やがて、空は暗闇に覆われていた。これで十分とは思ってもいないが、明日も病院に行き妻の必要とするものを届けなければならない。
「お困りのようですね。」神社を出たところに胡散臭そうな老人がいた。「よかったら、このお札を持っていきなさい。いや、お代はいらないよ。先ずは必死に願ってみなさい。」俺は渡されたお札を見た。たぶん文字だと思われるものが描かれていた。しかし、無料でもらうわけにもいかないと、お札を返そうとしたが老人の姿は跡形もなく消え失せていた。

その夜、明日の支度を終えると、俺は藁をも縋る気持ちでそのお札に祈っていた。

気がつくと、俺はベッドの上で寝ていた。窓の景色に見覚えがあった。ここは妻の病院だった。もしや?とネームプレートを見る。妻の名前があった。そして新しい自分の体を確かめるべく、胸と股間に手を伸ばした。

「あ、あなた?」病室のドアが開き「俺」が飛び込んできた。「な、何であなたがコレを持っているの?」彼の手にはあのお札が2枚、握られていた。「もしかして、あたし、死ぬような病気だったの?あなたはあたしの替わりになろうとしたの?」俺の姿の妻は涙で目を腫らしていた。「そ、そんな事はないよ。」俺が否定すると、「これを見て。」とTVのスイッチを入れた。チャンネルはどこでも良かった。TVは電車の脱線転覆事故の悲惨な状況を伝えていた。「これ、いつもあなたが乗っている電車よ。数日前、あたしの前に今日の新聞を持ったお爺さんが現れたの。記事を見せ、よかったらこれに願いを寄せてごらんなさいって、このお札をくれたのよ。あたしは、あなたがこの電車に乗らないようにと願ったのよ。」妻は俺の胸に顔を埋めた。「で、君の思惑どおり、君の看病のため俺は電車に乗る事はなかった。が、今度は君の病状につけ込んで、その老人が俺にもう一枚のお札を渡し、僕と君が入れ替わったと言うことだ。」「な、なんでそんな事を願ったの?ただ、病気を治してでも良かったんじゃない?」「それは言わないでくれ。俺も気が動転していたようだ。」

「ガンなの?」幾分か落ち着いた頃、妻が聞いてきた。このような状況では隠しても意味はない。「全身に転移していて、あと半年だと言われた。」「もう一度、もう一度このお札に祈ってみない?今度はあなたの病気が直りますようにって。」
俺は妻からお札をもらい、二人で一緒に祈りを込めた。

面会時間が終わり、俺の姿をした妻が病室を出ていった。俺はもう一度お札を手に取った。その時、カチャリとドアが開いた。入って来たのはあの老人だった。「お札を回収させていただきますよ。」と俺の手からお札を抜き取った。
「どうなっているんだ?」俺が老人に聞くと「皆様の望みを叶えてあげているのですよ。しかし、定められた運命は変えられないのです。それを知った後の皆様の絶望が私の糧となるのです。」そのままフッと老人の姿が消えていった。その直後、一台の救急車がサイレンを鳴らして病院に入って来た。

ほぼ即死だった。妻は家の手前でトラックに跳ねられていた。この日、「俺」が死ぬ事が運命付けられていたのだろうか?俺は妻の喪服を着て、妻の…いや、夫である俺自身の葬儀を出すことになった。
「定められた運命は変えられない」老人が言った言葉が、あの日「俺」が事故で死ぬ事であったとするなら、「妻がガンで半年の命」というのは老人の作った虚偽の運命であったと思いたい。数ヶ月後に俺に施された新しい手法により、俺は「半年」を過ぎても死ぬことはなかった。生き続けることが俺の運命であるならば、俺はそれを受け入れようと思った。

しばらくして、俺は別の病院を訪れた。ここは妻と何度となく通った所だ。今日は俺独りだった。医師に「俺」が死んだ事を告げた。医師はもう治療の必要はないのでは?と言ったが、俺は「最後に一度だけ試してみたい。」と申し出た。
俺は不妊治療のために冷凍保存していた「俺」の精子を俺の子宮に投入してもらった。

これもまた、運命なのだろうか?「俺」の精子は「妻」の卵子と結合し、俺の子宮に着床してくれた。俺達の子供は俺の胎の中で着実に大きくなっていった。

俺は運命を恨みはしない。いや、こうして俺達の子を授けてくれた運命に感謝している。

2008年3月11日 (火)

