復讐
僕は執拗にインターネットの中を徘徊した。もちろん日本語のサイトだけに止まらず、様々な翻訳ソフトを介在させて、地球上のあらゆる場所から情報を寄せ集めてきた。
その目的は「復讐」だ。イジメは被害者がどの程度のダメージを受けているかなど判っていない。それどころか、自分が加害者であることすら意識していない事がある。そんな奴らにいくら抗議したところで、どうなるものでもない。だから、僕は復讐するのだ。
「これが良い。」僕はそのサイトを見付け、にやりと笑みを浮かべていた。入力フォームに必要事項を書き込んでゆく。全ての入力を終えてボタンを押すと、毒々しい文字で「ヨイカ?」と聞いてきた。僕はためらわずにYESをクリックした。
「お前の望みは聞き入れられた。明日を楽しみに待っていろ。」僕の意識はそこでプッツリと途絶えていた。
朝、学校の教室のドアを開けた。昨日、僕に女装を強要した奴らの姿はもうどこにもいない。ここには心優しい女の子達しかいない。「おはよう。今日も可愛いわね。」美人の娘が声を掛けてきた。これが昨日僕の尻に肉棒を突っ込んだイジメの中心人物であったとは、誰が想像できだろうか?
僕の復讐はクラスの全員を優しい女の子にしてしまう事だった。誤算だったのは、僕自身もその対象に入っていたということだが、それさえも構いはしない。だって、僕も優しい女の子なのだから。
こうして、男子校だった僕の学校に女の子だけのクラスが存在することになった。誰もその事を不思議に思うことはなかったが、その日を境に何故か学校全体の学力がUPしたらしい。
人を呪わば穴二つ・・というか、同じ穴?
う~ん、願い事は正確に言わないと危ないなぁ。
投稿: よしおか | 2007年10月19日 (金) 20時23分