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2008年2月12日 (火)

ウルトラXX

※ 「華代ちゃん」シリーズの詳細については、以下の公式ページを参照にしてください。
http://www7.plala.or.jp/mashiroyou/kayo_chan00.html


身体の奥から湧き上がって来るモノがあった。
俺はそれを必死に押さえ込んだ。これが解放され外に出ると、ろくな事が起きない。目の前の惨劇など、些細な事でしかない。怪獣退治は専門家に任せれば良いのだ。なにも、俺が巨大ヒーローに変身しなくても構わない筈だ。俺がここで変身して戦えば、更に被害が拡大するのは目に見えている。早く…早く、怪獣を倒してくれ!!

「何かお困りのようですね。」
ふと前を見ると幼い少女が立っていた。「はい、これ。」と少女が小さな紙を差し出した。名刺だった。
「ココロとカラダの悩み、お受けいたします   真城 華代」

「危ないよ。早く逃げなさい。」他の事に気を廻す程の余裕などないのだが、あどけない少女を放っては置けなかった。「駄目だよ。早く逃げなければ怪獣がこっちに来る。」「それなら大丈夫。もうすぐ怪獣退治にあの人が来てくれる頃よ。」「…それが俺なんだって。俺は巨大ヒーローになんてなりたくないんだ。」つい関係のない女の子に愚痴ってしまった。「それがお兄ちゃんの悩みですね。すぐに解決してあげます。」女の子は「そ~れ!!」と両手を振り上げた。

や、やばい!限界が来た。俺の身体が光に包まれ始めた。変身してしまう。「とうっ!!」俺は巨大化の際の衝撃に少女を巻き込んではいけないと、高々と飛び上がった。

怪獣が俺に気が付いたようだ。やつが天空の輝きを見上げる。「メタモルフォーゼ!!」いつになく俺は叫んでいた。変身のプロセスがいつもと違う?
服が弾け飛ぶように消えていった。必要以上に身体が動かされる。スーツがパーツ毎に装着されてゆく。顔はマスクで覆われず、髪が長く伸びて頭頂に結い上げられた。「燃える正義の紅い炎。ウルトラ・ルージュ!!」とポーズを決める。巨大ヒーローと化した俺は心言でしか会話ができなかったのだが、今の口上はあたりに響き渡っていた。それよりも、何だこの「声」は?甲高く女のようだ。それに、スーツも腰の周りをひらひらしたものが被っているし、腹や太股など露出している箇所がやたらと多い。そして胸元には男にはある筈のない谷間が出来上がっていた?!
「アギャーッ」怪獣がこちらに向かって口を開いた。うだうだ悩んでいる暇はない。奴は破壊光線を吐き出した。「たぁー!!」俺は空中で身体を捻り、真上から奴の頭に蹴りを入れた。着地と同時にスカートが捲れる。恥ずかしさが込み上げる。その一瞬の隙を突いて奴の尻尾が振り回される。両腕で防御したが支え切れず、瓦礫の山に飛ばされてしまった。
「きゃっ!!」思わず叫び声が出てしまった。「やぁっ!」態勢を直して奴の懐に飛び込むとパンチを繰り出した。「ガガッ」と奴がうめく。効いているみたいね。奴の前脚をかい潜り飛び上がると奴の後頭部にかかとをめり込ませた。「グオッ」奴がよろめく。返す脚で顔面に蹴りをお見舞いした。
間合いを取って、高々と手を上げる。掌に光が生まれ、炎の塊へと成長してゆく。「熱き正義の怒りが燃える。受けてみなさい…ルージュ・パーフェクト!!」放たれた炎球が奴を包み込んだ。
「ガガ、グォーーン!」断末魔の叫びを上げて、怪獣の動きが止まった。炎が収まると、真っ白な怪獣の塑像が残った。が、それも一瞬のこと。端から崩れ出すと、塵芥となって風に飛ばされていった。

「今回も上手くいったわね。巨大ヒーローになるのが嫌なら、ヒロインになれば良いのよね。ありがとうウルトラ・ルージュ♪」災厄の源たる華代ちゃんは、そう言って大空に手を振っていた。

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コメント

で、この娘をハンターにとも思ったのですが、既存のハンターシリーズの流れを考えると規格外な設定ですので諦めました。
60号あたりで、変身前は六道猛で…なんて考えていました。
(奈落)

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