紅い雨

血のように紅い雨が降っていた。

俺は傘も差さずに街の中を歩いていた。「お姉ちゃん。良いの?雨に濡れると大変な事になるのよ。」小さな女の子が声を掛けてきた。「ありがとう。あたしは大丈夫だから、心配しなくても良いのよ。」と応えてやった。そう、先日の雨の日に俺はその「大変な事」に遭遇してしまったのだ。
「変身雨」とも呼ばれる特殊な放射能を帯びた雨は、宝くじの一等に当たるよりも低い確率ではあったが人を「変身」させるのだった。そして、俺は一夜にして若い女に変身していたのだった。

最初は雨に打たれて風邪をひいたのかと思っていた。妙に体が暑かったので、市販の風邪薬を飲み、風呂にも入らずにベッドに入った。薬が効いたのか、ぐっすりと眠った翌朝には清々しい目覚めが訪れていた。
「う~ん♪」と伸びをした時、いくつかの違和感を感じた。先ずは声が違う?俺の声ってもっと低かった筈だ。次に胸の辺りが圧されている。胸の上に何か乗っている?上半身を起こすと、それは重力に従って落ちようとするが、俺の胸に貼り付いているようで、胸全体が引っ張られたように感じた。パジャマのボタンを外すと、俺の胸には女の乳房がくっついていた。もしやと、股間に手を伸ばした。「な、ない…」俺の息子は跡形もなく消え失せていた。

とにかく朝なので起きるしかない。ベッドを降り、洗面所で変わり果てた自分の顔に対面した。ようやく、その時点で俺が若い女になっている事を把握した。俺自身の面影は残っているものの、それはどこから見ても女の顔だった。髪も長く伸びていた。全体的には背が縮み、体重も半分くらいになったと思えるくらい手足が細くなっている。胸には先ほどのバストがあり、くびれた腰下には脂肪の乗ったヒップが続いていた。
しかし、驚いてばかりもいられない。今日も仕事は待っている。課長の携帯に電話したら、ゆっくりで構わないし服も自由で良いから兎に角出てこい。と言われた。起きた時間は毎日と大差ないので遅れることもないなと、支度を始めた。髭を剃る必要がないのは楽だ。本物の女性なら化粧に時間を取られるのだろう。クローゼットから背広を取り出し、そこで俺の手が止まった。変身した俺は今迄より背が低くなっていた。このまま着てもぶかぶかで見られたものではない。だから課長は服は何でも良いと言ってくれたのだろうか?
ジーンズのズボンの裾を折り上げ、ぶかぶかのウエストはベルトで絞めあげた。上はTシャツの上にワークシャツを着た。IDカードと定期、財布など必要なものをディバックに詰めた。ぶかぶかのスニーカに靴下で詰め物をして、ようやく外に出られた時にはいつもより1時間以上も遅れてしまっていた。

会社には生体認証装置があり、外見の変わってしまった俺でも本人と認めてくれた。課長に連れられて応接室に入ると同じ課の女の子が控えていた。「後はよろしく頼む。」と課長は俺を女の子に託すと逃げるように応接室を出ていった。
彼女はメジャーで俺の体を計ると、内線電話でその数値を報告した。「つぎはお化粧かな?」と俺の抗議には耳を貸さず、テーブルの上に化粧道具を広げていった。
コンコンとドアをノックする音がした。仕上がり具合を確認していた彼女は一旦手を止め、ドアの外に出た。再びドアが開き、彼女が戻ってきた時には紙袋を両手に抱えていた。小さな紙袋が渡された。「これに穿き替えてね。」中には女物の下着が入っていた。「体に合った下着を着けることは大切な事なのよ。」ブラジャーのホックは留めてもらい、次に出されたブラウスのボタンが左右逆なのに四苦八苦した。
鏡の前に立たされた俺は、うちの会社の女子制服を着たOLにしか見えなかった。胸には俺の名前の入った名札が付けられていた。「これは帰りの服だからね。」と大きな紙袋が渡された。そのまま応接室を出ると、女子更衣室に連れてこられた。既に俺の名前のロッカーが用意されていた。紙袋の中身をロッカーに移し終えると、「帰りは一緒に買い物に行きましょう。課長から軍資金が出てるし、買わなきゃならないものが一杯あるでしょう?」
こうして、俺の女子社員の一日が始まった。とは言っても仕事の中身は変わらない。
胸の膨らみも慣れてしまえば気にならない。逆に男性社員と体が触れるのが気になってきた。特に課長は事ある度に俺の所に来ては肩に手を掛ける。「課長、彼女はもう女の子ですから、度が過ぎるとセクハラで報告されますよ。」たまりかねたのか女子社員の一人が課長を諭すまで、それがセクハラ行為だとは気づかなかった。

