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2008年1月25日 (金)

卒業式

魚住美緒は男勝りを絵に描いたような女の子だった。
女の子からもラブレターをもらうような彼女が「付き合って欲しい。」と言われたのは高校三年の秋だった。大学受験を控えている時期にそのような時間は無いと判ってはいたが、僕達はどうにかしてデートの時間を作り出していた。付き合ってみればこんなにも女の子らしい子はいないと思ったが、それは彼女が造りあげた幻影でしかなかった。
クリスマスの夜、彼女に連れられるようにしてラブホテルに入った。お互い初めてのことであったが、何とか目的は果たした。しかし、その次の日「やっぱり、私には女の子はやれない。付き合いは無かったことにしてくれないか?」と宣言された。結局、僕は彼女を翻意させる努力もせずに、そのまま受験の波に飲まれていった。

卒業式の翌日、僕は彼女に呼び出された。「私の個人的な卒業式に付き合ってくれないか?」
待ち合わせの場所に、彼女は大きな紙袋を持って待っていた。「何なんだい?」と聞くと、「卒業式に必要なものさ。」としか答えてくれなかった。私服の彼女は以前と違い女の子らしさの小片も残していなかった。それは単にスカートではなくズボンだったという類のものではない。彼女の雰囲気からして男を感じさせられた。だから、デートと言うよりは友達同士の付き合いのようにしか見えなかった。
「クリスマスの後、いろんな子と付き合ってみたんだ。」ファミレスの片隅で彼女はそんな事を言った。「女をやめた筈なのに、お前との以上の快感を得ることができなかったんだ。だから、最後にもう一度だけお前とやってみたいんだ。それが私が女を卒業する儀式だと思っている。」「僕は別に構わないけど、そんなんで本当に良いのか?」「私の決めた事だ。けれど、お前にもちょっと難しい注文を出すことになる。」「な、何なんだよ。一緒に死んでくれと言うのはなしだぞ。」「大丈夫。肉体を傷付けるような事はしない。今は詳しい事は言えないが、できればOKしてほしい。」魚住の真剣な瞳に僕は圧倒されてしまっていた。
場所はクリスマスの夜と同じ。ホテルも部屋の場所も。そこにいるのが魚住と僕の二人だけであることも。紙袋には、あの日と同じ服が入っていて、それに着替えさせられた。但し、彼女の着ていた真っ赤なドレスを着たのは僕の方だった。「今からお前が美緒だ。私は男として女の美緒を抱く。」彼女…彼はそう言って僕を抱き締めた。

「ぁあん♪」喘ぎ声を上げたのは僕の方だった。彼は女の子の感じる所を熟知していた。僕は自分が男なのか女なのか判らなくなっていた。「やっぱり美緒が一番だ。」彼の手がスカートの中を這上がってくる。「あぁ、もうパンティが濡れているね。」と彼の手が股間を撫で上げる。「いやっ!!」と僕はスカートの上からその手を抑えつけた。
「美緒は感じ易いんだね。」僕の抵抗など牙歯にも掛けずショーツの中に手を入れた。「美緒のアソコがひくひくしている。」彼の指が入り口を刺激していた。「○×?!」彼の指が僕の中に入って来た。僕は意味を成さない叫びをあげた。それは痛みではない。これまで経験したことのない快感であった。そして僕は一気に上り詰めていった。「あぁ、あぁ、ああ~~ん♪」
僕は一瞬、頭の中が真っ白になってしまっていた。確かにイッた筈なのに、僕のペニスからは射精した形跡がない。「美緒はちゃんと、女としてイけたんだよ。」そう言って、彼は愛撫を続けながら僕の服を脱がしていった。「今度は俺の番で良いよね。」彼が全裸となった僕の股間を押し開いた。僕の課下腹部が疼いていた。「キて♪」僕は彼に向かって腰を突き上げるようにした。
「行くよ。」彼が言った。彼が僕の中に入ってくる。実際は僕のペニスが彼の方に挿入されているのだが、僕の感覚は全て女のものに変わってしまったようだ。「良いぞ。美緒のは良く締まる。」僕は挿入されてくる彼のペニスを愛しく思った。二人の股間が密着した。「動くよ。」と彼、「うん♪」と僕。僕の膣の中を彼のペニスが動きだした。
「あぁ、もうイきそうだ。」彼がうめく。「良いヨ。出して、僕の中に。」そして、ドクリと僕の膣に彼の精が放出された。「あ、ああ~~っ」彼と同時に僕も再び絶頂に達していた。

二人は高校の正門の前にいた。既に夜も更けており、門は閉ざされていた。二人はそれぞれの制服を着ていた。「ありがとう。俺の個人的な卒業式に付き合ってくれて。心残りではあるが、これで君とは別れ別れだね。」詰め襟姿の彼はいつになく逞しく見えた。「いいえ。僕もあなたと一緒に卒業できたと思う。だから…だから、これでお別れなんて言わないで。」「美緒…、こんな俺だけど、この先も付き合ってくれるというのか?」彼の視線が僕の瞳を貫いてゆく。
「はい…」僕は小さいけれどはっきりと、そう答えていた。何故か僕の目に涙が浮かんでいた。僕はスカートのポケットからハンカチを取り出そうとしたが、それより先に彼が僕を抱き締め、こぼれた涙を舐め取っていた。

「行こうか?」彼が歩き始める。僕は足早に追いつくと、彼の腕に僕の腕を絡めた。
二人を囲む並木の桜はまだ蕾を付けたところだった。

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コメント

性から、そして自分からの卒業。
これからもこのふたり、いい関係でいられそうですね。

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