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2007年9月16日 (日)

ラストサービス

雨が降っていた。傘は持っていなかった。「よかったらもう少し飲んで行きませんか?」スナックの娘に声を掛けられる。「まだボトルは残っていますよ。」「でも、それはあいつのだろう?」俺はさっさと帰って行った同僚の名前を言った。「大丈夫ですよ。なんならこれからの分もあのひとに付けておきましょうか?」「い、いや。自分の分は自分で払うよ。」「律義なひとね?」僕は彼女に腕を曳かれスナックに戻っていった。
「あなた、このお店初めてでしょう?」既に客は僕ひとりとなっていた。ミホは僕の隣に座りグラスを傾けていた。「初めてなら、まだあたしの秘密は聞いていないわよね。」「秘密?」「そうよ。」そう言って僕の手を取るとたくし上げたスカートの中に誘い込んだ。
「?」ショーツの上から触れただけでそれが異物であることは判った。更にショーツの中まで引き込まれる。掴まされたものは紛れもない、男のペニスだった。「お、男?」
「そうよ。胸もこうして脱着自在なの。」と彼女の胸からバストが外された。僕のシャツのボタンが外され、彼女の温もりの残ったものが僕の胸に乗せられた。もう一方も付けられてシャツのボタンが嵌められる。余分なものがあるため窮屈ではあったが、なんとか止まった。
「あぁ、やっばりかわいいわ。」部屋の装飾鏡に映し出された僕は髪の毛さえ無視すれば、紳士服の宣伝で男物のスーツを着た女の子に見えた。「ちょっと動かないでね?」とのママの声と同時に頭に何か被された。ママが櫛を通した後、鏡の中の僕はセミロングの髪の女の子だった。「ねぇ、ドレスも着てみない?」僕は魔法に掛かったように、なんの抵抗もできないまま、ドレスを着せられ、顔に化粧まで施されていた。
「ママ、あたし着替えてくるから。」と言って裏に回ったミホが暫くして戻ってきた。が、そこに立っていたのは一人の若い男だった。ミホであった男はそのまま僕の隣に座った。
「あらあら、お客さんとコンパニオンが入れ代わってしまったわね。」「じゃあママ、今夜の分はボクに付けておいてよ。」と男が言う。「ハイハイ」とママが下がると彼がこちらを向いた。「と言う訳だから、気にしないで飲みましょう。」と男の口からミホの声がした。彼がミホであることは間違いないようだ。ミホがグラスを差し出す。つられて僕も自分のグラスを手に取った。チンとグラスの縁がぶつかった。「この不思議な夜に乾杯♪」

気が付くと僕達は街を歩いていた。もちろん僕はドレスを着たまま、その上にコートを羽織っている。既に雨は上がっていた。水溜まりにネオンが反射し、幻想的だった。
ふたりが入ったのはラブホテルだった。コートが脱がされ、ドレスのファスナーが降ろされる。肩紐が外されるとドレスは足元に落ちていった。女の下着を着た僕の姿が現れる。「セクシーだよ。」と首筋にキスをされると、僕は「あんっ」と女のように喘いでいた。彼の手が僕の胸元に降りてくる。ブラの中からバストを引き出し、その先端を弄び始めた。「あん、だめよ。」鋭敏な乳首が勃つのを感じた。「ここまで来たんだ。良いんだろう?」と、そのままベッドに押し倒された。
彼の手がショーツの上から僕の股間をさすっている。「ほら、あんたのココは物欲しそうにヒクヒクしてるぜ。」彼の言葉に僕の股間から何かがジワリと滲み出ていた。
ショーツが脱がされる。彼の指が僕の股間を刺激する。愛液が溢れ、彼の指が僕の中まで差し込まれる。僕は甘美な快感に押し流され、何かが奇怪しい事に気付くことなく、何も考えられなくなっていた。
彼が僕の脚を抱えていた。「いくよ。」と声を掛けられた。彼のペニスが僕の股間に当たっている。それがグイと押し込まれた。それはスルリと僕の内に入っていった。
彼が動くと、僕は快感の渦に飲み込まれていった。

気が付くと、僕はベッドの上で独り寝ていた。彼の姿はどこにもなかった。
身体を起こすと、股間に昨夜の汚れの残滓が落ちてきた。僕はシャワーを浴びて汚れを落とすことにした。バスルームの扉を開けると、鏡に全裸の女が映し出される。偽物の筈のセミロングの髪は僕の頭皮から直接生えていた。張り付けたバストに境目などない。これに感覚があるのは実証済みだった。
部屋の隅に置いてあった紙袋には僕の服が下着ともに一式入っていた。しかし、しばらく考えた末に昨夜のショーツを履きブラジャーを付けることにした。その上に着るものはドレス以外にない。
ハンドバックに入っていた化粧道具で顔を整える。紙袋に入っていた僕の服から部屋の鍵や財布等を抜き取り、ハンドバックに詰め込んだ。コートを羽織り部屋を出たあたしは、もう一人の女でしかなかった。

「おはようございます♪」
あたしの声に事務所の皆が振り向いた。つかつかとヒールを慣らして自分の席につき、パソコンを立ち上げたのを見てようやく、あたしが誰か判ったようだ。
「なぁ、今夜も行かないか?」と昨夜はさっさと帰ってしまった同僚が声を掛けてきた。「あたしを満足させてくれるのかしら?」と返すと、奴はすごすごと身を引いていった。
「ねぇ、今夜飲みに行かない?」今度はあたしが女の子達に声を掛けた。「あたしの秘密を教えてあげるわよ。」

ホテルの一室で、あたしは彼女達の前に裸体を晒た。「どう?あなた達と同じでしょう。」だが、彼女達は「ちっち、惜しかったわね。」と一斉にスカートを捲り上げた。ショーツの前面が異様に膨らんでいる。その内側にはあたしの股間から失われたモノが存在していた。「本物の女の子は久し振りね。」と、ベッドに押し倒された。彼女達のペニスが代わる代わるにあたしを貫いてゆく。あたしは精液にまみれながらも、悦楽に浸っていた。
「あなたも、あの店に行ったんでしょう?」彼女達が話し掛けてくる。「あたし達は性器はそのままなのにね。」「逆に性器を変えられただけの男達もいるわよ。股間は女になっても外見は男のままだから気付かなかったかしら。」「じゃあ、この娘が最後だったんじゃない?何かのサービスじゃないかしら。」
あたしは言った。「そんな事どうだって良いじゃない。ねぇ、もっと続けましょう♪あたしの中をぐちゃぐちゃに掻き回して頂戴。」あたしは手近のペニスを引っ張ると股間に導いていった。

2007年9月 1日 (土)

HP更新&SF大会

今年のSF大会は世界大会ということで「Bilingual Samples」に新作を追加しました。

これは大会のファンジンアレイで配布します。

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