女としての生活にも慣れた頃、社内での飲み会があった。俺は男の体のつもりで、いつものペースで飲んでいた。しかし、体の大きさからして許容量が違っている。気が付くと意識が朦朧としていた。「大丈夫かい?」と課長が声を掛けてくれたのは覚えていた。

部屋の中に淫陶なオンナの喘ぎがあった。AVを点けたまま、寝てしまったかとも思ったが、この部屋は俺の部屋ではない。それに、俺独りではないようだ。俺の上に伸し掛かっている奴がいる。そいつの腰が振られる度に俺の腹の中がかき回される。「ああん♪」と媚声を上げていたのは俺自身だった。「おっ、んんっ!」奴はうめくと、俺の中に精液をぶちまけていた。と同時に、俺の体が一気に熱くなる。「あん、ああ~ん♪」と俺も嬌声を上げ、快感の津波に押し流されていた。

俺はホテルのベッドの中にいた。ジンジンと痛みを発する股間に手を伸ばすと精液と愛液の名残が指に触れた。部屋には数枚の紙幣と共に俺は独り残されていた。シャワーを浴び何事もなかったかのようにホテルを出た。
数日後、俺は生理になった。初めての経験に驚き、慌てると共に、俺は自分が女になった事を実感した。そして、もし生理が来なかったら妊娠していたと思うと背筋に冷たいものが落ちて行くのを感じた。

俺は外見上は若い女である。外見に合わせて自分の事を「わたし」と言い、女らしい言葉遣いも板に付いてきた。しかし、俺は男に戻りたかった。
紅い雨が降ると、俺は傘を差さずに外に飛び出すのだ。「変身雨」で変身した者が再度変身した事例が皆無である事を知っていても尚…

2008年3月 8日 (土)

媚香

「う~~ん。」少年は毛布にくるまってうなされていた。

南海の孤島に残された俺と少年であった。昨日までは、大した怪我もなく救援を待ち侘びる日々を送っていたのだが、少年が毒虫に刺されたらしく高熱を発してしまった。昨夜の俺は一睡もできず、少年の額の布を泉の水に浸しては取り替えてやっていた。
「お早う♪」朝になると熱も大分退いたようだ。「汗になったろう?体を拭いてあげるから、シャツのボタンを外すね。」毛布を剥ぎ、彼の胸をはだけた時、俺はドキリと心臓が脈動したのを感じた。な、何をときめいているんだ?彼は男だぞ!俺が自分自身にそう言い聞かせなければならないくらい、少年の胸には少女のような膨らみが生じていた。「おじさん?」動きが止まった俺を不審に思ったか、少年が声を掛けてきた。しかし、彼の視線の先にあったのは、隠しようもなく膨らんだ俺の股間だった。
「苦しいの?」少年の顔が更に近づく。ふぁと媚香が漂ってきた。俺は彼の手がズボンのチャックを下ろすのを止められなかった。トランクスの隙間から、ボロリと俺のペニスが飛び出してきた。躊躇することなく、彼の口がソレを咥えていた。「な、なにをするんだ?」そう聞くと、少年は淫らな視線で俺を見上げた。
「おじさんのコレ、とっても良い匂いがする。匂いが美味しいよって僕を呼んでいるんだよ。」俺はそのまま少年に押し倒された。既に彼は着ていたものを全て脱ぎ去っていた。彼はもう「彼」ではなくなっていた。股間にあるべきペニスは消え失せ、瑞々しい縦筋が穿たれていた。彼女はそこから女汁を滴らせていた。
少年…少女は俺の体に跨り、一心に俺のペニスを吸い上げていた。当然、彼女の股間が俺の目の前に位置する。彼女の濡れた股間には女としての全てが備わっていた。そこから発する芳香が俺を惑わす。俺の意思に反して、男の器官が彼女の努力に報いようとする。
「だ、駄目だ。そんな事をしてはいけない。止めるんだ。」が、俺の抵抗も虚しく、ペニスを突いた塊が彼女の口の中に放たれていた。ゴクリと音を発てて俺の精液が飲み込まれていった。「今度はこっちにお願いね♪」
俺のペニスは暖かな肉壁に包まれていた。俺の上で少女が悶え、嬌声をあげている。どれくらい続ければ終わるのだろうか?既に出るものは出しきっている。彼女から漂う媚香のせいか、俺のペニスは一向に萎える気配を見せない。やがて疲れ果てた彼女は股間にペニスを挟んだまま、俺の上に体を重ねて寝息をたて始めた。既に太陽は天頂を過ぎ去っていた。

