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2007年1月27日 (土)

ベットに入りサイドテーブルに置いてある瓶から一錠の薬を取り出す。「良い夢が見れますように。」そう言って飲み下すと、一気に深い眠りへと引き込まれていった。

長い時間、正座をしていると膝から下の感覚が無くなってしまう。分厚い座布団に座っている感じになる。
こうなると、もう座り続けるしかない。少しでも腰が上がり脚に血が巡りだすと、猛烈な痺れが襲ってくるからだ。仕舞にはこんな脚なんか要らないなんて思うようになってゆく。
では脚がなかったらどんな感じになるのだろうか?達磨みたいに座り続けるのは厭だ。蛇みたいに地面を這うのも美しくない。魚のように自由に動き回れる方が良いに決まっている。イルカの姿も良いが、陸上とも行き来できるアシカやアザラシも捨て難い。しかし拍手しかできない手や丸太のような胴体は如何ともしがたい。
やはり人魚のような半人半魚が理想的だろう。理想といえば男の人魚は美しくない。イメージされるのは人魚姫だ。長い髪を靡かせて海の中を舞い踊る。美しい尾鰭がユラユラと揺れていた。

トントンと肩を軽く叩かれた。意識が現実に引き戻される。と、同時にピシリと板状のものが背中にヒットした。

バランスが崩れる。

僕は床の上に倒れた。膝が伸びて一気に血液が流れだした。痛みに声も出ない。
床の上でのたうちまわっていると、ミシミシとズボンが破れていった。脚が一本にひっ付いていった。先端がペタペタと床を叩いている。魚の鰭のようだ。
緑色の髪が伸びてゆく。シャツの胸の辺りが内側から押し上げられ、双つの山を形作った。胸に手を当てると、胸から当てられた手を感じた。この胸は造り物ではない。胸に当てた手が見えた。白く、指は細くなっていた。
誰かが全身を映せる鏡を持ってきた。
鏡に映る僕は、着ているものを除けば、絵本にあった人魚姫そのものだった。

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コメント

え?だとすると座っていたのはデンマークの港?
う~ん芸術だ!

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