彼は何かに刺されたと言った。昨日の午前中はいつもの通り、貨物の残骸から食べれそうなものを集めていた。そして、昼飯後に探検してくると彼は独りで山の方に向かったのだ。俺は彼の跡を辿ることにした。彼の踏み分けた跡はなんとか判別できた。しばらく行くと、その跡が突然左に曲がっていた。何か動物でも見つけたのだろうか?彼の跡は何度も折れ曲がっていた。
カサ、カサっと草葉を掻き分ける音がした。俺は音をたてないように、木の影に隠れた。音が近づいて来る。まばらな木々に見え隠れする姿は全裸の少女だった。目覚めて俺を探しに来たのかとも思ったが、どうも動きがぎこちない。何者かに誘導されているようだった。俺は彼女を忍び追うことにした。

木々が開けた場所に泉が涌いていた。少女がその縁に腰掛けると、泉の底から触手が湧き上がってきた。透明な触手は、その先端を彼女の股間に潜り込ませていた。そして、触手の中を何かが通っていった。彼女の股間から、何かが吸い取られている。それは俺の精液に違いなかった。良く見ると泉の縁には何匹かの小動物も下半身を泉に浸していた。その股間は同じように触手につながれていた。触手は泉の中央にある樹?から伸びていた。枝葉はおろか樹皮もなく、一見岩のようであるが蠢く触手は生物である。俺は食虫植物を連想していた。それは虫ではなく動物の精液を養分とするのだろう。それも、自ら牡を捕らえるのではなく、支配下に置いたメスに精液を集めさせているのだ。
しかし、これと彼が少女にされた事に何か因果関係があるのか?いや、ない筈はない。俺はどこかに見落としがないか考えてみた。と、チクリ!何かが俺の足を刺した。触手だった。俺は咄嗟に触手を掴むと俺の足から離すと同時に触手の先端を引き千切った。意識が朦朧とし始める。カバンから取り出したポリ袋に触手の一部を入れ口を縛る。それをカバンに押し込むと、一目散に海岸に向かった。

「おじさん、大丈夫?」少女は心配そうに俺の顔を覗き込むが、その手は無意識のうちにペニスを弄んでいた。彼女の撒き散らす媚香が俺のペニスを勃起させる。全てはあの植物が引き起こした事だ。精液を集める為に少年を女に変化させる。男がその気になるように媚香を与える。そして、催眠状態で集まった精液を届けさせるのだ。
彼女は俺が高熱を発しているにも拘わらず、俺の服を脱がし自らも全裸となって俺の上に跨ってきた。絶妙な膣の動きが俺のペニスを刺激する。多分これが俺の放出する、最後の精液となるだろう。俺の胸にははっきりと解る膨らみが成長を続けていた。筋肉が解け落ち、体全体が細く華奢になってゆく。肌が白くきめ細かくなっていた。「ぁあん♪」俺の喉から出たのは女の喘ぎ以外の何物でもなかった。

「ほら、船が来たみたいよ。」俺は水平線に現れた芥子粒を指差した。「ほんとう?」俺の傍らに立った少女からは、更に媚香が立ち上っていた。あの植物の犠牲者であるこの少女が男を、精液を渇望しているのだ。
俺もまた犠牲者となったことで、この島での精液の供給源が失われてしまっていた。そこで、俺は少女から大量の媚香を発せさせ、それを海に向かう風に乗せた。昼と言わず夜と言わず、彼女を興奮させて媚香を撒き散らさせた。そして、彼女の媚香に誘われて、はたして男達がやって来たのだ。

船が近づく。甲板に男達の影が揺れている。彼らも俺達を認めたようだ。手が振られていた。
俺の股間は更に疼き、だらだらと女汁を垂らして彼らが来るのを待ちわびていた。

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